M&Aコンサルタントという仕事は激務?仕事内容や年収、役立つ資格を紹介

M&Aコンサルタント

「M&Aコンサルタントの具体的な業務内容は?」「M&Aコンサルタントに必要なスキルや資格はあるのか?」という疑問をお持ちではありませんか?

本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を以下の順で解説します。

  • M&Aコンサルタントの業務内容
  • M&Aコンサルタントに必要なスキル
  • M&Aコンサルタントにおすすめの資格

M&Aコンサルタントへの転職を検討している方に役立つ記事です。ぜひ最後までご覧ください。

※本記事に記載されている資格や職種などに関する情報などは2024年時点のものです。

目次

M&Aコンサルタントとは?

M&AコンサルタントはM&Aに関する相談、相手企業の選定、M&A戦略の策定や条件交渉など、M&Aに関するさまざまなサポートを行います。

M&Aはコンサルタントや仲介業者を介さなくても可能ですが、関連する法律の知識や交渉力、トラブルが発生した場合の対応力などがないと、希望条件に沿ったM&Aを成立させることが難しくなります。

M&Aコンサルタントに依頼すると費用が発生しますが、最小限のリスクで希望条件に沿ったM&Aを実現することができます。

M&Aコンサルタントの業務内容

M&Aコンサルタントは、M&Aに特化したコンサルティングを行います。売り手と買い手、どちらかと契約してM&A戦略の策定、相手企業の選定、契約締結までアドバイスやサポートを行うのがM&Aコンサルタントの基本的な業務です。

社労士や公認会計士、弁護士などの資格を持つコンサルタントが在籍しているコンサルティングファームでは、M&A締結後の組織再編のアドバイスやサポートも行う場合もあります。

上記の社労士や公認会計士などの資格がなくてもM&Aコンサルタントの業務に支障はありません。しかし、M&Aは大きな金額が動き、企業の経営を左右する重大な案件です。クライアントから見ると、M&Aに関連する資格を持つコンサルタントの方が信頼できるため、M&Aコンサルタントを目指すなら関連する資格の取得をおすすめします。

M&Aコンサルタントと他の職種の違い

M&Aコンサルタント以外にM&Aのアドバイスやサポートを行うM&AアドバイザリーとM&A仲介会社があります。この2つの職種の違いについて解説します。

M&Aアドバイザリー

M&AアドバイザリーとM&Aコンサルタントの業務内容に大きな違いはありません。

M&Aの売り手と買い手のどちらかと契約して、クライアントの利益が最大化するようアドバイスやサポートを行います。

M&Aアドバイザリーは主にステークホルダーが多い上場企業、日本企業と外資系企業とのクロスボーダーなM&Aなど、中規模以上の案件を取り扱います。

M&Aの知識はもちろんですが、非常に高度な財務に関する知識も求められます。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は売り手と買い手の間に入って、中立的な立場からM&A成立に向けたアドバイスを両者に対して行います。

M&AコンサルタントとM&Aアドバイザリーは、売り手と買い手のどちらか一方と契約してクライアントの利益が最大限になるようにするのが仕事ですが、M&A仲介会社は売り手と買い手の両者から報酬を受け取るので、ビジネスモデルが異なります。

M&A仲介会社の主な業務は中小企業のM&Aです。売り手と買い手の両者が納得しなければM&Aが成立しないため、M&A仲介会社には高い交渉力が求められます。

M&Aコンサルタントが求められる理由

M&Aコンサルタントに依頼しなくてもM&Aを行うことは可能です。
しかし、以下の理由からM&Aコンサルタントが求められています。

M&A全般の疑問を解消できる

M&Aを行う必要がある場合、社内にM&Aに関する知識や経験を持つ人材がいる企業は少ないでしょう。

M&Aは法律、財務、会計などの知識があっても実際にM&Aを経験しなければ分からないこともあります。また、こちらの要望を相手に承諾させるには交渉力も必要なため、社内の人材だけでM&Aを成立させるのは簡単ではありません。

これに対して、M&AコンサルタントはM&Aに関する知識と経験が備わったプロフェッショナルです。豊富な知識と経験を基にM&Aに関する疑問や不安を解消した上で、利益が最大限となるように効率よくM&Aを進めることができます。

M&A関連の法令知識がある

M&A関連の法令知識があることもM&Aコンサルタントが求められる理由です。

M&Aを行うには会社法や独占禁止法など、法令に関するさまざまな知識が必要です。

弁護士や税理士と顧問契約していればアドバイスを受けられますが、顧問契約していない場合は新たに契約しなければいけません。

M&Aコンサルタントは弁護士や税理士などと提携している、またはファーム内に有資格者がいる場合もあります。M&A関連の法令に精通した専門家を探すよりもM&Aコンサルタントに依頼した方が法令に抵触するリスクを避けて、M&Aを進めることができます。

M&A後のサポートが受けられる

M&Aは成立したら終わりではありません。人事、就業規則、社内システムの統合など組織再編に関する問題が待ち受けています。

これらの問題は企業の規模が大きいほど、時間とコストがかかります。

問題も複雑化しやすいため、M&Aに精通したM&Aコンサルタントのアドバイスやサポートが必要になります。M&AコンサルタントはM&A成立後の組織再編に関する知識と経験もあります。

的確なサポートが受けられるため、時間とコストを抑えて円滑に組織の再編が進められます。

M&Aコンサルタントの業務フロー

M&Aコンサルタントの業務フロー、M&Aプロジェクトの流れについて解説します。

戦略の策定・立案

M&Aを行うには、まずM&A戦略の策定・立案から始まります。M&Aの必要性と実施する目的、目的の達成に必要なM&A戦略についてコストとリスクも考慮した上で、M&A成立までのスケジューリングを大まかに決めていきます。

スキームの決定

M&A戦略の策定・立案後はスキームの決定に移ります。スキームは手続きの関係上、法務や税務、会計などの専門知識が求められます。この時点ではM&Aの相手企業が決まっていないため、どの分野の専門知識が必要になるか未定ですが、予測できる範囲の専門家に相談しておきます。ファーム内に有資格者や専門知識を持つコンサルタントがいると、スキームの決定も円滑に進みます。M&Aの相手企業によっては、スキームの変更が必要な場合もありますがM&A戦略が大きく変わることはないため、最初に立てたM&A戦略に沿ったスキームを決定していきます。

M&A候補企業の選定

次にM&Aの相手企業の選定を行うために「ロングリスト」と「ショートリスト」の2つを作成します。

ロングリストとは、幅広い業種や地域などから候補となる企業を選定して、リスト化したものです。ショートリストはロングリストで選定された企業から策定したM&A戦略との適合性や、統合後に企業や事業の価値が向上するシナジー効果が期待できるかなどを基準にして企業を絞り込み、優先順位をつけてリスト化したものです。

ショートリストで絞り込んだ企業の中から最終候補となる企業を決定します。

相手企業の選定を間違えると、M&A実施後の経営を左右します。企業の選定は慎重に行わなければいけません。

デューデリジェンスの実施

デューデリジェンスの実施とは、M&Aの相手企業をさまざまな角度から精査して、企業価値やリスクなどを正確に把握することです。

デューデリジェンスには弁護士が法務面の精査を行う法務デューデリジェンス、公認会計士が財務面の精査を行う財務デューデリジェンスなど、さまざまな種類があります。デューデリジェンスで相手企業の価値、リスクを正確に把握することでM&A実施後のトラブルを未然に防げます。

各デューデリジェンス実施後、問題がなければ、M&A交渉に移りますが、デューデリジェンスの結果を基に交渉のポイントを整理して、日程調整などを行います。

取引の条件交渉

デューデリジェンス実施後、契約締結に向けた交渉に入ります。M&Aコンサルタントはクライアントの利益を最大限にするのが仕事ですが、相手にも譲れない条件があるはずです。条件交渉では、どこに落としどころを見つけるかがM&Aコンサルタントの腕の見せどころです。

双方の条件がまとまったら、専門家と連携して、基本合意書や契約書の草案作成に移り、正式にM&A契約を締結します。

クロージング準備

交渉終了後、M&Aの契約が締結したら、株式などの引き渡しと対価の支払いを行うクロージングの準備に入ります。

契約が締結しても効力を発生するまで日にちがあります。それまでに双方の企業は株主総会を開催して、株主から承認の決議を得なければいけません。

クロージングはスキームによって、さまざまな手続きがあります。円滑に進めるにはM&Aコンサルタントがサポートする必要があります。

ポストマージャーインテグレーションの実施

ポストマージャーインテグレーションとは、組織の統合を意味する言葉です。

M&Aコンサルタントは統合に必要なプランの策定、新体制のマニュアルの整備、M&A実施後の会計や税務処理など、さまざまなことについてアドバイスやサポートを行います。

ポストマージャーインテグレーションは、単純に組織を再編すれば良いわけではありません。企業の選定時に考慮されたシナジー効果も得られるよう慎重に行う必要があります。ポストマージャーインテグレーションは、M&Aの中でも最も重要なプロセスと言えます。

M&Aコンサルタントの報酬額の相場

M&Aコンサルタントの報酬額はコンサルティングファームによっても異なりますが、M&Aを行う企業の規模によっても変動します。

こちらでは、一般的な報酬額の相場を紹介します。

相談料

相談料はM&Aコンサルタントに正式に依頼する前に発生する料金です。

初回の相談は無料、または1時間数千円~数万円の料金が発生しますが、最近は無料で相談対応しているファームが増えています。気になる場合は事前に確認しましょう。

着手金

着手金はM&Aコンサルタントに正式に依頼をした時に発生する料金です。100~200万円が相場ですが、無料の場合やM&A成立時に発生する成功報酬の一部の前払いとしているファームなど、さまざまです。

相談料と同じく、着手金についても事前の確認をおすすめします。

コンサルタント料

コンサルタント料は毎月、発生するコンサルタントへの手数料です。月額制か、業務内容に応じて支払うタイプの2種類があります。

コンサルタント料はM&Aの規模やファームによって、無料から数百万円まで幅広く設定されています。プロジェクトの期間が長いと高額になります。こちらも事前の確認をおすすめします。

中間報酬

M&Aの相手企業と基本合意がなされた後に発生するのが中間報酬です。

報酬額が固定されている場合もありますが、多くのファームでは想定される成功報酬の10~20%で設定されています。

中間報酬はM&Aが不成立になっても、返金されない契約がほとんどです。

デューデリジェンス料

デューデリジェンス料は、税理士など外部の専門家に相手企業の精査を依頼した時に発生する依頼料です。M&Aコンサルタントに有資格者がいれば無料の場合もありますが、1,000万円ほどかかる場合もあります。

成功報酬

M&Aが成立時に支払われるのが成功報酬です。M&Aコンサルタントの主な収入源でもあります。

成功報酬は基準額に対して、レーマン方式と呼ばれる下記の計算方法で算出します。

基準額手数料率
5億円以下5%
5億円超~10億円以下4%
10億円超~50億円以下3%
50億円超~100億円以下2%
100億円超1%

基準額はM&Aの成約金額、もしくは移動する総資産や企業価値などです。ファームによって異なるため、こちらも事前の確認をおすすめします。

M&Aコンサルタントに必要なスキル

M&Aコンサルタントに必要なスキルを5つ、紹介します。

論理的思考力

論理的思考力はM&Aコンサルタントに限らず、コンサルタントには欠かせないスキルです。M&Aのプロセスは複雑です。単純な思考ではM&Aの成立は難しく、そもそも、クライアントを納得させることができません。

根拠も裏付けもない思い付きや物事の一面だけを見て考えるのではなく、目的を明確にして結論から話し、なぜ、その結論に至ったのか理由を説明すれば、論理的思考力は自然と身につきます。

クライアントがM&Aを行う目的は何か?そのためには何を行うべきか?物事を順序立てて考える癖をつけましょう。

問題解決能力

M&Aに限らず、仕事にはトラブルがつきものです。何らかの問題が発生した場合、早期に解決してM&Aを進めなくてはいけません。そのためには原因を突き止めて、解決する問題解決能力が必要です。

問題解決能力だけでなく、問題を回避する能力も重要です。M&Aの障害となるものを予測できれば、問題を回避してM&Aを進めることができます。

問題解決能力と問題を予測する能力は、コンサルタントが身につけておくべき重要なスキルです。

交渉力

交渉力もコンサルタントに欠かせない重要なスキルです。M&Aでは、クライアントの社内外のキーパーソンやステークホルダー、M&Aの相手企業などと交渉する機会が多々あります。

こちらの要求を一方的に押し付けるだけでは交渉は成立しません。交渉を成立させるために相手が納得できる落としどころを見つけられるかが重要です。

M&Aの成立は交渉力次第と言っても過言ではないため、M&Aコンサルタントの実力が試される場面です。

クライアント事業への理解

クライアントの事業に対する理解力も、M&Aコンサルタントに欠かせないスキルです。企業規模や事業内容が似た企業のM&Aの事例は参考にできても、企業ごとに収益性や成長力が異なるため、クライアントにそのまま当てはめて考えることはできません。

公開されている情報の確認だけでなく、ヒアリングなどを行い、クライアントの事業について精査し正しく理解することで、最適なM&Aが実現できます。

財務に関する知識

財務に関する幅広い知識も、M&Aコンサルタントにとって必須の知識です。M&Aを行うにはクライアント、相手企業両方の財務について正しく分析・理解しなければいけません。財務デューデリジェンスは公認会計士などが行いますが、財務デューデリジェンスの結果を正確に読み取り、どのようなシナジー効果が期待できるのか、M&A後の業績予想などを行い、クライアントに最適なアドバイス・サポートを行うには財務の知識が欠かせません。

M&Aコンサルタントにおすすめの資格

M&Aコンサルタントは資格がなくても働くことができます。しかし、M&Aに関する知識や経験を証明できる資格があるとクライアントから信頼されやすくなり、受注しやすくなるなどのメリットがあります。

M&Aコンサルタントにおすすめの資格を紹介します。

国家資格

国家資格は文字通り、国が認定する資格です。取得難易度が高い資格が数多くありますが、有資格者でなければ認められない独占業務もあり、M&Aコンサルタントの仕事の幅を広げることができます。また、取得することで社会的信用度が高まります。

公認会計士

公認会計士はM&Aを総合的に管理する役割を担う重要な立場です。公認会計士は財務の知識を活かして財務デューデリジェンスを行いますが、M&A戦略の策定・立案、M&A後の組織の統合でもアドバイス・サポートが可能です。取得すれば、M&Aコンサルタントとしての活躍の幅を広げることができます。

税理士

M&Aでは税金が必ず発生します。M&Aの規模が大きいほど税金も高額となるため、節税対策や税務処理に専門家である税理士が求められます。また、税理士は会計の知識もあるため、企業価値の評価などの業務を行う場合もあります。

税務に関する代行業務や相談は税理士の独占業務なので取得すれば、仕事の幅が広がるだけでなく、キャリアアップの可能性も高まります。

弁護士

弁護士はM&Aの契約書の作成や締結、独禁法など関連する法令に反してないかの確認など、法務の専門家としてM&A成立に向けてサポートを行います。

万が一、法律上のトラブルが発生した場合、弁護士がいればすぐに対応できるため、リスクマネジメントの面でも弁護士の資格は有効です。

ただし、弁護士は合格難易度の高さだけでなく、受験資格を満たすだけでも大変なため、資格取得は簡単ではありません。

司法書士

司法書士は登記業務の専門家です。一般的には不動産の登記が主な業務ですが、M&Aでは不動産以外に株式など、さまざまな登記を行うことが多いため、重宝される資格です。

登記以外では、法務デューデリジェンスやM&Aのリスク管理など、さまざまな場面で活躍できる資格です。

中小企業診断士

中小企業診断士は、中小企業の経営状態の診断や指導などを行う資格です。

中小企業の経営に精通しているため中小企業間のM&Aで活躍しますが、中小企業診断士が最も活躍するのはM&A成立後の統合時です。M&A成立後、買い手企業の企業理念を整備し、従業員に浸透させていくために中小企業診断士が従業員のメンタルケアを行います。

社会保険労務士

法務や財務デューデリジェンスの他に、人事や労務の面で問題がないかデューデリジェンスを行うために社会保険労務士が求められます。

人事・労務のデューデリジェンス以外に、M&A成立後の統合時に人事や給与について制度の見直しや新たに作り直す必要があり、ここでも人事・労務の専門家である社会保険労務士が求められます。

ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーは、年金や保険などの知識に長けた財産運用の専門家です。M&Aの目的は企業を発展・存続させることです。資産の運用・買収・譲渡など、複数の手段から最適な手段を選択するためにファイナンシャルプランナーの知識が活かせます。

また、ファイナンシャルプランナーは税務や法務に関する知識もあるため、M&Aのさまざまな場面で活躍できます。

民間資格

次に民間資格を紹介します。民間資格にはM&Aに関する専門性が高い知識を証明できる資格が複数あります。

M&Aエキスパート認定資格

M&Aエキスパート認定資格は、金融財団事情研究会と日本M&Aセンターが共同で認定する資格です。M&Aと事業継承に関する知識が証明できます。

難易度がそれほど高くなく取得しやすいのも、この資格を取得するメリットです。

上位資格が複数あるため、1つずつ取得して、知識を積み重ねていくといいでしょう。

M&Aスペシャリスト資格

M&Aスペシャリスト資格は日本経営管理協会が認定する、M&Aの実践的な知識が証明できる資格です。受験資格がないため、受験しやすい資格ですが、難易度が非常に高いと言われています。また、取得後に定期的に開催される研修に参加しなければ資格の更新ができません。

更新に必要な研修参加は大変かもしれませんが、M&Aに関する実践的な知識が更新できるため、M&Aコンサルタントとして働き続けるのに有効な資格です。

JMAA認定M&Aアドバイザー

JMAA認定M&Aアドバイザーは、一般社団法人日本M&Aアドバイザー協会が認定する民間資格です。協会が実施する「M&Aアドバイザー養成講座」を受講後、修了試験合格者に修了証書が発行されます。

その後、規定された入会資格を満たすことを前提に審査が行われ、正会員として認定されると資格が認定されます。

この資格はM&Aに関する知識が証明できるだけでなく、会員同士が交流する場があるため、人脈作りにも有効です。

事業承継士

事業継承士は一般社団法人事業承継協会が認定する資格です。事業継承に関する知識とツールについて学べるため、中小企業のM&Aで活かせる資格です。

この資格を取得することで、事業承継センター株式会社から優先的に紹介を受けられますが、受験資格が士業資格者のみとなっており、受験資格のハードルが高い資格です。

しかし、機関誌などで事業継承に関する最新の情報を得ることができて、専門家同士のネットワークに参加できるため、活躍の幅が広がるだけなく、キャリアアップの可能性も高まります。

M&Aのコンサルティングを行う会社の種類

M&Aのコンサルティングを行うのはコンサルタントファーム以外に複数の会社があります。それぞれの会社について解説します。

コンサルティングファーム

M&Aコンサルタントは、経営コンサルティングファームに所属するコンサルタントのことです。M&Aに特化して事業を行っているのではなく、通常業務の延長線としてM&Aを行います。

大企業から中小企業まで、さまざまな企業のM&Aのコンサルティングを行います。

M&Aアドバイザリー

M&AアドバイザリーとM&Aコンサルタントの業務内容に大きな差はなく、M&Aのどちらかの企業と契約する点も同じです。

M&Aアドバイザリーは主に大企業のM&Aを中心に行うのが、M&Aコンサルタントと異なります。

M&A仲介会社

中立的な立場でM&Aの成立を目指すのがM&A仲介会社です。両方の企業から報酬を受け取るため、M&Aコンサルタントとはビジネスモデルが異なります。

M&A仲介会社は中小企業や特定の業界・業種・地域に特化していることが多く、M&Aが必要な企業は、M&AコンサルタントよりもM&A仲介会社に相談するのが一般的と言われています。

銀行

銀行の場合、規模によってM&Aの対象が異なります。大手銀行は、大企業を中心にM&Aを行います。対して、地方銀行は地域の中小企業のM&Aを中心に行います。地方銀行の場合、後継者問題などを抱える地元企業の事業を継続させることを目的としたM&Aなので、大手銀行とはM&Aの目的が異なります。また、支店のネットワークによって、銀行以外のM&A事業者とは異なるM&Aの相手が見つかることがあります。

証券会社・会計・税理士事務所

証券会社や会計・税理士事務所も財務・会計・税務の知識と経験を活かして、M&A事業に参入しています。いずれも顧客の内情に詳しく、M&Aに関する相談を受けることが多いため、需要に応える形でM&A事業に参入する会社・事務所が増えています。

法律事務所

税理士や公認会計士などがデューデリジェンスで欠かせないように、弁護士も法務のデューデリジェンスで欠かせない士業です。

弁護士は、この他に基本合意書や最終契約書の作成、契約内容の確認などでM&Aに関わる機会が多々あるため、M&A全体のコンサルティングを行い、M&A事業に本格的に参入する法律事務所が増えています。

未経験からM&Aコンサルタントへの転職は可能?

コンサルティング業界未経験でもM&Aコンサルタントに転職することは可能です。

近年、M&Aコンサルタントの需要が増加しています。これに対応するため、未経験者のポテンシャル採用を行うファームが増えています。しかし、M&Aコンサルタントとして業務に従事するには教育期間が必要なため、未経験の場合、遅くとも30代前半までに転職することをおすすめします。また、以下の3つの経験があると採用される可能性が高まります。

経営層向けの営業経験者

金融業界などで、経営層向けに営業経験があると転職で有利になります。金融業の営業では経営層に対して、複雑な金融商品の説明を行い購入を促しますが、これには、相手が何を求めているのか理解する能力と信頼関係を構築する能力が不可欠です。

これらの能力と経営層に向けて、商品などの説明を行った経験も業務に活かせるため、M&Aコンサルタントの適性が高いと判断されやすくなります。

財務・会計業務の経験者

財務・会計業務に関する知識・経験は、M&Aを成功させるために不可欠なものです。M&Aコンサルタントは、財務の分析能力と会計基準に関する理解度が高くなければいけません。この2つの能力が高いほど、M&Aの複雑なプロセスを円滑に遂行して、クライアントに戦略レベルの高度なアドバイス・サポートを行うことができます。

また、M&Aコンサルタントとしてキャリアアップしていくためにも財務や会計の知識・経験は有効です。

IT・スタートアップ経験者

ITやスタートアップの経験もM&Aコンサルタントに転職するのに有利になります。この2つの業界では頻繁にM&Aが行われており、M&Aがどのようなものか肌で感じることができます。また、スタートアップ企業では、目まぐるしく変化する市場についていかなければいけないため、変化に対する適応能力が自然と身につきます。

この他に規模が小さい企業では、社長など経営陣の思考や企業経営について近くで見る機会が多く、この経験もM&Aコンサルタントへの転職で有利になります。

まとめ

M&Aコンサルタントは財務・会計・法令などの専門知識と、論理的思考力や問題解決能力など、さまざまなスキルが求められる職種です。M&Aが必要な企業がなくなることはないため、M&Aコンサルタントの需要も絶えることはなく、成果に応じた報酬が得られる魅力ある仕事でもあります。

コンサルネクスト.jpでは、求人情報だけでなく、コンサルティングに関するさまざまな情報についても発信しています。コンサルタントへの転職を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。

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