【看護師転職志望動機】転職が多い場合・経験が浅い場合の例文も含めて解説
2024.7.13 Column
看護師は他の業種と比べて転職が多い職業。あなたの周りでも多くの人が一度は転職を経験しているのではないでしょうか?そんな看護師の転職ですが、転職活動に大きな影響を与えるのが、志望動機です。ただ、志望動機の作成を苦手と感じる人は意外と多いのが現状です。「建前で志望動機を考えたけれど、自分の本当の気持ちが全く入っていない」「自分の気持ちをベースに考えたら、熱意があまり伝わらない」「そもそも志望動機の書き方が全くわからない」もしかすると、あなたもこのようにお困りかもしれません。そこで今回は、志望動機を書く際に注意するポイントをご紹介します。最後までお読みいただき、採用担当者を「お!」と思わせる志望動機を作ることができるようになりましょう。
好印象の志望動機の構成
まずは採用担当者が「好印象」を持つ志望動機の構成について簡単にご紹介します。志望動機にどのような要素が入っていれば良いのかをまずしっかり確認してください。志望動機の構成を把握した上で、志望動機の書き方を学んでいきましょう。
志望動機の基本の型
まずは志望動機の基本の型です。採用担当者が「よく考えられているな」と思う志望動機には必ず以下の要素が入っています。
これまでの経験
あなたから見た志望先の病院(施設)の魅力
志望先の病院(施設)でどのような看護・働き方をしたいか
自分のどんな経験・強みを活かせそうか
今後の展望
この5つのポイントを押さえた志望動機の作成を意識してみましょう。これだけで採用担当者に「面接であなたの話を聞いてみたい」と思わせることができます。これに加えて、次の3点を意識すると、よりあなたらしい志望動機を作ることができます。
志望先の病院(施設)に共感できるポイント
あなたの看護観
志望先の病院(施設)の共感ポイントとあなたの看護観がマッチする点
志望動機を作る際はまず、この5(+3)点のポイントを意識してみてください。とはいっても「この要素を短い志望動機にどう反映させていくの?」と思うでしょう。具体的な志望動機の作り方は志望動機の書き方・ポイントで詳しくご紹介します。
志望動機の書き方
志望動機は採用担当者があなたの魅力を知る上で重要な指標です。あなたがどれだけ優秀で魅力に溢れた人物でも、志望動機であなたの価値をしっかりと示さなければ話も聞いてくれないかもしれません。あなたの価値や魅力を最低限伝えて、面接に繋ぐためには志望動機をよく考えて作りこむ必要があるのです。ここでは志望動機を書く手順について詳しくご紹介します。しっかりご確認いただき、あなたの魅力を存分に伝えられる志望動機を作成してください。
転職したい理由を書き出す
まずはあなたが転職したい理由を書き出しましょう。転職活動をしている人は誰でも転職したい理由を持っています。当然、あなたも例外では無いでしょう。「スキルアップのため」「今とは違う分野に興味がある」「人間関係が悪い」「夜勤が多い」「休日が少ない」などなど。ポジティブな理由からネガティブな理由までたくさんの理由があると思います。理由も一つだけではなく、いくつかの理由が組み合わさって辞めようと考えている人がほとんどでしょう。この転職理由は採用担当者も気になるポイントでもあります。なので、面接などでも聞かれることも多いのです。志望動機や面接では後でお伝えするように、ネガティブな意見をそのまま伝えることはおすすめしません。ただ、この段階ではネガティブな理由もそのまま全て書き出してみましょう。箇条書きでできるだけたくさん書き出したほうが志望動機も書きやすくなります。
志望する病院(施設)を志望した理由を書き出す
次にあなたが志望している病院(施設)を志望している理由を書き出してみましょう。給与や休日数などの条件面ももちろんですが、条件面だけでなく、志望先が強みとして行っている志望先だけの特長や理念も情報収集をして書き出してみる事が重要です。加えて、自分の看護観と志望先の理念をすり合わせるとより良いです。この作業をすることで、志望先の採用担当者にあなたが志望先の病院(施設)にピッタリな人材だとアピールすることが出来るようになります。
書き出した理由を組み合わせる
次に書き出した転職理由と志望理由、そしてあなたの看護観を組み合わせます。この3つを組み合わせるだけで志望動機の基本形は完成となります。ここに次の項目でお伝えする志望動機を作るポイントを考慮すれば、あなたらしい志望動機を作ることができます。
口頭でも伝えられるようにしておく
志望動機は履歴書や職務経歴書に記載することがほとんどです。それに加えて、書類選考を通過した際に面接で聞かれる機会も多いです。面接では、作成した志望動機を丸暗記したものを答えることはやめましょう。口調が単調になってしまい、建前の志望動機だと思われてしまう可能性があります。面接対策としては、要点を押さえてスムーズに話せるような練習がおすすめです。
志望動機を作る際に気を付けるポイント
それでは、志望動機を作る際に気を付けるポイントをお伝えします。志望動機を作る際に気を付けるポイントは以下の9点です。
自分の軸を決める
ポジティブな表現を心掛ける
受け身の姿勢にならない
応募先の情報収集を徹底する
待遇・条件が良いからは避ける
長く働きたいという気持ちをアピール
即戦力で働けることをアピール
例文は参考程度に
記入欄を埋める
志望動機を書く際にこのポイントを意識することで、あなたの魅力をより一層伝えることができます。しっかりと確認して、志望動機作成に生かしてくださいね。
自分の軸を決める
志望動機を考える際に気を付けるポイントの1つ目は「自分の軸を決める」ことです。自分が求める条件や働き方がぼやけている状態ではしっかりとした志望動機を考えることはできません。志望動機の書き方のステップでご紹介した「転職したい理由を書き出す」という段階で「転職したい理由」と「あなたが志望先の病院(施設)に何を求めているのか」をしっかりと考えてみましょう。自分の軸がしっかりしていれば転職した後も、転職先で「思っていたのと違う」ということも少なくなります。転職をしたことを後悔しないためにも、自分の軸はしっかりと持っておきましょう。
ポジティブな表現を心掛ける
志望動機にネガティブな要素を書くことは絶対にNGです。ネガティブな要素は発言が多いと、不満の多い人だと捉えられてしまうことも。嘘をつくのもよくありませんが、ネガティブな要素はポジティブな言葉に言い換えましょう。
例えば…
「前の職場は学びの機会が少なかった」⇒「新しい事も勉強して成長できる環境に身を置きたい」
「人間関係が悪かった」⇒「同僚や多職種の方とも積極的にコミュニケーションを取っていきたい」
「やりたい仕事ができなかった」⇒「経験やスキルを活かせる職場で役に立ちたい」
このように、同じ内容を述べる際にも過去に焦点を当てるのではなく、次の職場ではどうなりたいかという未来に焦点を当てて、ポジティブな印象を与えることを意識しましょう。そうするだけで「不満が多い人」ではなく、「意欲的な人」と印象づけることができます。
受け身の姿勢にならない
受け身の姿勢にならないという点も非常に重要です。指示待ちの姿勢は「積極性に欠けている」と言う印象を与えてしまいます。しかし、実はそれだけではなく「勉強したい」という言葉も受け身だと捉えられてしまう場合もあるのです。医療の現場は日進月歩とも言われているように、日々新しいエビデンスに更新され、常に勉強していく必要はもちろんあります。しかし、採用担当者によっては「現場は学ぶ場ではなく仕事の場」と考える人もいます。そのため、「勉強したい」という言葉は一見勉強熱心な面をアピールしているように見えますが、「受け身」と捉えられてしまうと逆にマイナスの印象になってしまうことも。現状を踏まえ、未経験の部分などは自分自身で勉学に励むというような表現をしていくとよいでしょう。また、未経験の分野への転職や経験年数がまだ浅い場合には「勉強したい」というアピールも有効な場合もあります。あなたの立場や志望先に応じて、より良い表現方法を考えましょう。
応募先の情報収集を徹底する
志望先の病院(施設)の情報を志望動機に盛り込むことも重要です。志望先の情報を盛り込むと「しっかりと調べた上で応募している」と印象が良くなります。十分リサーチした上で志望していることをアピールしましょう。情報収集した中からあなたが共感するポイントを具体的に挙げるとより良いです。情報収集は求人情報や志望先のホームページなどから行うことができます。志望先のホームページでは、「理念などのコンテンツ」や「看護部のブログ」を見ておくことをおすすめします。その中から、次の2点は必ず押さえておくようにしましょう。
どういう看護師が働いているのか
どのような看護師を求めているの
どういう看護師が働いているのかという点は「看護部の方針や体制」「現役看護師のインタビュー」「看護師のための制度」「働きやすさ」「看護師の年齢層」などから読み取りましょう。どのような看護師を求めているのかについては、求人情報からしっかりと読み取ります。求人情報の中から、「必要なスキル」「資格」「勤務条件」「求められる人物像」をチェックしましょう。そして求められる条件が理解できたら、その情報をあなたの看護観や経験と結びつけてアピールします。
待遇・条件が良いからは避ける
待遇や条件が良いから応募先を選んだというようなアピールは控えましょう。確かに、仕事は条件面も重要な要素ではあります。しかし、それだけの理由での合格は難しいですし、これから長く仕事を続けていく事も難しいでしょう。志望先に惹かれる理由は条件面以外にもあるはず。条件面以外に焦点を当てた志望動機を作成し、志望先に伝えるようにしましょう。
長く働きたいという気持ちをアピール
採用側は長く働いてくれる人材を求めています。そのため、「長く働きたいと考えている」と伝えることは大切です。志望先で「どのようにスキルアップしていきたいのか」「将来の看護師像」などを伝えると長く働きたいという意思を伝えることができます。逆に、志望先を「ステップアップの場」や「経験の場」という表現をしてしまうと、経験を積んだらやめてしまうと捉えられてしまうこともあります。長く腰を据えて働きたいという思いをしっかりとアピールできるように志望動機を考えてみてください。
即戦力で働けることをアピール
あなたがこれまでに志望先の病院(施設)で生かすことのできる経験をしてきたのなら、即戦力で働くことができることをアピールしましょう。人材不足の看護業界ですので、採用側はできるだけすぐに戦力になる人材を求めています。今までに積んだ経験やスキルをどのように生かしていくことができるのかを具体的に伝えましょう。抽象的にぼんやりと伝えるよりも具体的に伝えるほうが採用担当者もあなたの適性を理解しやすく、配置ミスなどの可能性も少なくなります。
例文は参考程度に
看護師は転職が多い職業であるということもあり、看護師が転職する際の志望動機の例文を掲載しているWebサイトや書籍は多く存在します。もちろん、例文を参考にして志望動機を考えることは悪い事ではありません。しかし、例文をそのまま使用してしまうと、「どこかで聞いたことがあるフレーズだな」と印象が悪くなってしまいます。例文を参考に志望動機を作成する際には、例文をそのまま使わないようにしましょう。例文は参考程度にし、あなた自身の経験や看護観を交えて具体的にあなただけの志望動機を作成しましょう。
記入欄を埋める
志望動機の記入欄はしっかりと埋めるようにしましょう。目安としては記入欄や規定文字数の8割です。記入欄がスカスカだとやる気がないと思われ、志望動機を読んでもらえないことも。記入欄は丁寧に8割以上埋めて、志望動機を読みたいと思われるように意識しましょう。
志望動機のセルフチェック
志望動機が完成したらセルフチェックをしましょう。志望動機のセルフチェックは5つのポイントを確認しましょう。
志望先の情報は正しいか
文字数は適切か
構成は正しいか
表現は適切か
誤字脱字は無いか
これらは自分自身で簡単にチェックすることができます。それぞれについて詳しく説明していくので、志望先の病院(施設)に提出する前には必ずチェックしましょう。
志望先の情報は正しいか
まず大前提の話ではありますが、志望先の情報は正しいかチェックしましょう。特に複数の病院(施設)に同時応募している場合は情報を混同していないかしっかり確かめてください。あなたにピッタリな職場でも、誤った志望動機を書いているとせっかくの熱意も伝わらないばかりか、書類選考に落ちてしまう場合もあります。複数応募をする際には、それぞれ情報を区別して志望動機を作成しましょう。
文字数は適切か
記入欄や指定文字数に対して文章量が少なすぎないかチェックしましょう。目安は記入欄・指定文字数の8割以上です。あまりにスカスカな場合は書き足す情報が無いか再度志望動機の書き方に戻って志望動機を考えてみてください。
構成は正しいか
志望動機に伝えるべき情報がしっかりと記載されているかを確認しましょう。
これまでの経験
あなたから見た志望先の病院(施設)の魅力
志望先の病院(施設)でどのような看護・働き方をしたいか
自分のどんな経験・強みを活かせそうか
今後の展望
これらの情報に過不足があれば、不足分を加筆するべきか一度考えてみましょう。
表現は適切か
志望動機があなたの熱意が十分に伝わる文章かどうかもチェックしましょう。特にネガティブな表現、受け身な表現、抽象的な表現は書き換えた方が良いでしょう。全体的に読みやすく、ポジティブで積極的な文章になっていればOKです。
誤字脱字は無いか
誤字脱字の有無も確認しましょう。誤字脱字は声に出して読んでみると一目瞭然です。黙読だけでは読み飛ばしてしまう場合もあるので、一度声に出して読んでみてください。少しでも読みにくいと感じた個所は修正しましょう。
志望動機は看護師の転職で最も重要な要素
ここまで、志望動機の書き方や書くポイントについてご紹介しました。志望動機は看護師が転職する上で最も重要と言っても過言ではありません。志望動機次第で書類選考の通過が決まる場合も多くあります。志望動機を作成する際には、しっかりと吟味してあなたの魅力を十分に伝えることが出来る文章を作りましょう。本記事があなたの志望動機の作成に少しでもお役にたてば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。あなたの転職活動が満足のいくものとなることを心よりお祈り申し上げます。
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