時代の変化の「先」をキャッチして、企業のイノベーションを支援する SEEDER株式会社代表 村田寛治氏インタビュー

刻一刻と変化する市場環境のなかで、企業が新たな商品・サービス、事業を開発するのは容易なことではない。その変化の「先」を予測して、企業のイノベーションを支援するのがSEEDER株式会社だ。

同社は伴走型のコンサルティングサービスに加え、外部のプロフェッショナル人材のマッチング事業も手掛けるなど、多角的に企業を支援。その強みは、先進的な生活者「トライブ」の調査データを基盤とする「未来洞察」と「義憤発想」にあると語る。今回は代表取締役社長の村田寛治氏に、事業にかける思いや今後の展望について聞いた。

村田寛治(むらた・かんじ)

立命館大学経営学部卒業。株式会社SEEDATAに入社し、通信会社の子会社設立における財務三表の作成、薬局チェーンの資金調達支援、電子機器メーカーの事業計画書作成から事業実装支援などを経験。2021年に4M株式会社代表取締役社長に就任、インキュベーターとして事業開発を担当。2022年2月9日付で現職。

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社会にイノベーションという「種」をまき、育てる「人」を支援したい

——御社SEEDER株式会社は2015年に創業されました。社名の由来をお聞かせいただけますか?

当社の事業の核は、イノベーションの支援です。そのイノベーションを起こそうとする人、イノベーションの兆しを具現化しようとする人は、「種をまく人」にたとえることができます。この「種をまく人」や、「まかれた種がよく育つように土壌をつくる人」にフォーカスをあてていきたいという思いを込めて、「SEED」(種)+「ER」(人)としています。

——村田社長は2023年2月より、親会社である4M株式会社代表取締役社長と兼務するかたちで、SEEDER株式会社の代表取締役社長に就任されています。

私は当社の前身企業に学生時代からインターンとして働いており、2018年に新卒で入社して、後ほどご説明する「トライブリサーチ」や、クライアントの商品開発・事業開発などのコンサルティングを担当しました。その後、FAS(Financial Advisory Service)を手掛ける4Mを立ち上げ、インキュベーターとして事業開発などに従事。2021年より4Mの代表取締役社長を務めています。

当社前社長(現・取締役)の林直也は前身企業の設立時から参画しており、アジアの生活者リサーチやアジア市場への進出支援などを手掛けてきましたが、現在は海外を拠点に仕事をしています。そうした事情を鑑み、当社のさらなる成長に向けて、私が全体を統括する立場として社長を引き継ぎ、林が取締役として事業など実務面の統括を担当する、という役割分担をしています。

——学生時代からインターンとして働いていらしたとのことですが。もともと事業開発などに関心がおありだったのですか?

いえ、私の父が税理士で、経営コンサルタントとして中小企業の支援を手掛けており、私もその仕事をしたいと考えていました。そのため大学院にも進学しましたが、当社に出会い、そのビジネスに関心をもつようになりました。とはいえ、インターンを始めたのはここでの経験が経営コンサルティングの勉強になると考えたからで、入社して社長に就任するとはまったく考えてもいませんでした(笑)。

——20代にして社長に就任されましたが、プレッシャーはありませんでしたか?

林をはじめずっと一緒に働いてきたメンバーが在籍していますし、社長就任以前からオフィスも共有して仕事をしてきましたので、プレッシャーなどは特に感じませんでした。

——現在、従業員の方は何名ほどいらっしゃいますか?

正社員は5名で、そのほかにインターンが30名ほど在籍しています。当社の採用は、基本的にはインターンからの新卒採用が多く、来年も1名採用する予定です。そのほかに、外部のプロフェッショナル人材に業務委託で仕事を依頼することがあります。

データ・コンサル・人材派遣の3事業を展開。強みは「未来洞察」と「義憤発想」

——御社の事業内容について教えていただけますか?

当社の事業には大きく分けて、データサービス、コンサルティング、人材マッチングの3つがあります。

まず1つ目のデータサービス事業ですが、当社では世界の先進的な生活者を「トライブ」と定義し、そのトライブの行動や価値観などを独自にリサーチしています。トライブは現在のトレンドを体現している人物と捉えることができますし、その動向を示すトライブデータは様々な領域における未来の変化を示唆しているといえます。そのデータや分析レポートを、オンラインプラットフォーム「SEEDATA lab」で提供しています。

——2つ目のコンサルティング事業についてお聞かせください。

基本的に、先ほどお話ししたトライブデータを活用してクライアントの商品開発や事業開発などを支援する、伴走型のコンサルティングサービスをご提供しています。そのほか、マーケティング戦略の策定、ブランディング、経営計画の立案、海外市場への進出などの支援も行っております。

このコンサルティング事業において、当社のコアとなるケイパビリティ、当社の強みは2つあります。1つ目は「未来洞察」です。トライブデータをミクロな視点で分析し、市場や生活者がどのように変わっていくかを予測して、およそ3年から5年後ぐらいの近未来の市場や生活者の姿を洞察します。この洞察を踏まえ、どのような商品をつくればいいか、どのような事業が求められるようになるか、といったことをクライアントと一緒に考えご支援するというのが、当社コンサルティングの特徴です。

2つ目は「義憤発想」です。一般的な商品開発や事業開発においては、生活者のニーズに着想を得て進めるアプローチがよくみられます。しかし社会が成熟し、多くのモノやコトがすでにあふれている現代は、多くのニーズがすでに具現化されており、まだ発見・具現化されていないニーズの発見自体が困難です。

そこで当社では、生活者が世の中の常識に対して感じる「もっとこうすべきではないか」「こう考えるほうがいいのではないか」といった思い、憤りに近い感情を「義憤」と呼び、この義憤に着想を得て進めるアプローチをとっています。義憤の根底にある現状に対する不満、今の世の中で解決できていないことに、商品や事業開発の大いなるヒントがあると考えているのです。

生活者のなかでも、自らの哲学やスタイルを確立し、その意志で積極的に行動しているトライブは、義憤に基づいた行動をとっていることが少なくありません。このトライブをリサーチして義憤を発見し、コンサルティングに活かす。この、トライブリサーチからの義憤発想も大きな特徴であり強みです。

——3つ目は人材マッチング事業ですね。

はい、「JINCHI」と呼んでいるサービスです。当社メンバーはいずれも商品開発や事業開発などの経験に長けていますが、人数が少ないですし、我々の知見が乏しい国での新規事業開発など専門性を要する領域のご依頼をいただく場合もあります。ですので、我々のみでは多くの企業のプロジェクトを支援するのが難しいという状況があります。

そこで当社では、外部のプロフェッショナル人材に「ギグパートナー」としてご登録いただき、クライアントのニーズに応じてギグパートナーをマッチングし、プロジェクトメンバーとして登用する人材マッチング事業を展開しています。

現在200名から300名のギグパートナーにご登録いただいています。ご登録に際してはエントリーシートでの選考、面談、実務テストなどを実施しており、当社の提供するイノベーション支援を実現できるスキルや知見を有する人材であることを確認しています。また、当社のトライブデータ・リサーチに関するノウハウ、未来洞察や義憤発想などについても身につけていただいており、そのマッチングは当社担当者がクライアントの課題を詳しくお伺いしたうえで行っています。

大切なのは既存の常識にとらわれず、変化の一歩先をキャッチしようとするマインド

——今回は、コンサルティング事業で人材を募集されていますね。

お任せしたいのは、基本的にはクライアントの伴走支援です。クライアントの課題を理解し、その課題に基づいて適切なプロジェクトをデザインしてご提案し、ご契約いただいたプロジェクトを遂行する、という一連の業務をご担当いただきます。

——どのような人材を求めておられますか?

数名のメンバーと協働してのプロジェクトマネジメントや、企画・調査などのプロジェクト実務に関するスキル、マーケティングの知見などが求められるのはもちろん、プロジェクトを提案するという面では営業的な能力が必要になる場面もあると思います。加えて、社会のあり方や人々の考え方の変化に興味をもって仕事にあたることができる、社会や生活というレベルで物事を考えることに積極的になれる、といったマインドも重要だと考えています。

特に大切なのは、既存の常識にとらわれないマインドです。定量調査のデータから世間の常識に沿った発想をするだけでは、新しいものをつくりだすことはできません。先進的な生活者の義憤に着目し、多角的に物事を見て考えることを厭わない。義憤というある種の怒りからイノベーションを生み出すことを支援する、そのマインド、エネルギーが一番欲しいといっても過言ではありません。

——新しいことに挑戦したいというマインドも必要となりそうですね。

“ミーハー”心は非常に大事だと思っています。例えば「流行しているものをいろいろ試してみたい」といったように関心の幅が広い方は、トライブリサーチ・データと相性がいいのではないでしょうか。時代の変化の速度はどんどん上がっていますが、我々は常にその一歩先を見ていかなければなりません。それは大変な仕事ですが、おもしろくもあります。そのおもしろさを楽しめる方に、当社の環境は向いているのではないかと思います。

——「御社で仕事をするとこういうところがおもしろい」というポイントがありましたらお聞かせください。

まず、トライブデータを通じて世の中の新しいことやちょっと変わった面にふれる機会が多いという点が挙げられます。コンサルティング業務においてはトライブリサーチを実施することも多く、先進的な生活者の生の声を聞く機会があるのもいい刺激になるのではないかと思います。

また、クライアントも多岐にわたります。当社は、新商品や新事業の開発支援を多数手掛けていることから日本のメーカー企業からのご依頼が多いですが、プロジェクトで扱う市場は日本に限らず、海外展開する商品の開発を支援することもあります。トライブデータを用いた未来洞察に興味をもって当社にお声がけくださるクライアントは、チャレンジングでやる気にあふれたお客様が少なくありません。そうしたお客様と一緒に最先端のプロジェクトを進めていく機会に恵まれているのは間違いありません。

多様なパートナーシップで多くのイノベーションを支える組織を目指して

——御社の皆さんはどのような働き方をされているのでしょうか?

基本的にはフレックスです。メンバーそれぞれがクライアントのプロジェクトを担当しており、プロジェクトの状況やクライアントのスケジュールに合わせて動く必要がありますので、各自が自由に予定を組んでいます。オフィスに出社して仕事をすることもできますし、リモートを選ぶことも可能です。実際、メンバーの半分以上がリモートで仕事をしています。

——お一人あたり何件ぐらいのプロジェクトを担当されていますか?

平均3件から4件程度です。年度末や繁忙期など案件が増える時期には5件から6件ぐらいになることもあります。プロジェクトの規模や期間は様々で、リサーチしてその結果を納品するといったもので1〜2カ月、しっかり分析して事業や商品開発のご提案を行うような場合で3カ月〜3カ月半ほど、リサーチをもとにクライアントと商品を開発し、ユーザーの受容を検証するところまで担当するようなプロジェクトでは半年~9カ月に及ぶような場合もあります。

——御社の今後の展望を教えてください。

クライアントのご支援に際しては、基本的に当社メンバーがプロジェクトマネジメントを担い、必要に応じてインターンやギグパートナーに入ってもらうというかたちをとっています。それはすなわち、「SEEDERという組織と、外部のパートナー」という関係のあり方です。しかし今後は、我々とギグパートナーの方々が一丸となって稼働する“ワンチーム”的組織へと発展させ、より多様なクライアント、一層幅広いイノベーターのご支援を可能にしたいと考えています。

そこでは例えば、ギグパートナーの方にプロジェクトのマネジメントからお願いするようなこともあると思います。また、フリーランスとして仕事をしているギグパートナーの方や、会社を経営するギグパートナーの方が獲得された案件を我々がお手伝いし、一緒に進めるというような形態も考えられます。そうした多様なパートナーシップを実現することで、支援できる領域をもっと広げていくことができると思うのです。

現在はAIなど先端技術の活用も進み、ちょっとしたレポーティングなどの領域では参入障壁が下がりつつあります。ですが、我々の強みは、単純にデータに基づいた未来洞察ができるだけでなく、クライアントの未来のあるべき姿を考え、クライアントと一緒につくりあげていくマインドをもって、伴走できる点にあります。

その強みをさらに高めるべく、ギグパートナーの力をお借りして組織をアップデートし、単なるコンサルティングを越えたイノベーション支援を手掛けていきたい。そのように考えています。このことを理解して、積極的にコミットしていきたいという意気込みをもっていただける方に来ていただけたらと願っています。

SEEDER株式会社 企業情報

社名SEEDER株式会社
従業員数30人未満
勤務地東京都港区北青山3丁目6-19バイナリー・北青山ビル 10F
業種事業会社
会社概要・商品開発・事業開発コンサルティング
・生活者データ配信サービス「SEEDATA lab」
・総合人材マッチングサービス「JINCHI」

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