コンサルタントのやりがいは?やりがいを感じやすい人やコンサル業界転職が人気を集める理由を解説

コンサルタントの仕事はプレッシャーが大きく「激務になりやすい」「コンサルタントはやめとけ」と言われることがあります。一方で、コンサルタントとして働くことで高度なビジネススキルが身に付くだけでなく、大きなやりがいを感じることもできます。

それでは、コンサルタントとして働くことで、どのようなやりがいを得られるのでしょうか?

今回の記事では、コンサルタントのやりがいや仕事内容、やりがいを感じやすい人の特徴、コンサルタントとして活躍するために必要なスキルについて解説します。

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コンサルタントのやりがい、面白いところ6つ

まずはコンサルタントのやりがいについて確認していきましょう。

①常に新しい課題に触れられる

コンサルタントはさまざまなプロジェクトに携わる仕事です。多様な業界に関わるだけでなく、ビジネス課題もクライアントによって異なるため、変化が絶えない仕事環境にあると言えます。

また、コンサルタントにはプロジェクトごとに新たな知識をインプットすることが求められます。

そのため、コンサルタントの仕事は「変化を好む人」や「知的好奇心が高い人」「ルーチンワークが苦手な人」にとってやりがいが大きいと言えるでしょう。

②規模が大きい仕事ができる

コンサルタントは、規模が大きいプロジェクトに関わることが多いです。

例えば、新入社員が大手企業の経営戦略に携わったり、海外政府のプロジェクトにアサインされたり、社会に大きなインパクトを与えるような仕事を担当することがあります。

こういった規模が大きい仕事に新入社員の時から関わることで、自身のビジネススキルを大きく成長させることができます。

③ビジネスに欠かせない知識やスキルが身に付けられる

他の職種と比較すると、コンサルタントは「高度なビジネススキルがスピーディーに身に付きやすい」と言われています。

コンサルティング業務はクライアントワークです。したがって、コミュニケーションスキルやプレゼンテーションスキル、ドキュメント能力などの基礎的なスキルが求められます。

さらに、コンサルタントはクライアントが解決できないような複雑な問題と日々向き合います。そのため、業界ごとの専門的な知識のみならず、論理思考力や問題解決能力を高めることが可能です。

④年収や待遇が良い

コンサルタントのやりがいとして、年収や待遇が良い点が挙げられるでしょう。一般的にコンサルタントの年収は高水準である傾向にあります。

コンサルティングファームの規模や業種にもよりますが、役職ごとの年収目安は以下の通りです。

役職年収
アナリスト500〜600万円程度
コンサルタント600〜1,000万円程度
シニアコンサルタント800〜1,200万円程度
マネージャー1,000〜1,500万円程度
シニアマネージャー1,500〜2,000万円程度
ディレクター・プリンシパル2,000万円程度
パートナー2,000〜3,000万円程度

アナリストは、新入社員がコンサルティングファームに入社後に最初に就くポジションです。

しかし、アナリストの時点で平均年収は全国平均「458万円※」を超えており、コンサルティング業界の年収が高水準であることが伺えます。

役職ごとの仕事内容については、以下の記事で詳しく解説しています。

参考:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」

⑤優秀な人材と仕事ができる

コンサルティング業界には成長意欲が高く、高度なビジネススキルを備えた人材が多く存在します。コンサルタントの仕事をこなす上で、そういった意欲やスキルが必要不可欠であるためです。

コンサルタントはプロジェクトをチームで進めていきますが、優秀な人材と仕事をすることで自分の成長にもつながります。

「周りから刺激を受けたい」「自分自身も成長していきたい」という人は、コンサルタントの仕事が向いているかもしれません。

⑥課題解決の達成感が得られる

コンサルタントの中には、プロジェクトをやり遂げた際の達成感にやりがいを覚える人が少なくありません。コンサルタントが担当するプレッシャーは規模が大きいものが多く、プレッシャーも甚大なため、それだけ達成感も大きくなります。

プロジェクトの中には、1年以上の長期で取り組むプロジェクトもあるため、時間をかけたプロジェクトが完遂した際は、大きな充実感を味わうことが可能です。

コンサルタントの仕事内容

コンサルタントの仕事内容は、コンサルタントの種類や所属している部門、担当領域などによって大きく変わってきます。実際に、コンサルタントには下記のようにさまざまな種類があります。

  • 戦略系コンサルタント
  • 総合系コンサルタント
  • 会計系コンサルタント
  • 財務系コンサルタント
  • 人事系コンサルタント
  • ITコンサルタント
  • 事業再生コンサルタント
  • シンクタンク系コンサルタント

それぞれの仕事内容については、以下の記事で詳しく解説しています。

ここでは、コンサルタントに共通する仕事内容を紹介します。

クライアント企業の課題を分析

コンサルタントの役割は「クライアントの課題解決をサポートすること」です。

課題解決に向けて効果的な提案をするためには、課題を適切に把握する必要があります。

例えば、業務改善というテーマであれば、ただツールを導入すればいいわけではありません。

コンサルタントには、業務フローのどこに問題があるか、クライアントが認識している課題と現実にギャップはないかという点まで、深く検討することが求められます。

場合によっては現場スタッフにインタビューしたり、一定期間現場を観察したりします。階層が異なるメンバーにヒアリングを実施し、ボトルネック要因を見つけることもあります。

課題解決のための施策を考案

課題を設定した後は、課題解決に向けた施策を考案します。

施策を考案する上で欠かせないプロセスが「情報収集」です。市場動向や競合、成功事例など、多くの情報を多角的に集めます。

そういった情報・データに基づいて、効果的な解決策を考えていきます。解決策を効率的に考えるために、ロジックツリーやSWOT、PESTなどのフレームワークを用いることが多いです。

解決策を考案した後は、その施策を実行することでどのような影響が及ぶか、クライアントに向けてどのようにプレゼンするかといった点まで想定します。

ビジョン(施策後のあるべき姿)を策定することも重要なプロセスのひとつです。

課題解決施策の具体的な支援と実行

課題解決策をクライアントにプレゼンしGOサインが出たら、いよいよ施策実行です。

課題解決を自分ごと化してもらうために、ビジョンを掲げながらマインドを醸成します。その後、施策を実行するチームを立ち上げて、協力しながらプロジェクトを進めていく流れです。

プロジェクトを進めるに当たってスケジュールやメンバー、タスクなどを細かく設定し、プロジェクトの進捗もモニタリングします。

ただ、メンバーにタスクを任せるのではなく、綿密なコミュニケーションをとりながら、ゴールまで支援を続けていきます。

コンサルタントでやりがいを感じやすい人

コンサルタントの仕事には向き・不向きがあります。コンサルタントに向いている人は、仕事を通じてやりがいを感じやすいでしょう。以下で、コンサルタントに向いている人の特徴を紹介します。

好奇心が旺盛な人

好奇心が旺盛な人はコンサルタントに向いています。

コンサルタントが携わるプロジェクト・テーマは多岐に渡るためです。あらゆる業界のクライアントをサポートするためには、幅広い知識を継続的にインプットする必要があります。

そのため、「継続的な学習が苦手」という人よりも「さまざまなことを知りたい」という好奇心を持った人の方が向いているのです。

さらに、プロジェクト期間は半年〜1年程度のものが多く、次々と新たなプロジェクトに取り組むことになるため、「ルーチンよりも変化を好む人」はやりがいを感じやすいでしょう。

物事を進めていくことが得意な人

推進力がある人は、コンサルタントに向いていると言われています。推進力とは、物事を推し進めていく実行力のことです。

プロジェクトには期限が設けられており、スケジュールに沿って数多くのタスクを完了させていく必要があります。チームメンバーを巻き込む必要があったり、トラブルが発生したりした場合でも、タスクを着実に進めなくてはいけません。

そのため、コンサルタントには推進力が求められます。積極性や推進力が不足しており、自らが主体となって行動を起こすことが苦手な人は、コンサルタントに向いていないかもしれません。

努力家・勉強家な人

コンサルタントは努力家・勉強家な人が多いです。

コンサルタントには幅広い知識が求められるため、継続的に学習を続けていく必要があります。自分に不足しているスキルや知識を客観的に捉え、常に向上していこうと努力します。

さらに、コンサルタントからマネージャーに昇進するためには、相当な実力が必要です。実際にマネージャーに昇進できる割合は「全体の30%程度」と言われています。

そのため、昇進を目指しているコンサルタントは、人一倍努力してスキルを磨く必要があるのです。

マネージャーの仕事内容や求められるスキルについては、以下を参考にしてください。

専門性のある知識を持っていると有利

自分の得意なことが仕事に活かされる時に、やりがいを感じる人は多いのではないでしょうか?

コンサルタントに求められる基本的なスキルに加え、得意分野や専門知識・スキルを確立している人は、仕事に充実感を覚えやすいです。

例えば、海外留学で英語力を身につけて、グローバル関連のプロジェクトで活躍しているコンサルタントも少なくありません。

特に未経験からコンサルタントへの転職を考えている方は、現職で身につけたスキルや専門性がどのように活かされるかを考えておくと良いでしょう。

コンサルタントになるために必要な資格やスキル

それでは、コンサルタントになるためには、どのようなスキルや資格が必要なのでしょうか?

コンサルタントを目指す際に持っていると良い資格

基本的にコンサルタントになるために資格取得は必要ありません。資格がなくてもコンサルタントを目指せますが、資格があった方がスキルや知識を証明しやすくなります。

未経験からコンサルタントへの転職を検討している方は、資格を取得しておいた方が有利でしょう。コンサルタント関連の資格は以下の通りです。

資格名実施団体概要
キャリアコンサルタント日本キャリア開発協会キャリアコンサルティング協議会職業選択や能力開発に関する助言を行うための国家資格
社会保険労務士全国社会保険労務士会連合会 試験センター企業の人事・労務管理全般に関する業務を行うための国家資格
中小企業診断士中小企業診断協会中小企業の経営課題に関する助言を行うための国家資格
行政書士行政書士試験研究センター官公署に提出する申請書類の作成などを代行するための国家資格
公認会計士日本公認会計士協会監査や会計関連の業務を行うための国家資格
ファイナンシャルプランナー日本FP協会税金、保険、年金などに関する助言を行うための国家資格
MBAビジネススクールや大学院経営学修士号
証券アナリスト日本証券アナリスト協会企業・団体や業界の経済状況を調査・分析する際に役立つ民間資格
司法書士日本司法書士会連合会法律上の手続きを行うための国家資格

それぞれの資格がコンサルタントの仕事にどう活かされるかは、以下の記事で解説しています。

コンサルタントを目指す際に必要なスキル

コンサルタントに求められるスキルは、コンサルティングファームや分野、携わるプロジェクトなどによって変わってきます。

コンサルタントに共通して求められるスキルとしては、以下が挙げられるでしょう。

  • コミュニケーションスキル:クライアントやメンバーと携わる機会が多い
  • プロジェクトマネジメントスキル:タスクやスケジュールの管理が必要
  • 分析力:原因を正しく突き止める必要がある
  • 問題解決能力:課題に応じた最適な施策を考案する
  • 柔軟性:予期せぬ問題に対応する
  • 論理的思考力:解決策を考案する際にロジックが必要
  • プレゼンテーションスキル:クライアントに対するわかりやすいプレゼンテーションが求められる
  • 情報収集力:解決策を考案する際にデータが必要

未経験からコンサルタントを目指している方は、上記のスキルを身につけることが重要です。

コンサルティング業界が人気を集める理由3つ

コンサルタントのやりがいと併せて、コンサルティング業界が高い人気を誇る理由についても確認しておきましょう。

①柔軟性の高い働き方

「コンサルタントは激務」というイメージを持っている人は少なくありません。確かにコンサルタントはプロジェクトの締め切りに向かって動く必要があり、ハードワークな側面もあります。

一方、コンサルタントは柔軟な働き方を実現しやすい職種です。多忙なプロジェクト期間を終えれば、長期休暇を取ることもできます。

さらに、自分のタスクを管理できていれば、働く時間は自由です。子供の送り迎えの時間にあわせて出勤するなど、ライフスタイルにあった働き方を叶えられます。

加えて、コンサルティングファームで経験を積んだ後、フリーランスコンサルタントとして独立し、より自由度の高い働き方を実現している人も増加しています。

②幅広い業界への転職に有利

コンサルタントとして経験を積めば、キャリアプランの幅が広がります。コンサルタントは通常よりも早くビジネススキルが身に付く職種であり、転職市場で評価されやすいためです。

別分野のコンサルティングファームに転職したり、事業会社で経営企画として活躍したり、さまざまなキャリアを選択できます。中には、プロジェクトで担当した業界に興味が沸き、その業界に転職する人もいるようです。

転職が一般化した現在、スキルアップのためにコンサルタントを目指す人が増加したことがコンサルティング業界の人気につながっているのでしょう。

③起業を行えるスキルが身に付けられる

将来的に起業できるレベルのスキルが身に付く点も、コンサルティング業界の魅力です。コンサルタントはクライアントの経営課題に関する助言をしたり、経営層と直接コミュニケーションを取ったりします。

経営に関するスキルが身に付くだけでなく、判断力や問題解決能力も身に付くため、起業に必要なスキルを養えるのです。

近年は大手コンサルティングファームで経験を積んだ後、専門性に特化したコンサルティング会社(ブティック系コンサルティングファーム)を立ち上げるケースも増加しています。

コンサルタント転職の市場規模

2022年度におけるコンサルティングの市場規模は「1.8兆円」程度でした。今後も市場規模は拡大していくと予想されています。

コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社の運営メディア​「コンサルのあんなこと、こんなこと」による見通しは以下の通りです。

【2030年の市場規模】

  • スタンダードケース:2.1兆程度(成長率は13%)
  • ポジティブケース:2.2兆程度(成長率は19%)
  • ネガティブケース:1.9兆程度(成長率は3%)

どのケースでも市場規模は拡大していく予想であり、今後も引き続きコンサルタントへの需要が高まっていくことが予想されます。

参考:コンサルのあんなこと、こんなこと「日本のコンサルティング市場規模将来予測(2023‐2030)|コンサル市場規模2023年版~後半~」

その中でも経営コンサルタントの需要が高い

コンサルタントにはさまざまな種類がありますが、中でも「経営コンサルタント」への需要は高い傾向にあります。

経営コンサルタントとは、クライアントの経営状態を診断し、改善を目指すための助言を行うコンサルタントのことです。

近年、以下の要素が揃った「VUCA時代」に突入したと言われています。

  • Volatility:変動性
  • Uncertainty:不確実性
  • Complexity:複雑性
  • Ambiguity:曖昧性

AIなどの新技術の出現により、先行きがより不明瞭になっていることから、経営の専門家を頼ろうとする企業は増加しています。

そのため、経営コンサルタントは特に将来性が高い仕事と言えるかもしれません。

コンサル業界が抱えている2つの課題

それでは、コンサルティング業界はどのような課題を抱えているのでしょうか?

①コンサルティング事業が溢れかえっている

コンサルタントを名乗るために特別な資格は必要ありません。そのため、近年は「〇〇コンサルタント」と名乗る人が多く見られるようになりました。

コンサルタントが飽和している環境において、ビジネスパーソンとしての価値を見出すためには、より高度なコンサルティングスキル、そして専門性が求められます。

コンサルタントをこれから目指す場合は、「どの分野のコンサルタントの需要が高まっているか」「コンサルタントに求められる専門性は何か」といった視点を意識してみてください。

②クライアント企業から求められるレベルが上昇している

コンサルティング事業を展開する企業が増加しているという背景から、クライアント企業から求められるレベルが上がってきています。

クライアントがコストをかけてまで利用したいと思うコンサルティングを実行できないと、継続的な契約を結ぶのは難しいでしょう。

例えば、解決策を立案するだけでなく、「実際に現場で施策を浸透させてほしい」といったようにクライアント企業から求められる要求も複雑化しています。

価値の高いコンサルタントを目指すためには、さまざまな要求に対応できる柔軟性とスキルを身につけることが重要でしょう。

コンサルタントのキャリアパス

コンサルタントはさまざまなキャリアパスを目指せます。以下で、代表的なキャリアパスを確認していきましょう。

プロフェッショナルを目指す

コンサルタントとしての業務を通じて専門性を高めることで、何かしらのプロフェッショナルを目指すことも可能です。

例えば、経営企画やIT・デジタル系、人材系、会計士、監査法人、M&Aなど、自分の得意な分野・興味のある分野に転職するコンサルタントも少なくありません。

これまで携わってきたプロジェクトテーマによっても、キャリアが左右されることがあるようです(例:IT関連のプロジェクトに携わり、IT業界に興味を持ったなど)。

マネージャーを目指す

コンサルタントとして経験を積んだ後、マネージャーを目指すパターンも多いです。

マネージャーになることでプロジェクトマネジメントといった責任の大きい仕事を担当できるだけでなく、ディレクター・プリンシパルやパートナーになる道も開けます。また、マネージャーポジションに昇進すれば、1,000万円以上の年収が期待できます。

ただ、マネージャーに昇進できるコンサルタントは全体の30%と言われており、マネージャーになるタイミングでキャリアを見直す人も少なくありません。

他のコンサルティングファームに転職する

他のコンサルティングファームに転職するコンサルタントも見受けられます。コンサルタントとしての経験を直接活かせるため、即戦力として活躍できるでしょう。

さらに、転職を通じて「新たなプロジェクトテーマに携わりたい」「コンサルタントとしてスキルアップを目指したい」「年収をアップしたい」などの希望を叶えられます。

まとめ

今回の記事では、コンサルタントへの転職を検討している人に向けて、コンサルタントのやりがいや将来性、コンサルタントを目指す方法を解説しました。

年収が高い、規模の大きいプロジェクトに携われるなど、コンサルタントは多くのやりがいがある仕事です。もちろん、やりがいを感じるかは個人によって異なるので、自分の適正とコンサルタントの仕事内容を理解した上で、コンサルタントを目指すことが大切です。

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