SEからITコンサルタントにはなれる?両者の違いや転職する際のポイントを解説

SEからITコンサルタントへの転職を検討した時「SEとITコンサルタントの違いは?」「どのような知識・スキル・経験が評価されるのか?」「未経験でも転職できるだろうか?」などの疑問があるかもしれません。

この記事では、SEからITコンサルタントへの転職について、以下の順で解説します。

  • SEとITコンサルタントの違いは?
  • ITコンサルタントからSEになるときに求められるスキルや経験、資格
  • ITコンサルタント未経験者でも採用してもらえる?

ITコンサルタントへの転職を検討されている方に役立つ記事です。ぜひ、最後までご覧ください。

目次

ITコンサルタントとは

ITコンサルタントとは、クライアントが抱える経営課題を解決するために、IT技術を活用した解決策を提案するコンサルタントのことです。

クライアントが抱える経営課題の原因を見つけるために、情報収集と情報の分析を行い、課題を解決する最適なITシステムの提案・導入・運用までサポートを行います。

ITコンサルタントはITに関する知見があることはもちろんですが、クライアントの経営課題は経営戦略、事業戦略、財務、会計、人事など多岐に渡ります。ITの知見だけでは最適な解決策の提案はできないため、これらの企業経営に関する知見も身につけなくてはいけません。

SEからITコンサルタントへの転職が注目されている背景

SEからITコンサルタントへの転職が注目される背景にはIT人材の不足があります。

企業のDX化の推進、コロナの感染拡大を予防するために推奨されたテレワーク、自宅で買い物ができるECサイトの活発化など、ここ数年で社会のデジタル化が急速に進んだことで、IT人材の需要が急激に増加しました。

企業のDX化、社会のデジタル化へのサポート・アドバイスを行うITコンサルタントの需要も増加しているため、ITに関する知見とITシステムの開発経験を兼ね備えたSEに注目が集まりました。SEから見ると、ITコンサルタントは収入アップ、ワークライフバランスの改善、キャリアアップなど、ポジティブな要素が多い転職先です。

20代~30代のSE経験者を中心に採用条件を緩和して採用しているコンサルティングファームもあるので、ITコンサルタントへ転職するSEが増えていると言われています。

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ITコンサルタントの主な職種

ITコンサルタントとは、ITを活用してクライアントの経営課題を解決するコンサルタントの総称です。どのようなITツールを活用するかで職種が細分化されます。ここでは、ITコンサルタントの主な職種について紹介します。

CRMコンサルタント

CRMコンサルタントのCRM(Customer Relationship Management)とは、顧客関係管理という意味です。クライアントと顧客が効果的な関係を構築するためにCRMシステムやツールの導入などのアドバイス・サポートを行うのがCRMコンサルタントです。

近年はSNSをはじめ、企業と顧客をつなぐチャネルやツールが増加しています。これらを一元管理することで、マーケティング、営業、サービスの品質の向上に活用できますが、社内にCRMに関する知見を持つ従業員が少ない企業がほとんどです。そのため、自社に最適なCRMシステムやツールの選定から運用、保守まで可能なCRMコンサルタントが求められています。

ERPコンサルタント

ERPコンサルタントのERP(Enterprise Resources Planning)とは、企業を経営していく上で基本となるヒト・モノ・カネ・情報の4つの資源の適切な分配計画のことです。

ERPコンサルタントとは、各ベンダーが開発・販売しているERPパッケージに特化したコンサルタントのことです。

クライアントが抱える経営課題を解決できる最適なERPパッケージを選定するのが、ERPコンサルタントの仕事です。

経営課題の解決に最適なERPパッケージの選定をするには、クライアントに必要な業務とは何かを正確に把握し、動線を可視化・分析できるスキルを身につける必要があります。また、企業経営、税務、法務、コスト管理などの知識があると、最適なERPパッケージを選定する精度が高まります。

SAPコンサルタント

SAPコンサルタントとは、ドイツのソフトウェアメーカーのSAP社が、開発・販売を行っているERPパッケージに特化したコンサルタントです。

1つの企業の製品にのみ特化したコンサルタントだと、需要や将来性について不安があるかもしれませんが、SAP社の世界シェアはマイクロソフトとオラクル社に次ぐ高さがあるため、SAPコンサルタントは今後も需要が期待できる職種です。

SAP社のERPパッケージの導入によって、効率的な経営を実現させている企業は多く、SAP社のERPパッケージに特化した専門性が高い知識を身につけることで、SAPコンサルタントとしての需要を保ち続けることができるでしょう。

SCMコンサルタント

SCMコンサルタントのSCM(Supply Chain Management)とは、原材料の調達から生産、流通、消費者の手元に届けるまでの流れを一元管理するマネジメント手法のことです。

SCMコンサルタントはSCMの分野から、クライアントの経営課題を解決へと導きます。SCM管理システムの効果について調査・分析して、システムの選定から導入・運用までのコンサルティングを行います。

SCM管理を効率よく行うことができれば利益率が向上します。利益率の向上は収益の拡大にもつながるため、SCM管理は「第2の収入源」とも呼ばれる企業にとって重要なものです。そのため、SCMコンサルタントはITコンサルタントの中でも需要が高い職種と言われています。

SEとITコンサルタントの違いは?

SEとITコンサルタントの違いは定義によっても異なりますが、以下の3つが大きな違いです。

SEとITコンサルタントの目的の違い

SEは、クライアントのニーズに基づいて、ITシステムの要件定義・設計・開発を行うのが目的です。

これに対して、ITコンサルタントの目的は、クライアントの経営課題の原因を特定して解決することです。ITコンサルタントにとって、ITシステムは経営課題解決に必要な方法・手段であって、目的でありません。

SEとITコンサルタントの仕事内容の違い

SEは、クライアントのニーズに沿ったITシステムを開発しますが、グループ会社や下請けなど、自社のリソースを活用するのが前提です。自社製品以外で、ITシステムを開発することは基本的にありません。

ITコンサルタントの仕事は、クライアントの課題解決です。クライアントごとに経営課題は異なるため、毎回同じ解決策が通用するわけではありません。課題解決に必要と判断したものを採用するため、特定のソリューションやベンダーにこだわることはありません。

SEとITコンサルタントの特徴の違い

SEの特徴は、ITコンサルタントよりも単価が安いことです。経営課題と原因が明確な場合、ITシステムの要件定義も明確になるので、設計・開発にかかる期間とコストが削減できます。

ただし、SEはクライアントのニーズに沿ったITシステムの設計・開発が仕事であり目的なので、経営課題と原因の判断に誤りがある場合、ITシステムが課題解決に役に立たない可能性があります。

ITコンサルタントは単価の高さも特徴の1つですが、その分事業戦略から業務内容、ITの活用方法まで一貫性を持つことができます。またITコンサルタントは、中立的な第三者の立場で、クライアントも気付けなかった問題点なども踏まえた最適な解決策の提案が可能です。

SEからITコンサルタントへ転職する4つのメリット

SEからITコンサルタントへ転職するメリットは人によっても異なりますが、ここではSEからITコンサルタントに転職する主なメリットを4つ紹介します。

①超上流工程からプロジェクトに携わることができる

1つ目のメリットとして、プロジェクトの超上流工程から携われることです。

SEとしての経験・スキルを積むことで上流工程に携わることができますが、SEはクライアントの要望に沿ったITシステムを開発・納品することが仕事です。クライアントの経営課題を考慮した上で、ITシステムの提案はできません。それを行うのはITコンサルタントの仕事です。

また、ITコンサルタントは、SIer・ベンダー選定にも携わります。SEの場合、納品物は自社製品が前提ですが、ITコンサルタントには、そのような制約がないので、課題解決に最適な組み合わせが提案できます。クライアントの経営課題解決というビジネスサイドの視点で、超上流工程からプロジェクトに携わりたいと考えるなら、ITコンサルタントは魅力ある職業でしょう。

②年収アップが期待できる

年収アップが期待できるのもITコンサルタントに転職するメリットです。

厚生労働省が行った令和5年度賃金構造基本統計調査によると、SEの平均年収は557.6万円でした。

これに対して、ITコンサルタントの平均年収は684.9万円と、SEの平均年収よりも130万円ほど上回っています。

これは、コンサルティング業界の平均年収がSEを含めたITエンジニアよりも高いこと、コンサルティング業界は成果主義なので、成果を出せば年次に関係なく昇進・昇給しやすいことなどが理由です。

実際にSEからITコンサルタントに転職して、年収アップに成功した人も珍しくないようです。成果を出し続けるのは大変ですが、成果に見合った待遇が得られるのは、ITコンサルタントとして働くメリットの1つです。

また、近年は働き方改革の影響で、コンサルティング業界のワークライフバランスが改善されています。働きやすい環境という点でも、ITコンサルタントへの転職にメリットを感じる人は多いでしょう。

③これまで培ってきたスキルを活かせる

SEとして培ったスキルを活かした働き方ができるのも、ITコンサルタントに転職するメリットです。

ITコンサルタントは、ビジネスに関する知識・スキルの他にITに関する知見も必要です。SEとして働いた経験を活かすことで、SEの経験がないITエンジニアよりも具体的な提案ができます。

ITに関する知見の他にクライアントとの折衝経験もあれば、交渉などもスムーズに進められます。SEとITコンサルタントは、ITに関する知見が必要なのは同じですが、それぞれ業界も職種も異なります。異なる業界・職種で前職の知識・スキル・経験を活かして働けるのは、大きなメリットとなるでしょう。

④将来的に更なるスキルアップやキャリアアップが見込める

ITコンサルタントへの転職は、その後のスキルアップ、キャリアアップが見込めます。

前述したようにITコンサルタントに転職することで年収アップが期待できる他に、勤務するコンサルティングファームで上位の役職を目指す、戦略系コンサルタントや総合系コンサルタントなど、ITコンサルタントとして働いた経験を活かして、他の職種のコンサルタントへの転職も目指しやすくなります。

この他にコンサルタント経験を活かして事業会社への転職や独立して起業する、フリーランスとして働くなど、キャリアの選択肢が増やせるのもITコンサルタントに転職するメリットです。

ITコンサルタントからSEになるときに求められるスキルや経験、資格

SEからITコンサルタントへ転職する時に求められるスキル、経験、資格について解説します。

コミュニケーション能力などのビジネススキル

ITコンサルタントに必要なビジネススキルについて解説します。

マネジメントスキル

マネジメントスキルとは、プロジェクトメンバーの能力を見極めた適材適所の人員配置、折衝力、予算や期日などの管理など、複数のスキルの複合体と考えると良いかもしれません。

ITコンサルタントは全体を見据えながら、プロジェクトを進めるためにマネジメントスキルが求められます。マネジメントスキルは、すぐに身につくものではありません。実際に経験することで身についていくスキルでもあるので、マネジメント経験を積むことが重要となるスキルです。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは、コンサルタント以外の職種でも重要なスキルですが、ITコンサルタントの場合、クライアントなどとの良好な関係を構築する以外に経営課題などを聞き出すためにも必要なスキルです。

クライアント自身も気付いていない課題や、言語化しきれていない部分を引き出すためにも、コミュニケーションスキルは重要です。

語学力

英語などの語学力を身につけることもおすすめです。国内のクライアントが海外進出する場合や、外資系企業の案件を担当する可能性もあります。ITに関する知見にくわえて、ビジネスレベルの語学力もあると、活躍の場が広がります。

論理的思考などのコンサルタントとしてのスキル

次にコンサルタントとして身につけておくべきスキルを紹介します。

情報収集能力

情報収集能力とは、単に多くの情報を収集するのではなく、不要な情報、信ぴょう性が低い情報を排除して良質な情報を抽出して収集する能力のことです。

情報収集能力は情報を収集することを習慣にして、複数の情報源を持つことが重要です。多くの情報を確認して、なぜそのようなことになったのか疑問を持ち、自ら答えを探せるようになると精度の高い情報を収集できます。

問題解決能力

問題解決能力もITコンサルタントに不可欠なスキルです。問題解決能力は、問題の原因がどこにあるのかを見つけ出し、原因は何かを見抜き、問題を解決するための解決策を提案するところまで持っていく必要があります。解決策も1つではなく複数、提案できることが理想です。

問題解決能力は考える習慣を作ることで磨かれていきます。「なぜ、こうなるのか?」という疑問を普段から持ち自分なりの考えをまとめて、その考えが間違っていたら正解となる考え方から学んでいくことで身についていきます。

論理的思考力

論理的思考力は、物事を順序立てて考える能力のことです。複雑な問題でも順序立てて考えることで、何が原因かが分かり、原因が分かれば解決策も見えてきます。

論理的思考力は問題解決能力と同じように「なぜ、そうなったのか?」疑問を持って、さまざまな角度から物事を見るよう習慣づけることで、少しずつ磨かれていきます。普段から、物事を多角的に見る習慣をつけましょう。

協調性

協調性は社会人の基本スキルとも言えますが、ITコンサルタントは、案件ごとにクライアントやプロジェクトメンバーなど一緒に働く人が異なるので、信頼関係を構築するために重要なスキルです。

プロジェクトを成功させるという目的は同じでも、人によって立場や考え方は異なります。協調性を高めるには周囲の人たちの行動を興味を持って観察する、相手の立場で物事を考える、周囲の人たちに対して感謝や尊重の気持ちを持つことで、少しずつ協調性が身についていきます。

SE時代に培ったITコンサルタントとしての専門知識

SE時代に身につけた専門知識はITコンサルタントでも活かせます。ITシステムを開発する上で、要件定義から運用まで実際に経験しているのと、知識として知っているのとでは実務での対応力が異なります。

ITコンサルタントはマネジメントの経験とスキルが求められるため、SE時代にITシステムの開発をリーダーの立場で経験していると、転職時の大きなアピールとして有効です。

プロジェクトの上流工程の経験もあると、さらに評価が高まります。SEとして培ったITの知識・スキルと同時に、ITシステムの開発とマネジメント経験もITコンサルタントの業務に活かせます。

ITストラテジスト試験などの国家資格

ITコンサルタントは医師などと違い、資格を取得していなくても業務に従事できます。

しかし、資格は知識・スキルの証明となるため、ITコンサルタントに転職する時のアピールだけでなく、実務にも役立つので取得して損になることはありません。ITコンサルタントにおすすめの資格を4つ紹介します。

ITストラテジスト

ITストラテジストは、情報処理推進機構(IPA)が認定する国家資格です。

ITストラテジストは経営戦略を基にIT戦略を策定し、高度なITの知見を活用して、事業の革新、業務改革などを促進することでビジネスを成功へと導く役割を持つ人材に最適な資格です。

ITコンサルタントだけでなく、CIO(最高情報責任者)やCTO(最高技術責任者)にも有効な資格です。ITストラテジストは、IPAが管理する「ITスキル標準(ITSS)」で、レベル4に分類されています。このレベルは7段階に分かれており、レベル4は高度なIT人材と評価されています。

ITコンサルタントに転職する前に取得できれば、ITとビジネス両方の知見を持っていることが証明できるため、アピールに有効です。

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験も、ITストラテジストと同じIPAが認定する国家資格です。この資格は、ITシステムの開発現場でマネジメント経験がある人を対象としているため、取得することで、実践的な知識・スキルの証明に有効です。

「ITスキル標準(ITSS)」では、ITストラテジストと同じレベル4に分類されています。実践的な知識・スキルの証明となると説明しましたが、プロジェクトマネージャ試験には実務経験などの受験資格が設けられていないため、ITエンジニア未経験者でも受験可能です。

マネジメント経験がなくてもSEとしてITシステムの開発経験があれば、マネジメントに関する知識を身につけて、受験に挑んでみるのも良いかもしれません。

ITコーディネータ

ITコーディネータは、ITコーディネータ協会が認定する民間資格です。

ITコーディネータとは、ITと企業経営に関する知識の両方を持った専門家です。企業の存続・成長のために必要なITシステムの導入から、評価・改善まで一貫してできるITと経営のプロフェッショナル人材であることが証明できる資格です。

ITコーディネータは、試験の合格と研修受講の両方を満たすことで認定されます。試験と研修の受講はどちらが先でも構いません。4年以内に両方をクリアすることが条件とされています。

ITコーディネータは、「ITスキル標準(ITSS)」レベル4に分類されています。前述した2つの資格と同じく、取得することで高度なIT人材としての評価が受けられます。

中小企業診断士

中小企業診断士は、一般社団法人中小企業診断協会が認定する国家資格です。中小企業診断士の特徴は、経営コンサルティングに関する唯一の国家資格であることです。取得することで経営、会計、財務、法務、人事など、企業経営に欠かせない知識が身につきます。

名称に「中小企業」とありますが、これらの知識は企業規模に関係なく活かせるため、大手企業への経営に関するアドバイスやサポートも可能です。中小企業診断士の取得難易度は弁護士、公認会計士よりは低いと言われていますが、簡単に取得できる訳ではありません。

必要とされる勉強時間の目安は1,000時間、一次試験と二次試験両方に同時合格できる確率は、3~8%と難易度が非常に高い資格です。資格スクールで勉強するなど、計画的な学習スケジュールを組んで取得を目指しましょう。

SEからITコンサルタントへ転職して後悔する2つの理由と対処法

ITコンサルタントは収入やキャリアパスなどの面で魅力があるため、転職を希望する人が増えていますが、実際に転職した結果、後悔したという方も一定数存在します。

ITコンサルタントに転職して後悔する2つの理由と対処法について説明します。

思っていた仕事内容と違った

ITコンサルタントの仕事は、クライアントの経営課題の解決です。そのため、知的でスマートな仕事というイメージを持つかもしれませんが、実際の仕事は激務と言われています。

企業の経営課題を解決するためには、ITとビジネス両方の知識・スキルが必要です。これらの知識は常に最新の情報に更新する必要があり、複数の案件を同時進行する場合もあるため、残業や休日出勤も珍しくありません。

知的でスマートなイメージとは裏腹に実際には、情報収集、資料作成などの地道な業務が多い仕事でもあります。ITコンサルタントに転職してから「思っていたことと違う」と、後悔しないように事前に仕事の詳細について確認しましょう。

どのような職種でも、イメージとは違う仕事や業務があります。ITコンサルタントとは、どのような仕事なのか、転職を検討しているコンサルティングファームについても調べましょう。給与や労働環境はファームごとに異なります。

口コミなどを調べる他にコンサルタント向けの転職エージェントで、情報収集する方法もあります。転職エージェントには、インターネットの口コミよりも正確な情報が蓄積されていることが多いので、ITコンサルタントという職業が自分に合うのか、どのコンサルティングファームが自分に合っているか調べて、ミスマッチを回避しましょう。

自分のスキル量では追いつけなかった

実際にSEからITコンサルタントに転職した方の中には、スキル量が追いついていなかったことを後悔している方がいます。

ITコンサルタントは、ITに関する知識・スキルの他にビジネスに関する知見、コミュニケーションスキル、論理的思考力、問題解決能力など、さまざまなスキルが求められます。これらのスキルが備わっているか、転職時の面接でも確認されて合否が決まりますが、実際にITコンサルタントとして働いてみると、実践レベルに達していない、不足していると感じることがあるようです。

コミュニケーションスキル、論理的思考力、問題解決能力の3つは、SEの業務でも求められるスキルなので、ITコンサルタントへの転職を検討し始めた頃から、意識的にスキルを磨くことを心がけると良いでしょう。

ITコンサルタントの給料相場

ITコンサルタントの平均年収は厚生労働省の調査で684.9万円と前述しましたが、経済産業省の行った調査では928.5万円と、約280万円もの差がありました。

大手の転職サイトの調査では461万円と、同じITコンサルタントでも金額に大きな差があります。これは調査方法や調査対象が異なっているのが理由です。特に転職サイトの場合、20代~30代向けの求人から算出しているため、平均年収は自然と低くなります。

コンサルティング業界に限らず、年代・役職によっても平均年収は変動します。下記の表は、一般的なコンサルタントの役職ごとの平均年収の目安です。

役職平均年収
コンサルタント500~700万円
シニアコンサルタント700~900万円
マネージャー900~1,400万円
シニアマネージャー1,300~1,800万円
パートナー2,000万円以上

この他にパートナー以外の役職者は業績に応じて10~20%の賞与があります。パートナーの賞与は業績次第で大きく変動します。パートナーの平均年収は2,000万円以上と言われていますが、コンサルティングファームの規模や業績次第で、億単位の年収も可能と言われています。

繰り返しになりますが、コンサルティング業界は成果主義です。常に成果が求められる厳しい世界ですが、成果を出せば30代でもコンサルタントの最高位のパートナーへの昇格と、数千万円以上の年収を得ることも不可能ではない世界です。

ITコンサルタント未経験者でも採用してもらえる?

結論を言うと、ITコンサルタント未経験者でも採用される可能性は十分にあります。

ただし、ITに関する知識とIT業界での実務経験が必須です。コンサルティング業界は市場の拡大が続いているため、ITに精通した人材を積極的に採用しています。

SE経験者であれば、採用される可能性が高いと言えますが、絶対ではありません。転職を検討しているコンサルティングファームで、どのような人材を求めているのか、前述したITコンサルタントに必要なスキルや資格を取得して、転職に挑みましょう。

資格や学歴がなくても転職できる

ITコンサルタントは何らかの資格がなくても転職できます。ITコンサルタントは、医師や弁護士のように資格がないと従事できない職業ではありません。

ITや経営に関する知識、論理的思考力やコミュニケーションスキルなどが評価されれば、採用される可能性があります。IT関連またはコンサルタントの業務に活かせる資格を取得しているのであれば、知識・スキルが証明できるので選考時にアピールしましょう。

また、学歴についても必須とは限りません。一部のコンサルティングファームでは応募条件に学士・修士であることが必須とされる場合もありますが、文系の大学出身者や高卒でITコンサルタントとして活躍している人もいらっしゃいます。

コンサルティング業界は成果主義なので、学歴よりも実務に活かせる知識や経験が重視される傾向がありますが、応募条件はコンサルティングファームによって異なるので、転職を希望するコンサルティングファームの応募条件を必ず確認しましょう。

英語力があると有利になる

英語力が必須とは言い切れませんが、有利になる可能性はあります。応募条件に英語力について記載がないコンサルティングファームもあります。

しかし、大手や外資系のコンサルティングファームでは、海外案件を手がけることも珍しくないため、ITや経営に関する知識・スキルと同じように英語力も重視する場合があります。

これらのコンサルティングファームは英語力に関する研修・教育制度が整っている場合もあります。応募した段階で英語力に自信がなくても、勉強する意欲があることを説明して、アピールにつなげましょう。

ITコンサルタントへの転職を成功させるコツ

ITコンサルタントへの転職を成功させるコツは、自分の強みを確認することです。

SEとして身につけたITの知識とスキルも重要ですが、実務経験もITコンサルタントへの転職では重要視されます。

例えば、ITシステム開発の上流工程に携わった経験、クライアントとの折衝経験、プロジェクトチームのリーダーを任された経験などは、ITコンサルタントの業務にも活かせる経験です。

ITコンサルタントには、論理的思考力、問題解決能力、コミュニケーションスキルなど、多くのスキルが求められます。上記の経験は、これらのスキルがあることの証明になるので、選考でのアピールに有効です。

ITに関する知識とスキル、SEとしての経験など、自分の強みを確認して転職の成功率を高めましょう。

ITコンサルタントへの求人情報の探し方3つ

ITコンサルタントに転職するには、求人情報を探さなくてはいけません。ITコンサルタントの求人情報の主な探し方を3つ紹介します。

①コンサルティングファームのホームページから探す

1つ目は、転職を希望しているコンサルティングファームのホームページから探す方法です。この方法のメリットは、転職を希望するコンサルティングファームに応募できることです。

多くのコンサルティングファームは、転職サイトや転職エージェントに求人を掲載していますが、掲載されていないコンサルティングファームには応募することも求人情報の確認もできません。

自社のホームページでしか求人を掲載していない場合、転職希望者の目に留まりにくいため、競争倍率が低くなるメリットがありますが、必ずしも募集が行われているとは限らないので、この点には注意が必要です。

②転職サイトを活用する

転職サイトを活用するのが2つ目の探し方です。希望条件を入力すれば、条件に合う求人を見つけられるのが転職サイトのメリットです。

また、転職エージェントと違い、担当のエージェントと面談する必要がありません。興味がある求人に自分で応募できる手軽さや、自分のペースで転職活動を進められるのも転職サイトのメリットです。

デメリットは、応募書類の作成、面接対策などをすべて自分で行うことです。転職エージェントでは、エージェントが応募書類の添削、面接対策をサポートしてくれますが、転職サイトは求人の閲覧と応募ができるだけです。

SEからITコンサルタントは異業種への転職なので、どのような対策が必要か分からないことがあるので、サポートがある方が転職の成功率が高まります。また、自分の正確な市場価値を判断できないため、高望みをし過ぎて採用されない、反対に自己評価が低くて、好条件の転職ができない恐れもあります。

③転職エージェントを活用する

3つ目は転職エージェントの活用です。転職エージェントでは、担当のエージェントから経歴・希望条件に合う求人の紹介が受けられます。求人の中には、転職エージェントにしかない非公開求人も含まれるため、他の2つの探し方では出会えない求人と出会える可能性があります。

また、充実したサービスも転職エージェントのメリットです。応募書類の作成・面接の日程調整・条件交渉などは、担当のエージェントが行ってくれます。自分の市場価値を正確に把握できるのも、メリットの1つです。

異業種への転職では、これまでの知識・スキル・経験の何が評価されるのか、自分では正確に判断できません。転職者の市場価値を判断できるノウハウを持つ転職エージェントに分析してもらうことで、自分のスキルが活かせる最適な転職先が見つけられます。

より良い転職をするには、転職エージェント選びが重要です。ITコンサルタントへ転職するなら、コンサルタントへの転職に特化した転職エージェントを活用しましょう。コンサルタントへの転職に特化した転職エージェントの1つにコンサルネクスト.jpがあります。

コンサルネクスト.jpでは、主に20代~30代のコンサルタントへの転職を検討している方に向けたサービスに強みがあります。求人の紹介から応募、内定、入社まで手厚いサポートが受けられます。さまざまな職種のコンサルタントの求人が掲載されているので、登録して求人を確認してみましょう。

まとめ

SEからITコンサルタントへの転職について、転職するメリット、必要なスキルや経験、年収などを解説しました。

ITの知識・スキルが活かせる仕事という点では同じですが、ITコンサルタントとして活躍するにはマネジメントスキルや論理的思考力などのスキルと、ビジネスに関する知識を身につける必要があります。

コンサルネクスト.jpでは、コンサルティング業界への転職を目指す20~30代の若い世代を中心に求人の紹介を行っています。転職に役立つコラムや企業紹介も掲載しています。

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