
USJは2001年に開園しましたが、来場者数が伸びず業績悪化が続いていました。そんな経営危機に陥ったUSJを救ったのが、2011年に就任したマーケターの森岡氏です。
この記事では、森岡氏が行ったUSJのマーケティング戦略や事例、企業を成長させるためのフレームワークを解説します。>USJのマーケティング戦略を知ることで、業績向上や企業の成長が実現できるでしょう。
自社の経営状況を改善したいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
1.USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のマーケティング戦略がなぜ成功したのか
USJのマーケティング戦略がV字回復を遂げた理由は、主に以下の3つの要因に集約されます。
①消費者視点の徹底
- 「映画ファン向け」の視点から脱却する
- 来場者が本当に求める「楽しい体験」とは何かを徹底的に追求する
- 顧客満足度を最優先し、心から楽しめる体験価値を提供する
②明確なターゲティング設定
- 狭いターゲット(映画ファン)から、ファミリー層や若者へ対象を拡大する
- 各ターゲット層のニーズを分析し、心に響く施策を展開する
- 新たなファン層の開拓に成功し、来場者数の大幅な増加した
③リピーターの発掘
- 季節ごとのイベントや人気コンテンツとのコラボを積極的に行う
- 「また来たい」と思わせる魅力を常に提供する
- 安定した経営基盤になる熱心なリピーターの獲得に成功した
3つの戦略が連動することで相乗効果を生み、経営危機から日本屈指のテーマパークへと押し上げました。
2.USJの経営状況がV字回復させたマーケティング手法
経営危機に陥っていたUSJは、以下のようなマーケティング手法によりV字回復を果たしました。
ここからは、V字回復を実現した4つのマーケティング手法を解説します。
①USJのブランドの価値を上げた
1つ目のマーケティング手法は、ブランド価値の向上です。
パーク内でのクルーとのコミュニケーションや、画期的なアトラクションによる顧客の体験価値向上を実現することにより「世界最高品質のエンターテイメントを届けるテーマパーク」へ進化させました。
よって、現在では、興奮や感動を心と体で楽しめる「エンターテイメントへの入口」と認知されています。さらに、日本アニメや和の要素を取り入れたアトラクションなど「日本文化を体験できる場」として海外からの認知度も高いです。
USJのブランド価値は、映画やキャラクターはもちろん、さまざまな特徴を持つエンターテイメントを高い品質で提供することで、唯一無二のポジショニングを確立しているといえるでしょう。
②ターゲット市場を特定した
2つ目のマーケティング手法は、ターゲット市場の特定です。
以前のUSJの顧客ターゲットは、映画ファンをターゲットとしていました。しかし、ターゲットの幅が狭いことから、テーマパークの規模に伴う来場者数は得られませんでした。
そこで、ターゲットを映画ファンだけではなく、ファミリー層や関西圏、海外からの来場者に広げることにしたのです。それに伴い、ユニバーサルワンダーランドなどのファミリー向けのアトラクションの充実や日本の人気アニメとのコラボを実施しました。それぞれのターゲット層のニーズを把握して、アトラクションやショー、季節のイベントなどを提供することで、あらゆる顧客層に対して来場のきっかけを与えることに成功したのです。
USJに幅広い層の顧客が集客できるのは、各ターゲットの市場ニーズを特定した戦略によるものといえるでしょう。
③価格戦略とプロモーション活動
3つ目のマーケティング手法は、価格戦略とプロモーション活動です。
USJでは、過去の安価な価格戦略から脱却し、提供サービスに対する適性な価格設定を行っています。入場に必要な基本料金に加えて、優先入場や特定のアトラクションを体験できる特別チケットの販売、シーズンや曜日による価格調整など、その時々の価値に合わせた価格設定を実施しております。来場者が体験できる価値に対して適切な価格を設定することによって、効果的な価格戦略を打ち出しているのです。
また、プロモーション活動では、幅広い層にUSJの魅力を届けて集客につなげるため、マルチチャネルに展開しています。テレビやラジオ、新聞などのマスメディア広告に加え、FacebookやX、InstagramなどのSNSを活用した双方向のコミュニケーションを行い、幅広いターゲットに対して自社の魅力を届けているのです。他にも、メディア企業や映画スタジオなどとコラボすることで、お互いにPRしながらブランド価値を向上させる取組みも活発に行っています。
④商品戦略
4つ目のマーケティング手法は、商品戦略です。
USJでは、来場者が映画やキャラクターの世界に入り込むことで、感動や興奮、思い出などの「感情の変化」という商品価値を提供しています。
普段の生活では目にしないような華やかで魅力的なパフォーマンスやアトラクションにより、顧客は忘れられない経験を手に入れることができるのです。さらに、USJ内で販売される飲食物やキャラクターグッズも、映画の世界観が体験できるような商品を提供することで、帰宅後も忘れられない思い出になるように考えられています。忘れられない体験ができることで、顧客は「また訪れたい」と思うようになるのです。
さまざまな商品を通じて、顧客にとって「USJに行くことが特別な体験」となりリピーター化していくことが商品戦略といえるでしょう。
3.USJのマーケティング事例4つ
USJは、森岡氏による独自のマーケティング手法によりさまざまなヒット作を生み出すことで、V字回復を果たしてきました。
森岡氏のマーケティングフレームワークを活用した事例には以下のようなものがあります。
ここからは、USJのマーケティングフレームワークを活用した4つの事例を紹介します。
事例①ユニバーサルワンダーランド
「ユニバーサルワンダーランド」とは、スヌーピーやセサミストリート、ハローキティなどのコンテンツが一堂に会するファミリー向けエリアです。
開園当初のUSJは「映画好きの大人が楽しめるテーマパーク」がコンセプトでした。そのため、多くのアトラクションには身長制限があり、子ども連れでは楽しめないイメージが定着していたのです。
危機感を感じた森岡氏の提案により、あらゆる世代が訪れることのできる場所へコンセプトを変えるため、ユニバーサルワンダーランドが開発されました。母親向けのデザインや子ども向けのアトラクションを取り入れた結果、これまで逃していたファミリー層から支持される人気エリアが誕生したのです。
ユニバーサルワンダーランドは、映画のテーマパークという売り手視点のこだわりを捨て、消費者視点に転換した成功例といえるでしょう。
事例②ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド~バックドロップ~
「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド~バックドロップ~」とは、ジェットコースターが後ろ向きに走る絶叫アトラクションです。
このアトラクションは、元々あったジェットコースターを反対向きに走らせただけですが「ジェットコースターは前向きに走る」という常識を覆す画期的なアイデアは、来場者に大きな反響を呼びました。ジェットコースターの走り方を変えることで、USJの提供価値である「アトラクションを体験したときに起こる感情の変化」を生み出したのです。
約3分の乗車時間に対して、アトラクション待ち時間の日本記録である「9時間40分待ち」という空前の大ヒットとなりました。
経営危機の状況から、可能な限りコストと手間、失敗を減らし、集客を行いたかったUSJにとって、ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド~バックドロップ~は、自社が持っているリソースを最大限活用して、できる限り費用を抑えた成功例といえるでしょう。
事例③ハロウィン・ホラー・ナイト
森岡氏の着任当初は、経営が厳しく予算がない状況で集客をしなければいけなかったことから、キャストがゾンビに扮装し、パーク全体をゾンビで覆いつくす「ハロウィン・ホラー・ナイト」を実施しました。
日頃ストレスが溜まりやすいにもかかわらず、ストレスを発散する機会がない「独身の若い女性層」をターゲットとし「大声で叫んだり思いっきり騒げる空間」を提供することで価値が生まれると考えたのです。その結果、7万人程度だったハロウィンシーズンの来場者は40万人以上に増加し、関西を代表するハロウィンイベントに成長しました。
このようにハロウィン・ホラー・ナイトは、目標、戦略、戦術を正確に設定することで集客に成功したといえるでしょう。
事例④ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター
「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」とは、日本でも大ヒットしたハリー・ポッターシリーズの世界観を再現した人気エリアです。
森岡氏の就任後はヒット作が次々に生み出され、来場者数は拡大していきます。しかし、USJは「関西のテーマパーク」というイメージが強く、関西圏の集客にとどまる課題がありました。
そこで、森岡氏は日本全国から集客する目玉として、あらゆる世代から絶大な支持を得ている「ハリー・ポッター」に目をつけます。総工費450億円もの投資により作品の世界観を忠実に再現し、数々のアトラクションも充実させました。その結果、日本全国から多くの来場者が訪れるようになり、USJは全国区のテーマパークとして認知されるようになったのです。
ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッターは、消費者視点で分析を行い、勝てる場所にリソースを集中投下した成功例といえるでしょう。
【詳しく解説!】マーケティング領域のプロフェッショナル人材ってどんな人?
4.USJの経営危機を救ったマーケター森岡毅氏のフレームワーク
USJの経営危機を救うヒット作は、森岡氏のマーケティングのフレームワークから考えられてきました。森岡氏のフレームワークには、以下の要素があります。
ここからは、上記5つのフレームワークについて解説します。
戦況分析
戦況分析とは、自社が「戦うべきポジション」を分析することです。
どんな企業でも、限られたリソースを最大限活用しながら利益を生み出していかなければなりません。そのためには、自社が置かれている状況を分析し、ビジネスが成功できる場所を選ぶことが必要です。
戦況分析を行うには、以下のようなポイントについて考えましょう。
- 自社を取り巻く市場環境や顧客の状況
- 自社にとっての競合先とその動向
- 自社が提供している価値
戦況分析にはさまざまな切り口がありますが、中でも「3C分析」が最も有効です。顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の観点で分析し、自社にとって勝ちやすい場所を特定しましょう。
目的設定
目的設定とは、自社にとって「果たすべきゴール」を設定することです。
目的が明確になることでやるべきことがはっきりし、スピード感のある企業活動が実現できます。また、設定した目的を達成することで、従業員のモチベーションも向上するでしょう。
なお、設定目的は、以下のようなポイントを満たす必要があります。
USJの再建当時は「オープン初年度の来場者数である1,100万人」を目的として設定していました。誰もがわかる来場者数を対象にし、過去に実現している数値にすることで、従業員に対して到達の難しさを感じないようにしたのです。
上記のように、従業員が目指したいと思えるゴールを設定しましょう。
目標設定
目標設定とは、自社の商品、サービスについて「誰をターゲットにするか」を設定することです。
目標設定は、以下のようなポイントで検討します。
- 売りたい顧客を特定できているか
- 特定した顧客の中で「絶対に逃せない顧客」を設定できているか
- ターゲットの特徴や本心を探れているか
顧客全体を広く対象とするほうがビジネスの可能性が高いと考えがちですが、ニーズは千差万別なため、誰にも刺さらない中途半端なものになりかねません。ターゲットとなる顧客の解像度を上げることで、顧客に対して提供すべき価値も明確になり、効果的に売ることができます。
また、競合と比べて優位なポジションを確立することで顧客の獲得に繋がるため、目標設定は重要です。
戦略決定
戦略設定とは、自社の商品、サービスにより「どんな価値を提供するか」を決定することです。商品、サービスそのものの価値ではなく、利用した際に顧客が見出す価値に注目することで、本当のニーズを捉えることができるでしょう。
価値を決定する際には、以下のようなポイントが重要です。
- 商品、サービスが生み出す価値とは
- 商品、サービスを利用することで「感情」を提供できているか
- 商品、サービスによる「感情」を一言で表せるか
たとえば、USJでは「アトラクションを体験した際に起こる感情の変化」を価値としました。商品、サービスの価値とは実利がともなうものだけでなく「うれしい」「楽しい」などのポジティブな感情も含まれることを意識しておきましょう。
戦術決定
戦術決定とは、自社の商品、サービスについて「どうやって売るか」を決定することです。目的、ターゲット、提供価値が決まっても、売り方が確立されていなければ顧客に商品、サービスを届けることができません。
売り方を検討するうえでは、マーケティングで使われる「4P分析」が便利です。4P分析は以下の要素で検討します。
| 要素 | 詳細 |
| 商品(Product) | 顧客に提供する商品、サービス |
| 価格(Price) | 商品、サービスの対価 |
| 流通(Place) | 商品、サービスを顧客に届ける場所、経路 |
| プロモーション(Promotion) | 商品、サービスを顧客に認知してもらう方法 |
4つの要素を順番に検討することで、スムーズにマーケティング施策が立案できます。また、戦術決定により売上や利益を最大化できるでしょう。
5.USJをマーケティング戦略で黒字化に導いた森岡毅氏とは
USJの劇的なV字回復は、日本を代表するマーケター森岡毅氏の存在なくして語ることはできません。2010年にUSJへ入社した森岡氏は「映画好きの大人」が中心だったパークのコンセプトを大胆に転換し、ファミリー層や若者など、新たな顧客層の獲得に次々と成功しました。
その結果、入場者数を倍増させ、経営危機にあったUSJを再建へと導いています。森岡氏の功績はUSJに留まらず、退社後に設立した株式会社「刀」では、さまざまな企業の再建や新規事業を手掛けています。

以下からは、森岡氏が現在率いる株式会社刀と、森岡毅の知識が詰まったおすすめ書籍について詳しく解説します。
森岡毅が率いる株式会社刀とは
株式会社刀(かたな)は、森岡毅氏がUSJ退社後の2017年に設立した、日本を代表するマーケティング戦略集団です。

USJで有効性を実証した独自のマーケティング手法「森岡メソッド」を武器に、さまざまな企業の成長を支援しています。
その手腕は、うどんチェーンの「丸亀製麺」や「西武園ゆうえんち」のV字回復、東京お台場の「イマーシブ・フォート東京」の開業など、多くの業界で実績を残しています。また、コンサルティングだけに留まらず、事業に深く関与し成果を出すのが特徴です。
森岡毅の知識が詰まったおすすめ書籍
森岡毅氏の卓越したマーケティング理論や仕事に対する哲学は、彼が執筆した書籍からも学べます。自身の貴重な経験から、実践的なノウハウを誰にでも理解できるように言語化しているのが特徴です。
■USJを劇的に変えた、たった1つの考え方

引用:Amazon
マーケティングの入門書として最適の一冊です。USJのV字回復の舞台裏が臨場感たっぷりに描かれており、消費者視点の重要性を理解できます。
■確率思考の戦略論

引用:Amazon
より専門的で高度なマーケティング戦略を学びたい方向けの書籍です。数学的な思考に基づいた独自の戦略理論を深く掘り下げており、マーケター必読の書とされています。
■苦しかったときの話をしようか

引用:Amazon
自身のキャリアプランや働き方に悩む人におすすめです。就職や転職を控える我が子のために書きためた「働くことの本質」が綴られており、多くのビジネスパーソンから共感を呼んでいます。
3つの書籍は、森岡氏の知見が分かりやすくまとめられており、新社会人からリーダー層まで幅広くおすすめできる良書です。
6.森岡毅は今話題のジャングリア沖縄の仕掛け人としても有名!
USJをV字回復させた森岡毅氏の次なる挑戦の舞台は、沖縄です。2025年の開業を目指して、新しいテーマパーク「JUNGLIA(ジャングリア)沖縄」のプロジェクトを推進しています。

USJで培ったマーケティングの知見を注ぎ込み、日本の観光業そのものを活性化させようという大きなビジョンに基づいて行われています。
ここからは、ジャングリア沖縄における注目のマーケティング戦略に迫ります。
ジャングリア沖縄のマーケティングのポイント
ジャングリア沖縄のマーケティング戦略は、沖縄ブランドを最大限に活用しつつ、既存の沖縄の魅力だけではない新たな体験価値を提供することにあります。
ジャングリア沖縄のマーケティングのポイントは、以下のとおりです。
- 明確なターゲット設定
- コンセプトの差別化
- 滞在日数の延長と消費額の向上
ジャングリア沖縄は、沖縄を訪れる観光客の多くがリピーターである市場特性に着目し、「いつもの沖縄旅行では物足りない」と感じている層に、新たなきっかけを提供しています。
これまでの「癒やし」や「リラックス」といった沖縄のイメージとは一線を画し、やんばるの豊かな自然を舞台にした「興奮」と「贅沢」を体験価値の軸に設定したことで、県内の他の観光地とは差別化を図りました。
また「ジャングリア沖縄に行く」という目的を旅行の日程に加えることで、観光客の滞在日数を自然に延ばし、沖縄全体での消費額アップを狙っています。

このように、これまでの沖縄ブランドと、これまでにない体験価値を掛け合わせることで、沖縄観光の新たな可能性を追及しています。
7.森岡毅氏によるUSJ以外のマーケティング事例3つ
ここでは、森岡毅氏によるUSJ以外のマーケティング事例を解説します。
USJ以外でどのようなマーケティング戦略を実行してきたのか、他の取り組みも知りながら学べるポイントを探っていきましょう。
①丸亀製麺
森岡毅氏は、うどんそのものの品質の高さや手作り感など、丸亀製麺が持つ本来の強みを改めて顧客に伝える手法で経営の危機を回避しています。
具体的には、テレビCMやSNSなどを活用して丸亀製麺の魅力を効果的に発信しました。
そのうえで、消費者のニーズを細かく分析して、変化の激しい消費者のニーズに対応できるような商品開発や集客方法を考案しています。
消費者が何を求め、何に感情を動かされるのかを深く洞察し、そのインサイトに基づいて戦略を構築した事例と言えるでしょう。結果、18%以上の成長とV字回復を達成し、丸亀製麺の経営を軌道に乗せています。
また、森岡氏は、丸亀製麺のマーケティング戦略の目的はあくまでもお客様に「感動」してもらうことであると唱えています。たとえば、注文から提供までのスピードや、レジ会計のスピーディーさなどを整え、他店との違いを明確にできるようにしました。このように、他の店舗では得られない感動体験に力を入れることで、顧客の来店理由に繋げ、顧客単価と店舗の回転率の向上を目指しました。
②西武園ゆうえんち
西武園ゆうえんちは埼玉県所沢市にある遊園地として人気がありましたが、来場者数の減少により経営危機に瀕していました。
森岡毅氏は、日本人が持つ「コミュニティー愛」に焦点を当て、1960年代の昭和の街並みを再現することによる「懐かしさ」と「温かさ」の演出にこだわり、アトラクションやショーも昭和の雰囲気に合わせて演出するよう一新しています。
結果として「昔懐かしい」「エモい」という評判がSNSを中心に話題となり、若い人や家族連れを中心に急激に来場者数を伸ばしています。昭和の街並みに住む人々による人情味あふれるライブ、パフォーマンスを実施したことで、パフォーマー個人へのファンも増え、リピーターの創出に貢献しました。
来場者も物語の登場人物として巻き込むことで、没入感のある体験を提供する取り組みとなっています。イマーシブ・フォート東京などにも没入感のあるエンターテインメントづくりの経験が活かされていて、若い世代へのアピールにも繋がりました。
③ネスタリゾート神戸
ネスタリゾート神戸は兵庫県三木市にある広大なリゾート施設で、かつては「グリーンピア三木」という名称で運営していました。経営難に陥ってから2016年にネスタリゾート神戸としてリニューアルオープンしていますが、その後も来場者数は伸び悩み、経営状況は厳しいままでした。
森岡毅氏が代表取締役を務める株式会社刀は、2018年からネスタリゾート神戸のマーケティング支援を開始し「大自然の冒険テーマパーク」としてのリブランディングを推進しています。
ポイントとなったのは広大な敷地と豊かな自然を生かした戦略で、他にはない唯一無二の体験型リゾートとして差別化を図りました。新たな施設の建設に頼らず、既存の地形や資源を最大限に活用し、起伏のある地形を生かしたバギー体験や、既存の池を利用したカヌー体験など、自然の特性を活かしたアクティビティも増やしています。
結果的に、来場者が自然の中で冒険心をくすぐられるような、ワクワクする体験を提供することに成功し、過去最高の売り上げの更新に繋がったのです。
8.USJの危機を救った森岡毅は何がすごい?
森岡毅氏がUSJの危機を救った理由は、徹底した「消費者視点」とデータに基づく「確率思考」を組織に根付かせ、企業文化そのものを変革させた点にあります。彼は決して勘や経験則に頼らず、消費者のニーズを数学的に分析し、最も成功確率の高い戦略にリソースを集中させました。
たとえば、ファミリー層向けエリアの新設や、若者を熱狂させた「ハロウィン・ホラー・ナイト」は、緻密なターゲット分析から生まれたものです。

アイデアだけに頼らず、データ戦略でUSJを「売れるものを作る」組織へ変革させたことこそが、彼のすごさと言えるでしょう。
9.日本の企業のほとんどがマーケティング戦略が不足している
日本企業のほとんどは、マーケティング戦略が不足していると言われています。その理由として、日本には製品や技術力に重点を置く「職人肌」な企業が多く、販売や営業に注力する傾向があるからです。そのため、長期的なブランド戦略よりも短期的な売上向上を重視したり、顧客との長期的な関係構築やブランド価値の向上に向けた投資が不足したりすることも少なくありません。
また、高度なマーケティングスキルを持つデジタルマーケティング分野での人材育成が課題となっています。特に中小企業ではデジタルマーケティングの専門知識や人材が不足していることが多く、オンラインでの顧客接点やデータ分析を活用したマーケティング戦略の構築が遅れるようになりました。
今後、デジタル技術を活用したマーケティング戦略の構築と実行が急務とされています。マーケティングの重要性を認識し、戦略的な投資と支援をしていけば、効果的なマーケティングができるでしょう。
10.マーケティング戦略人材の採用ならフリーコンサルタント.jpにおまかせ!
「フリーコンサルタント.jp」は、企業のマーケティング戦略人材の採用を支援するプラットフォームです。マーケティング戦略、デジタルマーケティング、ブランド戦略など、専門性の高い人材が多数登録しているので、マーケティング戦略人材の採用にお困りの方はぜひご活用ください。
なお「フリーコンサルタント.jp」では、短期プロジェクトから長期契約まで企業のニーズに合わせた柔軟な契約形態が可能です。即戦力となる人材をジョインできるため、個別にマーケティング人材を雇用する工数がかかる不安なシーンでも、すぐに優秀な人材を補填することができますよ。
11.まとめ
今回の記事では、USJのマーケティング戦略や事例、企業を成長させるためのフレームワークについて解説しました。
USJは開園後に経営危機に陥る状況でしたが、消費者視点に立ったマーケティング戦略を実践することでV字回復を成し遂げました。さまざまなヒット作を生み出し、現在では日本を代表するテーマパークとして多くの顧客から愛されています。
自社の経営状況に満足していない方であれば、USJを立て直した森岡氏が提唱する「目的→誰に(who)→何を(what)→どうやって(how)」というフレームワークを活用してみてはいかがでしょうか。
なお、自社のマーケティング戦略に悩んでいるという方は、外部のプロフェッショナルを頼るのも1つの手段です。
なお、みらいワークスでは、20,000名以上のプロフェッショナル人材が企業の経営課題を解決しております。マーケティングコンサルなど専門的な知識を持つプロ人材もアサイン可能です。興味を持った方は、ぜひお気軽にご相談下さいませ。





