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最終更新日:2025.04.28
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生成AIの活用事例12選!生成AIの導入を成功させるポイントやおすすめツールも紹介

「生成AIを使わないことが企業リスクになる!」「生成AIの利用で単純業務を〇割削減!」といった生成AIの情報は、ニュースで見たことがあると思います。

生成AIは文書作成やマーケティング領域をはじめ、クリエイティブ作成や顧客対応など、様々な領域で活用することが可能です。適切な分野に生成AIを用いることで業務効率化を実現でき、コア業務の活性化やコスト削減に繋がります。

しかし、生成AIを使用する領域が適切でなかったり、社員のリテラシーが低かったりする場合、かえって業務の負担が大きくなってしまう可能性が高いです。

そこで当記事では、生成AIを活用している企業やカテゴリの事例、おすすめツール、生成AIで業務効率化を実現するためのポイントを解説します。他社の事例を参考にすることで、自社で生成AIを活用する際のアイデアが生まれることもあるので、ぜひ参考にしてみてください。

1.生成AIとは?

生成AIと従来のAIの違い

生成AIとは、AIの中でも比較的新しく生まれたモデルであり、ジェネレーティブAIとも呼ばれます。ディープラーニングを用いて、クリエイティブなアウトプットを出すことができるのが特徴であり、2022年末にリリースされたChatGPTを皮切りに非常に多くのサービスが日の目を浴びております。

生成AIで生み出すことのできるアウトプットも、文書をはじめとして画像や動画、音楽など多岐に渡るため、多くの企業でそのアウトプットを活用して、いかに日常業務に貢献できるかについて注目が集まっております。

生成AIを活用した日常業務への貢献は業務の効率化です。
たとえば、コカ・コーラ社では、社内イントラ上に生成AIを活用した情報検索システムを構築し、社内資料の情報を学習させた生成AIに情報の要約を行うってもらうことで、情報を探した従業員が瞬時に資料の概要を理解することができる仕組みを作っております。

コカ・コーラ社のような大企業では、生成AIを用いた実証実験を複数部門で行っており、社内のBPR促進にも非常に多く活用されております。

生成AIと従来のAIの違い

生成AIと従来のAIの違いは、以下の通りです。

項目 従来のAI 生成AI
目的と能力 特定のタスクの自動化、予測、分類 新しいコンテンツの生成(テキスト、画像、音声、動画など)
技術 機械学習(教師あり学習、教師なし学習など) 深層学習(GAN、VAE、トランスフォーマーモデルなど)
応用分野 画像認識、音声認識、自然言語処理、推奨システム、医療診断、金融分析など テキスト生成、画像生成、音楽生成、動画生成、デザイン、ゲーム開発、創薬など
創造性 限定的 高い
学習方法 教師あり学習、教師なし学習 ディープラーニング

従来のAIは与えられたデータに基づいて分析や予測を行うことに長けていますが、生成AIは学習したデータから新しいコンテンツを生成することに特化しています。より高度で人間らしい独創性を発揮したいときは、生成AIの方が便利でしょう。

2.生成AIが注目されている背景

生成AIが注目されている背景には、業務効率化があります。

生成AIを利用すると、これまで時間と手間がかかっていた業務の一部を自動化することが可能です。ルーチンワークや単純作業を自動化し、従業員がより創造的で高度な業務に集中できるようになるため、人件費の削減や生産性の向上にもつながると注目されています。

特に日本の場合、少子高齢化による労働力不足が深刻化しています。限られた人員で効率よく日々の業務をこなし、時にはグローバル社会でも十分な競争力を身につけていくためには、もはや生成AIのような最先端技術が欠かせないとする意見も広がりました。

また、生成AIが注目されている理由には、GPUなどの高性能な計算資源が普及し、大規模なデータセットを用いた複雑なモデルの学習が可能になった時代背景も関係しています。ディープラーニング(深層学習)や自然言語処理、画像生成などの技術が発達したことで、誰でも手軽にAIを使えるようになっています。

指先ひとつでAIが使えるようになり、AIの便利さが広がってきたからこそ、注目度も高まっているのです。

3.【業界別に事例紹介】生成AIをビジネス活用している大手企業12社紹介

最新技術の活用により業務プロセスの改革や改善は従来から行われており、大手企業がその導入にいち早く舵を切るということ自体は特段珍しいことではありません。

しかしながら生成AIは、これまでの最新技術とは注目度が異なります。
それは、生成AIがビジネスそのもののあり方を変えるゲームチェンジャーになり得る存在だと考えられているためです。

実際に米IBM社のアービンド・クリシュナ会長兼CEOは「生成AIはインターネットの黎明期に似ており、今後10年の大きな転換点」になると発言しております。そんな生成AIの具体的な活用シーンとして、5社の事例をご紹介します。

【製造業】パナソニック コネクト:AIアシスタントサービス開発で生産性の向上

パナソニックコネクト社では、生成AIを用いたツールの導入を国内の全社員を対象として行い、日本の大企業では異例の早さだったことで注目を集めました。

Microsoft Azure OpenAI Serviceを活用したAIアシスタントサービスConnectAIをベースに開発された「PX-AI」を社内イントラに実装し、全社員がいつでも社内情報をAIに質問できる環境を整備しています。
PX-AIは「耐薬品性や耐衝撃性を満たす樹脂材料のピックアップ」「事業アイデアの創造」のような質問やプログラミング、文書生成に活用されており、業務効率や生産性の向上につながっていると言えるでしょう。

大企業では他社の事例を待ち、効果を確認してからサービスを利用するといった流れが一般的ではあるものの、パナソニック社では、失敗を恐れずに挑戦することを評価する企業カルチャーを持っていることで、生成AIのいち早い導入に至っています。

【メーカー】江崎グリコ:人的コスト削減、開発期間の短縮

2022年に創業100周年を迎えた老舗お菓子メーカーの江崎グリコ社もAI活用に注力している企業のひとつです。

2023年3月には、バックオフィスにおける業務効率化の一環として、AIソリューションを提供するAllganize Japan株式会社と提携し、AIチャットボットの導入を行っております。AIチャットボットを導入することで社内外の両方でオペレーション業務を効率化しており、特に社外からの問い合わせ件数を約31%減らすことに成功しました。

また同社では、需要予測によるマーケティング強化や、健康食品企業としての認知率向上のため、商品開発にAIを用いて開発期間の短縮を図るなど、あらゆる場面で生成AIを活用しています。

さらに、江崎グリコ社では、2022年の社長交代を皮切りにAIベンチャー出身の長谷川氏を常務執行役員として迎え入れるなど、急速にAI活用に舵を切っています。

日本コカ・コーラ株式会社は、AI画像生成ツールを活用したプラットフォーム「Create Real Magic」を一般公開し、AI技術を活用して消費者との関係性を強化することに成功しています。

ボトルに貼り付けるロゴやボトル自体のデザインなど、広告アイデアやクリエイティブなアート作品を創出することができ、実際に利用者が生成した画像の一部は外屋広告やソーシャルメディアアカウントで紹介されました。

消費者に新しい体験を提供するという革新的なアプローチに重点を置き、消費者の注意を引いてブランドの信頼と信用を築き上げることを実現しています。

【教育】ベネッセホールディングス:新運用体制の確立と人数体制の変更を実現

株式会社ベネッセホールディングスは、グループの社員1万5,000人に向けて自社開発のAIチャットツール「Benesse GPT」を提供しています。イントラネット上でキーワードを入力することで、知りたい情報がレコメンドされるシステムでセキュリティ面にも配慮されているためセキュリティ面にも配慮している仕様なため、安心して業務の効率化や商品開発に生成AIの活用ができるようになっています。

ちなみに「Benesse GPT」の活用の一例として、コーポレート部門が行っている業務分析をAI活用して業務の改善点を挙げることに使われています。実際に、生成AIが業務の改善点を挙げることで、社員のリソース不足を解消し、業務分析を効率的に進めることに成功しました。

今後はAi活用においてサービス自体の検証を引き続き重ねながら、継続的にバージョンアップを行うことを予定しているようです。

【運送】ヤマト運輸株式会社:配送業務量を予測

クロネコヤマトでおなじみのヤマト運輸株式会社は、約6500ある宅急便の拠点にて数ヶ月先の業務量を予測することができるAI「荷物量予測システム」を開発しました。そしてこの生成AIには、AIの開発や運用を円滑に管理するために「MLOps」が取り入れられています。結果として、拠点で働く従業員や車両を適正に配置することに成功しました。

ヤマト運輸では年間を通して膨大な荷物を顧客に届けています。各センターで扱う荷物には地域差があり、季節や曜日による繁閑差も大きいと問題視されていました。そこで3ヶ月、4ヶ月先の1ヶ月間の荷物量を算出し、従業員のシフト勤務作成、適正な車両手配ができるようAIを活用した荷物量予測システムが導入されたのです。

また、AIによる荷物量予測システムにMLOpsを導入することで機械学習プロセスを高速化、精度改善の加速に成功し、運用工数の大幅に削減したりデータの前処理作業時間を減らしたりと業務効率化を実現しています。

人手不足が進む物流業界において、AIの活用は業務の効率化を高めていく取り組みと言えるでしょう。

自社でも生成AIを活用して業務効率化ができないかと考えている方は、以下の資料の活用がおすすめです。フレームワークのほかにも、生成AIの活用事例を紹介しているため、理解を深めたうえで導入を検討できますよ。

⑥【小売】セブンイレブン・ジャパン:発注数を提案するAIで発注時間を4割削減

セブンイレブン・ジャパンは、AIを活用して各店舗の発注数を提案するシステムを導入しました。過去の販売実績や天候などのデータに基づいて、各商品の最適な発注数を決定するシステムをAIで構築し、発注時間の短縮とミスの予防を実現しています。結果、店舗スタッフが手動で発注数を決める手間が4割削減され、接客や従業員の教育に時間が割けるようになりました。

生成AIの導入は、コンビニエンスストアなどの発注数や商品数が多い店舗において、非常に有効な手法と言えるでしょう。発注業務を効率化し、店舗スタッフの負担を軽減することでワークライフバランスの実現などにも貢献するため、一石二鳥の取り組みとなっています。

⑦【IT】note株式会社:AWSの活用で20%CTR改善

note株式会社は、AWS(Amazon Web Services)を活用し、コンテンツ配信のクリック率(CTR)を20%改善しています。具体的には、ユーザーの閲覧履歴や興味関心などのデータを分析し、最適なコンテンツを推奨するシステムを構築しました。ユーザーにパーソナライズされたコンテンツ配信を実現する方法であり、より「興味のあるコンテンツ」や「自分と関係性の高いコンテンツ」をユーザーに届けられるようになっています。

結果、ユーザーエンゲージメントが向上し、運用コストの削減や配信速度の向上にも貢献しました。CTRの向上は利益にも直結するため、自社とユーザーどちらにとってもメリットのある手法として確立しています。

⑧【建築】大林組:ビル外観を生成するAIの開発で初期検討期間を1週間へ短縮する目標

大林組は、ビルの外観を生成するAIを開発し、初期検討期間を1週間短縮する目標を掲げました。ビル建設における初期検討期間とは、建築プロジェクトの初期段階において、建物の基本的なコンセプト、デザイン、規模予算などを検討する期間のことです。

AIは過去の建築物のデザインデータや顧客の要望などのデータに基づき、様々な外観デザインを自動で生成します。これにより、設計者が手作業で外観デザインを作成する手間が大幅に削減され、初期検討期間の短縮につながるのがメリットとして注目されました。

検討期間を短くできるので顧客にとってもメリットがある他、自社の業務効率改善にも貢献します。AIを活用して顧客のニーズをより深く理解し、よりパーソナライズされたデザインを提案することにも応用されていくでしょう。

⑨【金融】SMBCグループ:「Azure OpenAI Service」をリリースし2秒に1回利用されるサービスへ

SMBCグループがリリースした「Azure OpenAI Service」は、2秒に1回利用されるサービスとして急成長しています。

「Azure OpenAI Service」とは、マイクロソフトが提供するクラウドサービス「Microsoft Azure」上で、OpenAIの大規模言語モデル(LLM)を利用できるサービスです。SMBCグループはAzure OpenAI Service技術を応用してAIアシスタントツール「SMBC-GAI」を開発し、グループ内の従業員向けにリリースしました。文章作成、要約、翻訳、ソースコード生成など、多岐にわたる業務をサポートするツールとして活用され、情報収集時間の削減や従業員の業務効率化による生産性向上、高度な自然言語処理による業務の質の向上など、多数の効果をもたらしています。

⑩【金融/営業部門】みずほ銀行:生成AIで稟議資料のドラフトを自動作成

みずほ銀行では、生成AIを活用して稟議資料のドラフトを自動作成する取り組みを始めています。営業担当者が顧客との面談記録や財務諸表などの情報をシステムに入力すると、生成AIが入力情報を分析し、稟議資料のドラフトを自動で作成する技術を開発中です。AIは過去の稟議資料や関連法規などのデータを学習しており、適切な構成や表現でドラフトを作成できるため、従業員がゼロから手作業で作り上げる手間を短縮できます。通常、1件あたり1~2時間かかっていた資料作成時間を約10分に短縮できる見込みであり、最大約92%もの業務を効率化することが可能です。

みずほ銀行に限らず、稟議資料の作成が営業担当者の大きな負担となり、顧客対応に十分な時間を割けないという課題を抱えている企業は少なくありません。営業担当者がより顧客対応に集中できる環境を生成AIを活用して整備できれば、ユーザーエクスペリエンスの向上に貢献します。

⑪【自治体】別府市:生成AIとRPAの活用で2週間かかる作業を2日程度に短縮

別府市は、生成AIとRPA(ロボティックプロセスオートメーション)を組み合わせることで、従来2週間を要していた作業を2日程度に短縮することに成功しています。

例えば、市民アンケートを分類する作業に生成AIとRPAを活用した事例では、手作業での分類をほぼゼロにすることに成功し、作業時間を大幅に短縮しました。自由記述欄の内容を自動で分類することも可能で、効率的なデータ分析ができるようになっています。

業務効率化は、人員不足や業務量の増加などの課題を抱える多くの自治体にとって重要な課題です。生成AIとRPAを活用して事務作業を軽減できれば、その分の時間を市民サービスや新規施策の考案に割けるようになるでしょう。今後は、各種申請書類の自動処理などへの応用も検討されています。

⑫【自治体】都城市:文書生成、企画立案AIの活用で年間約1,800時間の削減効果見込み

宮崎県都城市では、文書生成と企画立案AIの活用により、文書作成業務の時間を大幅に削減しました。利用状況を推計した結果、年間約1,800時間の削減効果が見込まれています。

報告書や会議資料などの文書作成、イベントや事業の企画立案、広報資料の作成などにAIを活用することで、残業時間の削減や業務効率化に貢献できます。年間約1,800時間の削減ができれば、その分の時間をより質の高い市民サービス提供に費やすことができ、より住みやすい街づくりにつながるでしょう。

また、都城市は自治体専用の生成AI「zevo(ゼヴォ)」を、行政向けのツールを多数手がけるシフトプラス株式会社と共同開発しました。zevoは地方公共団体を相互に接続する行政専用のネットワークである「LGWAN」内で使用可能な「自治体AI」であり、文書作成やアイデア出しに活用することが可能です。導入試験の結果は「業務効率向上が見込める」といった回答の割合が87%にも上り、今後の活用拡大が期待されています。

4.【カテゴリー別】生成AIをビジネス活用してできること8つ

生成AIはさまざまな場面で幅広く活用されている技術であり、具体的には以下のようなことができます。

ここからは、生成AIを活用してできることを8つ解説します。

①【文書作成】テキスト生成、要約、翻訳

生成AIはWebサイトに存在する膨大な情報をもとに、さまざまな指示に合わせたテキストを生成できます。また、テキストデータの分かりやすい要約や、多言語間での翻訳も可能です。

活用例として、大手転職エージェントのビズリーチによる職務経歴書作成での生成AI活用が挙げられます。利用者が簡単な項目を入力するだけで、高レベルな職務経歴書を最短30秒で生成してくれます。生成AIにより作成した職務経歴書は、通常と比べてスカウト率が40%向上したとの検証結果も出ているため、AIの生成レベルの高さが伺えるでしょう。

②【文書作成】会議での議事録作成

生成AIを利用すれば、会議で話した内容を簡単にまとめることも可能です。議事録を生成AIにテキスト入力し、会議後に取り掛からなければいけないタスクや必要事項を分かりやすくまとめてもらうことができます。会議後に時間がかかりがちな議事録の作成もあっという間に完了し、メイン業務へ費やす時間が増えるため、業務の効率化にも繋がるでしょう。

さらに、生成AIによっては、会議中に音声文字起こしを行い、テキストでの議事録作成を行ってくれるツールもあるため、利用シーンや求める機能によって導入を考えてみてくださいね。

③【マーケティング】市場動向の分析と新規アイデアの提案

生成AIを利用すれば、市場動向の分析や新しいアイデアの提案が受けられます。調査の手間や時間をかけることなく、自社がこれから参入しようとしている市場規模が拡大しているのか、縮小しているのかを見極めることができるため、新規事業を始めるまでに多くの時間を要しません。

また、想定されるターゲットの消費者行動を導き出し、具体的に顧客の求めている商品やサービスはどのようなものかを分析することも可能です。分析した収集データから新しい商品アイデアの提案も行ってもらうことが可能なため、新商品の開発に行き詰ったときや、新しいアイデアの放出に画期的な案がほしいと思ったときに活用することで、より良い案を作成することができるでしょう。

競合企業の分析も行うことができるため、競合調査に時間を割くことなく、他社商品との差別化を図りながら商品やサービスの開発を進めることができます。

なお、新規事業のアイデアに悩んでいる方は以下の資料で紹介しているフレームワークを活用するのもおすすめです。アイデア立案にフレームワークを活用した事例も紹介しているため、是非チェックしてください。

④【マーケティング/クリエイティブ】Web、UI、フォントデザインの生成

画像や動画生成の他に、Webサイトのデザインやフォントデザイン、UIデザインの自動生成にも生成AIが活用できます。

企業のイメージやターゲット、商品にあわせて生成AIが分析を行い、ぴったりのコピーライティングや構成、デザインフレーム、ロゴ、UIの作成を行ってくれます。通常、外部企業へ依頼すると1ヶ月~半年程度かかるWebサイトの制作もあっという間に行うことが可能です。

また、フォントデザインの生成にも活用することができるため、斬新でより魅力的なデザインが作成できるでしょう。とはいえ、生成AIは、文字生成技術があまり進んでいない部分があるため、まれによくわからない文字や記号が生成される場合があるということを念頭においておきましょう。

⑤【クリエイティブ領域】オリジナル画像や動画の生成

生成したいイメージや、雰囲気、色などのテイストを生成AIへ入力することで、簡単にオリジナル画像や動画の生成を行うことも可能です。そのため、デザインの経験や知識がまったくない人でも、より魅力的かつ高品質なデザインを簡単に生成することができます。

また、人間が手作業で生成する場合は時間や費用がかかりますが、生成AIを利用することで一度に複数のデザインを低コストで生成することが可能です。これまで外部企業へ画像や動画の生成を依頼していた場合、生成AIを利用することでデザイン制作を内製化することもでき、生産性の向上とコスト削減に繋げることができます。

⑥【クリエイティブ領域】音声処理、加工

生成AIの音声生成機能では、人の声を大量に学習させることで声色を再現することができます。また、単に文章を読むだけではなく、感情に合わせた表現などもできるため、自然に話しているような読み上げを自動で作成できる点が特徴です。

活用例として、コミュニケーションアプリを提供するLINEによる音声応対サービスでの生成AI活用が挙げられます。音声認識技術や音声合成技術、自然言語処理技術を組み合わせることで、人間のオペレーターと遜色がない応対を実現し、スムーズで満足度の高い顧客対応が可能です。

⑦【顧客対応】カスタマーサポートの自動応答

カスタマーサポートに生成AIを活用することで、顧客対応を行う社員の人数を削減することができるため、人手不足の解消や人件費の削減に繋げることができます。

これまでのAIの場合「はい」「いいえ」などの簡単な対応しかできず、顧客の質問内容に応じた適切な回答を行うことは不可能でした。しかし、生成AIは質問内容を判断し、膨大なデータの中から適切な答えを導き出してくれるため、顧客ひとりひとりの解決したい悩みに応じて対応することが可能です。多言語にも対応しているため、国内外の顧客の取りこぼしを防ぐことができます。

また、人間と違い24時間365日稼働することが可能です。顧客対応のクオリティを上げることができるため、企業イメージの向上にも繋げることができます。

なお、活用例として、世界的に有名な化粧品会社のロレアルによる、美容アドバイスアプリでの生成AI活用が挙げられます。アプリでは、チャットで美容相談やお肌の画像診断を行うことができるほか、ユーザーに最適な美容法や商品の自動提案が可能です。よって、店舗への足取りが重いユーザーの購買意欲も促進することができます。

⑧【開発】プログラミングコードの生成や学習の補助

生成AIに自然言語で作成したいコードの指示を入力することで、自動でプログラミングコードの生成を行うことが可能です。回数を重ねるごとに生成AIが勝手に学習してくれるので、より細かな部分まで設計されたコードの生成を行うこともできます。

手作業でコード生成をする際にかかる時間や労力を大幅に削減することができるため、普段からコード作成を行っている方からすると非常に便利です。コードの間違いやエラー、バグなどの特定にも有効なため、業務の効率化に繋げることができるでしょう。

また、生成AIは学習の手段としても有効です。プログラミング問題の生成や実装の方法などを学ぶことも可能なため、プログラミングの知識をつけたいという方も利用してみると良いでしょう。

そのほかにも生成AIが活用できる分野を探している方は、以下の資料を参考にフレームワークを実施してみるのもおすすめです。

5.ビジネス現場での生成AI活用事例3選

昨今では、大手企業にとどまらず多くの場面で生成AIの活用が進んでいます。ビジネスで実用化できるレベルまで生成AIが進化したことが背景です。身近なところで生成AIが活用されていることに気づくケースも多いのではないでしょうか。

ここでは、ビジネス現場で生成AIが活用されているサービスを紹介します。

①チャットボット

チャットボットに生成AIを取り入れる事例は数多く見られます。チャットボットとはユーザーの質問に対して自動的に回答してくれるシステムであり、時間や人員にとらわれず均一的なサービスを提供できる点が強みです。

チャットボットに生成AIを導入することで、複雑な質問に対しても適切に回答するだけでなく、役に立つ情報を付け加えるなど、人間とやり取りしているような柔軟な問い合わせ環境を実現できます。

たとえば、大手航空会社である日本航空株式会社(JAL)では、AIチャットボットである「AIChat」を導入し、日本を含む世界26地域のWebサイトに「チャット自動応答サービス」をリリースしています。JAL便の予約や購入、運行状況や搭乗などのよくある問い合わせだけでなく、世界情勢の変化や入国制限、減便、運休などタイムリーな照会にも自動で応答できるシステムです。

また、総合化学メーカーである帝人株式会社では、社内問い合わせに対応するAIチャットボットを導入しています。イントラサイトで情報を探せない従業員からの問い合わせにAIチャットボットが対応することで、バックオフィスの業務効率化を実現しています。

①医療サポート

医療サポート分野においても生成AIは活用されています。レントゲンやMRIなどの画像診断による異常発見や、カルテ情報や検査結果と最新医療情報を組み合わせた総合診断、患者とのやり取りを行う自動問診など、医療現場でAIが活用されているケースは豊富です。

AI活用により、人手不足が深刻化する医療業界において医療従事者の負担軽減が期待できます。また、重大な症状の見逃し防止や最新医療情報の反映などにより、医療品質の向上が可能です。

たとえば、AI画像診断による医療サポートとしては、MRI画像分析による肝細胞がんの判定や眼底画像診断支援システム、脳のMRI画像学習によるアルツハイマー病の進行予測サービスなどが挙げられます。AIによる画像診断はミスが少なく、医療従事者でも発見が難しい微細な変化でも検知できるため、AI活用が最も進んでいる分野です。

画像診断以外でも、会話データ分析による認知症やうつ病診断補助、AIによる心電図解析サービス、健康診断データに基づく疾病リスク予測AIサービスなど、幅広い場面でAIを活用した医療サポートが実用化されています。今後も生成AIによる医療サービスの進化は加速していくと言えるでしょう。

③建築現場での異常検知や設備保全

建築現場では、異常検知や設備保全に生成AIが活用されています。作業員が発生させるヒヤリハットの検知や、建設機器の各種データ分析による異常検知、各種設備の監視を通じた予知保全など、AI活用は多岐に渡ります。

建築現場でのAI活用は、建築現場の作業員の安全、安心の確保や業務効率化など、人材不足が続く建築業界にとってメリットが大きいです。

異常検知の分野においては、建設機械の自律走行をサポートする制御システムや、作業員との接触を防止する検知システムが代表的です。また、膨大な災害事例をAIが学習し、安全担当者に対して類似する作業の災害事例を提示するシステムも存在します。危険と隣り合わせである建築現場において、事故抑制が期待できる点がメリットと言えるでしょう。

一方で設備保全の分野においては、ドローンで取得した赤外線データを分析し、外壁タイルの劣化や評価を判定するシステムが実用化されています。また、施工現場における鉄筋継手の画像をAI学習させることで外観検査を実施するトライアルも行われています。人間と比べて短時間で確実な保全を実施することが可能なため、業務の効率化に繋がるでしょう。

6.生成AIを利用する際の3つのリスクとは?

このように大企業でも活用が始まっている生成AIですが、利用に当たってはリスクもあります。
そのため、リスクとリターンのバランスも非常に重要です。

①情報セキュリティのリスク

生成AIの活用におけるリスクの第一に挙げられるのが、情報セキュリティです。
生成AIを効果的に社内で活用するためには、当然のことながら社内情報の使用が必要不可欠です。生成AIを活用する際は、常に情報漏えいのリスクにさらされることを念頭に置かなければなりません。

そのため、どの社内情報は生成AIに利用しても良い、どの社内情報は利用不可のような明確な線引きが必要です。自社の情報だけではなく顧客情報も活用しなくてはならない場合、取り扱い方法などを定め、セキュリティの担保を図っていく必要があります。

既に生成AIを活用している企業だと、社内情報はOKで機密情報はNGなどのルール決めを行っている場合もあります。常に情報漏えいのリスクを考えた運用をしておかなければ、企業の存続すら危ぶまれてしまう可能性すらあることでしょう。

②レピュテーションリスク

2つ目のリスクとして、レピュテーションリスクが挙げられます。

ChatGPTを触ったことのある方であれば、既にご存じだと思いますが、生成AIからアウトプットされる情報に誤りがあるケースがあります。そのため、生成AIからアウトプットされた情報をチェックせずに社外に出す行為なども企業の評判を落としかねないものとなります。

また、生成AIからのアウトプットが肖像権や著作権などの法令に遵守されているものなのかについても考える必要があります。そのため、業務で活用するにあたっては、ユーザーとなる従業員に対する教育や各種ルールの取り決めなどの仕組み作りが必須となるでしょう。

③法令違反になるリスク

生成AIが生成した画像や文章が既存の著作物と類似している場合、著作権侵害に抵触する可能性があります。他人の著作物を含むデータまで幅広く参考にするAIの特性上、100%類似しないコンテンツを生成するのは極めて困難です。特にクリエイティブな業界で生成AIを使う場合、権利侵害を訴えられて炎上や法令違反につながるかもしれません。

また、生成AIが個人情報を不適切に利用した場合、個人情報保護法違反となる可能性があります。生成AIが個人情報を学習データとして利用する際、本人の同意を得ていない場合や利用目的を明確にしていない場合は、法令違反を疑われることもあるでしょう。

なお、生成AIで作成された文章や画像が特定の個人や団体を中傷して名誉毀損や偽計業務妨害などの罪に問われたり、不正競争防止法、景品表示法、特定電子メール法などに違反する可能性も考えられます。生成したコンテンツは必ずダブルチェックするなど対策し、法令に触れる部分がないかチェックしてから公開しましょう。

7.生成AIを利用しないことで生じるリスクもある

生成AIの活用にはリスクが伴うものの、逆に生成AIを利用しないリスクもあることはご存じでしょうか。
競合他社が生成AIを活用し、業務効率化を行い、全社的な労働生産性を向上させている中、自社だけが取り残されてしまう可能性があります。

たとえば、貴社がプログラムの開発を行っている企業だとしましょう。
プログラムのコーディングはこれまでプログラマーの専売特許でした。
しかしながら生成AIを活用することで、その初案の作成は生成AIで代替可能です。
これにより、プログラマーはプログラミングの設計を考えるなどの、より上流工程に自身の工数を割くことができるようになります。

そうすると、これまで1つのプロジェクト対応しかできなかったプログラマーが2つ3つのプロジェクトを掛け持ちで実施できるようになる可能性があります。

貴社のプログラマーが従来通り1つのプロジェクト対応を行っている中、競合他社のプログラマーは2、3のプロジェクト対応を同時並行で行えるようになるため、1人のプログラマーが会社にもたらす売上や利益に2倍、3倍の差が出てしまいます。

これは、企業の存続にあたって明確な危機をもたらすリスクになり得るといって差支えないでしょう。

このように、生成AIには、利用するリスクと利用しないリスクが混在しております。
しかし、企業の成長や発展を考えるのであれば、生成AIを活用しない選択肢を取ることは難しくなってくるのではないでしょうか?
リスクヘッジの体制をしっかりと整えた上での積極的な活用が必要な時代に突入してきているということです。

また、AIを経営の中枢に活かすことで、経営サイクルを高速化させることができます。以下の資料では、AI経営革新を実現する効果やポイントを解説しているため、ぜひご活用ください。

8.【おすすめ18選】生成AIツール一覧

ここで、生成AIのツールをご紹介します。
1でも述べた通り生成AIには、文章、画像、動画、音声など多岐に渡ります。
それぞれに汎用的なツールがあります。

もちろん全社導入など、企業全体で活用する場合には汎用的なツールを利用するのはセキュリティリスクが高まるため、生成AIを企業向けにアレンジしている企業のサービスを利用するほうがベターです。

しかしながら、どういった活用が可能なのかについて知らなければ、導入の検討土台に乗らないため、汎用的な生成AIがどんなツールなのかについては知っておくべきでしょう。

文章作成AI

①ChatGPT(チャットジーピーティー)

ChatGPT(チャットジーピーティー)はOpenAI社が2022年11月末にリリースした対話型の文章作成AI(人工知能)です。生成AIを一躍有名にしたツールのため、ご存じの方が多いでしょう。

質問や命令文を入力すると、その内容に関する回答を人間との会話のような内容で返してくれるツールです。プログラム言語やExcelの関数など、業務に活用できる内容も返答してもらうことが可能です。

②Bing AI

Bing AIは、Microsoft社が2023年2月にリリースした、検索エンジンのBingとOpenAI社の2023年現在最新言語モデルのGPT-4を掛け合わせた対話型のAIです。
Chat GPTでGPT-4を利用する場合、有料プランへの登録が必要ですが、Bing AIの場合、利用回数制限はあるものの無料で利用することが可能です。

GPT-4は、GPT-3.5と比較して問題への解決能力が向上し、より長文で整合性の取れた回答を得られるように改善されたモデルです。
また画像の入力に対して、文章での回答も可能となり、より利便性が向上しております。

③Gemini(旧:Bard)

Gemini(ジェミニ)は、Googleによって開発された高度なマルチモーダル大規模言語モデルです。テキスト、コード、画像、音声、動画など、さまざまな種類の情報を理解し、それらを組み合わせて応答を生成できるのが強みとしてリリースされました。例えば、画像とテキストを組み合わせて質問したり、動画の内容を要約したりなど、フレキシブルな使い方が可能です。

また、Google主導のAIだからこそ、Google検索やGoogleマップ、Googleカレンダーなど関連サービスと連携ができるメリットもあります。生成した内容をGoogleスプレッドシートに落とし込んだり、旅行の行程をGoogleカレンダーに自動登録したりすることもでき、連携の幅も広いです。

画像生成AI

④DALL・E3

DALL・E3は、OpenAIによって開発されたテキストから画像を生成するAIモデルです。DALL・E2の後継モデルとして、より自然言語の指示に沿った高品質な画像を生成できるモデルとしてリリースされました。

DALL・E3はChatGPTと統合されており、ChatGPTのインターフェースを通じてテキストで指示(プロンプト)を入力することで画像を生成することが可能です。アップデートにより「テキストが埋め込まれた画像」などもより正確に生成できるようになった他、暴力的なコンテンツやアダルトコンテンツなどの生成を抑制する安全対策が強化されています。著作権で保護された画像の生成を抑制する機能も搭載されているため、リスク低減に便利です。

⑤Adobe Firefly

PhotoshopやIllustratorなどのクリエイター向けサービスを展開するAdobe社が提供する画像生成ツールです。
オープン素材の画像などを学習させているため、著作権の心配無く利用できる点が魅力なツールです。

⑥Canva

オンライン上で利用できるグラフィックデザインツールのCanvaが提供している画像生成ツールです。高品質な画像をテキスト入力から生成可能であり、そのままその画像に加工できるなど、グラフィックデザインを生業にしている方には非常に便利なツールです。

動画生成AI

⑦FlexClip

無料で使える動画生成ツールです。日本語対応もしておりテンプレートも豊富なため、素早く動画制作を行うことのできる便利なツールです。

⑧InVideo

直感的な操作が可能なUIを採用している無料で利用できる動画生成ツールです。テキスト動画エディターを活用することで、ブログなどを短期間で動画化できることが魅力なツールです。

⑨Elai

セキュリティ面に強みがある無料で利用できる動画生成ツールです。
こちらもテキスト入力をもとに動画生成が可能なツールです。

音声生成AI

⑩Speechify

無料プランでも10分間のナレーションを生成できる音声作成ツールです。
多言語対応しており、イントネーションやアクセントなども違和感の少ない高品質な音声を作成できるツールです。

⑪Murf.ai

ナレーションだけではなく、AI音声による歌もアウトプット可能な無料でも利用可能な音声生成ツールです。120以上の音声が利用可能であり、多言語対応も可能な便利ツールです。

⑫Natural Reader

トップクラスの評価を得ている無料で利用可能な音声生成ツールです。
音声アウトプットを細かく調整することが可能であり、ファイルの変換が簡単に行えるなど非常に便利なツールです。

議事録作成AI

⑬YOMEL

YOMEL(ヨメル)は、株式会社アーニーMLGが開発および提供している、AIを活用した議事録自動作成ツールです。会議や商談などの音声をリアルタイムでテキスト化し、議事録作成の効率化を支援してくれます。

独自開発のAIにより高精度な音声認識を実現しているのがポイントで、専門用語や固有名詞も高精度に認識可能です。話者を自動で分離してテキストを色分けしたり、テキスト化された議事録を専用のエディタで簡単に編集できたりなど、機能が豊富なため幅広い用途で使えるでしょう。

⑭AI議事録取れる君

「AI議事録取れる君」は、AIを活用したオンライン会議に特化した議事録自動作成ツールです。AIが会議中の音声をリアルタイムでテキスト化し、録音、要約、議事録作成まで自動化します。

共同編集や翻訳機能も搭載しているのがポイントで、チームコラボレーションに役立ちます。Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなどの主要なオンライン会議ツールとは全て連携できるため、社内の規定により使用できるツールが限られている場合でも導入しやすいでしょう。

⑮スマート書記

スマート書記は、株式会社エピックベースが開発、提供している、AIを活用した議事録自動作成ツールです。会議や打ち合わせなどの音声をリアルタイムでテキスト化できる他、タイムスタンプの追加や修正など便利な機能も搭載されています。

スマート書記は、30ヶ国以上の言語に対応した翻訳機能でグローバルな会議にも対応できるのがポイントです。ISO27001に準拠した情報管理体制もあるので、万全なセキュリティレベルが欲しいときに検討しても良いでしょう。

その他AI

⑯【アイデア創出】AIひらめきメーカー

AIひらめきメーカーは、AIを活用してアイデア生成を支援するツールです。シンプルなWebサービスであり、出先ですぐに使える手軽さで話題になりました。キーワードを入力するだけでアイデアを出力してくれるので、考え方のヒントや新しい発見がほしいときに活用してみましょう。

ブログ記事のタイトルやテーマに関するアイデアを出したり、インパクトのあるビジュアルコンセプトやコピーライトを考えたりするのに役立ちます。その他、プロンプト(指示)を与えて使うアイデア創出ツールなどもあるので、用途に合わせて活用しましょう。

⑰【リサーチ】Elicit

Elicit(イリシット)は、研究者のためのAIアシスタントツールとして誕生しましたが、現在はリサーチ用AIとしても活用されています。複数の論文の内容をAIが自動で読み解いて要約してくれるため、論文の内容理解を深めやすいのが特徴です。

また、一般的な検索エンジンとは違って学術論文データベース(主にSemantic Scholar)に特化しているため、研究に関連性の高い情報を効率的に見つけることが可能です。関連する研究テーマや疑問点を提案してもらうこともでき、新たな研究のアイデアを発見する手助けにもなるでしょう。

⑱【開発】GitHub Copilot

GitHub Copilot(ギットハブ コパイロット)は、GitHub、OpenAI、Microsoftが共同開発したAIペアプログラマーです。開発時のコーディングをAIがリアルタイムで支援してくれるのが特徴で、入力中のコードをリアルタイムで解析し、次のコードを予測して提案してくれます。

その他、コードの説明を求めたり、修正の提案を受けたり、テストコードの生成を依頼したりすることもでき、使い方は多様です。コーディングに関する疑問に答えてもらう先生のような使い方をすれば、初心者にも役立つ教材となるでしょう。

なお、これまで紹介してきたツールはどのような分野で活用できるのか気になっている方は、ぜひ以下の資料も合わせてチェックしてください。

9.生成AIの導入で業務効率化を成功させるための7つのポイント

生成AIの導入にはメリットが多いものの、成功させるのは簡単ではありません。成功するためには以下のようなポイントが重要です。

ここからは、生成AIの導入を成功させるための5つのポイントを解説します。

1.生成AIを活用する業務の選定

生成AIを導入する場合、まずは現在行っている業務から生成AIを活用することができる業務を選定することから始めましょう。解決したい業務を先に選定することで、自ずとどのような機能を持った生成AIを利用すると良いのかが明確になります。同時に、人が行ったほうが良い業務も明確になり、人員配置の見直しや無駄な業務がないかを精査することも可能です。

生成AIを活用する業務の選定を行うことで、企業内の業務改善にも大きく影響を与えるでしょう。

なお、生成AIの活用分野を選定する際は、下記の資料もお役立てください。

2.生成AI活用後のゴールを決める

生成AI活用後のゴールを決めることで、導入後の効果計測を行いやすく、生成AI導入の良し悪しの判断に役立つでしょう。

たとえば、業務効率化や業務改善を目的とした場合、これまで業務にかかっていた時間がどれだけ削減されたのかを算出することで、生成AIの導入が労働時間の削減や人件費の削減に影響を与えたのかを効果的に計測することができます。

生成AIを活用した後に企業にどのような成果を求めるかを考えることで、企業全体の目指すべき方向性が明らかになり、社員のモチベーションのアップにも繋がるでしょう。

3.生成AI活用後も何度も成果を確認する

生成AIを活用することで、すべての業務がうまく進むとは言えません。生成AIへの指示が的確ではなかったり、学習機能が充実していない場合は、なかなか思った通りに活用することも難しいです。そのため、生成AI導入後は何度も成果を確認して改善し、結果を確認することを欠かさずに行いましょう。

4.情報漏洩や著作権侵害に関する対策案を作成しておく

生成AIの学習機能によって、知らぬ間に情報漏洩や著作権侵害などが発生するというリスクが考えられるため、事前に対策方法の作成を行うことでトラブルの回避ができるでしょう。

生成AIはユーザーが入力したデータを学習し、次回以降のデータ作成や分析時に活用することでより適切なデータの算出を行います。よって、入力した個人情報データや企業の機密情報などが次回以降のデータ算出の際にそれらを含むデーターを第三者に対して生成されることで、情報漏洩が生じてしまうのです。また、なんらかのバグや不正アクセスなどの原因によっても情報漏洩は考えられます。そのため、個人情報などの重要なデータに関しては、生成AIで活用しないようにしましょう。

また、画像や動画、テキスト生成に関しては、著作権侵害のリスクが考えられます。先述したように生成AIは学習したデータをもとにデータの生成を行うため、既存の画像や動画、文章を引用して生成されることも少なくありません。トラブルにならないように、社内で事前に対策案を考えておきましょう。

⑤研修などで社員のリテラシーを向上させる

生成AIを活用する前に、研修などで社員のリテラシーを向上させ、業務に合わせた適切な利用ができるよう対策しましょう。

生成AIは強力なツールですが、AIならではの特性や限界を理解していないと、悪気なく著作権侵害、情報漏洩、不正確な情報の拡散といったリスクに加担してしまうかもしれません。AIの出力を鵜呑みにするのではなく、最適に使うリテラシーが必須です。

研修の実施方法として、全社員または部門ごとに集まって基本的な知識や事例を学ぶ「集合研修」や、オンラインで自分のペースで学習できる教材を提供する「eラーニング」などが挙げられます。実際に生成AIツールを操作しながら実践的なスキルを習得するワークショップなども活用し、わかりやすい伝え方になるよう工夫しましょう。

⑥運用前に生成AIのルールを作成する

生成AIを最適に利用するには、AI運用前に生成AIのルールを作成することも効果的です。「文章作成業務の効率化」「アイデア出しの初期段階での活用」「顧客対応におけるFAQの自動生成」など、カテゴリー別にルールを明示しておけば、大きなレギュレーション違反を防げます。

また、生成AIツールを利用する際は必要に応じて権限を付与するなどの工夫を行い、情報漏洩などのリスクを最小限に抑えることも重要です。あらかじめ各ツールの管理者を決めておき、問い合わせ窓口を設置しておけば、いざというときの相談先として機能するでしょう。

なお、生成AIツールの権限を付与する社員を限定的にすることで、生成AIツールへの依存も防止できます。生成AIを利用しすぎると、従業員の業務の質が落ちてしまうことも考えられるため、生成AIの利用範囲は慎重に決めましょう。

⑦生成AIの知識を持つプロ人材に相談する

「生成AIを活用したいが自社には活用できる人材がいない」という場合や「生成AIを導入したはいいものの思ったような成果を実感していない」という方は、生成AIに関する知識を保有したプロ人材へ相談するのも良いでしょう。

プロ人材に相談することで問題点や課題が明らかになり、思ったような成果を実感できなかった原因も突き詰めることができます。現在行っている事業やプロジェクトと生成AIとの相性が良ければ、活用することでコスト削減や業務改善に関して良い影響をもたらすことは確かです。プロ人材に相談し正しい活用方法を自社へ取り入れましょう。

8.生成AIのビジネス活用ならフリーコンサルタント.jpにお問い合わせください

「生成AIをビジネスで活用したい」「生成AIを導入して業務効率化や売上向上を目指したい」という方は、フリーコンサルタント.jpへお問い合わせください。生成AIの導入をこれまで何件も担当してきたプロフェッショナル人材が、貴社のニーズに合わせて最適な提案をいたします。

また、生成AIの分野に限らずRPAやデータドリブン経営についても強みを持つ人材が多数在籍しているため、現在抱えている課題やこれから起こりうる問題をまとめてご相談いただけます。相談は無料のため、以下のボタンからお気軽にお申し込みください。

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9.まとめ

今回、注目を集めている生成AIについて、日本の大手企業での活用事例をはじめとして活用にあたってのリスク、実際の生成AIツールをご紹介してきました。

本文でも紹介しましたが、米IBMのCEOが「生成AIが今後10年のビジネスシーンの転換点」と発言している通り、アメリカの企業による生成AIのツール開発合戦が非常に活発となってきており、日本においても富士通やNECなどのITトップ企業が日夜研究開発に励んでおります。

たしかに生成AIにはセキュリティ上でのリスクやレピュテーションリスクがあります。
しかし、活用しないことのリスクはそれ以上かもしれません。
時流に乗り遅れ、競合他社に差をつけられる前に、リスクヘッジの観点を忘れずに利活用に向けた準備を始めるべきタイミングが来ているのではないでしょうか?

もし社内だけでの検討が難しい場合、外部プロフェッショナルの意見も参考に検討を進めていく必要があることでしょう。

なお弊社は、日本最大級のプロフェッショナル人材データベースの運営企業です。
「AI活用戦略の立案に優れたプロフェッショナル」や
「AI導入プロジェクトの旗振り経験のあるプロフェッショナル」など
ビジネス領域におけるプロフェッショナル人材に興味がある方は、お気軽にお問合せ下さいませ。



(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)

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