コンサルタントとは?コンサルタントの仕事や給料、求められる人の特徴も解説【2024年最新版】

【2023年最新版】コンサルタントの仕事と給料、求められる人の特徴も解説

コンサルタントとは、クライアント企業から事業に関する相談を受け、課題の解決策を提案する仕事です。案件ごとに1つのチームが作成され、プロジェクトとして仕事が進んでいきます。

主な業務は、各クライアント事業の持つ課題を深堀し、業績や内部の見直しを行うなどの責任の大きな仕事です。年収口コミサイトOpenWorkにて、コンサルタントの年収を調査したところ、平均年収で400万円~1,400万円程度と比較的高い傾向にありました。

そんなコンサルタントになるには、専門知識や資格等の他にも様々なスキルが必要です。

この記事では、コンサルタントの詳しい仕事内容や、求められる人材の特徴、年収まで詳しく解説します。コンサルタントという職業に興味がある方、目指している方は、ぜひチェックしてください。

※本記事に記載されている企業や求人に関する情報などは2024年時点のものです。

目次

コンサルタントの仕事とは?

コンサルタントの仕事内容は、先述した通りクライアントの抱える問題を解決する仕事ですが、その業務内容は業界や分野によって様々です。各業界や分野に特化したコンサルティングファームに属し、クライアントの経営改善に繋がる戦略の立案から実行まで携わります。

どのコンサルティングファームでも、課題を明確にするために情報の分析やインタビューなどの情報収集は欠かせません。課題分析が終わった後、具体的に課題にどのようにアプローチを行っていくか施策し、クライアントへ提案を行います。

【最新】人気のコンサルタント業界

コンサルティングは、企業が抱える問題によって業界が変わります。

よって、どの分野の問題解決に強いかでコンサルティングファームは分かれます。

例えば、人気の業界としてあげられるのが次の8つです。

これらの人気業界についてそれぞれどのような特徴があるのか、プロジェクト事例とともに説明します。

戦略系コンサルティングファーム

戦略系コンサルティングファームの行う主な業務内容は、M&A戦略やグループ経営に関する戦略などの考案です。他にも、新規事業や製品開発、人事やITなど、様々な課題に取り組みます。1つの案件に対して、5名程のチームを立ち上げ、3~6ヶ月間かけてプロジェクトを進め、課題解決に対してアプローチを行うことが仕事になります。

また、戦略系コンサルティングファームのクライアントは、様々な業界の大手企業や公共機関であることが多いです。クライアントの課題解決のための戦略を考案して終わり、というわけではなく、実行して結果を追うことまでが求められます。

プロジェクト事例

戦略系コンサルティングファームの事例は、次の様なものがあります。

  • 外食チェーン店の料金見直し
  • 日本のスキンケアブランドの中南米での販売戦略
  • 新医薬品の売上最大化
  • 農家の収入を25%増やすエコシステムの構築

売上の最大化を実現するため、企業のマーケット調査を行い、利益や売上の目標達成に向けた具体的な戦略の考案が仕事です。

このように、戦略コンサルティングファームでは、企業の経営戦略を考えるだけではなく、企業の求める目標実現に向けたサポートも求められます。

総合系コンサルティングファーム

総合系コンサルティングファームとは、その名の通り総合的に多岐に渡って企業等の支援をしていきます。

業務内容は、IT・デジタル戦略の他、業務改善・新規システムの導入・組織改革・M&Aなど、多岐に渡ります。あらゆる課題解決に向けて戦略の考案を行うため、必要とされる知識やスキルの量も幅広いです。クライアント企業の業種や分野もバラバラなため、案件ごとのチームの作り方にも特徴があります。金融、製造業、公共機関といった「業界」ごとにチームを分ける場合と施策、会計、人事組織といった「機能」で分ける場合があり、様々な案件に対応できるようになっています。

プロジェクト事例

総合系コンサルティングファームのプロジェクト事例は次の通りです。

  • 包装工程管理システムの構築
  • 環境変化による新たなサービスの提案
  • メディアビジネス対応への進化支援

事業施策から、新規事業施策等プロジェクト事例など幅広く担っています。総合系コンサルティングファームだからこそ、関わる分野に関する深い知識を持ち、クライアントに寄り添った提案が求められるのです。

IT系コンサルティングファーム

IT系コンサルティングファームでは、ITの技術や知識を主軸とした経営課題解決のための戦略考案を行います。クライアントが所持する膨大なデータを読み解き、課題解決に必要だと考えるシステム導入や構想を考案することが主な業務内容です。

昨今では、中堅〜中小・ベンチャー企業へのIT戦略策定や業務改革支援等も手掛け、独自の手法にてプロジェクトを立案している企業も増えています。

プロジェクト事例

  • 働き方改革の促進
  • AIを使用したスポーツ映像分析
  • IT投資評価の統一
  • 事業環境の変化に合わせた生産加工製造業のシステム化

一般的に「IT系コンサルティングファーム」と聞くと、システム関連のプロジェクトが中心となり、専門的な分野のクライアントのみを取り扱うイメージを持たれがちです。

しかし、近年ではITを駆使した戦略の幅が広がっており、IT系コンサルタントには技術や知識はもちろん、発想力も求められます。

財務系コンサルティングファーム

財務系コンサルタントは、その名の通り財務に関したアドバイザーです。クライアントの課題解決として、M&A支援、資金繰り、企業価値評価、企業再生など、財務に関する課題を幅広く支援していきます。

なお、財務に関する全ての業務を担当するわけではなく、M&A支援や、企業再生などの個別業務の依頼を請け負う場合も。場合によっては、企業買収・買収後の支援、スポンサー選定・事業再生計画案作成などのサポートを行うこともあります。

プロジェクト事例

財務系コンサルティングファームの事例は次の通りです。

  • 日本貨物航空の経理業務BPRおよび会計システム刷新プロジェクト支援
  • プロアクティブサーチを活用した投資戦略に合致する企業との提携

上記のように、クライアントの求める結果を導き出すため、会計や財務状況を見直し、資産状況の見直しを行うことが必要です。そのため、日頃から各国の景気や情勢、法律などを学び、知識として蓄えておくことが重要といえるでしょう。

人事系コンサルティングファーム

人事系コンサルティングファームは、人材採用から育成、人事評価などの課題の解決をすることが仕事です。

「働き方改革」「人手不足」で頭を悩ませている企業が増加したことにより、人事系コンサルティングの需要も増加。さらに、M&Aに伴う企業合併が増加したことにより、人事制度の支援や日常業務の効率化なども求められる傾向にあります。

「人」に関わる幅広い課題にアプローチする必要があるため、クライアントの企業や業種の特徴・事情を考慮した案を提案できることが重要です。

なお、人事や組織に関する情報は、クライアントにとって機密情報となるため、守秘義務が重要といえる仕事といえます。

プロジェクト事例

人事系コンサルティングファームのプロジェクト事例は次の通りです。

  • M&Aによる組織編成マネジメント
  • 海外拠点事業の人事制度強化
  • ミドル層の労働環境・意識改革

企業の風土や方針に基づいたマネジメントの考案によって成果を追い求めるだけではなく、社員の心理的サポートも人事コンサルティングファームでは求められます。また、他のコンルティングファームと違い、サービスの提供相手が対人になるため、機械的な数値の算出が難しいです。明確な数値の見えない環境でも、試行錯誤を行い組織改革のために動けるような力が必要になります。

医療系コンサルティングファーム

医療系コンサルティングファームとは、病院や医療機関に対して、病院経営基盤を総合的に強化するための専門的なコンサルティングです。主に、戦略支援やM&Aや資金に関する支援、業務のIT化、施設建て替え、クリニック開業のためのマーケティングなど様々な業務支援を行います。

なお、医療機関を対象としたコンサルティングを行う場合は、同時並行で複数の案件を受け持ち進めていきます。しかし、民間企業などの大きな案件の場合は、プロジェクト終了まで1つの案件のみを担当することがほとんどです。

プロジェクト事例

  • 大学医学部・付属病院でのプロジェクト
  • 近江八幡市立総合医療センターのダイバーシティ経営
  • コストカット、財務改善、戦略施策
  • 職員不足の改善

医療系コンサルティングファームは、医療に特化してはいますが、経営戦略を考えることが多いです。しかし、病院特有の組織の中で課題解決を行う必要があるため、医療の知識も持った上での経営戦略や人事、ITなど様々な分野の知識が必要となります。

監査法人系コンサルティングファーム

監査法人系コンサルティングは、他のコンサルティングとは異なり、企業の「守り」のコンサルタントとなります。企業の新規参入や海外進出時の法規制問題対策や、不祥事の体制構築などの立案が主な業務内容です。

特に資格が必要というわけではありませんが、決算書の作成や監査業務を行いたい場合は、公認会計士や税理士の資格が必要になります。また、会計士資格があると、財務や経理に関する業務においてスムーズに進めることができるでしょう。

プロジェクト事例

監査法人コンサルティングファームの事例は次の通りです。

  • 機械製造業界における海外M&A
  • 決算財務報告プロセスの改善支援
  • 事業再編・会計アドバイス
  • 上場支援

各企業の内部統制から、課題の解決等、様々なプロジェクトが行われています。経営者視点での経験が詰めるため、将来転職を行う際にも強い武器となるでしょう。

シンクタンク系コンサルティングファーム

シンクタンク系コンサルティングファームは、政府や地方自治体などの公的機関からの依頼を受けて、調査・分析した情報から政策提言を行います。サービスを提供する相手が、企業ではなく、国や地方自治体であることが特徴です。

他のコンサルタントファームは、戦略の立案から結果を追い求めるまでが業務に含まれています。しかし、シンクタンク系コンサルティングファームでは、戦略提案までが業務内容です。そのため、実際に施策を行う際にサポートを行いません。

とはいえ、一般的な企業に対して、コンサルを行うシンクタンク系コンサルティングファームもあるため、自分の行いたい業務に合わせて選択してみてください。

プロジェクト事例

シンクタンク系コンサルティングファームのプロジェクト事例は次の通りです。

  • 水資源を有効活用するために、水にかかわる研究とビジネスを支援
  • 海外諸国の社会課題解決の支援を通じて日本企業の事業環境を整備

シンクタンク系コンサルティングファームは、専門的な知識を備えた人材が研究や調査を行い、戦略を考案するため、研究や開発に関する案件が多く扱われています。また、社会問題が大きなテーマである案件がほとんどです。

コンサルタントのキャリアパス

実は、コンサルタントには4つの役職があり、各役職によって求められる業務内容や給料が違います。

各役職によって求められる業務内容やお給料に関して、解説していきます。

【コンサル経験0~3年】アナリスト

アナリストとは、コンサルタントの若手や、新卒・中途採用者が担うポジションです。主に情報収集や分析、資料作成を行います。

アナリストの期間は、コンサルタントにおいて必要な基礎知識やスキルを見つける重要な期間です。そのため、情報の分析力や問題発見の力を養うために先輩コンサルタントの調査した内容をまとめるなどの地味な業務からスタートします。その後、クライアントへの訪問やインタビュー等に同席するなど、現場で業務に携わることが多くなるでしょう。

また、情報の分析等を担うことによって、データから分かる問題点などに関して、ミーティングでは意見も求められることも。任された仕事は期限内に完遂できることは当たり前の中、先回りをして動くという意識も大切です。

実力に応じてにはなりますが、一般的には2〜4年程度で、7〜9割の人たちがアナリストからコンサルタントに昇進できるといわれています。

【コンサル経験0~6年】コンサルタント

アナリストで経験を積むと、コンサルタントのポジションに昇進し、プロジェクト全体を任されるようになります。中途採用ではここからのポジションでスタートするのが最も多く、一般的に「コンサルタント」とイメージされる職務でもあります。

アナリスト時代に培ったことを土台とし、クライアントの課題に対して情報収集や分析、仮説を立て、着地点を定め提案を行うことが業務内容です。プロジェクトがスタートするとチームの中心となり、仮説の軌道修正や、問題解決の手段もコンサルタントが自分で決めていきます。

また、コンサルタントになると平均年収に幅がでてきます。少なくて約400万円、多い人では1,000万円を超えると想定されます。コンサルタントになると成果主義になっていきます。

【コンサル経験2~10年】マネージャー

マネージャーになると、アナリストやコンサルタントとは求められる能力が大きく違います。

マネージャーの主な業務は、プロジェクト責任者として、大まかな方針を決めることです。マネージャーはプロジェクトの全責任を負うことになるため、クライアントとの折衝もマネージャーが担います。

更に、プロジェクトで利益をあげるための予算管理も業務の1つです。クライアントだけではなく、チームや社内の人材育成も行わなければいけないため、コンサルタントのポジションと比べると、かなりハードな業務となり責任も大きくなります。

しかし、業務がハードな分マネージャーになると年収は1,000万円越えると思ってよいでしょう。年収2,000万円を狙うことも可能なため、マネージャーを目標としてスキルを磨く人も少なくありません。

【コンサル経験7年以上】シニアマネージャー/ディレクター

マネージャーよりも上級職であるシニアマネージャー/ディレクターは、一般企業に例えると課長クラスにあたる立場です。このシニアとは「上級」という意味で、部下であるマネージャーのマネジメントを行う立場となります。

中間管理職になるため、部下のサポートのみならず経営陣との連携も必要です。またチーム全体の責任者でもあるシニアマネージャーは、長期に渡りクライアントと良好な関係を築き、継続して案件を獲得し続けなければいけないという立場でもあります。

高い責任感を持って取り組む必要がありますが、その分、年収が大幅にアップし、やりがいと報酬の両方を手に入れられる魅力的なキャリアです。

【コンサル経験7年以上】パートナー

パートナーは、コンサルティングファームの経営者としての役割を担う存在です。業務内容はマネージャーと重なるところが多いですが、自社の経営状況の管理も行います。

自社のファーム全体の売上を伸ばしていくための戦略を考えるほか、クライアントの開拓、案件の受注を取るのもパートナーの役割です。そのため、高いレベルの営業力も求められます。

パートナーのポジションは狭き門ではありますが、パートナーになると営業や提案はもちろん、自社経営も任されるため、コンサルタントの魅力がわかってくるでしょう。

コンサルタントの仕事の流れや進め方

コンサルタントの仕事は、次の通りです。

  1. クライアントから依頼を受け、プロジェクトを立案
  2. チーム編成をし課題についての情報収集や分析
  3. クライアントに沿ったプロジェクトの考案

次項では、クライアントからの案件の取得から細かなプロジェクトの流れをご紹介していきます。

コンサルタントの案件の取り方

大手コンサルティングファームの場合、問い合わせやセミナー等で案件を獲得することが多いです。また、中小企業の場合は、セミナー案内からの案件に繋がることもあります。案件を取るには実績や信頼が必要となるため、社長やパートナーのポジションなどの上層部が営業を行います。

そのため、若手の社員がいきなり営業へ行かされることはありませんので安心してください。まずは、調査や分析、資料作成などをし、先輩コンサルタントの仕事をよく見て学びスキルを身に着けることから始めましょう。

もし自分で営業を行い、案件を獲得したいと考えている場合は、中小企業へ就職すれば営業を行える可能性はあります。

プロジェクトの期間は半年〜1年程度が多い

プロジェクト期間は、一般的に半年から1年程が一般的です。

ところが、中には半年以内で修了するような短期プロジェクトもありますが非常にまれであり、配置されるプロジェクトにより業務量が違います。長期の場合は数年単位で行われるプロジェクトもあります。

短いプロジェクトの場合は、短期間で情報収集、分析、仮説の構築・検証を行い、さらには実行の支援を行わなければいけません。そのため、クライアントへの報告や、報告後の調査や分析等、作業量が膨大です。

一方で長期プロジェクトの場合は、月に1度の報告会に向けてプロジェクトを進行し、結果を追い求めていくため、短期プロジェクトよりも余裕をもって取り組めます。しかし、常にクライアントの期待値に沿った結果が求められるため、情報を先読みした行動が求められます。

プロジェクトの流れ

クライアントとの契約後、プロジェクトは次のように進行していきます。

  • ヒアリング
    クライアントの求める成果を明確にするために、現状の課題や今後の目標をヒアリングします。同じゴールを目指すためにも、ヒアリングは最も重要な作業であり、今後のプロジェクトの作成にも欠かせないため、しっかり情報や認識のすり合わせを行います。
  • 調査・資料作成
    クライアントからヒアリングした情報を元に、業界の市場調査をおこないます。調査や分析の作業はアナリストが担っており、業界の動向や競合分析など、調査する内容は多岐に渡ります。
  • 戦略提案
    調査した内容を元に課題を洗い出し、クライアントの業績改善のための戦略の提案を行います。目指すべきゴールや課題、解決方法や具体的なサポート内容まで、細かく書き記しクライアントへ提案を行います。なお、戦略がクライアントから認められない場合は、実行することすらできないため、提案書をいかに魅力的にするかも重要といえるでしょう。
  • 戦略実行
    クライアントから戦略運用許可が下りると、戦略の実行を行っていきます。戦略内容によっては、多くの人を巻き込んだり、多額の費用が必要な場合もあるため、的確な判断力が重要です。
  • 成果の確認
    戦略実行後は、実際に行った戦略が結果として現れているかを確認します。万が一、想定していた結果よりも悪かった場合は、失敗した原因を分析して、戦略の見直しを行います。1度で成功することはほとんど難しく、何度も繰り返し戦略の練り直しを行うことがほとんどです。そのため、諦めずに何度もチャレンジする気持ちが必要になります。
  • 運用の管理
    戦略が成功し、結果として反映された場合は、効果的な数値を出し続けるために運用を行います。継続して管理を行うことで、大きな問題が起こることを防ぎ、さらに効果が出るようにフォローすることができます。

未経験がコンサルタントになるために取得しておくと良い資格3つ

実は、コンサルタントになるために必要な資格はありません。ただし専門分野の資格があると、自分の知識が向上するだけではなく、専門性があるとクライアントからも信頼を獲得することができます。

MBA

MBAは経営管理修士号とよばれる学位の1つであり、コンサルタントに必要な経営の体系的知識を身に着けることができます。

MBAを取得する場合、ビジネススクールへ通う必要がありますが、通信制や夜間制もあるため、忙しい社会人でも安心です。また、ビジネススクールを卒業をすると最終学歴が「大学院修士課程修了」となるため、履歴書などでもアピールすることができます。

世界の第一線で活躍する経験豊富な人が多数集まって学ぶ場でもあるため、人脈も広がり、卒業後も仕事で活かせることもあるでしょう。

中小企業診断士

中小企業診断士とは、中小企業の経営に関する専門知識を持った国家資格です。

コンサルタント唯一の国家資格とも呼ばれており、一般的にコンサルタントに転職を考えている人が中小企業診断士の取得を目指す傾向にあります。企業経営に関する知識を一から学びたい人におすすめの資格です。中小企業診断士と実務経験を合わせれば、クライアントに幅広く提案できる存在となるでしょう。

公認会計士

公認会計士とは監査、会計を専門とした国家資格です。

監査法人系コンサルティングファームへの転職を目指す人におすすめの資格。公認会計士の独占業務として、企業の財務諸表監査があります。コンサルタントは企業の財務状況の洗い出しや、コスト管理を行うことも多いため、取得しておくことで仕事で活かすことができるでしょう。

税理士

税理士とは税務の専門家で、税理士法に基づく国家資格です。

こちらも、公認会計士同様に監査法人系コンサルティングファームへの転職を目指す人におすすめの資格です。独立した公正な立場から納税義務の適性を図ります。税務に精通しているために、税理に関する知識を強みとしたコンサルティングを行うことに活かすことが可能です。

コンサルタントを目指す人に求められる経験・スキル4つ

コンサルタントを求める人にとって、求められるスキルは次の4つです。

順番に詳しく説明していきます。

対人能力

コンサルタントとして働くうえで最も重要な能力といえるのが、対人能力です。1つのプロジェクトをチームで成功させるためには、チームメイトとの人間関係の良好さも欠かせません。

また、クライアントからの信用を得て、新規依頼を獲得するためにも、円滑なコミュニケーション力が必要不可欠です。自分の考えを相手にわかりやすく伝えつつ、相手が伝えようとしている事を正しく把握することも大切です。

論理的思考力

コンサルタントには、客観的な事実に基づいて物事を判断することが必要とされます。考案した戦略が本当に企業にとっての最適解なのか否かを考えることで、よりよい案が生まれるからです。そのため、クライアントの課題を調査、分析し、解決までを考えるには、論理的思考力が必要不可欠といえるでしょう。

また、コンサルタントには複雑な内容をクライアントにシンプルかつ合理的な方法でわかりやすく説明できるかが求められます。論理的思考力が高ければ、複雑な問題でも解決法を見出していくことができるでしょう。

英語力

英語力があると、国内外の案件に携わることが可能です。日系のコンサルティングファームでは、日本語でのプロジェクトがほとんどですが、外資系のコンサルタントの場合は英語力は必ず必要になります。

自分の活躍する場を拡げたい場合、英語力は必要なスキルだといえるでしょう。また情報収集などで英語ができると有利な場面も多いです。なお、コンサルタントを目指す人は、最低でもTOEIC®700点以上のスコアが求められます。 

プレゼンテーション能力

クライアントへの戦略提案の際には、ほとんどの場合プレゼンが必須です。どんなに素晴らしい資料を用意しても、クライアントを納得させるレベルのプレゼンテーション力がなければ意味がありません。プレゼンテーション能力は、コンサルタントに欠かせない能力と考えておく必要があります。

コンサルタントのやりがい

コンサルタントの仕事は大変ながらも収入が良いというだけではなく、次の様なやりがいもあります。

それぞれ詳しく説明していきます。

国内外問わず、様々な人と関わり合える

コンサルタントは、様々な業種や分野の人と関わる場面が多いです。そのため、仕事を通して、自分自身の成長と世界への視野を広げることができます。

プロジェクトによってはグローバルなものもあり、海外オフィスのメンバーとやりとりすることも多く、日本に留まらず様々な文化を学ぶ機会もあるでしょう。

常に最新の情報に触れられる機会が多い

様々なクライアントの案件に携わることで、最新の情報や新しい知識に触れる機会が多くなります。例えば、海外のプロジェクトを日本向けに作成する等の案件もあるため、海外で最先端で行われている戦略や情報をいち早く得ることができるのもコンサルタントの特徴です。

収入が高い

コンサルタントの収入は、一般企業に比較すると高いと言われています。

コンサルタントに対して高収入でエリートといったイメージが多いですが、実際に一般的なサラリーマンに比べて収入は高いです。

ただし、コンサルタントはある一定のポジションになれば徹底した「成果主義」「実力主義」に基づいての収入になります。そのため、実力次第で上記よりもさらに高額な年収を期待できるでしょう。

コンサルタントに向いている人

コンサルタントというと知的な専門職というイメージがあり、高学歴、頭脳明晰、知識経験が豊富な人が向いているようではと思われがちですが、実際にはそうとも言いきれません。

コンサルタントに向いている人は次の通りです。

  • 常に成果を求められる人
  • 厳しい状況であっても前向きに物事を捉えられる人

詳しく解説していきます。

常に成果を求められる人

コンサルタントは、成果主義です。クライアントの業績改善のために働くことになるため、常に成果を追い求める必要があります。つまり成果にこだわりがなければ、クライアントの納得する結果を納めることが出来ず、案件自体が失敗に終わってしまうでしょう。

「これでいい」というボーダーラインを作らず、現状の数字をどう改善していけるのかを常に考えられる人は、コンサルタントに向いています。

厳しい状況であっても前向きに物事をとらえられる人

コンサルタントの仕事は、業界や分野が違うと、向き合う課題もそれぞれ違い、クライアントも様々であるため難問にぶつかることも多いです。それでも一度引き受けたからには、解決法を見つけ最後までやり遂げなければなりません。

時には、考案した戦略がうまくいかないことや、承諾されないこともあるでしょう。そこで、諦めずに再度粘り強く考え直す力を持っていると仕事が楽しくなり、自分自身も成長し、クライアントにも良い提案が生まれます。

プレッシャーに耐えられるメンタルの強さや、常に前向きな思考で行動できる方は、コンサルタントに向いているといえるでしょう。

コンサルティング業界の注意点

コンサルタントは、やりがいがあり収入も高い職業ですが、次の注意点を把握しておきましょう。

  • プロジェクト最中は激務になる
  • 知識集約型産業のため忙しい

2つの注意点について詳しく説明していきます。

プロジェクト最中は激務になる

コンサルタントの仕事は、どのようなプロジェクトかにより忙しさは違いますが、プロジェクト開始と終盤の時期はどんな案件でもとても忙しいです。

プロジェクト開始時期は、情報の整理やインプットアウトプットにより激務になり、終盤は、成果のまとめや課題のブラッシュアップによって業務量が膨大です。しかし、プロジェクトが終わり次のプロジェクト開始までは、仕事が一旦落ち着きます。よってプロジェクトに関わっている間ずっと激務ということはあまりありません。ただ、プロジェクトの計画がうまく進まず、トラブルが発生してしまった場合は、プロジェクト進行中は激務が続くと思ってください。

また2〜3つの案件を同時進行する場合は、1つが閑散期で他が繁忙期であるといったことも生じます。

そのため、プロジェクト中は休みが取れないということも。ただ、閑散期にはまとまった長期休暇を取得することもできるので、オンオフがはっきりした生活を送ることができます。

知識集約型産業のため忙しい

知識集約型産業の場合は、常に勉強が必要とされます。

クライアントは、各業種や分野に対して知識や経験がある場合がほとんどです。そのため、クライアントと同レベル以上の専門性を備えておく必要があります。

コンサルティング業界の動向と現状

 コンサルタント業界の市場規模は、デジタル化の推進と企業の人材不足により、年々需要が大幅に伸びています。また、経営改善のサポートは大企業から中小企業まで多くの会社から求められているため、今後も無くならない職業といえるでしょう。

コンサルタントへの転職が多い年齢は約20代~30代

コンサルタントへの転職は、ある程度の社会人経験や知識を積んだ20代~30代が最も多いです。転職前に勤めていた企業や、学歴が問われることはほとんどありませんが「効率よく物事を進められるか」「どんな困難にも立ち向かうことができるか」など学歴を通して見えるコンサルタントの資質は評価される点といえるでしょう。

20代〜30代は、他社事例の調査やアンケート等の分析、インタビューからの分析やプレゼン用の資料作成などの先輩コンサルタントの補助業務になることが多いです。コンサルティングとしての基礎スキルをしっかり身に付けたいと思うのならば、20代〜30代の転職がおすすめといえます。

女性でもコンサルタント業界で活躍できる

コンサルタントの仕事は激務というイメージがあり、実際にメリハリはありながらも、繁忙期の忙しさはかなりのものであります。しかし、働き方改革はコンサルタントの業界でも推進し、女性も活躍できる環境の整備を試みるところが増加しているのです。

中には、プロジェクトが円滑に進むよう、ワーママやワーパパでランチミーティングを行い、仕事の悩みを話し合う機会を設けるコンサルティングファームも。また、コンサルタントの仕事は一般企業などとは違い、定常業務ではないため自分の生活に合わせて仕事を調整しやすい事から、女性も活躍しやすい職業といえます。

さらにクライアントの業種によっては、女性ならではの感覚や発想がプロジェクト成果に結びつくこともあり、女性の意見が重宝されることも多いです。 

学歴によって左右されない業界

コンサルタントの仕事は学歴によって左右される業界ではないものの、あるに越したことはありません。

新卒採用の場合、応募人数が多ければ、学歴で線引きされるケースもありますが、中途採用の場合は、学歴よりも前職での経験の方が重要視されることが多い傾向ですが、採用時には一般教養レベルの知識が求められます。

しかし、先にも述べているように、コンサルタントに必要なことは知識や経験だけではありません。コンサルタントとして相応しいスキルや経験、力があれば学歴に左右されることなく働ける業界です。

未経験からのコンサルティング業界転職は転職エージェントを使おう

コンサル業界の経験がなく、コンサル業界へ転職したいが、何から始めればよいのかわからない方も多いでしょう。

結論から言うと、コンサル業界への転職を成功させたいのであれば、転職エージェントを使うことをおすすめします。エージェントを利用することのメリットは次の通りです。

  • スキルに棚卸ができる
  • 面接対策・内定後のサポートも受けられる
  • 珍しい求人の紹介も受けられる

順番に詳しく説明していきます。

スキルの棚卸ができる

転職を行うにあたって重要なのは、自分の強みや価値観をうまく伝えることです。そのため、自分の持っているスキルの棚卸をする必要があります。

転職エージェントを利用することで、スキルの棚卸を受けることが可能です。担当エージェントとの対談により、自分がいままで意識していなかった強みや特徴を新たに見つけることが出来たり、仕事に対する価値観に気づくことも。それにより、自分に向いている企業や分野、業界などが改めて明確になり、自分が納得のいく転職先を見つけることができるようになるでしょう。

面接対策・内定後のサポートも受けられる

転職エージェントでは実際の面接を想定した対策サポートを行っているため、より適切なアドバイスを受け取ることができます。

応答内容や態度、話し方まで、企業に対して良い印象を与えるための改善点を指摘してくれるほか、企業の求める人物像に合わせた面接ポイントをアドバイスしてくれることも。そのため、個人で面接の練習を行うよりも、より希望企業に合わせた面接対策が行えるため、面接の通過率も高めることができます。

珍しい求人の紹介も受けられる

転職エージェントは企業とのパイプを持っているため、表には出回っていない非公開求人や珍しい求人を保有している確率が非常に高いです。

新しく立ち上がるプロジェクトメンバーの募集や、珍しいポジションの募集求人など、自分でインターネットで探した場合では出会うことのない求人にも出会えます。ときには、エージェントから企業が公開していない求人情報を得ることもできるでしょう。 

よくある質問

コンサルタントを希望する方が気になる質問を4つピックアップしました。

コンサルタントを目指す人は事前にチェックしておくようにしましょう。

コンサルタントの仕事内容とは?

コンサルタントの仕事内容は、クライアントの業績改善の戦略の考案や実行です。それに付随して行う業務内容は次のようなものがあります。

  • 経営戦略の提案
  • 事業戦略の支援
  • 総合的な支援
  • 仕組みの構築
  • 戦略進行のサポート
  • システム設計
  • システムの運用・最適化
  • IT面での経営サポート
  • 財務面の戦略立案
  • 企業や資産の評価
  • 資金配分の再構築

その他にも、依頼を受けるまでの営業、プレゼン、プロジェクトの立案、そして最後はそのプロジェクトの成果はどうか、さらに課題は何かを考えていきます。

コンサルタントの仕事に必要なスキルとは

コンサルタントの仕事に必要なスキルは次の通りです。

  • 対人能力
  • 論理的思考力
  • 英語力
  • プレゼンテーション能力

コンサルタントは課題解決のために多くの人とのコミュニケーションを図ることが求められます。そのため、相手に分かりやすく意見を伝えるプレゼンテーション能力や英語力が備わっていると、ミーティングやインタビューの際にとてもスムーズに仕事を進めることができます。

また、論理的思考力があることで、感情に囚われず、クラアントの現状把握・調査、事実を整理し、分析を行うことができるようになるでしょう。

その他にも、MBAや公認会計士、税理士などのスキルを持ち合わせていると業務の幅が広がり、活躍する機会を増やすことができます。

コンサルタントの需要は高い?

コンサルタントの需要は年々増加しています。様々なサービスが展開され、働き方も多様化している現在、コンサルタントの力を借りて業績改善を図ろうと考える企業はとても多いのです。

特に世の中がIT・デジタル化への対応を進めていることから、ITコンサルティングや経営コンサルティングは需要が増加しているため、将来性のある職業ともいえます。

そのため、ITや経営に関する専門的な知識やスキルを備えておくとより活躍できるでしょう。

コンサルタントの給料は?

コンサルタントは実力主義です。成果をあげればあげただけの報酬を得ることができます。

とはいえ、経験の少ないアナリストでも約400~600万円の収入を得ることができ、最高責任者であるパートナーにもなると約5,000万円もの高給を得られる職業です。パートナーとして働く人の中には、年収1億円を手にする優秀なコンサルタントも実在します。

まとめ

コンサルタントの仕事はクライアントの業績改善を担う仕事です。コンサルタントは、各業種や分野に特化したコンサルティングファームに在籍し、専門的な知識を駆使しながら業績改善に勤めます。人気のコンサルティング業界は次の8つです。

  • 戦略系コンサルティングファーム
  • 総合系コンサルティングファーム
  • IT系コンサルティングファーム
  • 財務系コンサルティングファーム
  • 人事系コンサルティングファーム
  • 医療系コンサルティングファーム
  • 監査法人系コンサルティングファーム
  • シンクタンク系コンサルティングファーム

コンサルタントは他業種に比べると年収が高いと言われる職業ですが、高収入を得るにはコンサルタントとしての実力を身に着けることも重要です。

経験だけではなく、上記のようなスキルを身に着けて常に自分自身をブラッシュアップしていかなければなりません。

  • 対人能力
  • 論理的思考力
  • 英語力
  • プレゼンテーション能力

各企業の業績改善のためにプロジェクト単位で案件が進むため、決して楽な仕事とはいえないでしょう。特に繁忙期は休むことも難しいということもありますが、閑散期は長期休暇を取得することが可能なため、オンオフがきっちりした働き方が良いという人にはオススメといえるでしょう。

コンサルタントの仕事が向いているのか向いていないのかを見極めた上で、自分がどのようなコンサルタントになりたいかをイメージしてみてください。コンサルタントという仕事に興味を持ったならば、自分だけで悩まずに転職エージェントを利用すればきっと答えが見つかります。

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