優秀な人材が欲しいのは、どの業種でも同じです。優秀な人材がひとりいるだけで組織全体の動き方が変わったり、チーム全体の雰囲気が良くなりパフォーマンスが向上したりと、経営者にとっては非常にありがたい存在となります。また、優秀な人材を抱えることは生産性の向上や現場の士気が高まるなど、メリットも多いです。
今回は、優秀な人材を採用するための方法を解説します。優秀な人材の特徴や見分け方にも触れるので、参考にしてみましょう。
【こんな人におすすめ】
- 自社に必要な人材がどんな人材なのかわからない
- どんな人材を採用するべきかわからない
- 市場価値の高い人材を採用したい
1.優秀な人材の定義とは
優秀な人材とは、一般的に「自分が所属する組織や役割において価値を提供し、成果を上げる能力を持つ人」を指します。具体的に必要なスキルは業種や職種、企業規模により変化しますが、要は「組織に貢献できる人」と考えると良いでしょう。
優秀な人材の定義は時代によって変わる
「優秀な人材」の定義は時代により変わることに注意しましょう。
たとえば、昔は非常に技術が高く優秀だとされていた医師でも、医療技術の進歩や最新機材への対応が遅れれば、時代の変化とともに「優秀」とは言えなくなります。同じようにビジネス市場においてもリスキリングやAIスキルに関するニーズが高まっている昨今、最新技術に対応できる人が今の時代における「優秀な人材」と言えるでしょう。
2.優秀な人材の特徴10選
ここでは、優秀な人材の特徴を紹介します。採用活動を効率的に進めるためにも、以下の指標をお役立てください。
- 現状に満足せず努力を怠らない
- 学んだことを仕事に活かせる
- コミュニケーション能力が高い
- マネジメント力がある
- 自分に求められているものを理解して行動できる
- 前向きかつ謙虚である
- ストレス耐性が高い
- 仕事に活かせるスキルを保有している
- 人材育成ができる
- どんな場面でも柔軟に対応できる
1.現状に満足せず努力を怠らない
現状に満足せず努力を怠らない人は、常に新しいスキルや知識を学び続け、自己の専門性を高められます。トレンドや技術の変化に遅れずに適応しようとするハングリー精神も強く、明確で具体的な短期・長期の目標を設定しながら自己努力できるのが特徴です。
新しいプロジェクトや挑戦に積極的に取り組む姿勢を持つなど、自社にとって良い動き方をしてくれます。
2.学んだことを仕事に活かせる
学んだことを「学びっぱなし」にせず、仕事に活かせる人も優秀です。たとえば、最新のマーケティング手法やプロジェクト管理のフレームワークを実際のプロジェクトに取り入れることができれば、プロジェクト全体にとってのメリットにつながります。
新しいスキルや知識を試し、実践から得たフィードバックをもとにさらに学びを深めることもできるため、どんどん知識を吸収できるのもポイントです。
3.コミュニケーション能力が高い
コミュニケーション能力が高い人の周りには自然と人が集まり、パフォーマンスも高くなります。ただ単に話すことが得意ということに留まらず、相手の意図を理解し、自分の考えを明確に伝え、双方の理解と協力を促進する力のある人は優秀です。
また、共感力や適切な非言語コミュニケーション能力の高い人も、大勢で仕事をするようなシーンで大いに力を発揮するでしょう。チーム全体のクッションとしての役割を果たしてくれるほか、リーダーシップのある人材であれば統率力も高まります。
4.マネジメント力がある
マネジメント力のある人は、リーダーシップを発揮しながらチームやプロジェクトを効果的に運営し、目標達成に導きます。ビジョンを具体的な目標や行動計画に落とし込めるのでチームメンバーへのアドバイスや指示も明確になりやすく「何をするべきか」が一目瞭然となって具体的な行動を喚起します。
また、スケジュールや予算の管理、リソースの最適な配分、クライアントとの折衝などのスキルが高い人も「マネジメント力がある」と評価されることが多いです。どれも仕事に重要なスキルのため、マネジメント力の高い人材は率先して確保すると良いでしょう。
5.自分に求められているものを理解して行動できる
ビジネスにおいては、自分に求められているものを理解して行動する人材も求められます。自社にとって必要な行動を率先して行ってくれるため、効率的に事業を進めることが可能です。
ただし、すべてを社員の判断に任せるのは避けましょう。求めていることを何も伝えないまま放っておいても、模索する時間にリソースが割かれ非効率的です。また、やみくもに仕事を進めているだけの状態はモチベーションも低下しやすいため、自社の抱えている問題や指標を定期的に伝え、社員一人ひとりがやるべきことを逆算できる状況を作ってあげましょう。
6.前向きかつ謙虚である
前向きかつ謙虚である人は、問題が発生した際にネガティブな面にフォーカスするのではなく、解決策を見つけるために積極的にアプローチをしてくれるため、プロジェクトの進みが早くなります。
また、前向きな人材は自然と周りの雰囲気を明るくするため会社全体の雰囲気が良くなり、営業など外部へのアプローチが必要な職種では特に大きな役割を果たします。
7.ストレス耐性が高い
ストレス耐性が高い人材は、少しの失敗でもめげることなくポジティブな努力ができるため、失敗を将来的な成功の元に変換できます。また、プレッシャーに対して過度に反応せず、適切な対処方法を見つけられるのもポイントです。
ストレスフルな状況でも感情をコントロールし、冷静に対処できる人材であれば、柔軟に業務を遂行してくれるでしょう。
8.仕事に活かせるスキルを保有している
特に専門職においては、仕事に活かせるスキルを保有している人材を獲得することで社員のスキルの底上げや、リソースの確保ができます。高い治療技術を持つ医師、年齢に応じた的確な保育ができる保育士、高いプログラミングスキルで独創的なソリューションを開発できるエンジニアなどが代表例です。
スキルを保有した人材が周りにスキルの教育をすることで社員一人ひとりの質が上がり、ゼロからスキルを獲得するよりもスムーズに育成できます。また、育成がスムーズに進むことで行える業務の量が増え、生産力向上にも繋がるでしょう。
9.人材育成ができる
人材育成ができる人は、自分が持つノウハウや知識を後進に授けられます。結果的に自社組織全体の成長につながり、将来的な可能性を拡大するきっかけになることが多いです。
チームメンバーや部下の能力を最大限に引き出すこともできるのでやりがいを感じやすく、社員一人ひとりのモチベーションが上がるのも大きなメリットと言えるでしょう。
10.どんな場面でも柔軟に対応できる
仕事をしていると、予測しないトラブルや大きなミスが発覚することも少なくありません。しかし、厳しい状況や変化に対して迅速に適応し、具体的な解決策を考案できる人材がいれば、スムーズに問題を解決することができます。
チームメンバーや関係者とオープンで建設的な対話を行いながら次の一手を考えるリーダーシップも期待でき、困難を打開する人材として重宝されるでしょう。
3.優秀な人材を確保するために企業がやるべき2つのこと
ここでは、優秀な人材を確保するために企業がやるべきことを解説します。まさに今、優秀な人材が欲しいとお考えの方はご参考ください。
1.自社の求めている人物像を定める
まずは、自社の求めている人物像を定めます。スキルセットを期待するのであれば「〇〇の実務経験が△△年以上」「〇〇の資格を保有していて実務経験が最低△△年以上ある人」など具体的にしていくことが大切です。同様に、経験を求めているのであれば「予算規模〇〇円以上のプロジェクトでリーダーをしていた経験」など可視化していきます。
なお、人物像を定める際は現場へのヒアリングも行いましょう。現場で働く人がどんな人を求めているのかわかれば、人物像も描きやすくなります。
2.MVVを発信する
MVVとは「Mission(ミッション)」「Vision(ビジョン)」「Value(バリュー)」の略称です。自社やプロジェクトのMVVを積極的に発信し、自社が目指す方向性や社風、企業理念を明らかにしていきます。
MVVを見て共感してくれた人が採用求人に応募してくることで、ミスマッチなく入社してもらうことが可能です。自社HPや採用パンフレットにも掲載し、積極的な情報発信をしていきましょう。
また、最近ではカジュアル面談を通してMVVを伝える企業も増えてきているため、ミスマッチを減らしたい方はカジュアル面談を導入してみるのもおすすめです。MVVを適切に伝えられるほか、反対に応募者の雰囲気や人柄も掴めます。
4.即戦力になる優秀な人材を確保する方法4つ
次に、即戦力になる優秀な人材を確保する方法を紹介します。優秀な人材の採用が急務なときは、以下いずれかの方法を試してみましょう。
1.転職エージェントなどの活用
優秀な人材を確保するためには、転職エージェントなどの転職支援サービスを活用する方法があります。キャリアアドバイザーが自社の理想を丁寧にヒアリングしたうえでマッチング度の高い求職者を紹介してくれるので、採用工数を大幅に減らせます。
なお、スムーズに採用活動を進めたい場合、事前に欲しい人物像を明らかにしておきましょう。自社の理想に合わせてどのような人材が欲しいのかも伝えることで、ミスマッチなく優秀な人材を獲得することができます。
2.ヘッドハンティングを行う
優秀な人材が見つかり次第、ヘッドハンティングする方法もおすすめです。転職エージェントには転職希望者しか登録しませんが、ヘッドハンティングであれば条件や待遇次第で転職を考えていない人も引き抜けます。スピード感よりも人材の質を優先する場合には、ヘッドハンティングを利用してみましょう。
なお、自社でヘッドハンティングを行う際はSNSで情報収集を行い直接連絡をとるか、Linkedlnなどの外部サービスを活用するのが主流です。こまめな連絡やチェックが必要になるため、リソースが割けない場合にはヘッドハンティング会社へ依頼するのも良いでしょう。
3.リファラル採用を行う
リファラル採用とは、自社の社員や社外の信頼できる人脈から人材を紹介してもらう採用手法です。推薦、紹介を受けた人が採用面接に来るためコミュニケーションコストが低く、一定のスキルレベルを持っていることが期待できます。
また、企業理念や文化を理解している社員がリクルーターとして人柄をよく知る友人を紹介するため、採用ミスマッチが起きにくいのもメリットです。
4.プロフェッショナル人材を活用する
外部からプロフェッショナル人材を調達し、即戦力として貢献してもらう方法もあります。他の社員もナレッジの蓄積ができるため、将来的な内製化も期待しやすいのが特徴です。
とにかく短期間で社内の人材育成がしたいときや、手っ取り早くプロのノウハウを学びたいときに検討してみましょう。
なお、プロフェッショナル人材を活用する場合には「フリーコンサルタント.jp」がおすすめです。大手戦略系ファームや会計系ファーム出身者を中心に、Webサービス企業やネット系ベンチャー、金融機関などさまざまな領域で経験を積んだ質の高い人材を中心に集めています。多様なバックグラウンドを持つ人材を取り揃えており対応領域も広範なため、貴社の求めている人物を必ずご紹介いたします。
5.採用時に注意したい!優秀な人材の見極め方4つ
ここでは、優秀な人材の見極め方を解説します。
内定を出す前に必ずチェックしたい項目なので、採用活動のご参考にしてください。
1.過去の経歴や保有しているスキルをチェックする
まずは履歴書や職務経歴書を通して過去の経歴や保有しているスキルをチェックします。自社が最低限求める経験を満たしているか、自社の業務と関連性が高いかを確認しておけば、入社後に判明する大きなミスマッチを予防できます。
また、売上額、参画してきたプロジェクトの内容、コスト削減実績など、具体的な成果があればその人の能力や実績を示す重要な証拠として参考にしましょう。具体的な実績があれば、入社後も大きな活躍が期待できます。
2.前職についてどのように回答するかチェックする
前職についてどのように回答するかも確認します。前職に関する質問をしたとき、ポジティブで前向きなアプローチをする人を優先すると良いでしょう。反対に、前職の悪口とも受け取れてしまうようなネガティブな内容を伝えてくる人は、他責思考が強いと予想できます。
ネガティブなこともポジティブに変換して伝えるスキルがある人は、入社後のコミュニケーションも容易です。
3.将来のビジョンを問う
10年後20年後のキャリアビジョンや将来的にやりたいことなど、未来に関するビジョンを問うのもおすすめです。
候補者がどのようなキャリアを描いているか、またそのビジョンを実現するためにどのように取り組んでいるかを理解でき、自社のビジョンと照らし合わせて採用可否を判断できます。
4.人間性をチェックする
求職者が大切にしている価値観や信念について質問し、どのような原則や倫理観を持っているかを理解しておくことも大切です。人間性が高い人は優秀なスキルや経験を持っているだけでなく、チームや組織と適切にフィットしながら協力して働けます。
どのような状況で自分の価値観や信念を貫いたか、具体的なエピソードを求めてみてもよいでしょう。
6.優秀な人材を確保する3つのコツ
次に、優秀な人材を確保するコツを解説します。以下の点を強く意識して人材探しをすることで、優秀な人材を逃さず確保できる割合が高まります。
1.レスポンスは丁寧かつ迅速に行う
候補者からの応募や問い合わせに関するレスポンスは、丁寧かつ迅速に行います。 メールやメッセージは、24時間以内に返信するのが理想です。相手にプロフェッショナルな印象を与えるだけでなく、信頼性を築く第一歩となるので特に意識しておきましょう。
また、優秀な人材は市場価値が高く、他の企業からも引く手あまたになっていると予想できます。タイミング次第では「他社に転職することを決めてしまった」と断られてしまうこともあるので、連絡のスピードは大切です。
2.スキルや年齢など、条件を絞りすぎない
理想的な人物像を定めるときも、スキルや年齢など、条件を絞りすぎないようにしましょう。
条件を絞りすぎると、少し条件と離れるだけの優秀な人材が候補から外れてしまいます。入社後に大きな成長を見せてくれる、可能性の高い人を逃すことにつながるので注意しましょう。
3.面接フローを増やして見極める時間を長く確保する
面接フローを増やして、候補者を見極める時間を長く確保することもおすすめです。書類選考に加えて複数回の面接を用意し、人事担当だけでなく経営者や現場の社員など複数の視点で評価することができれば、ミスマッチにつながる恐れもありません。
また、自社が候補者を理解するだけでなく、候補者に自社を理解してもらう時間を取り、相互理解を進めましょう。双方が納得したうえで採用することで、早期退職を防止できます。
7.優秀な人材が早く辞めてしまう原因と対処法
ここでは、優秀な人材が早く辞めてしまう原因と対処法を解説します。
会社の将来性が無い
会社の将来性がないと感じられた場合、優秀な人材はすぐに辞めて他の会社に転職してしまいます。売上が下がっているなどわかりやすい項目はもちろん、上司や同僚の考え方の偏りや同意できない企業理念なども「将来性がない」と感じる理由になる
ので注意しましょう。
また、イノベーションの欠如、技術的な遅れ、内部の不和なども主な離職原因となっています。売上向上を目指して社内環境を整えるのはもちろん、社員一人ひとりの質を上げるための人材育成が欠かせません。
社員が成長しやすい環境が整っていない
社員が成長しやすい環境が整っていないと、自分のスキルアップにつながらないと感じて離職する人が多いです。優秀な人材はハングリー精神が強いからこそ自己成長を大切にしているため、成長できない環境は見切りをつけられてしまうので注意しましょう。
リスキリングの導入や資格取得しやすい環境の整備、ノウハウを共有しやすい空気づくりはもちろん、大型プロジェクトへ立候補しやすい環境やメンター制度の導入など、できるところから進めていくのがおすすめです。
評価制度が整っていない
評価制度が整っていないと、優秀であっても高い評価を受けることができず、スキルと報酬のバランスが取れません。結果「もっと自分を高く評価してくれる会社に移ろう」と思われ、離職の原因となってしまいます。
また、ヘッドハンティングで引き抜かれてしまう恐れもあるので、自社の評価体制を充実させることが大切です。
働きやすい環境が整っていない
働きやすい環境が整っていないと、他の職場と比べてストレスフルになるため離脱が発生します。特に、仕事量や人間関係、残業、休日の有無などはダイレクトに影響するので注意しましょう。同時に社内制度や福利厚生の有無も働き続けるモチベーションに関わります。
対処法としては、現場を見ながら社員一人ひとりの業務量が多くなりすぎないよう採用活動を積極的に進めたり、福利厚生を充実させたりすると良いでしょう。また、長期的に働いてもらえるよう産休、育休の取得しやすい環境づくりや、休日日数の調整を行うのもおすすめです。
8.優秀な人材を定着させるためにはリテンションマネジメントもおすすめ
リテンションマネジメントとは、自社の成長に必要な人材が離職しないよう、モチベーションアップやスキルアップを促進するマネジメント手法です。その他、待遇の改善や社内コミュニケーションの促進、効果的なフォローアップなど、多彩な手段でリテンションマネジメントすることが多いです。
リテンションマネジメントが成功すると、従業員の不満解消と意欲向上が期待できます。優秀な人材が離職しないだけでなく、今後成長する可能性のある従業員を定着させられるのがメリットとして注目されました。
9.まとめ
優秀な人材は市場価値が高く、効果的に獲得しないと同業他社に負けてしまう
恐れがあります。自社の魅力を増すとともに、効果的なアプローチをして優秀な人材を獲得できるようにしましょう。
みらいワークスでは、優秀なプロフェッショナル人材の紹介をしています。マネジメント分野でも専門分野でも、理想的な人物像をもとに該当する人を探すお手伝いをしていますので、お気軽にお問い合わせください。
(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)