マーケティングオートメーションなどのプロダクト開発をはじめ、マーケティング施策の立案や実施まで手がける株式会社シャノン。マーケティング領域に特化した専門性を強みに、顧客のソリューション開発からコンサルティングまで一貫して携わる。
中村健一郎氏は同社を大学在籍時に立ち上げ、2024年に設立25年目という節目を迎えた。ゼロから始まった中村氏の挑戦から25年。さらに30年や35年といった今後はどのようなビジョンを描くのか。求める人物像についても聞いた。
中村 健一郎(なかむら・けんいちろう)
2000年8月、慶應義塾大学4年時に「有限会社シャノン」を設立(現・株式会社シャノン)。2001年にASP型の製品を、2011年にマーケティング支援ソフトウェア「SHANON MARKETING PL ATFORM」をリリースした。2017年、東京証券取引所マザーズ(現グロース)市場へ上場。
プロダクトとコンサルティングの両面から企業のマーケティング活動をサポート

——シャノンの事業内容を教えてください。
当社はマーケティング業務を支援するクラウド型サービスの開発、販売を主な事業にしています。顧客獲得から商談までのやり取りを一元管理するマーケティングオートメーションをはじめ、リアルとオンライン開催のイベントの実施や集客を管理するシステム、AIを使って高品質なコンテンツを制作する支援システムなど、幅広いソリューションを世に送り出しています。
企業が事業を成長させるためには、急速な進化を遂げるAIやデータ活用技術を駆使することが求められます。しかしマーケティング分野に特化した先端技術はきわめて専門的です。多くの企業が、こうした技術や動向に精通する人材を獲得できずにいるのが現状です。
そこで当社は、マーケティング分野で誰もが成果を出せるようなプロダクト開発に注力しています。マーケティングで重要とされる「再現性」を当社のプロダクトを通じて顧客に提供し、顧客が新たな成長や発展を創造できるようになることこそ当社の役割だと考えています。
——イベント管理システムなどのリアルなマーケティング活動を支援するソリューションも提供しているのですね。
シャノンを立ち上げた当時、主力だったのはイベント事業でした。現在はイベント事業の全事業に占める割合は減っているものの、リアルイベントはどの企業にとっても不可欠な取り組みで、なくなることはありません。こうした普遍的なニーズに確実に応えられるようにするため、イベント管理システムのような先端技術を取り入れたソリューションを揃えています。当時のイベント事業をITで進化させたのが、現在のイベントマーケティング事業なのです。
——御社のプロダクトを生かしたコンサルティングも展開しているのでしょうか。
はい。上流から手掛けるマーケティング戦略コンサルティング事業も展開しています。顧客が持つ課題や要望に対して1つのソリューションを提供するのではなく、第三者視点でさまざまな角度から解決案を見出すのがこの部門の役割です。
当部門は上流のマーケティング戦略の具現化から着手します。課題を解消するのに必要なコンテンツやツール作成、システム開発を経て、それらを運用する流れになります。ただし、他社と違って運用フェーズだけ支援して終わり、ということはありません。施策の1つ1つの効果分析やPDCAサイクルによる施策の改修までを一貫して支援することで、顧客にとって真の価値を生み出せるよう注力しています。近年ではマーケティング戦略コンサルティング部門のさらなる成長を目指すべく、積極的な採用活動にも取り組んでいます。
ゼロから始まった起業という挑戦

——中村さんのこれまでの経歴と、創業に至った経緯を教えてください。
奈良県出身で、大学進学を機に上京しました。大学1年の終わりごろから派遣のセールスマンとして家電量販店で働き始め、徐々に大学よりもアルバイト先にいる時間のほうが長くなっていきました。そんな折に派遣会社側から「セールス方法について後輩に教えてほしい」と頼まれ、半ば社員のような仕事を始めます。後輩への指導からアルバイトの面接などを全国で手掛けるようになり、学生ながら数百人のアルバイト生と関わっていくようになりました。
社員のようなアルバイト生活を経験し、なんとなく自分の中で「社会の中で働く」ことを掴めたころ、私は大学3年になっていました。大学3年といえば就職活動を始める時期。今一度自分のやりたいことを考えてみたのですが、何もありませんでした。
やりたいことがないと自覚すると、空虚な自分に呑まれるように生きる気力がなくなっていきました。このまま死んでもいいかと準備を進めていた時、ふと両親の顔がよぎったのです。ここで死んでは両親に申し訳ないと思いとどまりました。その時に思ったことは、私には親がいて思いとどまりましたが親がいなければ生きていなかったので、親ない人を100人助けたいという夢を持ち、それを実現するための手段が、起業でした。そこで、大学4年時に有限会社を起業しました。
——学生時に起業することへの恐怖はありましたか。
いいえ、ありませんでした。やりたい事もなく、失うものもありませんでしたから。もともと死のうと考えてゼロから始めた起業だったので、失敗してもゼロに戻るだけという気持ちで始めました。
今思うと、サラリーマンのような経験を大学1年のうちからできたことも起業のハードルを下げる1つの要因でした。営業目標達成のために顧客に商品を薦め、人が足りなければ自ら面接し、商品が足りなければ見積書を作って自ら発注する。学生ながらも裁量ある仕事に携われたことで、経済の仕組みや会社の回し方などを実感できました。こうした経験も起業を後押ししたと思います。
——学生時代の起業から続いている御社。今後の展望を教えてください。
DX化が急務となっている現在、クラウド型のマーケティングプロダクトを活用する中小企業が増えています。当社の顧客は大企業が多いものの、今後は提供するマーケティングプロダクトの幅を広げてターゲットとなる顧客の対象を広げていきたいと考えています。また主力の大企業向けではDX化は、まだまだ道半ばで相談は日々増えており、顧客の課題を適切に捉えるコンサルティング部門の重要性は、ますます高まってきています。
——御社の発展のために、どのような人材が必要だと考えていますか。
挑戦を続けられる人材が必要だと考えています。人生100年時代と言われている現在、定年の延長などによって社会人人生も長くなっています。シニアコンサルタントとして活躍し始める40代の社員であっても、そこから20年、30年は何らかのキャリアを積む人がほとんどとなるのではないでしょうか。
長い社会人人生をただこなすのではなく、自分自身を変革してスキルを高めていけるような土壌が当社にはあります。この環境を活かし、経験に固執せず貪欲に前へ進める方とともに働きたいと思っています。
課題を適切に捉えるところから携わるコンサルティング

——次にマーケティング戦略コンサルティング部ソリューションアーキテクト課課長の柳澤さんにお聞きします。今回募集しているマーケティング戦略コンサルティング部の業務内容を教えてください。
当社の主力事業はマーケティング向けクラウドサービスの企画や販売ですが、マーケティング戦略コンサルティング部はそういったプロダクトがなぜ必要なのか、プロダクトを用いてどういった課題を解決したいのかという上流から顧客の課題と向き合う部署です。時には顧客が課題とすら認識していないような部分から解決に向けて着手し、ロードマップを作成します。
上流から顧客と関わるため、プロジェクトは基本的に3名などの複数で手掛けます。プロジェクトを兼任するケースが多く、幅広い顧客の支援に関わることが可能です。
——働き方についても教えてください。
出社とリモートワークを組み合わせて勤務しています。顧客先に常駐することはありませんが、必要に応じて顧客先に伺います。また、複数人でのディスカッションや曜日を決め部内全員で出社するなどリモートワークのデメリットである非言語でのコミュニケーションが取れない点をカバーするなど効率とバランスを重要しています。
なお、相対する顧客は大企業が多く、部長から社長クラスの方と目的や課題の設定といった上流について話します。そのため若いころから貴重な経験を積むこともできます。
中途入社の割合が多い当社では、他社より長い2ヵ月間ほどの研修を実施します。当社のプロダクトに関する基本的な知識をはじめ、考え方や資料のつくり方、業務プロセスなどを細かく教えるよう配慮します。教えたことを実践できるように、入社直後はアシスタントチームに所属し、現場で経験を積みながら基本的な流れを押さえます。
——マーケティング戦略コンサルティング部の業務はどのような方に向いていると思いますか。
リスクを冒してでも挑戦し、新しい領域に率先して挑戦できる方に向いています。上流工程からコンサルティングを手掛けると顧客のアイディアや理想が先行しがちで、リスクを負うのか、そもそも実現可能なのか不安を覚える方が多くいます。とりわけ長く研鑽を積んでいる方であれば、経験があるばかりに挑戦できず、二の足を踏むこともあるでしょう。
もちろんリスクをいかに分散させるかも、ビジネスを円滑に進めるためには極めて重要です。しかし失敗も含めて次に進む血肉になるコンサルティング業務では、多少のリスクを冒してでも挑戦する姿勢が求められます。実際に当社で活躍している方も、新たな領域に臆せず向かう方が多い印象です。
シャノンといえばコンサルティング。そんなイメージを実現したい

——柳澤さんの経歴を教えてください。
新卒でシャノンの一期生として入社し、今年で20年目になります。入社後すぐにプログラマーとしてプロダクト開発に携わり、そのプロダクトをクラウド化するタイミングでインフラエンジニアに転向しました。
エンジニアとして数年経験を積んだころ、イベント事業部に異動。製品をつくる側ではなく売り出す役割へと変わって従事しました。その後、複数の部門を統合しソリューションサービス本部の本部長を担当していました。現在は、他部門の部長を兼任しながら、マーケティング戦略コンサルティング部内にプロジェクトマネジメントやシステム開発・運用を専門に担当する組織を立ち上げ責任者を担当しています。
——一期生ということですが、シャノンへの入社の決め手は何かありましたか。
中村と相対した時、会社における熱量に圧倒されたことです。シャノンに出会うまではIT系企業を中心に就職活動をしていたのですが、いろいろな企業の人事担当者と面接する中で、定型化された受け答えや流れ作業のような面接フローに違和感を覚えるようになっていました。
内定もいくつかいただきましたが気乗りせず、視野を広げるためにベンチャー企業を見てみようと思い、説明会に行った先にたどり着いたのがシャノンでした。説明会では当時の事業内容についての説明はほぼなかったのですが、どのような会社にしたいか、どのように社会に貢献したいかという中村の熱量に押されて入社を決めました。
——それから今日まで第一線で活躍される柳澤さん。今後の展望について教えてください。
多くの人はシャノンという社名を聞くと、マーケティングプロダクトを提供している会社だと連想するに違いありません。シャノンとコンサルティングの紐付きはまだ弱いと感じるため、マーケティング戦略のコンサルティングといえばシャノンと連想いただけるよう尽力したいと考えています。
そのためにはまず、私たちの持つ知見をより広いターゲットに訴求することが急務です。少数精鋭の部隊ゆえにリソースが不十分といった問題を解消し、十分な社内基盤を構築した上で広いターゲットにアプローチできればと考えます。
こうした取り組みを地道に続ければ、マーケティングのコンサルティングを検討する際に自然と当社の名前がきっと挙がるはず。そんな状態にまで発展させたいと考えています。
株式会社シャノン 企業情報
商号 | 株式会社シャノン(SHANON Inc.) |
設立日 | 2000年8月25日 |
所在地 | 本社 〒108-0073 東京都港区三田3-13-16 三田43MTビル4F 関西支社 〒531-0072 大阪府大阪市北区豊崎3-19-3 ピアスタワー14階 名古屋オフィス 〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内 2-17-13NK丸の内ビル2F 宮崎第一支社 〒880-0852 宮崎県宮崎市高洲町144-1 宮崎第二支社 〒880-0834 宮崎県宮崎市新別府町船戸791-2 想能信息科技(上海)有限公司 上海市静安区南京西路1728号百乐门大都会 6楼 607室 株式会社ジクウ 〒108-0073 東京都港区三田3-13-16 三田43MTビル4F |
電話 | 03-6743-1551 0120-955-008 050-3196-1091 |
資本金 | 550,010,050円 |
取引銀行 | 三井住友銀行自由が丘支店 三菱UFJ銀行赤坂支店 みずほ銀行青山支店 |
従業員数 | 単体:256名(契約社員含む。2024年4月末現在) 連結:273名(契約社員含む。2024年4月末現在) |
適格請求書発行事業者登録番号 | シャノンT1010401052638 ジクウT9010401156885 |
事業内容 | マーケティングクラウド、CMS、アドテクノロジー、メタバースの提供ならびにソリューションの企画・開発・販売 マーケティング、CMS、アドテクノロジーに関連するコンサルティング・アウトソーシングサービスの提供 |
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