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ニーズが高まるヘルスケア領域での新規事業を成功させるポイントとは?

ヘルスケア領域 新規事業の成功ポイントとは?
近年、ヘルスケア領域の市場が変化しつつあり、新規参入する企業が増えています。2020年にはGAFAが相次いでヘルスケア事業への新規参入を発表しました。例えばGoogleは2020年8月に保険事業への新規参入を発表。AppleもApple WatchやiPhoneなどを利用したヘルスケア事業を立ち上げようとしています。また、Amazonもオンラインのドラッグストア「アマゾン薬局」を立ち上げ、推進しています。

ヘルスケア市場は近年さまざまな価値が創出されているビジネス領域の1つであり、異業種から新規参入する産業が増えています。この記事では「ヘルスケア領域とは何か?」「ヘルスケア事業に新規参入する際の課題」「事業化のステップ」について解説します。

1.ヘルスケア領域とは?

ヘルスケア領域の市場
ヘルスケア領域とは医療、介護、健康、生活など多岐にわたる概念です。ヘルスケアという語感から医療ビジネス分野だけの概念かと勘違いされますが、必ずしも医療や介護だけとは限りません。日本ヘルスケア協会はヘルスケアの定義を以下のように定義しています。

ヘルスケアとは、分析の知と臨床の知との対話の下で、産業横断的に提案される価値の創造を通じて、人々が「よく生きること(well-being)」をめざし、個人的にも社会的にも、より少ない負担で、病気や心身の不調からの「自由」を実現し、かつ自らの「生きる力」を引き上げていくための手伝いをする諸活動である。(※1) 引用元:https://jahi.jp/


少しわかりにくい言い回しで書いてありますが、平たく言うとヘルスケアとは「生活の質を向上させるための支援をするビジネスや産業」と言えます。つまり、医療や健康だけではなく生涯学習や趣味、美容などを支援したり関連商品を提供する産業もヘルスケアビジネスに含まれます。 よって、医療介護業界の企業でないからヘルスケアに参入できないというわけではありません。

「産業横断的」という言葉からもわかるように人間の生活を変化させることの支援に関わる業界の企業であればどの業界の企業でもヘルスケア領域に新規参入することは可能です。 2020年代はヘルスケアビジネスの競争が激化すると予想され、市場は急速に変化していくと思われます。政府の計算では2020年のヘルスケア産業の市場規模は国内で26兆円、海外で311兆円ですが、これが2030年には国内37兆円、海外525兆円まで変化すると言われています。(※2)

2.ヘルスケア領域の新規事業参入、よくある失敗と課題

ヘルスケア領域には多種多様な業界の企業が参入できることは上に述べたとおりですが、しっかりと計画を立てて推進しないと失敗します。このセクションではヘルスケアビジネスの新規参入で失敗するケースとその課題について解説します。

1)市場のニーズと一致していない

失敗の要因①市場のニーズやトレンドと一致していない
市場のニーズやトレンドを軽視し、現在持っている製品やサービスをそのまま活用してヘルスケアビジネスで提供してしまうと失敗するケースも。特に電子機器など他の分野で高い技術力を持つ企業にこの傾向があります。自社の電子機器の技術を活用して医療機器分野に参入しても、自社の開発した技術力や製品に自信があるが故に適切なマーケティングを行わず、業界のことをよく知らないまま提供してしまうケースです。

特にドクターなど医療機器のユーザーとなる業界の購買意思決定のプロセスはかなり特殊で他の市場とは全く異なります。例えばドクターの業界は診療科ごとの学会や師弟関係など業界内のつながりが強く、そのようなつながりへの意識が行動原理に大きな影響を及ぼします。そのような業界の特殊事情を踏まえた医療機器の提供の仕方をすることに課題があるでしょう。

2)消費者に価値がわかりづらい

失敗の要因②消費者に価値が分かりづらい
2番目の課題は、一般消費者向けに開発した製品を提供する際には製品のベネフィットをしっかりと訴求しなければ失敗するということです。ヘルスケアは最終的には生活の質の向上の支援を目指すものです。特にBtoBのビジネスしか経験のない企業では、BtoCのビジネスにおいても機能的なベネフィットの訴求に終始してしまいがちです。

例えば「健康を支援する」とか「健康を維持する」などです。これは製品の機能であるので消費者が最終的に求めているものではありません。消費者が求めているのは機能の先にある幸せ、つまり感情的なベネフィットです。一般消費者向けには「健康になった先にこういう幸せがある」という感情的なベネフィットを創出し、提供しなければ価値が伝わりづらいです。

3)理念や大義名分が無い

失敗の要因③理念や大義名分が無い
3つ目の課題は、理念や大義名分をちゃんと考えることです。ヘルスケア領域は人間の健康や生活の変化を支援するものなので、人生に直接的な価値の創出と提供をもたらします。消費者からすると自分の命や人生を預けるわけですから信頼や信用のおけない企業の製品には手を出しません。いくら製品の機能やサービスの質が良くても企業そのものが信用できなければ売り上げは伸びません。

消費者から信頼を得るには、なぜその事業をやるのか、どのような価値を創出するのか、誰のためにどのように支援するのか、という理念や大義名分をしっかりと説明することです。あくまでも消費者の人生を変化させ貢献するという一義的な目的が必要です。利益追求が前に出てしまうと消費者からは共感を得られません。

3.ヘルスケア事業の構築ステップ

このセクションでは、ヘルスケア領域の事業構築のステップを解説します。
ヘルスケア事業の構築ステップ

1)市場ニーズ調査

ターゲットとなる市場についてデータを調査し研究します。これは単に消費者の求めている支援を調べるだけではなく、業界にある習慣や規則、法律などもくまなく調べなければなりません。特にヘルスケアのうち医療や健康に関する分野は法規制が厳しい分野です。

市場に製品を出すまでにはいくつもの規制や認可をクリアしなければなりません。これは海外市場も同じです。海外は日本とは全く法体系が異なるため市場を把握するのが難しいです。どのように市場のトレンドやニーズを把握するか、そこから考えなければならないでしょう。

2)競合調査

先発した競合他社がどのような価値を創出しているか、そしてどの程度の反応を市場から得ているかを調査し、データを取りましょう。競合他社がどのようなビジネスモデルや経営体制を構築しているのか調査し、事業計画のヒントに活用します。重要なのは自社が市場のどのポジションにいるかです。先発する競合他社を調査することで市場での自社の立ち位置を把握します。

3)参入市場の決定

1と2の調査を元に参入市場を決めます。ヘルスケアの市場領域は医療、保健、健康、美容などを支援する分野が一般的です。保健分野は禁煙の支援や感染予防など健康増進のための領域ですが、健康分野はそれよりも広い概念で、心の癒やしやスポーツ、生活を楽しく変化させるための飲食やコミュニティ活動なども含まれます。

人間がなんのために健康になりたいかというと、それは幸せになるためですから、最終的には消費者に精神的なベネフィットを創出できるような市場を選ぶべきです。

4)ビジネスモデルの検討

ヘルスケア事業のビジネスモデルはさまざまな形態が考えられます。たとえば、製品、無形サービス、施設などです。上記の医療、保健、健康、美容の市場と交差させると12のセグメントに分かれます。ヘルスケアの市場で成功している企業は1つのセグメントを軸にして周辺のセグメントにも別の事業を連携して展開しています。

例えば医療機器の開発と販売を手がけているタニタだと、体重計などの医療機器の販売は保健×製品セグメントになりますが、この自社の医療機器を活用して健康カウンセリングなどを行う「健康増進プログラム」というサービスを始めました。これは保健×製品を足がかりにして保健×サービスへ連携・展開したということです。そのあとでさらに健康的な料理を提供する「タニタ食堂」という施設をオープンしました。

これは保健×サービスから保健×施設へと連携・展開したということです。 このように、1つのセグメントを足がかりにして近隣のセグメントに関連事業の枝を伸ばしていくようなモデルを見据えて参入するとよいでしょう。注意しなければならないのはセグメントの連結性です。

健康×製品から健康×サービスとか医療×製品から保健×製品のようにどちらかの軸に共通点のあるセグメントに連携、展開するのは成功しやすいですが、健康×製品から美容×サービスなど縦軸も横軸も異なるセグメントへの連携・展開は失敗しやすい傾向があります。

5)製品・サービス・施設の要件の詳細決定

参入するセグメントが決まったら売り物となる製品・サービス・施設の具体的な要件を決めます。1で述べたように、消費者のニーズだけではなく、その業界の規則や法律、習慣なども考慮して必要なものをそろえるのが重要です。

6)開発体制の構築

製品・サービス・施設の開発体制を構築しますが、上に述べたようにヘルスケア業界は消費者の共感や信頼が非常に大事ですから、コンプライアンスやモラル面での社会的な要求に応えるような観点も必要になるでしょう。例えば昨今では新型コロナウイルス感染症の流行が大きな社会問題となっていますので、テレワークの推進なども考慮に入れて構築する必要があります。そのような地道な取り組みはリリース後の消費者の信頼感に繋がってきます。

7)リリース

売り物とする製品・サービス・施設の開発が済み、必要な社会的手続きを済ませたらリリースします。

8)集客・販促

昨今の情勢もあってなかなか実店舗での集客はしづらい現状もあり、ヘルスケア業界はオンラインでの集客が主流となっています。具体的にはコンテンツマーケティングがよく用いられます。コンテンツマーケティングとは、消費者が知りたがっている情報を集客コンテンツとしてオウンドメディアなどで無料公開し、消費者との信頼関係を築くとともに、販促コンテンツに誘導し、購買行動を促す方法です。また、昨今では消費者との双方向コミュニケーションで信頼関係を築く、SNSマーケティングも台頭してきています。

9)事業内容の改善

サービスがローンチしたあとは、さらなる事業拡大のために改善をします。各種指標や消費者からのフィードバックを元に事業内容の改善点を洗い出し、なるべく早くPDCAサイクルを回す体制を構築することが重要です。

4.まとめ

この記事では、ヘルスケア領域への新規事業開発について概要を記載しました。ヘルスケア市場は多数のセグメントが関連する大規模な市場なので多種多様な企業にチャンスがありますが、一方で失敗事例も多いです。しかし、ヘルスケア業界のことを研究し、綿密な計画を立てることで成功の可能性を高めることができます。

またこのようなヘルスケア事業だけに関わらず、新規事業を推進していくためには重要なプロセスがいくつか存在します。 推進プロセスに問題があった場合、どの領域のサービスも立ち上げや成果を上げるには難しくなってしまいます。
そういった問題を解決するにあたって、外部のプロフェッショナルを招へいするのもひとつの手段となります。

なお、みらいワークスは日本最大級のプロフェッショナル人材データベースを運営している企業です。相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)


出典
​​​​​​​※1:一般財団法人日本ヘルスケア協会 https://jahi.jp/
※2:日本最興戦略(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000036w7i-att/2r98520000036wej.pdf

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