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データアナリティクスでビジネス改善!3つのメリットと5つのプロセスを徹底解説

データアナリティクスとは?メリットや具体的なプロセス、注意点を解説
近年、組織に蓄積されていくデータをいかにビジネスに活用するかが重要視され、企業にとって「データアナリティクス」は不可欠になりつつあります。またAIなどの技術発展により、従来は扱うことが困難だったビッグデータの分析が可能になりました。

本記事では、データアナリティクスを導入するメリット、具体的なプロセス、実施する際の注意点を解説します。

1.データアナリティクスとは

1.データアナリティクスとは

データアナリティクスとは、企業が保有するデータを用いて業務改善や売上向上、そして組織の課題発見につながる情報を得るために行う分析のことです。データと一口にいっても、業界や部門によって顧客情報、取引履歴、購買データなど、その種類はさまざまです。

近年では、AI・機械学習などのテクノロジーの進化によって、ビッグデータを扱うことが可能になりました。ここ数年耳にする機会が増えた「ビッグデータ」とは、Excelをはじめとする従来のデータ管理・処理ソフトでは処理が困難なデータの集合体を指します。複雑で膨大なデータの作成・管理・操作する技術自体をビッグデータと呼ぶこともあります。

総務省が2020年に実施した「通信利用動向調査」では、データ収集・解析を目的にIoTAIなどのシステム・サービスを導入している日本企業は12.4%という結果でした。しかし、その内の81.1%の企業が導入効果を実感しています。データアナリティクスは今後の企業活動において重要な役割を担う存在といえるでしょう。(※1

データアナリティクスとデータサイエンスの違い

データアナリティクスと似た概念にデータサイエンスがあります。両者ともデータから洞察を得る取り組みとしては共通しているのですが、目的が大きく異なります。

データアナリティクスの目的は、過去のデータを経営者の意思決定に使ったり、ビジネスの効率化を検討することに使ったりすることです。何かを成し遂げるためにデータをアナライズ(分析)します。

一方、データサイエンスの目的は、予測モデルの構築や問題解決に必要になるアルゴリズムを開発することです。統計学やコンピュータ・プログラム、AIなどを使ってデータから有益な情報を抽出し、アルゴリズムなどをつくる取り組みのことをデータサイエンスと呼びます。

したがって「データアナリティクスを実施するためにデータサイエンスを活用する」こともありますし「データサイエンスを追求した結果、データアナリティクスが実施できた」といったことも起こり得るのです。

2.データアナリティクスを導入するメリット

2.データアナリティクスを導入するメリット

データアナリティクスを導入するメリットは、次の3つです。

それぞれ詳しく解説していきます。

1)確実性の高い未来予測が可能

データを分析することで、従来の経験に基づく予測よりも確実性の高い情報を拾い上げられます。より優れた経営判断や予測モデルを構築することで効果的なマーケティング戦略が可能です。複数のデータを組み合わせて分析の精度を高めることで、不確実性を減らせるとみられています。

2)認識していなかった課題が表面化

データの分析によって、組織内に蓄積されたデータ間の相関関係を見つけることで、認識していなかった課題や洞察(インサイト)を表面化できます。それらを活用すればボトルネックを解消できたり、顧客理解を深め新たなビジネスチャンスが生まれたりすることもあるでしょう。

3)先入観を取り除く

データの分析によって得られた情報は、先入観による偏った意思決定を防ぎます。ビジネスでは、経験や勘もときに大切ですが、売上や市場の動向を正確に把握することでより正しい判断ができます。組織内で「データ」から抽出した客観的根拠を判断基準として定着させられれば、先入観の排除に役立つでしょう。

3.データアナリティクスの5つのプロセス

3.データアナリティクスの5つのプロセス

データアナリティクスを実行する手順は以下の通りです。

それぞれ詳しく解説していきます。

1)目的を明確にする

まずは、データ分析の目的を明確にしましょう。目的が不明瞭な状態では、データ収集の際、膨大なビッグデータの中から必要な情報だけをピックアップするのが困難になり、収集作業に工数がかかります。また、分析結果がビジネスにつながらず、費やした時間やコストが無駄になるリスクもあるでしょう。

データ収集の効率性をあげ、有益な分析結果を得るためには、あらかじめデータ分析導入の目的を設定しておくことが重要です。

2)仮説を立てる

データの分析には、さまざまな手法がありますが、目的に応じた仮説立ては、データ分析において非常に重要な工程だといわれています。仮説を立てる際のポイントは個人のバイアス、つまり先入観や主観にとらわれないことです。主観が過剰に入ることで仮説に偏りや見落としが発生する恐れがあるためです。個人のバイアスを排除する方法として、客観的思考を意識しながら複数人での仮説構築が推奨されています。

3)データを収集する

データは「収集するだけでは無意味」といっても過言ではありません。データアナリティクスに活用するためには、データを分析可能な状態に加工し、体系的に整理する必要があります。

データ分析を支援するツールとして挙げられるのが、BIBusiness Intelligence)ツールです。BIツールは、膨大で複雑なビッグデータから必要な情報だけを抽出し、可視化する機能をもつソフトウェアのことを指します。BIツールを導入することで状況を正確に把握し、効率的にデータ分析を進められます。

4)データの分析を行う

データ分析の目的や収集したデータに適した手法を用いて分析を実行しましょう。正確なデータ分析には、専門的知識が必要です。しかし、BIツールを使用すれば、データアナリティクスに知見がない人でも、分析内容を選択するだけで自動で分析できるよう可視化されます。結果から見えた各データの相関関係を基に仮説の検証を行い、ビジネスのヒントとして活用しましょう。

5)分析に基づきビジネスを改善する

データ分析を終えたら、得られた情報を組織が抱える課題の解決や収益改善、業務効率化など実際のビジネスに役立てましょう。本来の目的を忘れてしまってはデータ分析を導入した意味がありません。

また、一度の分析から複数の気づきが得られることもあります。その場合、一度にすべて対応しようとせず、現状から難易度や優先順位を考慮して、実施する施策を検討しましょう。

4.データアナリティクスを行う際の注意点

4.データアナリティクスを行う際の注意点

データアナリティクスを行う際は、次の3つに注意しましょう。

それぞれ詳しく解説していきます。

1)目的ではなく手段としてとらえる

データ分析は目的ではなく、より良い意思決定を支援するための手段です。データの可視化が目的になるケースもありますが、得られた情報をビジネスにつなげることで、はじめてその価値を発揮します。データアナリティクスを活用するうえで、設定したデータ分析導入目的を見失わないことが非常に重要です。

2)客観的にデータに向き合う

データ分析の結果は、客観的な視点で捉えましょう。結果の解釈に主観を混じえないことでビジネスに活用できます。「複数人で考える」「BIツールを使用してデータを可視化する」「データアナリティクスに知見のある人物をチームに加える」といった方法を採用すると良いでしょう。

また、収集・分析するデータの種類には注意が必要です。たとえば、扱うデータが一次データと二次データのどちらに属するものかという観点があります。一次データは特定の収集目的のために新規に収集される、いわば原本のデータです。一方、二次データはすでに他の目的のために収集されたデータを指し、一次データに第三者の主観が加わっているため信頼性に注意しつつ取り扱う必要があります。

3)継続的に行う

データ分析は、一回の実施で終了することはありません。分析プロセスを見直し、何度も分析を重ねることで、得られる結果がより有益なものに近づくはずです。

また分析の結果から反映した施策を実行したら、効果測定を行い、新たな仮説を立て分析しましょう。データアナリティクスは、PDCAをくり返し回すことでビジネスの成長につながります。

5.データアナリティクスに関する資格5選

データアナリティクスを行うにあたり、下記の資格を保有している人材が役立ちます。

  • 基本情報処理技術者試験 (FE)
  • 応用情報技術者試験 (AP)
  • 統計検定
  • 統計士・データ解析士
  • データベーススペシャリスト試験
  • それぞれの試験内容や資格が裏づけるスキル、技術を紹介するため、ぜひ採用時に役立ててください。

    1)基本情報処理技術者試験(FE)

    基本情報技術者試験(FE)は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が認定しています。試験内容はコンピュータの基礎知識やプログラミング言語、データベース、ネットワーク、システム開発手法などに関するもので、問われる範囲が幅広い点が特徴です。

    基本情報技術者試験の合格者は、ITを活用した戦略を立案できる人、あるいはシステムの企画・要件定義、設計・開発・運用を担当できる人と期待できるため、積極的に採用するのも良いでしょう。

    2)応用情報技術者試験(AP)

    応用情報技術者試験(AP)も、IPAが認定しています。試験内容はソフトウェアやネットワーク、情報セキュリティ、データベース、ITプロジェクト管理などに関するもので、情報技術の実務的な知識とスキルが問われます。

    応用情報技術者試験の合格者は、組織や社会の課題に対するIT戦略を立案できる人や、システムの企画、要件定義ができる人などになれると期待できるでしょう。また、応用情報技術試験よりも上位の資格であるため、より高度なデータアナリティクスを行える人材を求めている場合は、応用情報技術者試験の合格者を探してみるのもおすすめです。

    3)統計検定

    統計検定は日本統計学会が認定している試験です。総務省、文部科学省、経済産業省、内閣府、厚生労働省が後援をしており、信頼性の高い資格であると言えるでしょう。

    試験内容は統計学の基本的な理論や手法、データの収集、整理、解析、推測統計、回帰分析、実験計画法などに関する知識とスキルなどになります。統計検定の資格保有者は、統計学の基礎から応用までの知識を身につけていて、データの分析や解釈の能力、統計的な問題解決能力を持っている人と期待できるでしょう。なお、統計試験では実力が3級や2級、準1級など段階的に分けられているため、高いスキルを持った人材を探している場合は、応募者が何級なのかを重視してみてください。

    4)統計士・データ解析士

    統計士とデータ解析士は、一般財団法人実務教育研究所が認定しています。統計士資格は、現代統計実務講座を受講して、報告課題と所定の試験をパスすると取得可能です。また、データ解析士資格は、多変量解析実務講座を受講して、報告課題と所定の試験をパスすると資格を取ることができます。

    なお、実務教育研究所は現代統計実務講座を統計レベル初級者向け、多変量解析実務講座を統計レベル中級者向けと位置づけています。したがって、統計を基礎から体系的に理解し、統計的手法を身につけている人材が欲しい場合は統計士を優先的に採用し、統計的技法を仕事に活用したい場合はデータ解析士を採用すると良いでしょう。

    5)データベーススペシャリスト試験

    データベーススペシャリスト試験も、IPAが認定しています。試験内容はデータベース設計、SQLプログラミング、データベース管理、データベース・セキュリティなど広範です。

    なお、データベーススペシャリスト試験の合格者は、企業が保有する膨大なデータを管理し、パフォーマンスの高いデータベースシステムを構築するデータベース管理者やインフラ系エンジニアを目指している方が多い傾向にあります。そのため、そういった部門の人材を欲している場合は重視するべき資格であると言えるでしょう。

    6.まとめ

    データアナリティクスの導入は、経験則に基づく予測と比較して確実性の高い情報を拾い上げることを可能にし、組織の意思決定を助けます。また、分析によって見えたデータ同士の相関関係から潜在していた課題や新たな洞察を表面化できます。

    注意点を踏まえた上で分析プロセスを構築し、分析支援のためにBIツールなどを活用しましょう。分析ツール、そして蓄積されたビッグデータを活用できれば、ビジネスチャンスの機会をさらに創出できるはずです。

    出典 ※1:情報通信白書 令和3年版(総務省)

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