【初心者向け】プロジェクトマネジメントとは？｜必要なスキルや失敗しないための手法を徹底解説！

今後のプロジェクトのため、「マネジメント人材を育成したい」「採用したい」と検討している企業も多いのではないでしょうか。

プロジェクトマネジメントは、ビジネスや開発現場で成果を上げるために欠かせないスキルです。とくに大規模なプロジェクトにおいて、プロジェクトマネジメントが行える人材は不可欠と言えます。

そこで本記事では、プロジェクトマネジメントの基本的な考え方から成功に導くために必要なスキルや具体的な手法まで、わかりやすく解説します。これからプロジェクトを担当する方やマネジメントの基礎を学びたい方に役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

1.プロジェクトマネジメントとは？

プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトを円滑に進めて目的を遂行するための活動を意味します。
具体的には、目的の達成から逆算してプロジェクトの計画を立案し、計画実行のために人材や費用、スケジュール、進捗などのさまざまな要素を総合的にマネジメントし、プロジェクトを進めていく仕事です。

プロジェクトマネジメントは「プロジェクト管理」と呼ばれることもありますが、個々のタスクやプロセスをコントロールする点に重きを置く狭義の「管理」と、プロジェクト全体の計画から実行、プロジェクトの品質や納期、コストといったところまで総合的に見る広義の「マネジメント」として区別されることもあります。

プロジェクトマネジメントを担当する人材が「プロジェクトマネージャー」で、「プロマネ」「PM」と略されます。

プロジェクトマネジメントが必要とされる理由

プロジェクトマネジメントが必要とされるのは、プロジェクトを失敗させないようにするため、プロジェクトを成功させるためです。

長年繰り返されてきたルーティンワークであれば、業務の遂行にかかる時間や費用を精緻に見積もることもできるでしょう。
しかし、大半のプロジェクトはある目的に挑む新たな業務であり、複数人や複数部門が関与します。

そうした状況でプロジェクトマネジメントを行わなければ、

といったことが起こり、プロジェクトは失敗に終わってしまいます。
そうならないよう、プロジェクトを円滑に進めて成功させるためにマネジメントが不可欠なのです。
プロジェクトマネジメントを適切に実施することで人的資源や予算のむだが省かれれば、利益を最大化することも可能になります。

プロジェクト、タスク、プロダクトの違い

プロジェクト、タスク、プロダクトは似た言葉のように感じられますが、細かくは以下の違いがあります。

観点	プロジェクト (Project)	タスク (Task)	プロダクト (Product)
定義	一時的で明確な目的を持つ取り組み	プロジェクトを構成する小さな作業単位	顧客に価値を提供する継続的な成果物
期間	明確な開始と終了あり	数時間〜数日程度の短期作業	ライフサイクルを通じて継続的に進化
目的	特定の成果達成（例：製品開発やシステム導入）	明確な作業の完了（例：資料作成、テスト実施）	ユーザーの課題解決や価値提供
関係性	複数のタスクで構成され、プロダクト開発などに結びつく	プロジェクトの最小作業単位で、他タスクと依存関係を持つ	複数のプロジェクトで継続的に改善、開発される

プロジェクトは「何を達成するか」にフォーカスし、スケジュールや予算などの制約下で進める取り組みです。また、タスクは、プロジェクトを完了させるための「具体的かつ短期的な作業」であり、ガントチャートにおける最小ユニットなどに相当します。最後に、プロダクトは「市場やユーザーに対して提供される成果物」で、リリース後も改善や機能追加を経て価値が増していくのが特徴です。

以上の違いを押さえることで作業の粒度や管理視点をより明確にし「今何を扱っているのか」を整理しながら進めると良いでしょう。

2.プロジェクトが失敗に終わってしまう要因4つ

プロジェクトマネジメントの重要性が認識されるようになった現在も、残念ながらプロジェクトが失敗に終わってしまうことは珍しくありません。
ここからは、よく見られるプロジェクトの失敗事例を通じて、プロジェクトが失敗に終わってしまう要因や、プロジェクトマネジメント上考慮すべきポイントについて解説します。

1)使っている言葉の定義が合致していない

プロジェクトを進めていくなかでは、メンバー間でコミュニケーションをとる場面が数えきれないほどあります。
その際、同じ言葉を使っていても、その言葉が同じ定義であるとは限りません。
言葉の定義が合致していない、つまり同じ言葉を違う意味で使っており、ここからさまざまな齟齬が生じていくなどのケースが散見されます。

システム開発のプロジェクトでいえば、要件定義、基本設計、プログラミング、テストなどのマイルストーンがありますが、こうした用語もメンバーどうしが違う意味合いで使っていたら、マイルストーンとしての意味を果たさなくなってしまいます。
「このプロジェクトにおける、この言葉の定義」を都度明確にしておくことは、誤解を防ぐために重要なプロセスといえます。

2)コスト感覚を共有できていない

プロジェクトを成功させるためには、労力、費用、時間といった資源のコストを適切にコントロールする必要があります。
しかし、実働するメンバーとプロジェクトマネージャー、またはメンバーどうしでコスト感覚にずれがあると、コスト管理が難しくなります。

例えばシステム開発のプロジェクトにおいて、要件定義は非常に重要なプロセスですが、「要件定義が一番大事だから、ここは時間もお金も費やす必要がある」と考える方もいれば、「要件定義なんてPowerPointでまとめるだけだから、簡単で安くできるでしょ」と考える方もいます。
コストへの言及は漠然とした定性的表現ではなく、明確な数値をもとに定量的表現で議論、共有するなど、コスト感覚をきちんと共有できるような手法の採用が、プロジェクトのマネジメントには求められます。

3)誰も決めない

システム開発のプロジェクトにおける要件定義では、最初はさまざまな要望が挙がるものですが、多くの場合要望のすべてを採用することはできず、要望に優先順位をつけて採用可否を決めていくことになります。

しかし、なかには、要件採用の可否を誰も判断できず、言われた要望を全部詰め込もうとするケースもあります。
そうなれば肥大化した要件の分開発に時間も費用もかかり、目的の納期に間に合わない可能性が高くなることになってしまいます。

あるいは、要件を一旦決めたにもかかわらず追加要望にノーと言えず追加開発が必要になるケース、上層部から無茶なオーダーがスケジュールギリギリで降りてくるケースなども、納期遅延やコスト超過につながりがちです。
プロジェクトを計画にそって進め成功させるためには、「これはできません」「これは諦めましょう」と決断できること、それを伝えられることも大事なポイントです。

4)リモートで状況が見えない

昨今はリモートワークで進められるプロジェクトも珍しくなくなりました。
従来のように全員がオフィスに集まっている状態であれば、会議の議事録がなくてもあとで確認しやすく、各メンバーのタスクの進捗もなんとなく視界に入っていましたが、リモートワークではそうはいきません。

アジェンダや議事録などのドキュメントがない会議は決定事項も未決事項もあやふやになりやすいですし、タスクの進め方に迷っているメンバーがいてもその雰囲気をチャットで察するのは困難です。
こうしたところからプロジェクトが少しずつうまく進まなくなることもあるでしょう。
リモートワークでは特に、ドキュメントを作って共有する、プロジェクトメンバーとのコミュニケーションのとり方を考えることは、プロジェクトマネージャーの重要な仕事です。

3.プロジェクトを成功させるための注意点6つ

プロジェクトを成功させるために、プロジェクトマネージャーが押さえておきたいマネジメントのポイントはさまざまあります。前述でもその一部を取り上げましたが、ここでは特に重要な3つのポイントについて解説します。

1)目的を明確化する

システム開発プロジェクトには「企業が達成したい目的」があり、システム開発はその手段、一つの手法でしかありません。
マーケティング分野の格言に「ドリルを買いにきた人が欲しいのはドリルではなく『穴』である」というものがあります。

これになぞらえれば、システム開発のプロジェクトにおけるゴールは、システムという『ドリル』ではなく、システムによって開けることが可能になる『穴』なのです。
システム開発には高額な投資を行うことになりますが、目的がさまよってしまうと要件も絞りきれません。

果てはシステム開発が目的化してしまい、本来の目的を見失ってしまうこともあるでしょう……。
システム開発を外部委託する場合でも、目的が明確でないと受託者からの提案が低いレベルに留まりがちです。

「このシステムを作って何を実現するのか」
「この投資でどれだけの効果を得ることができるか」
上記の2つをを常に明確に意識しておくことが、開発するシステムの品質、ひいてはプロジェクトの成功自体を左右します。
プロジェクトマネージャーはまず経営者の目的意識を明確に引き出し、そしてプロジェクトメンバーと共有することが大切です。

2)現状を把握する

プロジェクトの遂行を「車で目的地に行く」ことにたとえると、急ぐ事情があるのか時間がかかってもいいのか、走るのは晴天なのか雪の中なのか、といった状況によって、選択する車の種類は必然的に変わるものです。

プロジェクトの目的を明確にするためにも、プロジェクトの計画を適切に立案するためにも、現状を正しく把握することは不可欠です。
DX推進プロジェクトやIT化プロジェクトでは、経営者の「DXをやりたい」「IT化したい」といった抽象的なオーダーをもとに進められるケースもよく見られます。

こうしたプロジェクトを成功へ導く第一歩としては、目的の明確化です。
何がどう変わるとうれしいのか？を整理する必要があります。
そのためには既存の組織構成や業務フローを書き出し、そこにどのような現状があり、どのような課題があるのかといったことを可視化することで、現状を経営者に把握してもらい経営者自身で目的を明確化ところから始めるという手法が良いでしょう。

目的を明確化することが難しくとも把握できればコミュニケーションの中で目的を可視化できると思います。
経営者と現場の間で現状を可視化し、全員の現状認識をすりあわせながらプロジェクトを進行できるようにするのも、プロジェクトマネージャーに求められる重要な仕事の一つです。

3)役割を明確化する

プロジェクトを成功に導くためには、各メンバーが「自分は何を担当するのか」「どこまで責任を持つのか」を明確に理解していることが欠かせません。役割や責任が曖昧になっていると、タスクの放置、重複、コミュニケーションの混乱を引き起こし、結果としてプロジェクト進行に重大な支障をきたす恐れがあるので注意しましょう。

また、役割はプロジェクトの初期段階で決定するだけでなく、進行中にも定期的に見直す必要があります。プロジェクトの進行に伴ってメンバーの担当範囲や責任が変わることがあるため、柔軟に対応できる体制を整えておくことが重要です。

さらに、役割の明確化はチームメンバーのモチベーションにも影響します。自分の役割と責任が明確だと「自分の貢献がプロジェクトにどのように影響するか」を理解でき、積極的に取り組むモチベーションになります。

4)プロジェクトの全体から細かいところまでを把握する

プロジェクトを成功に導くためには、全体像と細部の両方を把握し、適切に管理することが重要です。

たとえば、ガントチャートを使ってタスクの開始日と終了日を視覚的に示すことで、進捗状況を一目で把握できるようになります。プロジェクトに遅れがでた場合には迅速に対応できるので、時間のロスを防げるのがポイントです。

また、プロジェクトの進行中には定期的に進捗状況や問題点を共有することも重要と言えます。プロジェクトの全体像と細部を効果的に把握し、問題点があれば誰かがすぐに気づける体制にすることで、柔軟なチームとして動けるようになるでしょう。

5)細かい問題や課題を解消する

プロジェクトマネジメントにおける問題や課題は、たとえ小さな課題であっても根本原因を分析し、適切な解決策を立案、実施する必要があります。

細かな問題や課題の場合つい放置してしまいがちですが、そのまま放置状態が続くと後々大きな障害になり、取り返しがつかない状態になるかもしれません。結果、修正に大幅な時間を要するなど、業務効率と生産性を大きく損なうことにもなるでしょう。

そのため、進捗状況の確認、リスクの評価、チームメンバーとのコミュニケーションを通じて、潜在的な問題を洗い出す姿勢が大切です。

また、問題解決の経験をプロジェクトの教訓として活かすことで、今後のプロジェクトで同様の問題が起きにくくなります。自社だけのナレッジとして蓄積し、次回のプロジェクト成功率を上げていきましょう。

6)関わる人々とのコミュニケーションを大切にする

プロジェクトチームには、その目的や現状に応じてさまざまなメンバーが参加します。
メンバーが有するスキルや知識、経験、プロジェクトとの利害関係や達成への思い入れは人それぞれです。

多様なメンバーを適切にマネジメントするためには、プロジェクトマネージャーが「自分とメンバー」「メンバーどうし」のコミュニケーションプランを整理しておく必要があります。
システム開発のプロジェクトについていえば、開発部門と運用部門の関係がよくない、営業担当者とSEの仲が悪いといった話がよくあります。

その原因として多いのは、双方がプロジェクトの目的や現状を理解していない、利害の衝突を訴えているというような要素です。
プロジェクトマネージャーはその状況を把握し、原因を推察してコミュニケーション上の対策を打ち立てる必要があります。

また、先のリモートの話とも関連しますが、従来のオフィスワークであればクッキーや飴を持っていってちょっとしたコミュニケーションをとることができましたが、今はなかなかそうはいかないです。
つまり、コミュニケーションするまでのコストが高い状態になっています。

メンバーから見て「マネージャーに話さなきゃ」「あの人（別のメンバー）に連絡しないと」のコミュニケーションコストが高くなることと、プロジェクトマネジメントが難しくなることは比例関係にあります。

リモートワークが広く導入されるようになっている現在、メンバーのコミュニケーションコストを下げ、気軽に話し合える関係になれるようなコミュニケーションプランは、現在のプロジェクトマネージャーの大きな課題です。

プロジェクトマネジメントに必要なスキル3つ

プロジェクトマネジメントには、欠かせないスキルがあります。特にプロジェクトリーダーやマネージャーは身につけておくべきスキルなので、以下が備わっているか確認してみましょう。

①課題分析スキル

プロジェクトマネジメントにおける「課題分析スキル」は、プロジェクトの進行中に発生する問題やリスクを早期に発見し、根本原因を特定する能力です。課題分析スキルがあるプロジェクトマネージャーがいると、問題を早期に発見し、適切な対策を講じられるでしょう。たとえば進捗の遅れやリソースの不足などの兆候を早期に察知し、原因を分析することで早急なリカバリー案を構築できます。

また、課題分析スキルはプロジェクトのリスク管理とも密接に関連しています。リスクの兆候を早期に発見し、影響を最小限に抑えるための対策を講じられれば、プロジェクトの失敗を予防できるのがポイントです。

②マネジメントスキル

プロジェクトマネジメントにおける「マネジメントスキル」は、プロジェクトの目標達成に向けてチームやリソースを効果的に管理、運営する能力です。プロジェクトの進行状況を把握し、適切な判断と意思決定をするためのスキルでもあり、チームメンバーを適切に指導するために欠かせません。

マネジメントスキルには、意思決定スキル、コミュニケーションスキル、進捗管理能力なども含まれます。複数の選択肢の中から最適なものを選び、チームを適切に導く能力があれば、チームのリソースを最大限活かして運用できるでしょう。

③リーダーシップスキル

プロジェクトマネジメントにおける「リーダーシップスキル」は、単なる業務管理を超えてチームを鼓舞し、計画を実現させるための舵取り役としての能力です。優れたリーダーは明確なビジョンを提示し、メンバーに方向性と目的意識を共有させられます。動機づけにもつながるため、チームメンバーのモチベーションが上がり、限られたリソースでも高い生産性を発揮できるようになるのがメリットです。

また、プロジェクトのトップ人材にリーダーシップがあると、後進が育ちやすくなります。効果的な意思決定を下せるメンバーが増えたり、業務の属人化を防いだりする意味でも、リーダーシップスキルが非常に重要です。

プロジェクトマネジメントを行う場合の4ステップ

ここでは、プロジェクトマネジメントを行うステップを解説します。決して焦らず、シーンに応じた進捗になるよう、意識していきましょう。

①目的の明確化

プロジェクトの成功には、まず最初に「なぜこのプロジェクトを行うのか」「何を達成すべきか」といった目的、ゴールの明確化が不可欠です。明確な目的がなければ、プロジェクトは方向性を見失い、関係者間の認識にズレが生じやすくなるので注意しましょう。

「目的の明確化」はプロジェクトマネジメントの土台であり、明確な目的があって初めて計画、実行、モニタリング、改善の4ステップが意味を成します。目的がぶれないことでチームに一体感が生まれ、最終的には期限、予算、品質（QCD）すべてを満たすプロジェクトとなっていくでしょう。

ただし、プロジェクトを進めるうえでは目的を設定しただけではなく「目的に立ち返る意識」が常に求められます。メンバーが判断に迷ったときや意思決定の場面で「この行動はプロジェクトの目的に叶っているか」を自問し、責任感の高い行動を促すのがポイントです。

②プロジェクトのタスクを細かく策定する

大きなプロジェクトを扱う際、最初から全体像だけを把握しても、具体的な進行にはつながりません。まずはタスクを細かく分解して「誰が、いつまでに、何をすべきか」を明確に整理することが重要です。

さらに、細分化されたタスクごとに所要時間やコストを見積もり、計画の精度を上げていきましょう。プロジェクト目標を大項目に分け、さらに小さな作業（ワークパッケージ）まで階層化しておくと、今自分たちがどのフェーズの作業をしているのかもわかりやすくなります。

また、タスクの設定は計画段階だけで完結するものではありません。プロジェクトが進行する中で必要に応じて修正し続け、常に最新バージョンになるよう意識しましょう。

③プロジェクトの実行

プロジェクトの第三ステップである「プロジェクトの実行」では、計画段階で立てたスコープ、スケジュール、資源配分、品質基準などを実際に動かすフェーズに移ります。実行段階では、プロジェクトマネージャーがタスクを担当者へ業務を割り当て、必要なリソースを確保しながら進めるのが特徴です。

この段階では、進捗、コスト、品質の実績がリアルタイムで記録されるので、情報の行き違いが起きやすく、リアルタイムでの情報共有が欠かせません。状況に応じて計画を変更するフレキシブルさも必要で、判断が遅れるとプロジェクト全体の遅れや非効率につながるので注意しましょう。

また、プロジェクトの実行にあたって定例ミーティングや報告など、関係者間の情報共有を円滑に行い、モチベーション管理や課題対応を進めることも重要です。計画を現実に変えるフェーズが「実行」であり、ここが最もプロジェクト成功のカギを握る場面と言えます。

④進捗確認と軌道修正

プロジェクトにおける「進捗確認と軌道修正」は、計画と現状のズレを早期発見し、適切に軌道修正するプロセスです。前項でも適宜修正を加えながらプロジェクトを進行させますが、ここではより精密に進捗、計画との差異を定期的に共有することを意識します。

進捗の集計、共有後はズレの原因を分析し、適切な対処を行います。リソースの偏りやスケジュール遅延があれば、以下を再検討しましょう。

⑤外部のスポット人材を採用する

プロジェクトの要求に応じて、専門スキルを持つ外部人材を短期的に採用することも検討しましょう。

たとえばフリーランスや契約社員であれば、必要なボリュームに応じて短期での契約ができます。プロジェクトの需要に応じてスケールアップ（またはスケールダウン）がしやすく、コストも無駄になりません。社会保険料などの労務費も最小限で済み、必要なスキルに対して成果報酬を支払うシンプルなコスト管理が可能です。

また、外部のスポット人材を採用することで、社内にない知識やスキル、最新の業界知見、ノウハウを仕入れられます。外部人材の経験を活用し、その成果と学びを社内に継承することで、組織全体のプロジェクト力が強化されていくでしょう。信頼関係の構築やマネジメント体制も整えることで、受け皿としての効果が最大化されます。

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「どんな業務を依頼すれば良いかわからない」という場合でも、一緒にプロジェクトの課題を浮き彫りにしながら進められるのでご相談ください。

予測されるコスト超過やリスクに対しても、事前に備えた対応策を投入するなど、その時々に応じた判断が必要です。

進捗確認と軌道修正のサイクルをリアルタイムで継続的に回すことで、プロジェクトの進捗が保たれます。WBS、ガン、ダッシュボードなど見える化ツールを最大限活用しながら、認識の相違が出ないように対策することもおすすめです。

4.まとめ

プロジェクトマネジメントは、特定の目標を達成するために必要な計画、実行、監視、調整、完了の各段階を管理するプロセスです。プロジェクトリーダーやマネージャには、高いコミュニケーションスキルやリーダーシップが求められます。チーム内外の関係者との円滑な情報共有と意思疎通を図れるリーダーであれば、メンバーのモチベーションを維持、向上させやすくなるでしょう。

なお、自社でプロジェクトマネジメントを行える人材がいない企業は「フリーコンサルタント.jp」にご相談ください。プロジェクトリーダー経験豊富なフリーランスやマネジメント経験豊富な人材をアテンドできるため、自社プロジェクトの成功に貢献できるでしょう。

監修者プロフィール 大手通信事業会社で経験を積んだのち、法人を立ち上げ独立した、IT・DX推進、業務整理・改善を得意とするコンサルタント。 大手通信事業会社時代は、入社時からプロジェクト責任者として活躍し、新規サービス基幹システム構築や、業務整理・業務改善のプロジェクトで9年近く経験を積む。その後、自身で仲間と立ち上げた法人では、経営業務や中小企業のDX推進、システム導入を多岐にわたって経験。クライアントの状況にあったシステム導入の提案に強みを持つ。

（株式会社みらいワークス　Freeconsultant.jp編集部）

出典
※1：PMI、今後10 年間のプロジェクトマネジメント指向人材の雇用傾向とその世界的影響予測レポート「PMI人材ギャップ・レポート（PMI Talent Gap Report）」を発表（PR TIMES）
※1：Talent Gap: Ten-Year Employment Trends, Costs, and Global Implications（Project Management Institute）