株式会社ダイアログ

「仕事ってつまらない」を無くしたい。会社も個人も成長する“対話”をうむ環境をつくる 株式会社ダイアログ 代表 方志嘉孝氏インタビュー

生活のなかで欠かせない「物流」。2024年問題をはじめ人手不足などの課題を抱える物流業界ですが、仕事に関わる輸送や個人向けの配送まで、日々、効率化されて現代人の生活は便利になってきた。さらなるアイデアやサービスによって、生産・流通の仕組み(ロジスティクス)はなお進化している。「まだ3Kのイメージがあるけど、魅力があって社会貢献性の高い業界なんですよ」と言う株式会社ダイアログ代表の方志嘉孝氏に、物流業界で働くやりがいや、今後の展望を聞いた。

代表取締役 CEO
方志 嘉孝(ほうし・よしたか)

IBMにて製造業、商社、官公庁等でITコンサルタント、PMとして活躍。業務改革やWebサービス展開を得意とする。
ロジスティクス業界に出会い、これまで培ったIT技術やスキルを活用し、より早く正確にお客様のチャレンジを共にしたいという想いで株式会社ダイアログを設立。クラウド型在庫倉庫管理システム「W3 SIRIUS」の企画・設計をすべて実施。広島県福山市出身

目次

物流業界は、企業としてこれからもっと成長できる

──まず、業務内容をおしえてください。

一言で言うとロジスティクスDX企業です。物流業界のITによる効率化やアイドルエコノミーやシェアリングエコノミーなどでの新たなビジネスモデルを開発しDX化をおこなっています。事業の中心はWMS(ウェアハウスマネジメントシステム/倉庫管理システム)で、工場の一時倉庫、営業倉庫、店舗のバックヤードなど、ストックヤードを管理するための仕組みを自社サービスで展開しています。

どういう流れでこの仕事が求められているかというと、EC業界の活性化・進化への対応や、2024年問題などの人手不足等、業界課題への対応に向けたITによる効率化や省人化で求められています。

少し歴史を話すと、まだECがない時代(BtoB物流が主流の時代)、バブルが崩壊するまでは、物流部門というのは固定費として存在していました。しかし崩壊後は、物流費の変動費化に向け物流子会社化が進み、規制緩和も相まって物流会社が乱立しました。

当時は人手に頼る業務が主流で、物流はデータ量がものすごく多いため、当時のハードウェアのスペックでの対応は割に合わず、ITによる効率化に対する投資に必要性を感じていなかったのも事実あると思います。しかし、2005年ぐらいからITが必要不可欠でBtoC発送が必要なEC物流の対応に迫られ始めました。その頃にはITスキルのない企業ではなおのこと投資せず(できず)、今の今まで紙での業務を実施しているところもまだまだ存在します。
現在は人手不足によりロボティクスなどでの省人化やITによる効率化、無駄の排除が急務で、ロボット連携も含めてより業務を効率的に実施し、ペーパーレスで管理できるサービスを展開しています。

──お客様から課題を聞くコンサルから、システムの導入まで、一気通貫ですべて行っているんですね。

そうですね。現在、業務の改善改革もふくめカスタマイズを行っており、500社強ほどにご利用いただいています。うち3分の1が大手企業ですね。主に流山、柏、橋本といった物流センターがある東京近郊のほか、広島、大阪、名古屋など全国が対象のため、当社も新大阪にオフィス、川越に自社センターがあります。

他にも多くの物流DXサービス構築も手掛けており、代表例にコンビニなどに約3000店舗展開している「SMARI(スマリ)」というサービスがあります。大手ECモールやECサイトなどの商品やレンタル品の返品、CtoC発送を送り状レスでよりスムーズにできる仕組みです。これまである意味空気を運んでいたコンビニの配送網の帰り便(アイドル)を活用し、より安価に返品や発送ができると言う利点があります。

──物流に関する全般的な改善や、効率化に取り組んでいると。

はい。2024年問題などで人手不足など大きな課題があり、経済産業省からも発表されている「フィジカルインターネット」と言われるテーマが効率化や省人化などの観点で多様なテーマが推進されています。これまではどうしても商圏の下で物流は成り立っており、個別化されていて、商売の波に左右され、繁忙期だけ人手が必要で、閑散期はせっかく仕事を覚えてもらった人に離れてもらわないといけない……ということもありました。その差を少しでも均していくためにシェアリング・エコノミーやアイドル・エコノミーによって仕組み化していく。やはり今後は、人のシェアリングや、マテハンのシェアリング、共同配送や共同倉庫などもやっていかなければいけません。まだまだ伸びていく事業だと思います。去年の売上げが11億円ほどですが、今年は最初の4ヶ月ですでにその売上高を超えました。

──今後、会社として目指すところは?

市場でいえばWMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)はすごく大きいわけではありませんから、データを活用して倉庫物流全般の支援を手掛けていきます。全体となると市場は5.6兆円ほどありますから。これからの10年で、資材機器や人などを含めた倉庫物流市場シェアを2%超、1,000億円ほどの企業規模を目標にしております。

そのためにはシステムが必要不可欠です。WMSだけでなく、センター運営への支援コンテンツを拡張として、あまり言えないこともありますが、例えば、リソース手配、日報や入館申請などを効率化できるポータルサービスも開発中です。

とはいえ、お客様のニーズに応えることを第一にしたいので、あまりかけ離れた新規事業には手を出さずに、強みを活かしながら必要なサービスや改善に取り組んでいます。そのなかで最近はパートナー企業も増えてきていて、中堅のSIer(システムインテグレーター)さんと一緒にサービス開発する時もあります。

対話をし、ともに成長していけたら面白い

──方志さんは、なぜダイアログを起業されたのですか?

元々IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社(IBCS)に入社して、IBMに吸収されてからは、Webアプリケーションによる業務システムのコンサルタントをしていました。その後、同期と独立して人材系のサービスを作ろうとしたのですがうまくいかず、個人でコンサルティングを請け負っていくなかで、物流業界に出会ったんです。まだあまりITが普及していなくて、ここで自分の経験を活かしてお客様と共に成長していけたら面白そうだなと思って起業しました。

当時の物流業界でITは、あまり注目されていませんでした。Amazonがロボットを扱うようになって注目されはじめましたが、中小企業にとってはロボットは簡単に購入できるものではありません。それでも現場はものすごく工夫されていて、たとえば倉庫内のレイアウト設計だと、歩数を省くために一筆書きの順路で必要な物を取ってこれたりと、とても仕組み化されている。それをITでもっと支援できたらいいなと思ったことが始まりです。

とはいえ最初はうまくいきませんでした。3,000万円ほどかけてシステムを作ったけれど全然売れなかったり、受注したと思ったらその企業が倒産したり……。当時は社員が12~13人でしたが、体制は脆弱でしたし、プロダクトも未完成でした。そんななかで、ある企業から受注したことをきっかけに、一念発起して大きい額の融資を受けて、プロダクトの設計をし直しました。汎用的に在庫を管理し、それを統合的に管理できる仕組みにしていこうというプロダクトのコンセプトが評価をいただいて、3社が購入してくださり、今の製品があります。いろんなお客様のニーズを伺うなかで、システムを入れる際にハードウェアを販売したり、資材商社や倉庫業務が始まったり、人材の調達を行うようになって、事業が徐々に広がっていきました。

──社名の「ダイアログ」に込めた思いは?

まず対話(ダイアログ)をして、相手のニーズを本質的に捉えることを大事にしています。お客様との対話もですし、社内での対話もそうですね。立場問わずディスカッションの時間を大事にしていて、マネージャー以上になると月1回集まって「会社としてどういう世界観を作っていこう」といった話をしています。立場の差によって対話がうまれづらくなる空気が嫌なので、僕のことは「社長」ではなく“さん付け”で呼んでもらっています。

対話にあたっては、バッドニュースファーストを心がけています。大丈夫だろうとか、ちょっとトラブってるがなんとかなりそうが、結局大きなトラブルに発展してお客様や周りのメンバーに迷惑をかけてしまう。悪いな、ミスってるかもと思うことを早めに共有し、一緒に改善していく。トラブルの火種を隠し続けて大爆発するよりは、くすぶっている段階やその前に消火することが大事だと思います。

また、コミュニケーション機会は多い方が良い。コミュニケーションがないと相手の状況がわからない。そうすると「隣の部門や隣の人が仕事してない」とか文句が出始めてしまい、ギスギスしていくことが多いと思うんですよ。他人のことを嫌に思う時って、情報不足なんでしょうね。相手の状況を知らないから「仕事をしていない」と感じてしまう。そうならないために、1 on 1 やメンターメンティ制度などコミュニケーションの機会を多く作っていこうとみんなで努力しています。

そういったコミュニケーションを重視していることもあってか、温厚で明るい方が多いですね。夜8時ぐらいから時間のある人はオープンスペースに集まって飲んでいます。お酒、飲み放題なんですよ。

やりがいと給与、両輪が満たされるために

──現在の社員数や割合は?

正社員が60名弱で、子会社の物流現場も合わせてパートの方々が20名ほど、大阪オフィスに10名ほど在籍しています。内訳は、営業1割、コンサル・PM(プロジェクトマネージャー)4割、エンジニア4割、あとはコーポレート部門ですね。

──働き方は、リモートですか?

特にエンジニアはマネージャー以上はほぼリモート可ですね。ほか現場はフレックスで、11時から16時がコアタイム。みなしは月30時間です。若い方は細かなコミュニケーションも必要なので部門で出社日を決めたりしております。やはりリアルに顔を合わせることでうまくいくことはありますね。入社2年目までは家賃補助が6万円出て、それ以降の人も3km圏内だと2万円出ますので、最初の2年で頑張っていただいて、3年目までに昇進していただけるといいですね(笑)。実力主義ですから、2年目でリーダーになる新卒も5人程いますし、同世代と比べても給与は満足がいくものだと思います。

副業も構わないのですが、その場合は成果コミット型でやっていただいています。どの部署も、フリーランスとして契約されている方もいますね。

仕事にやる気を持つことと、稼ぎがあることの両輪が満たされることが、メンバーにとっての幸福でもあると思っています。

──採用は、中途採用と新卒はそれぞれどうなっているのでしょう?

新卒採用については、2022年から毎年平均8名程採用しています。内定者インターンを長期で行って、仕事の楽しさや、成長の実感を得ていただきたいなと思っています。

中途採用の方は、元コンサルファームやSIerが多いですね。物流会社で経営企画やシステムの経験があって、入社してから柔軟にITも覚えて活躍している方もいます。すでにITの知識があるPM(プロジェクトマネージャー)やPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)はすぐに大活躍しています。当然プロダクト開発はテーマ別にスクラム開発やアジャイルでの開発も行いますが、SIer出身のPMは、レガシーな方法論ですがウォーターフォール型の中での仕様決めで無くしてはならないことを理解しており、業務から考えて守るべきところを守る進め方ができるんです。業界に合わせた守破離もすぐに行え、採用側としてもそういった方々には期待しています。

他社では新卒が1年で半分以上辞めたと言うお話も伺うこともあり、若い方は早く仕事ができるようになりたいと思う反面、内容にフォーカスしがちなのかなぁと思う時があります。会社は若い方には「仕事ってつまらないな」と思っていた人ほど、「仕事ってこんなに楽しいのか!」と思っていただけるようにしたい。もちろん日々の仕事となると、どんな会社でも繰り返し業務などはあります。当事者はそれを「面白くないな。辞めたいな」と思っていても、上司からすると改善する意欲や素養があるかどうかも見ています。その仕事が与えられている理由をもっと考えてもらうことが大事。弊社には、行動指針の中に「作業を繰り返さず、カイゼンを繰り返す」と言うものがありますが、毎日2時間かかっている繰り返し作業を、明日は1時間でできるようになったり、同じ2時間で倍の作業量がこなせるようになったり、何かの作業と合体させて効率化したりと、自動化したり、そういうことを常に考える思考回路を作ることができれば、仕事は楽しくなっていきますよ。

──どのような人材を求められていますか?

今、この業界には仕組みづくりが大事だと思っています。これから10年、20年後に案件単位のデリバリーを増やしていくことは目指していなくて、一定の品質以上でビジネスパートナーやお客様に満足いただけるように導入できる仕組みを作りたい。社内でちゃんとスクラムを組んでプロダクトを開発し、導入サポートやトラブル対応がしやすいサービスを構築していくことを求めています。これからの時代は個人事業主も含めたパートナーの方々と協働をすることがより求められていくので、社員には、そのための環境構築を担ってほしいですね。

今、僕たちは目指している世界について「Stylysh Logisticsの創造」というビジョンを掲げています。ひとつは、ロジスティクスは無理・無駄が生じやすい業界なのでリソースを最適化していく。もうひとつは、まだ3K(きつい、汚い、危険)のイメージが強いので、そうではなくて、魅力があって稼げる業界だということを若者たちに伝えたい。そういうビジョンを目指したときに、社員それぞれにとっても、単純にデリバリーをし続けるのではなく、物流の特性をちゃんと知って、ニーズを捉え、新しいサービスや製品をどんどん作っていくところを目指してもらいたいです。

あと、我々はベンチャーなので、既存制度を求められる方はあまり採用しません。例えば、最初から「研修制度はあるんですか?」といったようなことを聞く方は、大企業ほどの育成組織があるわけではないので、そのような方はベンチャーではなく大企業を目指された方がいいと思います。もちろん研修制度はありますし、僕たちとしても「社内副業制度」のような、就業時間外で事業に繋がるインプットやアウトプットをした場合にフィーを支払うようなものを作っていこうと企画していたりもします。自ら取りに行けばいくらでも学べる環境はあります。強制するのではなく、能動的にやりたい人がやれる仕組みを作って、みんなが楽しく仕事ができる環境を作りたい。一緒に働く方にも、そんな仕組みづくりを考えていただけるといいですね。「こうすると良くなるよね」という視点があれば、お客様にもプラスになる仕組みや改善を提案できるんだろうと思います。

株式会社ダイアログ 企業情報

社名株式会社ダイアログ (英文:Dialog.inc)
設立年月日2013年11月8日
業務内容WEBアプリケーションシステム企画・開発
スマートフォンアプリ企画・開発
物流・販売等業務基幹システム導入・コンサルティング
業務システム用機器選定/販売
代表取締役方志嘉孝
資本金15,000,000円
所在地〒141‐0031 東京都品川区西五反田2-12-3 第一誠実ビル8F
加盟協会JILS(公益社団法人 日本ロジスティクスシステム協会)

株式会社ダイアログ 求人情報

目次