フリーランス人材紹介事業を手掛けるみらいワークスが、新たに立ち上げた組織が「みらいデジタル」。この組織では18,000人ものフリーランスから最適な人材でチームを組むため、DXをはじめあらゆるタイプのプロジェクトに参画できる。企業からの評価も高く、大手コンサルファームからのリプレイスも増えているという。
「フリーランスの方々は大手ファーム出身者など、多様な経験とスキルをお持ちです。野球で言えばWBCのオールスターチーム。こうした方々と仕事ができるので、学べることは圧倒的に多いですね」と語るのは、みらいデジタルのディレクターを務める桝谷長男氏。今回は桝谷氏に、みらいデジタルの取り組みや今後の展望を聞いた。
桝谷 長男(ますたに・ながお)
新卒で野村證券へ入社後MBA留学を経て、外資系コンサルティング会社PwCへ入社。その後日本企業のインド進出を支援するコンサルティング会社を起業する。2020年からみらいワークスへ参画、現在みらいデジタルのディレクターを務める。20年以上事業会社の戦略策定、DX支援、海外進出支援などのプロジェクトを手掛けた実績を持つ。
野球で言うと大手ファームは一球団、我々はWBCのオールスターチーム

──みらいデジタルの事業内容を教えていただけますか?
みらいワークス社内の一組織が「みらいデジタル」です。これまでみらいワークスはフリーランスの人材紹介がメインでしたが、我々はチームを組んでコンサルティングを提供します。そういう意味では、一般的なコンサルティングファームと動きはほぼ同じですね。実際、アクセンチュアやBIG4などの大手ファームが競合にあたります。
──コンサルファームとの違いはどんなところですか?
私はよくプロ野球のチームに例えるのですが、例えば大手のファームは巨人や中日といった一つの球団です。一方、みらいデジタルは社員としては13名ですが、約18,000人のフリーランスのコンサルタントの方が登録していて、この方々も組織の一員です。
その中にはアクセンチュア出身の方やPwC出身の方、マッキンゼー出身の方もいらっしゃいます。もちろんファーム出身ではない方もいらっしゃいますし、稀有なスキルをお持ちの方もたくさんいます。
つまり野球で言えば、ファームが1球団なのに対して我々はWBCで活躍したオールスターチームなんです。大谷選手クラスのコンサルタントもいますよ。さらにオールスターチームでありながら、コストは大手ファームの約半分なんです。
最近では、大手ファームがデリバリーしていたプロジェクトをリプレイスして我々にご依頼いただくケースが増えています。あるプロジェクトでは我々のチームと外資系ファームのチーム、両方入っていたことがありました。外資系ファームからはIT系と業務系の2チーム入っていましたが、同じ会社内にもかかわらず、連携がとれておらず、コミュニケーションが取れていなかったため、プロジェクト運営に支障を生じたケースがありました。
当然ながら、ITと業務がつながらないとプロジェクトの意味がありません。お客様からは、我々ならその課題を解決できるとの期待をいただき、プロジェクト全体を任せていただきました。その際大手ファームは5名体制だったところ、我々は財務、人事、総務、営業など領域を細分化し、それぞれの専門性を高めていくために10名体制のチームを組成しました。それでもコストは下がったんですよ。ここもお客様から高く評価していただいたところですね。このプロジェクトはその後1年以上、継続させていただいています。
―お客様だけではなく、組織内のコミュニケーションも重視しているわけですね。
おっしゃる通りです。あともう1つ我々と大手ファームの大きな違いがお客様と並走するところです。私も以前大手ファームにいたのでわかるのですが、大手ファームだとお客様からご依頼いただいくとファーム内で完結してしまい、結果だけお渡するのが一般的です。こうなると思考過程がブラックボックスになってしまうんです。
我々はそうではなく、お客様と並走して一緒に作っていきます。そのため、お客様にとっても手触り感がありますし、我々が外れた後もお客様にナレッジトランスファーされてお客様自身で自走できるようになります。つまり一石二鳥で、課題も解決するしお客様の人材育成にもつながるわけです。
まとめると、オールスターチームであること、コストがリーズナブルであること、並走するのでナレッジトランスファーができること。この3つが大手ファームとの違いですね。
―どのようなプロジェクトを手掛けているのでしょうか?
案件としてはみらいデジタルという名前が示す通り、デジタル活用した上でビジネスをトランスフォームしていくDXのご支援をするものが多いですね。他にも新規事業など、多岐にわたります。お客様は現在数十社いらっしゃいますが、ほぼ大企業のお客様です。
プレイングマネージャーとしての経験を生かし、みらいデジタルを立ち上げた

──桝谷さんのこれまでのキャリアを教えていただけますか?
私は大学卒業後に野村証券に入り、その後アメリカにMBA留学しました。その後に外資系コンサルのPwCに入り、約10年、戦略系のコンサルティングをやっていました。
PwCで最後に手掛けたプロジェクトではインドに半年間常駐し、これがきっかけで2012年に起業しました。当時はまだ日本企業がインドにそれほど進出していませんでしたが、現地にいて絶対これからインドは成長すると強く確信していたんです。
そこでインドに進出する企業のお手伝いをしたいと思って会社を立ち上げ、私自身もインドへ移住しました。
──何がきっかけでみらいワークスに参加されたのでしょうか?
複数の日系大手企業からお話をいただいて充実していたのですが、大きな転機となったのがコロナ禍です。鎖国状態になってしまい、どうしようかと悩みましたね。当時10名ほどいた社員とよく話し合った結果、一旦会社をクローズすることにしました。ちなみに当時の社員は今メルカリインドを手掛けている人もいますし、みんなインド関連で活躍しています。
その後2020年にみらいワークスと出会い、参画させていただきました。最初は営業としてフリーランスの方を1人ずつ企業へ紹介していましたが、その後ファーム時代の経験を活かしてチーム単位で提案するようになったんです。
実際にチームでプロジェクトに入る時は、私自身もコンサルタントとして入りました。プレイングマネージャーという立ち位置ですね。これが現在のみらいデジタルにつながっています。
私自身PwCにいた頃、PwCのフレームワークやメソドロジー(開発方法論)を学びました。会社によって、学べることもカルチャーも大きく違いますよね。つまりいろいろな背景の人が集まるからこそ、メソドロジーも掛け合わさり、よりいい方法が生まれる。チームでプロジェクトに入ることで、18,000人のプロがいるという我々の強みがより生かせるのではないかと思ったんです。
重視するのは多様性。異なる強みを持つメンバーが集まることで価値が高まる

──社員の方は、フリーランスの方々のマネジメントが主な業務ですか?
マネジメントも行いますが、フリーランスの方と一緒に現場へ入ることもあります。あくまでフリーランスの方々と対等な立場です。
フリーランスの方々は40代以上が多く、60代の方もいらっしゃいますから、年上の方と一緒にプロジェクトに入るケースも自然と多くなります。経験豊かなプロフェッショナルの方々と対等な立場でプロジェクトに入りますので、多くの学びがあります。
──社員の方はファーム出身の方が多いのでしょうか?
ダイバーシティ(多様性)は重要だと考えていますので、我々の組織はコンサルティングファーム出身者ばかりではありません。事業会社出身の方や元々SEの方など、違った強みを持つメンバーが集まっています。私もある領域では他のメンバーに頼ることもあります。
年齢や役職に関係なく、それぞれシナジーが起こせる組織だと思っています。女性は社員としては2名ですが、一緒に動くフリーランスの方は女性の方も多くいらっしゃいます。4割が女性です。
──1人でいくつのプロジェクトを担当するのでしょうか?
集中して1件をやることもありますが、1人で2~3件担当することが多いですね。期間としては3か月というケースもありますが、お客様から継続してご依頼いただくことが多いため、基本的には長期です。
──お客様のオフィスへ常駐することが多いのでしょうか?
社員は基本的にリモートワークです。お客様のご都合にあわせて先方で打ち合わせをすることもあります。また組織としてのタッチポイントを持つため、週1回は曜日を決めて出社する感じですね。
お客様との定例会議の他に、社内での定例会議も行っています。他のメンバーが何をしていて、どこで困っているのかを把握して、お互い助け合いながらやっています。
──今後の展望を教えていただけますか?
みらいデジタルという組織が立ち上がって約1年半たちますが、売上は中堅コンサルファームと同程度の規模になってきました。
来期は年間20億円の売上を目指しています。そのためにも採用を強化して、新しい仲間を増やしていきたいと考えています。
コンサル未経験でも、ファームの数倍のスピードで成長できる

──採用するにあたって、どんなスキルや経験を重視していますか?
みらいデジタルは大手ファームが競合と言えるくらいになってきましたが、まだそういった認知は広がっていません。やはりみらいワークスの本業である「フリーランスの方々をご紹介する会社」というイメージが強いと思います。
こういう中で我々に関心を持ってくださる方は、もしかしたら「ファームに手が届かない」という方もいらっしゃるかもしれません。我々は、そこがポテンシャルだと考えています。実際にみらいデジタルにもコンサル未経験で入社した社員がいます。一緒にプロジェクトに入ることで経験を積み、今では独り立ちしてくれています。
フリーランスのプロフェッショナルと接する機会が多いので、学ぶことがすごく多いんですよね。大手ファームでは、シニアマネージャーやディレクターといった上の立場の人と接点が少ないですよね。でも我々はかつてファームで役職にいた方がフリーランスとして活躍しているので、直接やりとりできます。さまざまなナレッジを得られる機会が多いのはメリットだと思います。
──入社後に成長するスピードも速いのではないでしょうか?
そうですね。ファームだとまず数年経験してからシニアコンサルタントになり、その後段階を経てPMを任せてもらえる感じですよね。でも我々みらいデジタルでは、入社後すぐプロジェクトのマネジメントまでやっていただきます。ファームで数年かかることを1年で経験できるわけです。そういう意味では、ファームの3倍くらいの速度で成長できると思います。
──「こんな人と一緒に働きたい」という想いはありますか?
我々が求めるものは本当に一つしかなくて、「正直で、一生懸命」これだけなんです。ただみらいワークスとしては「みらイズム」という行動指針があり、これを大切にしています。「みらイズム」はプロフェッショナルであるための行動様式で、プロフェッショナルと接する私たちがプロフェッショナルである必要があります。そのため、まず「みらイズム」を理解して腹落ちしていただくことが前提です。
先ほどお話したように、コンサル経験は問いません。ただ未経験だからこそ、「正直で一生懸命」ということが重要です。今いるメンバーもそれぞれの専門性を持っていますので、何らかの強みを1つでも持っている方なら、我々のメンバーと掛け合わせることで、新たなものが生み出せるのではないでしょうか。
行動指針/みらイズム

挑戦
私達はみらいのために挑戦し
挑戦を通じて自ら成長します。

主体性
私達は周りで起きることを自分事として
自ら行動して責任を果たします。

チームワーク
私達はお互いの強みと個性を活かし
チームの成果に貢献します。

変化
私達は自ら変化を起こし
そして文化を歓迎します。

持続的な関係
私達はすべての人と誠実に向き合い
WIN-WINで持続的な関係を築きます。
【インタビュー後記】

桝谷氏が例えた「WBCのオールスターチーム」という言葉が、同社の強みを鮮烈に表しています。18,000名のプロフェッショナルとチームを組み、大手ファーム出身の「大谷選手クラス」のコンサルタントから直接ナレッジを吸収できる環境は、他では得られない圧倒的な成長機会です。未経験者であっても、入社後すぐにプロジェクトマネジメントを任され、ファームの3倍速で独り立ちできるスピード感には目を見張るものがあります。
取材を通じて感じたのは、高度な専門性を持ちながらも、「正直で一生懸命」という誠実さを何より大切にする文化です。単なる戦略立案に留まらず、顧客へのナレッジトランスファーを重視し、自走を支援するスタイルは、真の意味で日本企業を強くする貢献感をもたらします。プロの海で最短距離の進化を遂げたいと願う貪欲な方にとって、これ以上のフィールドは見当たりません。
コンサルネクスト・シニアコンサルタント
塚田真仁
株式会社みらいワークス 企業情報
| 社名 | 株式会社みらいワークス (英文:Mirai Works Inc.) |
| 設立年月日 | 2012年3月 |
| 業務内容 | 人材採用・調達支援 – 有料職業紹介事業許可証 13-ユ-305507 – 労働者派遣事業許可証 派13-305405 |
| 代表取締役 | 岡本 祥治 |
| 資本金 | 68,315千円(2023年6月30日時点) |
| 所在地 | 【TOKYO OFFICE】 〒105-0001 東京都港区虎ノ門4-1-13 Prime Terrace KAMIYACHO 2F 【OSAKA OFFICE】 〒541-0053 大阪府大阪市中央区本町4-2-12 野村不動産御堂筋本町ビル 8F |
| 加盟団体 | 一般社団法人日本経済団体連合会 一般社団法人新経済連盟 一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 |

