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最終更新日:2024.08.29
新規事業

オープンイノベーションに大企業が注目している理由とは?

オープンイノベーションに大企業が注目している理由とは?

VUCAと言われる変化の激しい今、イノベーションを起こすための手法として大企業からも注目されているのが「オープンイノベーション」です。

今までは、”クローズドイノベーション”と言われる、自社内の技術やアイデアだけで、製品やサービスの開発を行なっておりましたが
「自社だけでは開発スピードが追いつかない」
「自社内のリソースが不足している」
このような課題に対する解決手法として、オープンイノベーションが用いられているのです。

そこで今回は、オープンイノベーションが注目されている背景と実際の大企業事例を踏まえて、解説していきます。

オープンイノベーションの定義

オープンイノベーションとは、自社の技術やアイデアだけでなく、外部の組織や研究機関が有する技術やノウハウなども活用することで革新的な製品やサービスを開発し、新規の事業やビジネスモデルを開発するものと定義されます。

企業と企業のコラボレーションだけではなく、企業と大学や自治体などとコラボレーションして新しいサービスや事業価値を作り出す事例も増えてきております。
今、注目されているアクセラレータープログラムもオープンイノベーションの手段の一つとして実施されるケースが増えており、目にされることも多いでしょう。
注目度の高まりを踏まえ、経済産業省でも日本のオープンイノベーションに関するデータや事例を「オープンイノベーション白書」として2016年8月に発行しております。(※現在第三版)

なぜ大企業がオープンイノベーションに注目しているのか?

冒頭でも記載しましたが、従来、日本の大企業では自社のリソースのみ(もしくはグループ企業との連携)で製品やサービスの開発を行なう、いわばクローズドイノベーションが一般的でした。

しかしながら、採用難易度の向上に加えて優秀な人材の流出もあり、社内のリソース確保が難しくなってきている現在、更に研究開発費の高騰なども合わさって、自社だけでは開発に対応しきれないケースが増えていることが、オープンイノベーションの注目度向上につながっております。

特に注目されているのが、起業したばかりのスタートアップ企業とのアライアンスです。
優れた技術を持つスタートアップ企業と大企業が組むことで、双方にメリットがあります。

大企業のメリット

大企業メリット

【大企業のメリット】

  • 自社だけでは生まれにくい斬新なアイデアを得ることができる
  • スピード感のある企業と組むことで開発スピードの向上につながる
  • 相手がすでに技術を持っている場合には開発コストの削減にもつながる

スタートアップ企業のメリット

スタートアップ企業のメリット

【スタートアップ企業側のメリット】

  • 資金の提供を受けられる
  • 大企業とのコラボレーションで知名度向上や信頼度向上につながる

このようなWin-Winの関係を築くことができるオープンイノベーションは、今後さらに増えてくると考えられます。

オープンイノベーションに取り組む企業の事例

オープンイノベーションの事例

ダイキン工業株式会社×フェアリーデバイセズ株式会社

グローバルな現場 DX「コネクテッドワーカーソリューション」の推進
 ・令和5年 第5回日本オープンイノベーション大賞:総務大臣賞受賞

※参照:日本オープンイノベーション大賞

フェアリーデバイセズが持つ音声認識やエッジAI、データ解析などのデジタルテクノロジーと、ダイキン工業がグローバル規模で培ってきた現場の知見を結び付け、ダイキン工業のサービス業務における課題を共同で解決する取り組み

※参照:東大発ベンチャーのフェアリーデバイセズとダイキン工業、コネクテッドワーカー創出による現場業務の革新を実現

アステラス製薬株式会社×三菱ケミカルグループ株式会社×CKD株式会社

「環境に優しいバイオマスプラスチックを用いた PTP 包装の実用化」
 ・令和5年 第5回日本オープンイノベーション大賞:環境大臣賞受賞

従来の石油由来プラスチック製PTPシートから「バイオマスプラスチックを用いたPTPシート(以下、バイオマスPTP」)への切り替え推進し、二酸化炭素(CO2)排出量削減を通じて脱炭素社会の実現に貢献するとともに、持続可能な開発目標SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成に寄与する取り組み

※参照:環境大臣賞 環境に優しいバイオマスプラスチックを用いた PTP 包装の実用化

株式会社ギラヴァンツ北九州×三菱ケミカルグループ株式会社×福岡県立行橋高等学校

「紙コップから堆肥へ! 生分解紙コップを用いた循環型システムの共同実証実験」
 ・令和5年 第5回日本オープンイノベーション大賞:選考委員会特別賞

「紙コップから堆肥へ!」のキャッチフレーズのもと、スタジアムで廃棄された、三菱ケミカル社の生分解性樹脂「BioPBS™」を使用した紙コップを回収、堆肥化し、行橋高校にて野菜を育て、学生自らスタジアムにて販売するという取り組み

※参照:第5回日本オープンイノベーション大賞受賞のお知らせ|ギラヴァンツ北九州 オフィシャルサイト

このように、企業×企業の1対1でのアライアンスだけではなく、3社以上での事業連携や、地域に根差した取り組みとして、企業と大学や高校、自治体との連携も非常に増えてきており、オープンイノベーションの形もどんどん多様化してきております。

まとめ

大企業の新たな事業創出の手段として注目度が高まっているのが”オープンイノベーション”です。注目度が高まっている理由は、現在が“VUCA”と言われる、いくら大企業とは言えども、今までの事業だけ、または今までの事業創出手法だけでは生き残っていけない時代に突入していることが、要因のひとつとして挙げられます。

また、オープンイノベーションで注目度が高い大企業とスタートアップのアライアンスの場合、双方にメリットがあり、Win-Winの状況で組むことができることが特徴です。

しかしながら、オープンイノベーションで新規事業を創出する際にも、その新規事業をリードしていき、事業拡大していく人材がなかなかいないことが課題となりがちです。
そういった際には、新規事業の創出、拡大経験が豊富なプロフェッショナルと共同でプロジェクトを進めることが事業成功に向けた一つのトリガーとなるでしょう。

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(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

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