「コンサルタントのマネージャーはどれくらいの年収を貰っている?」「コンサルタントのマネージャーの仕事はきついって本当?」 という疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を
- コンサルタントにおけるマネージャーの概説
- コンサルタントのマネージャーの仕事内容や平均年収
- コンサルタントのマネージャーになるメリットとデメリット
- コンサルタントのマネージャーに必要なスキルや向いていない人の特徴
- マネージャーポジションへの転職を成功させる方法
の順に解説します。
コンサルタントのマネージャーを目指している人に役立つ記事になっています。ぜひ最後までご覧ください。
コンサルティングファームのマネージャーとは?
コンサルタントのマネージャーとは、プロジェクトの管理やリーダーシップを担うリーダーポジションです。一般企業においては「課長」クラスに該当するポジションと言えます。
コンサルティングファームによっては、「マネージャー」の代わりに「エンゲージメントマネージャー」や「プロジェクトリーダー」といった呼称が用いられることもあるようです。
現場責任者としての役割を担うマネージャーは、コンサルタントが最初に目指すポジションと言われています。
コンサルティングファームにおける職位のシステム
コンサルティングファームでは一般的に以下のような職位があります。
アナリスト
アナリストはコンサルティングファームにおけるスタートポジションです。「ビジネスアナリスト」や「ジュニアコンサルタント」、「アソシエイトコンサルタント」と呼ばれることもあります。
新卒・第2新卒の社員が研修等を受けながら、情報収集、資料作成、データ分析などのアシスタント業務を行います。
アナリストは基礎的なスキルを磨くための業務が多く、ファームによっては長時間労働になりやすいです。こういったアシスタント業務に加えて、ミーティングでは積極的なアイデア出しが求められます。
コンサルタント
入社3年〜5年程度の社員が任されることが多いコンサルタントは、プロジェクトの実作業を担うポジションです。一般的にイメージされるコンサルタントの業務を行います。
事業会社の経験者や海外MBAを取得している人などは、中途採用で入社後、アナリストを経ずにコンサルタントに就任することも多いようです。
ファームによっては「アソシエイト」や「ケースチームリーダー」というクラスが設けられていることもあります。
一般的にコンサルタントには、基本的なビジネススキルに加え、クライアントとの関係構築やディスカッション、パッケージ(提案資料)の作成などの業務を任されます。
シニアコンサルタント
シニアコンサルタントとは、コンサルタントとしての経験を積み、より高度な業務に携わるコンサルタントのことです。
主にプロジェクトの管理や後輩の育成などを担当します。マネージャーとのやり取りを通じて、チームメンバーのタスク振り分け業務をサポートすることもあります。
マネージャー
コンサルティングファームにおけるマネージャーポジションは、入社5年〜10年程度のコンサルタントが就任することが多いです。
プロジェクトの目標設定や、チームメンバーのタスク振り分け、クライアントサイドのリーダーとの関係構築などの役割が期待される職種です。
シニアマネジャー
シニアマネジャーとは、マネージャーとして経験を積み、大規模なプロジェクトを管理するポジションです。
顧客とのリレーションシップマネジメントに責任が求められるだけでなく、新規ビジネスの開拓が期待されます。
ディレクター・プリンシパル
ファームによっては、パートナーと同等のポジションを「ディレクター」や「プリンシパル」と呼ぶことがあります。仕事内容はパートナーと大きく変わりませんが、企業によって職位の定義が異なるので、各ファームごとのシステムを確認することが大切です。
パートナー
コンサルティングファームのパートナーは、入社10年以上のベテランが任されるポジションです。
パートナーポジションに就任すると、プロジェクトを遂行するのではなく、新規プロジェクトの獲得や、企業の幹部とのディスカッションなどの役割が期待されます。
コンサルティングファームにおけるマネージャーの仕事内容
ここでは、コンサルティングファームにおけるマネージャーの主な仕事内容を紹介します。
プロジェクト管理
マネージャーには、プロジェクトが期限内に完了するように、プロジェクトを管理することが求められます。
具体的には、プロジェクトの目標設定やタスク設定、メンバーにタスクの振り分け、進捗状況の確認などの仕事内容です。
プロジェクトが進行している間は、メンバーとのミーティングを通して進捗状況を確認し、臨機応変にタスクの振り分けを行います。
クライアントが納得するような提案を行うために、プロジェクトの目標設定は慎重に行わなくてはいけません。
予算管理
プロジェクトの予算管理もマネージャーに期待される役割です。プロジェクトを通してどれくらいの利益を生み出せるかが、マネージャーとしての評価につながります。
クライアントとの打ち合わせで、達成したい目標や希望するコストをヒアリングし、実現可能な範囲で多くの利益を生み出せるプランを立てます。
スタッフの教育
マネージャーポジションの社員は、他メンバーへの教育も行います。
特に若手のアナリストやコンサルタントに向けて、基本的なビジネススキルのほか、プロジェクトに対する考え方、マネージャーに必要なスキル・知識などを共有します。
メンバーのスキルアップに伴って、プロジェクトのクオリティや成果が高まりやすいため、スタッフの教育はプロジェクトに対する評価を受ける上でも重要な仕事と言えるでしょう。
クライアントとの打ち合わせ
クライアントとの打ち合わせをスケジューリングしたり、直接やり取りを交わしたりするのは、マネージャーに期待される仕事です。
クライアントからの信頼を得るには、円滑なコミュニケーションが欠かせません。マネージャーはこれまでの経験を活かしながら、クライアントのニーズを汲み取り、日々意見交換を行います。
コンサルタントがクライアントに向けてプレゼンテーションを行う場合でも、マネージャーが事前に提案内容を確認します。
コンサルティングファームにおけるマネージャーの平均年収
コンサルタントからマネージャーに昇進すると、どれくらいの年収アップを実現できるのでしょうか?
コンサルティングファームの規模や個人のスキルによっても異なりますが、マネージャーの年収は「1,000〜1,500万円」程度と言われています。
具体例として、外資系戦略コンサルタントや経営コンサルタントにおける主な役職ごとの年収目安を以下の表にまとめました。
役職名 | 年収目安 |
---|---|
アナリスト | 500万~800万円 |
コンサルタント | 900万~1,300万円 |
マネージャー | 1,400万~2,500万円 |
パートナー | 2,500万円以上 |
このようにコンサルタントからマネージャーになることで、1,000万円以上の年収を実現できる可能性があります。
コンサルタントからマネージャーになれる割合・年齢
ここでは、コンサルタントからマネージャーになれる割合・年齢を紹介します。
コンサルタントからマネージャーに昇格できる割合
どれくらいのコンサルタントがマネージャーに昇格できるのでしょうか?
マネージャーに昇格できる割合は、全体の「30%」程度と言われています。プロジェクトの責任を担うリーダーポジションは高度なスキルが求められるため、この数字からもわかるように昇格の難易度は高いです。
コンサルティングファームでマネージャーに昇格できなかった場合、半数以上が別業界に転職すると言われています。ちなみに、パートナーになれる社員の割合は全体の「1〜2%」程度です。
コンサルタントからマネージャーになれる年齢
コンサルタントからマネージャーに昇格する年齢は「30歳前後」が多いです。入社形態やバックグラウンド、成長速度などによって昇格できる年齢は変わってきます。
ただし、近年は20代後半でマネージャーポジションに昇格するコンサルタントも多く見られるようになりました。
コンサルティングサービスに対する需要の高まりとは相反して、コンサルタント人材が不足しており、コンサルタントにはスピード感を持って成長することが求められているためです。
コンサルタントからマネージャーに昇格するメリット
それでは、コンサルタントからマネージャーに昇格することでどのようなメリットを得られるのでしょうか?
仕事のやりがいを実感できる
コンサルタントからマネージャーに昇格することで、さらに仕事のやりがいを感じられる可能性があります。
アナリストやコンサルタントは目の前のタスクを完了させるために日々奔走する必要がありますが、マネージャーはプロジェクトを管理するポジションです。
そのため、「自分がプロジェクトを動かしている」「自分の判断がプロジェクトの成功を左右する」といった実感を得やすくなります。
経験を重ね、仕事に対して余裕が生まれることも、やりがいを感じやすくなる理由の一つでしょう。
年収アップを目指せる
年収アップを目指せる点も、コンサルタントからマネージャーに昇格する大きなメリットと言えるでしょう。
先ほど説明したようにマネージャーの年収は「1,400万〜2,500万円」です。コンサルタントの年収「900万〜1,300万円」と比較すると、大幅な年収アップを実現できることがわかります。
特に、戦略系コンサルティングファームは年収が高い傾向にあります。高収入を目指したい人は大幅な年収アップを目指せる企業を選ぶことが大切です。
仕事の幅が広がる
コンサルティングファームのマネージャーになることで、対応できる仕事の幅が広がります。
基本的なコンサルティング業務に加え、プロジェクト管理やメンバーの育成、予算管理など、さまざまな業務を遂行します。
もちろん、対応する仕事の幅が広がり、責任が重くなることで伴うプレッシャーはありますが、その分仕事に対するやりがいも感じやすくなるでしょう。
「さまざまな業務に挑戦したい」「ビジネススキルを向上させたい」という人は、マネージャーを目指すことがおすすめです。
人材としての市場価値が上がる
人材としての市場価値が上がる点も、コンサルタントからマネージャーに昇格するメリットの一つです。
マネージャーとして身につけられるビジネススキルは、他業界でも通用するものなので、転職時に大きく役立ちます。
他のコンサルティングファームや事業会社、外資系企業、ベンチャー企業、独立など、幅広い選択肢から理想とするキャリアパスを実現しやすいです。
「採用市場で評価される肩書きを得たい」という人は、マネージャーを目指すと良いかもしれません。
人脈が拡大する
コンサルタントからマネージャーを目指すことで、人脈が広がります。
コンサルティングファームの同僚や上司をはじめ、クライアントとの関わりも多いため、さまざまな業界やポジションの人と知り合うことができます。
将来マネージャーからパートナーを目指している人は、こういったつながりから新規案件の獲得につなげられることもありますし、担当したクライアント企業の業界へ転職する場合でも情報を得やすくなります。
このようにコンサルタントからマネージャーに昇格することで、さまざまなメリットを得られるのです。
コンサルタントからマネージャーに昇格するデメリット・きついと言われる理由
ここまでコンサルタントからマネージャーを目指すメリットを紹介しました。それでは、マネージャーに昇格するデメリットについても確認しておきましょう。
業務量が増える
コンサルティングファームにおけるマネージャーには、さまざまな役割が期待されるため、業務量が増えます。場合によっては、プロジェクトを期限内に完了させるために、長時間労働したり、土日・祝日に働いたりすることもあるようです。
業務量が増えると体力面だけでなく、精神的にも疲れやすくなってしまい、ワークライフバランスを保ちづらいと感じる人が多く見受けられます。
ただ、時間管理スキルを身につけたり、タスク処理のスピードを上げたりすることで、膨大な業務量に対応できるようになります。
プレッシャーが大きい
コンサルティングファームのマネージャーは、プレッシャーが大きいポジションです。
自分の判断によってプロジェクトが成功するかが左右します。さらに、プロジェクトの成果によって、チームメンバーの評価やクライアントの経営状況にも影響を与えるため、判断ミスをすることはできません。
ただ、プレッシャーが大きい分、仕事を通して得られるやりがいや、自分自身の評価にもつながるため、責任の大きさはメリットとしても捉えられます。
新人の育成が大変
マネージャーになってから「新人の育成が大変」と感じる人が多いようです。
社会経験のない新卒社員がチームメンバーにいる場合、コンサルタントとしてのスキルだけでなく、社会人としての基本的なマナーも含め、包括的にケアしなくてはいけません。
「後輩と関わるのが苦手」「年下の面倒を見た経験がない」という人は、マネージャーポジションには向いていない可能性が高いです。
ストレスを感じやすい
ストレスを感じやすい点も、コンサルティングファームでマネージャーになるデメリットと言えるでしょう。
プロジェクトを管理する立場にいることから、プレッシャーの大きさによってストレスを感じます。さらに、チームメンバーやクライアントとコミュニケーションを取る際も、相手のことを考えて適切な言葉選びをする必要があり、神経を使います。
ファームによっては、カウンセリング制度を設けていたり、ストレスマネジメントの研修を実施したりすることもあるようです。
コンサルティングファームのマネージャーに必要なスキル
ここでは、コンサルティングファームのマネージャーに必要なスキルを紹介します。
リーダーシップ力
コンサルタントからマネージャーに昇格する上で欠かせないスキルの一つが「リーダーシップ力」です。リーダーシップ力とは、チームをまとめて進むべき方向・目標に導くスキルを指します。
コンサルタントとマネージャーの大きな違いが、プロジェクトを牽引する立場にいるかどうかです。つまり、マネージャーに昇格するためにはリーダーシップ力を身につける必要があります。
主体性を持ってタスクに取り組んだり、コミュニケーションを積極的に取ったりするなどして、リーダーシップ力を養いましょう。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、マネージャーを問わず、コンサルタントやアナリストなど、コンサルティング業務に携わる全ての職種に必要なスキルと言えます。
ただ、マネージャーは部下を管理するポジションです。役職や上下関係を超えてコンタクトを取りやすい関係性を築くためには、一人ひとりとしっかり向き合う必要があります。
ちょっとした言い回しや言葉遣いで、言葉の伝わり方が変わります。そのため、相手に不快感やプレッシャーを与えない言い方を心がけることが大切です。
マネジメントスキル
マネージャーにとって、「マネジメントスキル」も重要なスキルの一つです。リーダーシップ力が「ヒト」に対するスキルであるのに対し、マネジメントスキルは「ヒト」だけでなく「モノ」や「カネ」を管理する総合的なスキルを意味します。
実際に、チームメンバーやプロジェクト、予算、スケジュールなど、マネージャーにはさまざまな局面でマネジメントスキルが求められます。
マネジメントスキルを鍛えるためには、状況を把握する力や進捗管理、業務遂行能力などを強化することが大切です。
営業スキル
コンサルティング業務に必要な営業スキルは、ヒアリングを通して相手のニーズを汲み取り、適切な提案を行うスキルのことです。
特にマネージャーはクライアントと深く関わることが増えるため、営業スキルを高める必要があります。
さらに、新規案件獲得の役割を担うパートナーポジションにおいても、営業スキルは欠かせません。そのため、将来的にマネージャーからパートナーへの昇格を目指している人は、営業スキルを強化することが大切です。
コンサルティングファームのマネージャーに向いていない人の特徴
ここでは、コンサルティングファームのマネージャーには向いていない人の特徴を説明します。
自己管理能力が低い
自己管理能力が低い人は、マネージャーを務めるのは難しいと言えるでしょう。
マネージャーは自己管理だけでなく、プロジェクトやチームメンバーの管理を行う必要があるためです。自己管理すらできていないようであれば、プロジェクトをマネジメントすることはできません。
マネージャーを目指したい人は、時間管理やタスク管理、スケジュール管理などを意識して、自己管理能力を高めることが大切です。
柔軟性がない
マネージャーに向いていない人の特徴として、柔軟性がないことが挙げられるでしょう。
プロジェクトを進行していく上で、予想外のトラブルやスケジュールの変更など、その場の状況に応じて対応を変えていく必要があります。柔軟性がないと臨機応変に対応できず、プロジェクトが成功するようにメンバーを導くことは難しいです。
変化の少ない環境やルーティンワークが得意な人は、マネージャー以外の仕事で強みを活かすことをおすすめします。
ビジネス知識が不足している
ビジネス知識が不足している人は、マネージャーのみならず、コンサルティング業務には向いていないかもしれません。
クライアントの課題解決に向けて、最適なソリューションを提案するためには、幅広い知識が求められます。例えば、最新のIT技術や業界の動向、社会や経済の変化などの知識です。
コンサルタントやマネージャーは、こういった情報に敏感である必要があります。情報収集が苦手な人や向上心が低い人が、マネージャーを目指すことは難しいでしょう。
コミュニケーションスキルが低い
コミュニケーションスキルが低い場合、コンサルティングファームで活躍するのは難しいです。コンサルティングサービスを提供する上で、チームメンバーやクライアントと常にコミュニケーションを取ることが求められます。
コミュニケーションスキルが低い人は、コンサルティングファームではなく、1人で作業する時間が多い環境のほうが強みを活かせるかもしれません。
ここまでマネージャーには向いていない人の特徴を紹介しましたが、こういったスキルは後から身につけることも可能なので、自分の苦手分野を把握し改善を目指しましょう。
コンサルティングファームのマネージャーへの転職を成功させる方法
それでは、コンサルティングファームのマネージャーへの転職を成功させるにはどうすればいいのでしょうか?
専門スキルを身につける
マネージャーへの転職を成功させるためには、専門スキルを身につけることが大切です。
例えば、IT企業からコンサルティングファームに転職する場合、IT関する専門的な知識や技術、実績があれば、クライアントに提案する際に活かすことができます。
コンサルタントに役立つ資格を取得するのも一つの手段です。例えば、キャリアコンサルタントや社会保険労務士、行政書士、中小企業診断士、ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を取得することで、コンサルティングに行かすことができます。
業界内の情報を集める
転職を成功させるために、コンサルティング業界内の情報を集めましょう。
コンサルティングファーム同士の立ち位置や関係性、それぞれの特徴などを把握することで、自分にあった転職先を選びやすくなるためです。
さらに、業界の動向やトレンドニュースにも注意してください。面接時にこういった情報に対する意見が問われることがあります。
コンサルネクストでは、コンサルティング関連のコラムを公開しているので、ぜひ参考にしてください。
転職先のKPIを理解する
コンサルティングファームによって、マネージャーに求められる役割は異なります。
例えば、営業活動のKPIを重視しているファームもありますし、デリバリーの質を重視するファームもあります。
自分のスキルや強みを活かせる転職先を選定する前に、コンサルティングファームごとに重視しているKPIやビジョン等を確認しておきましょう。
まとめ
今回の記事では、コンサルティングファームのマネージャーについて、マネージャーに昇格するメリットとデメリット、昇格に必要なスキル、マネージャーに向いていない人の特徴、マネージャーポジションへの転職を成功させる方法について解説しました。
コンサルティングファームのマネージャーは責任が重く、ストレスを感じやすいと言われています。しかし、マネージャーに昇格することで、大幅な年収アップや人脈拡大、スキルアップなど、さまざまなメリットを得られます。
マネージャーへの転職を考えている人は、効率的に求人情報を集めることが大切です。コンサルネクスト.jpでは、アナリストからマネージャーポジションに至るまで、幅広い求人情報を紹介しています。