人事評価にAIは活用できる?メリット・デメリット・事例を徹底解説!人事評価システム3選も紹介 - freeconsultant.jp for Business
ビジネスコラムColumn
最終更新日:2025.11.25
人事/組織構築/業務改善

人事評価にAIは活用できる?メリット・デメリット・事例を徹底解説!人事評価システム3選も紹介

適切に運用された人事評価制度には、人材育成や従業員のモチベーション向上、離職率の低下といった効果が期待されます。しかし、適切に運用するには、相応の業務負荷が発生するのがネックと言えるでしょう。

そこで検討されるのがAIの活用です。人事評価における意思決定をAIに支援させることができ、公平かつ迅速に意思決定を行うことができます。AIは理由もなく感情的に低い評価を下すようなこともないため、正当に人事評価を行うことが可能です。

今回は、人事評価におけるAIの活用について、メリットやデメリット、事例を交えながら徹底解説します。AI搭載型サービスの紹介もしていますので、検討中の方はぜひ参考にしてください。


1.人事評価におけるAIの活用が注目されている

近年、人事評価にAIを活用する企業が急速に増えています。AI活用が進む主な背景は、以下の3つです。

それぞれ詳しく解説していきます。

1.評価のバイアスを減らし、公平性を高められる

従来の人事評価は、上司の主観や印象に左右されるケースが少なくありませんでした。AIを活用することで、勤務データ、成果指標、スキルアップ履歴など、定量的な情報をもとに評価できるようになります。

その結果、以下のようなメリットを享受できるでしょう。

  • 感情的、主観的な評価のブレを軽減する
  • 客観的なデータを根拠にした納得感のある評価ができる
  • 評価結果の透明性向上により、社員の信頼感が高まる

公平性の高い人事評価は、従業員の満足度向上や離職防止に直結するため、AIによる客観的な評価は必須とも言えるでしょう。

2. 人材育成や配置の最適化ができる

AIは、社員一人ひとりのスキル、成果、キャリア志向を分析し、最適な配置や育成方針を提案できます。感覚的な判断ではなく、データに基づく人材戦略になるのがポイントです。その他、以下のようなメリットも得られます。

  • 社員ごとに「どのスキルを強化すべきか」を可視化する
  • 部署やプロジェクトごとの適性を分析して配置を最適化する
  • 組織全体でのリスキリング計画を立てやすくなる

人材戦略を強化することで、社員育成や配置検討に必要な時間を短縮できるほか、最低限の人数で最大限の効果を発揮できるようになります。

業務効率化や人件費削減のためにも、AIは積極的に活用していくべきと言えるでしょう。

3.評価業務の効率化と属人化の防止

AIが面談記録や目標達成度を自動で集計、分析することで、評価にかかる時間を大幅に削減できます。

また、評価データがクラウド上で一元管理されるため、属人的になりがちな評価プロセスを標準化できるのもポイントです。

AIを活用した人事評価は、下記の理由で年々注目度が上がっています。

  • 膨大な評価データをAIが自動集計、分析してくれる
  • 評価コメントの自動生成やサポートをしてもらえる
  • 管理職や人事担当者の負担を軽減できる

今後は生成AIを組み合わせるなど更に工夫し、目標設定の支援や面談内容の要約など、より戦略的な人事マネジメントを行っていく必要があるでしょう。

2.人事評価にAIを導入するメリット7つ

人事評価制度の評価作業を行うために、AIを導入するメリットを5つ紹介します。

1つずつ解説するので、ぜひチェックしてみてください。

①業務負荷が軽減する

人事評価制度に限らず、あらゆる場面でAIを導入する際に期待される効果の1つが、業務負荷の軽減です。

人事評価にはさまざまなやり方が存在します。もっともシンプルなのが、評価シートを用意して配布し、従業員たちに記入してもらい回収したのち、集まった回答をもとに評価を行うやり方です。しかし評価シートでの人事評価の場合、スムーズに回収できず催促が必要な場合も少なくないでしょう。他にも評価項目が複雑になるほど、業務負荷はより大きくなります。

これら一連の業務のうち、AIが担える部分を任せることで、業務負荷を大きく軽減できるでしょう。空いた時間は、ほかの業務に割くことができるため、人事評価の作業効率もあがります。

②公平かつ意思決定が早くなる

人事評価では、評価を行う側に公平な視点が求められます。特定の従業員に対してひいきしていたり、逆に理由もないのに感情的に低い評価を下したりするようなことは、あってはいけません。

その点AIであれば、公平かつ迅速に意思決定が行えます。評価軸が複数あっても、複数のデータを迅速に参照しながら的確な意思決定が可能です。

③評価項目が増える

より的確な人事評価を行うには、さまざまな視点から評価基準を設けることが大切です。人事評価にAIが加わることで、評価基準や評価項目が複雑に増えたとしても、人が人事評価を行うのに比べて迅速に対応できます。

人事評価のために新しい仕組みを導入しようとすると、どうしても作業を行う人的リソースがネックになりがちです。AIの高い処理能力を活用することで、リソース課題の解消も期待できるでしょう。

④新たな可能性の発掘

AIによってより効率よく、そして効果的に人事評価を行えるようになれば、これまで日の目を見なかった新たな可能性を発掘できることもあります。人材不足に悩まされる企業にとって、限られた人的リソースの可能性を探ることは、極めて重要です。

従業員によっては、自身が活躍できる十分な機会に恵まれないまま、離職を決断してしまうケースもあります。優秀な人材を残さないためにも、AIによる人事評価で従業員一人ひとりの可能性に注目して、新たな可能性を発掘できるようにしましょう。

⑤エンゲージメントが向上する

企業において重要な言葉の1つに「エンゲージメント」があります。エンゲージメントとは、従業員の会社に対する愛着心や思い入れといった意味合いです。

エンゲージメントを高めることは、優秀な人材を流出させないために極めて重要です。AIによる人事評価は、人為的評価にありがちな偏りを無くすことができ、やりがいやモチベーションだけでなくエンゲージメントにも影響を及ぼすでしょう。

⑥モチベーションが見える化される

AIを活用した人事評価システムであれば、従業員のモチベーションやエンゲージメントの状態をデータとして可視化できます。

これまで「やる気の変化」や「熱意」など定量的な要素は、上司の主観や会話からしか把握できませんでした。一方、AIであれば行動データや業務ログからモチベーションを分析し、より客観的に評価できます。

たとえば、勤務時間、成果物提出のペース、チーム内での発言量などをもとに、意欲の変化を早期に察知できれば、退職リスクの予防に役立ちます。

AIが抽出した傾向に基づいて上司がタイムリーに声かけするなど、モチベーション維持、増進にも役立つでしょう。

AIを導入することで、従業員一人ひとりの心理的な変化を見逃さず、より働きやすい環境づくりや適切な人材マネジメントに繋げることが可能です。

⑦ハイパフォーマーを発見できる

AIを活用することで、これまで評価者の経験や感覚に頼りがちだった「優秀な人材の発掘」をデータに基づいて行うことが可能です。

AIは、売上、成果だけでなく業務効率やタスク完了速度などのデータも分析対象にできます。その他、チーム全体の成果への貢献度や他者へのサポート行動も評価できるので、評価者の主観に左右されず、実際の行動、成果に基づいた公平な評価を行えるのがポイントです。

また、単に優秀な社員を見つけるだけでなく、彼らの強みを活かしたキャリア設計や組織全体のパフォーマンス向上にもつながります。

成果指標、行動ログ、チーム内での影響力などを多角的に分析しながら、表面化しにくい「隠れたハイパフォーマー」を見つけ出しましょう。

3.人事評価にAIを導入するデメリット4つ

人事評価制度でAIを活用するには多くのメリットがありますが、知っておきたいデメリットも存在します。

ここでは、人事評価にAIを導入するデメリットを4つ紹介します。

①ブラックボックス化で従業員の理解を得にくい

どれだけ公平な判断に基づいたAI評価だったとしても、その理由が明確に説明できずブラックボックス化すると、従業員によっては納得しがたいものになるかもしれません。そのため、人事評価は全社員が公平に見られるようにすることが重要です。

さらに、従業員からのAI人事評価制度に対する不満や、エンゲージメントの低下に繋がる恐れがあるため、人事評価にAIを導入するには注意が必要です。

②AIの判断に依存してしまう

AIはどれだけ複雑なデータであっても「与えられた情報をもとにした的確な判断」を行います。しかし、すべての判断をAIに依存してしまうのは非常に危険です。

人事評価では、仕事をするうえで成績を出しているか否かはもちろんのこと、各企業との信頼関係の構築など数値では推し量れない点もあります。そのため、AIはあくまでも人事評価の補佐的立ち位置でしかなく、最終決定を行うツールではないことを理解しておきましょう。 

③AI導入を反発される可能性もある

AIは近年大きく注目を集めており、AI活用については賛成の声も多く上がっているものの、慎重に判断しなければいけない部分も存在します。

どれだけメリットが大きいといってもデメリットも存在するため、場合によっては社内からの理解が得られないこともあるでしょう。その一例として、日本IBM支部の事例を紹介します。

日本IBM支部の事例

IBMは、2019年にAIを用いた意思決定システム「Watson」を導入し、これまで人事評価制度を運用していました。日本IBMの従業員で作られる労働組合「JMITU 日本IBM支部」でもWatsonが採用されていましたが、評価の基準がブラックボックス化したことにより、従業員がどのような理由で低評価を受けたのか分からず、労働者が成長する機会が失われると反発しています。そのため2020年4月3日、日本支部の労働組合がWatsonの判断基準を明らかにするように開示を求めました。しかしIBMは開示の要求を拒否し、組合側と衝突しています。

上記の事例だけで、人事評価にAIを用いるのは難しいと判断するのは早計ですが、1つの例として知っておくことは重要ですので、参考として覚えておきましょう。

④AI評価に不適切な偏りが起こる可能性もある

AIの判断はデータに基づくため、学習した訓練データの内容によっては不適切な偏りが起こる可能性があります。

その一例として、Amazonの事例を紹介するので、参考までにぜひチェックしてください。

Amazonの事例

米アマゾン・ドット・コムでは、それまでAIを用いた人材採用システムを積極的に推進してきました。ところが、2018年10月に不適正な機械学習面での偏りが起こったため、同システムの運用を停止しています。当時の米アマゾン・ドット・コムの人材採用システムには、女性に対する差別的な考えを持つ欠陥があったと言われています。

同システムでは、これまで男性からの応募がほとんどを占めていたために、同システムが男性を採用したほうがよいと判断するようになってしまったのです。 

上記事例のように、不適切なバイアスが発生して歪んだ判断がなされないように、AIを扱う側は最大限注意しなければいけないことを覚えておきましょう。

4.AI活用できる人事評価システム・サービス3選

AIを活用した人事評価システムやサービスは、すでにいくつかの企業によって開発が進められ、リリースされています。
ここでは、AIを活用したおすすめの人事評価システムまたはサービスを3つ紹介します。今後人事評価にAIを導入しようか検討している企業は、ぜひチェックしてみてください。

あしたのクラウドHR:株式会社あしたのチーム

あしたのクラウドHRは、株式会社あしたのチームが手がけるAIを活用した人事評価システムです。人事評価を一元管理することができ、人事担当者の負担を軽減することができます。

あしたのクラウドHRにはさまざまな機能が備わっていますが、注目すべきは評価者モニタリング機能です。指定した目標や評価が正しく行われているか、5つの項目で判断してもらうことが可能です。また、目標添削機能も搭載されており、実現可能で具体的な目標を設定するために、AIが現状を踏まえて添削を行います。そのほかにも、360度評価や目標の管理機能、甘辛分析、1on1支援など、効果的に活用できる機能が豊富に揃っていることが特徴です。

人事評価の納得度を高めるためにも、ぜひ一度あしたのクラウドHRを利用してみてはいかがでしょうか。

Qasee:Qasee株式会社

Qaseeは、さまざまなサービスやシステムを展開するQasee株式会社が手がける人事評価サービスです。人事評価を運用する際は、評価の元となる業務データの収集が重要です。そこでQaseeは、従業員一人ひとりの業務上の状況を可視化して業務負荷チェックなど、業務データを収集し個人レポートを行います。業務状況を見ながらAIが判断してレコメンドするため、業務改善にも役立てられるでしょう。

さらに、Qaseeは業務コストの算出や業務の問題点を抽出し、業務の効率化やDX推進を強力に後押ししてくれます。そのため、人事評価だけでなく、生産性向上にも役立つサービスだと言えるでしょう。

POSITIVE

POSITIVEは、株式会社電通国際サービスが手がける人事評価サービスです。

人事評価に必要な人事管理や給与管理、就業管理、タレントマネジメントといった機能がまとめて搭載されています。人事評価やタレントマネジメントから集められたデータをもとに、AIが最適な人材を提案してくれるため、スムーズな人事管理ができるでしょう。

また人事評価サービスに限らず、業務効率化サービスの導入を検討する際は、システムが自社の規模や事業に相応しいか慎重に検討することが大切です。POSITIVEは、子会社や国といった垣根をまたいで、まとめて人事管理を行うことが可能なため、とくにグループ企業やグローバルに事業を展開している企業に最適と言えるでしょう。

5.人事評価にAIを導入活用した事例6つ

AIは未だ研究や開発が進んでいる部分が大きく、実際に現場レベルで活用するには創意工夫が必要です。自社での導入を進めるために、すでにAIが導入された事例を参考にしてみるのもよいでしょう。

人事評価にAIを導入し、活用した事例を6つ紹介します。

①[IBM]約37万人の従業員の評価をAIが支援

AIについての研究や開発を行っているIBMは、約37万人の従業員の評価を支援した実績を持つ、ビジネスに特化したAIの「IBM Watson」を活用しています。従業員の成果やスキルなど、人間が評価分析するには膨大な時間を要するのをAIで瞬時に評価しております。

なおWatsonがすべての結論を出しているのではなく、あくまでも意思決定のサポートを行っており、そのため、最終的な決定は人事部門の担当者が行っています。 

②[パナソニックホールディングス]約9万人の従業員に対話型人工知能(AI)を活用

パナソニックホールディングスでは、AIについての研究や開発も進めていることが特徴です。グループ会社の1つ、パナソニックコネクトが開発した対話型人工知能を、国内のグループ企業で活用しています。

たとえばPX-GPTは、従業員の質問に答えるアシスタントAIです。指示や質問を入力すると、訓練データに基づいてAIが10秒程度で回答してくれるため、資料作成に役立てられています。PX-GPTは2023年2月からパナソニックコネクト社内で活用していましたが、一定の成果が認められたことで、対象グループ企業を従来の7倍にまで増やして引き続き運用しています。

③[ソフトバンク]新卒採用選考の動画面接評価にAIを導入

ソフトバンクも、かなり早い段階で新卒採用選考において、人事評価AIを導入しています。2017年に採用プロセスにAIを取り入れ、AIの自然言語認識を一次選考に活用することで、採用担当者がエントリーシートを確認する時間をこれまでの4分の1まで短縮しています。

また、2020年には新卒採用選考の際の動画面接にAIを導入しました。人事担当者が採用業務を行うにあたって、必要となる場所や時間を確保する負担を減らすことに成功しています。加えて、応募する学生側にとっても、選考のための時間や交通費といった負担削減を実現しているのです。

④[防衛省]人事評価や人事異動にAIシステムを導入予定

防衛省では、人事評価や人事異動にAIシステムを導入する予定を立てています。AI人材、データ基盤などを含めた「防衛省AI活用推進基本方針」も策定しており、AIを活用するための制度、基盤整備も進めているので参考にしてみましょう。

ただし、AI査定はあくまでも「最終的な意思決定の補助」を担っている点に注意が必要です。「最終判断は人が行い、バイアス、プライバシー、説明可能性、公開性などにも十分配慮する」と報道されたことで、AI活用の可能性に期待が集まることとなりました。

防衛省のような、人事、異動が大規模かつ頻繁であり、最適配置、評価の公平性、透明性を高めながら検討する大規模組織でもAI活用の道が拓けています。

⑤[JCOM株式会社]生成AIを活用し、通話記録をもとに人事評価を実施

JCOM株式会社では、生成AIを活用し、通話記録をもとに人事評価を実施する仕組みをつくりました。

具体的には、通話内容を自動で要約したり感情分析を行ったりしながら「最終ポジティブ率」の指標を導入することで、オペレーターの応対品質を評価軸に組み入れています。また、NPS(Net Promoter Score)との相関も加えたことで、オペレーター評価の新たな評価軸として採用されました。応対品質や顧客満足度に直結する定量指標を可視化する取り組みでもあり、従来の人事評価では把握しづらかった「応対品質、顧客満足」に基づく新しい指標を導入した事例となっています。

また、人事評価だけでなく、運用改善、育成プログラムとの連動によってスキル可視化と教育支援の流れを強化する狙いも含まれているのもポイントです。

⑥[テルモ株式会社]グループ内の人財マッチングにAIを活用

テルモ株式会社では、グループ内の人財マッチングにAIを活用しています。

グループ内タレントマーケットプレイス「Terumo ONE Connect」を導入し、従業員のスキル、経験、関心を登録しているのがポイントです。AIが最適なポジションやプロジェクトを推奨するシステムを活用し、グループ内公募やプロジェクト募集がより効率的に稼働するようになりました。

また、AIのレコメンド機能により、社員、部門双方で迅速かつ精度の高いマッチングが可能になっているのも特徴です。

個々の社員が自らキャリア機会(ポジション、プロジェクト)を見つけやすくなることで、組織としても新たな視点やスキルを取り込みやすくなります。

5.人事評価でAIを導入する注意点3つ

人事評価でAIを導入するには、メリットばかりでなくデメリットも存在します。実際に導入する際は、双方を正しく理解しておくことが大切です。

ここでは、人事評価でAIを導入する際に気をつけたい注意点を3つ紹介します。

①従業員にAI評価のもとになる要素を伝える

AIによる人事評価は、何を基に評価しているのか理由などがブラックボックス化しやすいです。公正な判断だったとしても、従業員に評価基準や評価理由を説明できていないと従業員からの理解は得にくいでしょう。そのため、評価対象となる従業員からAIの活用について理解してもらうためにAI評価の基準を明確にし、説明する必要があります。

どのようなデータが判断材料になるのかを理解してもらうことで、判断が下されるまでの過程が公平であると従業員に説明することが大切です。そのほか、従業員から人事評価について質問や相談などがあった際は、担当者が直接対応することで、信頼を得ることに繋がります。

②必要に応じてAI評価を修正する

AIによる評価は、常に適切であるとは限りません。AIは過去のデータをもとに人事評価を行うため、AIによる評価の結果を人事部門が確認する必要があります。人事部門は人事評価の現場状況を把握し、必要に応じてAI評価を修正することでより的確な人事評価を行うことが可能です。 

③最終的な意思決定は人間が行う

人事評価において最も重要なのは、人間の感情や状況を理解した上での総合的な判断です。AI機能搭載の人事システムは非常に便利ですが、AIの分析結果をそのまま採用してしまうと、評価の背景、本人の努力、チームへの貢献など、数値では測れない部分が見落とされる恐れがあります。

AIはあくまで意思決定を支援するツールとしてとらえ、評価者が参考にする補助的な位置づけに留めましょう。

AI、人間がそれぞれ担うべき領域

AIは膨大なデータを高速に処理し、評価の精度を高めることが得意です。一方で、人間は数値化できない「文脈」や「感情」「チーム貢献」などを考慮することに長けています。

以下を参考に、AIと人間それぞれの担うべき領域を可視化しておきましょう。

領域 AIの役割 人間の役割
データ分析 勤務データ、成果、スキル情報などを自動で集計、分析 分析結果の妥当性を確認し、背景要因を考慮して判断
評価基準の適用 設定された評価基準に沿って定量的なスコアを算出 基準では測れない要素(努力、チーム貢献など)を補正
フィードバック データに基づく課題や改善点を可視化して提示 本人の感情や成長意欲を踏まえた言葉で伝える
最終判断 判断材料を整理し、客観的な比較を支援 最終評価・昇進・配置の意思決定を行う

AIが「データに基づく公平性」を担い、人間が「状況を踏まえた柔軟な判断」を担うことで、双方の強みを最大限に活かせるようになります。

つまり、AIを「代替手段」ではなく「判断を支えるパートナー」として活用する視点が重要です。

人事評価だけじゃない!HR Tech領域でAIは幅広く活用できる

人事評価へのAI導入が注目されている一方、HR Tech領域全体にAIを活用しようとする試みも始まっています。今後、AIは採用活動、人材育成、人材配置など幅広い領域で活用されていくでしょう。

以下では、各領域におけるAIの活用例を紹介します。

①採用活動

人事担当者が膨大な時間を費やしていた履歴書や職務経歴書のチェックも、AIを活用すれば短時間で精度の高いスクリーニングが可能です。面接評価においても、過去の面接データを基に候補者の適性を分析できるなど、フレキシブルな使い方ができるようになりました。

他に、採用活動においてAIができることとして以下が挙げられます。

  • 履歴書、職務経歴書の自動スクリーニング
  • 応募者のスキル、経験、適性の分析
  • 面接評価データの分析によるマッチ度判定
  • 適性検査や性格診断の自動評価
  • 面接日程や候補者への問い合わせ対応の自動化
  • 採用活動の進捗や結果のデータ可視化による戦略改善

候補者とのコミュニケーション、面接日程調整、問い合わせ対応などもAIチャットボットで自動化できるため、人事担当者の負担軽減にも役立ちます。結果的に採用の質とスピードが上がり、競争の激しい市場でも優秀な人材を逃さず確保できるのがメリットです。

②人材育成

人材育成において、従来は研修やOJTの進捗確認、スキル評価に多くの時間を費やしていました。しかし、AIを活用すれば社員一人ひとりのスキルや学習状況を効率的に把握でき、最適な育成プランを提供できます。

過去の研修履歴や業務データをもとに社員の強み、弱みを分析し、個別最適化された学習内容を提示するなど工夫すれば、学習効率も上がるでしょう。

他に、人材育成でAIができることとして以下が挙げられます。

  • 社員のスキル、知識の可視化
  • 個人に最適化された研修、学習コンテンツの提案
  • 過去の業務、評価データを基にしたスキルギャップ分析
  • eラーニングの進捗管理、理解度評価の自動化
  • 社員の学習履歴や成果のデータ分析による育成効果の測定
  • チャットボットによる学習サポートや質問対応の自動化

結果として、個人の能力向上だけでなく、組織全体のスキルレベルの底上げや継続的な学習文化の醸成につながるのが大きなメリットです。

③人材配置

AIを活用すれば、社員一人ひとりの能力、キャリア志向、過去の業務実績などを分析できます。分析データを活かして最適な配置プランを作成するなど、AIができる人材配置業務も増えてきました。各社員が最もパフォーマンスを発揮できる業務やポジションを予測でき、モチベーションの維持やエンゲージメントの向上施策としても効果的です。

他に、人材配置でAIができることとして以下が挙げられます。

  • 社員のスキル、経験、適性データの分析
  • プロジェクトや部署ごとの最適人員配置の提案
  • 過去の評価や成果に基づく配置シミュレーション
  • 異動や配置変更による組織全体のパフォーマンス予測
  • 将来の人材需要に応じた中長期的な配置計画の立案
  • 社員の希望やキャリア志向を反映した柔軟な配置案の生成

結果、管理職や人事担当者の負担を軽減しつつ、社員が最も能力を発揮できる配置を実現することにつながります。

組織全体の生産性向上、離職防止、個人のキャリア成長促進など複合的なメリットも得られるでしょう。

人事評価にAIを活用する際のよくある質問3つ

最後に、人事評価にAIを活用する際のよくある質問を紹介します。気になる項目がある方はぜひご参考ください。

Q1.人事評価にAIを導入して訴訟された事例はあるの?

人事評価にAIを導入したことを理由に訴訟された事例はありません。

ただし「AIがどのようなデータを基に評価を行っているのかわからない」「AIシステムの評価基準やアルゴリズムを見直さないままにシステムを運用している」など、ブラックボックス化した場合は訴訟のリスクがあるので注意しましょう。

また、AIが古いルールで評価を続けると正当な評価ができず、従業員に不利益が生じる可能性があります。労働契約や公平性の観点から訴訟リスクを生みやすく、裁判では「評価基準が明確でない」「合理性がない」と判断される可能性があるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

Q2.人事評価にAIシステムを導入する際の費用相場は?

人事評価にAIシステムを導入する際の費用相場は、以下の通りです。

項目 クラウド型 オンプレミス型 備考
初期費用 無料~約20万円 約100万円前後 導入形態による違い
月額費用 1ユーザーあたり300円~1,000円 全体では1万~6万円程度
年間費用の目安 約36,000円~12万円(ユーザー数により変動) 約100万円前後+運用費用 システム規模や追加機能で変動
費用に影響する要素 従業員数、機能の充実度、サポート体制 従業員数、カスタマイズ度、サポート体制 コンサルティング費用も別途発生
導入前のチェックポイント 費用対効果、必要機能の確認、サポート体制の確認 同左 過剰な機能導入を避けることが重要

クラウド型はインターネットを通じてサービスを利用するタイプで、初期費用が低く、月額費用で利用できます。その分、ユーザー数や必要な機能に応じて費用が変動する点に注意しましょう。

オンプレミス型は自社のサーバーにシステムを設置するタイプで、自社の運用ルールに合わせやすいのがメリットです。その分初期費用が高くなる傾向にあり、保守費用や運用コストなどの試算も事前に行っておく必要があります。

自社にとって必要な機能、規模、コスト感を可視化しながら、最適なシステムを検討してみましょう。

Q3.人事評価AIのおすすめプロンプトは?

人事評価にAIを導入する際は、以下のようなプロンプトを使用してみましょう。

項目 内容
役割の明確化 AIに担ってほしい役割を明確に指示する 「人事評価の専門家として評価してください」
評価軸の設定 評価する基準となる軸を具体的に示す 「成果達成度」「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」
評価形式の指定 出力形式を指定し、活用しやすくする 「各評価軸について1〜5のスコアとコメントをお願いします」
具体的プロンプト例1 業績報告書を評価する場合 「以下の業績報告書を、人事評価の専門家として評価してください。評価軸は「成果達成度」「課題解決力」「チーム貢献度」とし、各軸について1〜5のスコアとコメントをお願いします。」
具体的プロンプト例2 1年間のパフォーマンスを評価する場合 「この社員の1年間のパフォーマンスを「業務遂行能力」「対人スキル」「自主性」の3つの軸で評価してください。各軸について10点満点でスコアを付け、理由をコメントしてください。」

AIは与えられた指示に従って評価を行います。プロンプトで評価軸や形式を明確に指定することで、異なる社員や部署に対しても統一された評価を出せるようになるので、プロンプトづくりは特に入念にしておきましょう。

また、プロンプトが明確であればAIがどのような基準で評価しているのかも明確になり、評価の透明性が高まります。

AIの判断が人事担当者の意図に沿ったものになり、信頼性の高い評価ができるのもポイントです。

人事評価にAIを導入するなら「フリーコンサルタント.jp」へご相談ください!

人事評価にAIを導入したいと考えても「どこから手をつければいいのか分からない」「自社に合った運用方法が知りたい」と悩む企業は少なくありません。

「フリーコンサルタント.jp」では、AIを活用した人事評価制度の設計、運用、プロンプト作成まで、実務経験豊富な専門家がトータルでサポートします。多数のフリーランスコンサルタントが登録している他、人事分野の専門家や労務管理のスペシャリストも在籍しているので、自社に合った人材が見つかるでしょう。

また「社員のスキルや業務内容に応じたAIカスタマイズをしたい」など、エンジニアを頼って「フリーコンサルタント.jp」にご相談いただく方もいます。

専門家と一緒に導入を進めることで、リスクを抑えつつ成果につながるAI活用が実現できるため、まずは一度お気軽にご相談ください。

7.まとめ

人事評価制度は、適切に運用することで、企業の発展に大きく貢献するでしょう。しかしそのためには、従業員のAI人事評価制度に対する理解などさまざまな課題が存在します。企業によって抱える課題は異なりますが、適切に取り組むことが大切です。

また、人事評価を部分的にAIに委ねることで、客観的な視点から公正な人事評価ができるため、評価者によって起こりがちな評価基準のブレをなくす効果も期待できます。AIを活用する際はメリットやデメリットを踏まえたうえで、人事評価制度に導入するようにしましょう。

なおみらいワークスでは、19,000名以上のプロフェッショナル人材と企業をつなぐマッチングサービスを提供しております。AI分野や人事領域のプロフェッショナル人材も多く登録されております。ご興味ある方はぜひ一度無料相談にお申し込みください。


(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

非表示

【期間限定】プロのコンサルタントが費用感など診断します!30分無料診断