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新規事業に求められる人材とは?人材に必要なスキルと人材が不足した際の対処法を解説


新規事業を成功させるためには、資金だけでなく優れた人材が必要不可欠です。専門的な人材が不足していると、新規事業が進まなかったり、事業の方向性を誤ってしまったりといった問題が生じるでしょう。

そのため、新規事業を始める際には必要な人材を知り、社内で人材を確保できるよう体制を整えることが大切です。

この記事では、新規事業における人材の重要性と求められるスキル、新規事業に向いている人の特徴を解説します。

1.「人材」は新規事業成功に不可欠な要素

新規事業の推進にあたり、人材は必要不可欠な要素です。

ここではデータを参照しながら、新規事業における人材の重要性を解説します。

◇人材確保は新規事業推進の課題の一つ

新規事業の成功は容易ではないため、目標達成に寄与できる人材をそろえることは新規事業推進の重要な課題です。

中小企業庁「中小企業白書2017」による、中小企業向けにおこなった調査データを見ると、新規事業に取り組んだ企業のうち、事業が成功したと答えたのは約30% にとどまりました。そして、そのうち経常利益率が増加したと答えた企業は、約半数です。

このことから、新規事業に取り組み、利益を向上させる確率はおよそ20%以下と、低い水準であることが明らかになっています。

出典:中小企業庁「中小企業白書2017 第2部 第3章 新事業展開の促進」(P5 、第2-3-5図「新事業展開の成否別に見た、経常利益率の傾向」参照)

同調査では、事業の成否に関わらず、新規事業に取り組んだ企業の多くが「人材不足」を課題に挙げています。(P15 、第2-3-12図「新事業展開の成否別に見た課題」参照)

また、新規事業に取り組んでいない企業に対して同様の質問をしたところ、企業の課題として最も多く寄せられた回答は「人材不足」でした。(P4 、第2-3-4図「新事業展開を実施していない企業の課題」参照)

以上のことから、人材確保は多くの企業にとって重要な課題として認識されており、新規事業を成功させるためには避けて通れない問題といえます。

◇新規事業を取り巻く人材の現状

新規事業で発生する多くの課題に取り組むためには、豊富なノウハウや経験を持つベテランの人材が求められます。一方で、社内のベテラン人材を新規事業に回せる余裕のある企業は、そう多くないでしょう。

一般的に、ベテランの人材は社内での通常業務を多く抱えており、新規事業に専念するための配置変更は容易ではありません。また、新規事業に取り組むには、既存事業での十分な利益確保が前提です。既存事業の利益率向上・維持は新規事業推進にとっても重要である以上、ベテランを新規事業に回したくても回せないというジレンマに陥りやすいのです。

しかし、ただでさえ失敗しやすい新規事業に、経験の浅い人材ばかりをアサインしても、新規事業の失敗率をさらに上げる結果になりかねません。前述したとおり、新規事業において人材確保の問題は重要であり、安易なチーム編成は避けるべきでしょう。

このような状況下で新規事業を進めるには、まずは社内で適性のある人材を見極め、育成していくことが必要です。

2.新規事業を推進する人材に必要なスキル


自社にない事業を新たに展開するには、新規事業に特化したスキルが必要です。新規事業を推進する人材に求められるスキルには、どのようなものがあるのか解説します。

◇発想力・想像力

新規事業は不確定要素が多く、必ずといってよいほどどこかで問題や停滞が発生します。このような事業を進めるためには、発想力・想像力を持って課題に柔軟に対応していく姿勢が各メンバーに求められます。

既存事業の踏襲で新規事業を成功させるのは難しく、これまでにない視点を持って、社内の課題の洗い出しやアイデア出しをしなければなりません。いくら社内業務のベテランであっても、このスキルが弱い場合、新規事業には向かないでしょう。

◇交渉力・コミュニケーション能力

新規事業は会社全体を巻き込んだ取り組みになることが多く、これまでにない事業を展開するために各部署と連絡・調整する必要が出てきます。円滑なコミュニケーションがとれないと事業推進の妨げになるため、交渉力やコミュニケーション能力は必須スキルの一つです。

また、新規事業について関連企業や顧客にプレゼンする機会もあるため、プレゼンスキルも求められます。

◇企画力・行動力

新規事業には、アイデアを具体的に形にする企画力や、実行に移す行動力が必要です。企画段階では、新規事業の目的やメリットなどを具体的にイメージし、経営層をはじめとしたステークホルダーにわかりやすく伝える力が求められます。

また、その内容を勇気とスピード感を持って実行に移せるかどうかは、事業の成否に大きく関わるでしょう。

もちろん、やみくもに行動する力を持っているだけでは不十分です。目標達成のために、いつ・どのように・どのような手順で事業を推進するのか計画する力は、実行力とともに新規事業推進の両輪となります。

◇判断力・課題解決力

新規事業では、参考にできる前例がない場面も多く、試行錯誤を繰り返して課題を解決していかなければなりません。そのため、課題を想定して試行し、問題点を洗い出して対処できるスキルが必要です。

また、課題解決にあたって、判断力も求められます。新しいことに挑戦する際は手探りになることが多く、誰もが完璧に思える解決策をもとに行動できることは少ないでしょう。そのため、各状況下で最善と思われる道を選び、勇気を持って実行に移す判断力が常に必要になります。

3.新規事業に向いている人とは?

続いて、新規事業に向いている人には、どのような特徴があるかを解説します。前述の必須スキルと加えて、人材選びの参考にしてください。

◇論理的に考えて行動できる人

さまざまな情報から論理的に現状を把握し、必要な行動を分析・実行できる能力が必要です。新規事業には積極性や熱意も必要ですが、それだけではなかなかうまくいきません。事業を取り巻く状況を観察してデータを収集・分析し、根拠のある行動に結び付けるロジカルなアプローチが求められます。

また、論理的に考えながらも、自社の特性を活かしたアイデアを創出できる人も向いています。分析結果をもとに思考しつつ、イノベーティブなアイデアにつなげる能力は、新規事業推進において大きな強みとなるでしょう。

◇モチベーションが高くチャレンジ精神が豊富な人

乗り越えるべき課題が多い新規事業では、試行を繰り返しながらもモチベーションを維持して最後までやり遂げられる人が向いています。問題が次から次に発生しても、都度乗り越えていくメンタルの強さ、諦めずにゴールを目指せるバイタリティが必要不可欠です。

また、新しいことに興味を持ち、自ら課題を見つけて積極的にチャレンジできる人も向いています。新規事業は小さな失敗と成功を繰り返しながら進めるため、チャレンジすること自体に興味を持ち、楽しめる人材が適しています。

4.人材確保はチーム単位で考えよう

新規事業を担う人材には多くのスキルが求められます。しかし、すべてのスキルを持ち合わせている人材を調達するのは、まず不可能でしょう。そのため、複数の人材を組み合わせ、チームとして必要なスキルがそろうように編成するのが、現実的かつ最適な人材確保の方法です。

チームのなかでも、新規事業のリーダーとなる人は慎重に選ぶようにしましょう。リーダーはチームの中心であり、その素養はプロジェクトの成否に大きく影響します。モチベーションが高く、チームをまとめるコミュニケーション能力を持ち、広い視野で物事を見られる人を起用するとよいでしょう。

5.自社に適正な人材がいないときの対処法

労働者人口が減り続けているなか、適正な人材を確保するのが困難な場合もあります。社内でリソースを確保できない場合にどのように対応すればよいのか、対応策を3つ紹介します。

◇社内で人材育成する

新規事業を今後も続けていくなら、社内で人材を確保するのがベストです。そのためには、社内でトレーニングをおこない、新規事業に対応できる人材を確保するとよいでしょう。

特に、新規事業は立ち上げに時間やコストがかかるため、新規事業の立ち上げ方などを学んだ人材がいると助けになります。社内に人材育成する体制がない場合は、外部機関に人材育成を委託するのも一つの方法です。

◇外部から経験者を雇う

新規事業の経験者を外部から雇う方法もあります。この場合、社内で人材育成する必要がなく、雇った人材は即戦力として活用できるのがメリットです。

一方で、新規事業は会社全体に関わる事業であるため、さまざまな部署とコミュニケーションをとって事業を推進する必要があることが懸念点として挙げられます。場合によっては、入社したばかりの人が事業を推進することで反発を招いてしまうかもしれません

そのため、外部から人材を採用する際は、企業風土に合致した人材を選ぶことが重要です。

◇業務の一部を外部に委託する

新規事業に特化したコンサルタントなどを活用し、人材不足を補うのも有効です。新規事業に特化したコンサルタントは、具体的な業務に関するさまざまな情報を持っています。そのため、業務を委託できるだけでなく、ともに事業に取り組むことによって、新規事業推進のノウハウを得られるメリットもあります。

ただし、コンサルタントによって得意な分野が異なるため、どのような役割を担ってほしいのか社内で明らかにしたうえで委託しましょう。

6.新規事業を外部に委託する際の注意点

人材不足を外部委託で補うのは、新規事業開発の有効な手段の一つです。ただし、単に委託するだけでは、新規事業の成功は難しいでしょう。

ここでは、新規事業を外部へ委託する際の注意点を解説します。

◇委託範囲を明確にする

新規事業に関する業務はさまざまであり、どの業務を委託したいかによって、選ぶべき業者が異なります。自社が担う業務範囲と委託する業務範囲を明確に区分し、役割を分担したうえで委託しましょう。

また、責任の所在を明確にしておくと、トラブルが発生した際も安心して対処できます。責任範囲が曖昧なまま事業を進めると、いざというときに深刻な問題に発展しかねないため注意しましょう。

◇情報共有は綿密におこなう

新規事業に特化した業者であっても、あくまで外部の人材であるため、自社が現在置かれている状況に詳しいわけではありません。

委託による効果を最大化するためには、事業に必要な情報をすべて委託先の業者へ伝えておきましょう。情報共有が不足すると、委託先が判断を誤る原因にもなり、事業成功の足かせになってしまいかねません。

例えば、企業風土や過去の新規事業の取り組み実績、経営陣の意向、現場の雰囲気などを伝えておくとよいでしょう。自社にとって不利な情報ほど積極的に共有し、行き違いを防ぐことが大切です。

7.まとめ

ここまで解説してきたように、新規事業を進めるためには幅広いスキルを持った人材が必要です。すべての能力を網羅した人材はなかなか存在しないため、個別のスキルに秀でた人材を集め、チームとして十分なスキルがそろうようにしましょう。

新規事業の難易度や昨今の労働力不足・人材不足の点から見ると、社内だけで必要な人材をそろえるのは難しいかもしれません。長い目で見るのであれば、社内で人材を育成するのも一つの手ですが、外部に委託するのも即効性があり、メリットを感じられる施策でしょう。

ただし、外部委託さえすれば成功するわけではありません。現状の課題を認識し、その課題にあった業者を選択する責務は自社にあります。

そこで、こうした新規事業の推進に関する課題を抱えている企業に向け、新規事業の進め方や成功のポイントをまとめたお役立ち資料をご用意しました。ぜひダウンロードのうえ、ご活用ください。

社内にノウハウを持っているメンバーがいない場合、外部のプロフェッショナルを招へいするのもひとつの選択肢にあります。

なお、みらいワークスは国内最大級のプロフェッショナル人材データベースを運営している企業です。社内ナレッジを溜めていきたい場合や社内メンバーの底上げを考えている場合などはお気軽にお問い合わせください。

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

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