みらいワークスは2024年9月25日、「みらいワークス総合研究所」の企業向けサイトローンチを記念したセミナーを開催しました。約40名の参加者を迎え、みらいワークス総合研究所設立の経緯や目的を説明したほか、新規事業開発をテーマにしたトークセッションを実施しました。ここではセミナーの様子を紹介します。
プロフェッショナル人材の挑戦を後押しする情報を発信
挑戦者のために役立つ情報を発信し、日本のみらいの為に挑戦する人を増やす――。こんなミッションを掲げる「みらいワークス総合研究所」。プロフェッショナル人材の働き方やキャリア形成、さらには新規事業やリスキリング、外部人材活用の動向を調べる研究機関として、調査や分析、情報発信などの役割を担います。
そんなみらいワークス総合研究所の企業向けサイトが2024年9月にローンチ。これを記念し、新規事業をテーマにセミナーを開催しました。会場には、企業で新規事業を担当者する方々約40名が参加。イベントでは参加者に向け、挑戦し続ける必要性を終始訴え続けました。
セミナー冒頭、みらいワークス総合研究所の所長を務める岡本祥治が設立の経緯を説明。「日本では多様な働き方を受け入れる素地が整いつつあるが、諸外国と比べると今なお不十分だ。とりわけ個人事業主やパラレルワーカーのプロフェッショナル人材が活躍する機会は必ずしも多くない。こうした状況を打破する一助となるのが、みらいワークス総合研究所だ。プロフェッショナル人材の活躍を後押しするとともに、社会や企業がこうした人材を当たり前のように必要とする風土を醸成したい。みらいワークス総合研究所の取り組みを通じて、働き方の流動性を高めることに寄与したい」(岡本)と述べました。みらいワークス総合研究所では、新たな働き方やキャリア形成に取り組む事例を紹介するほか、新規事業開発や人事などの担当者向けに外部人材活用に関する最新動向などを発信します。

多くの人が挑戦する機会を創出するのも、みらいワークス総合研究所の役割の1つだと岡本は続けます。「みらいワークス総合研究所が何よりフォーカスするのは『挑戦』だ。ミスを恐れるあまり新しいことに挑戦したがらない、これまでの経験やスキルを上回るプロジェクトに参画したがらない、などという人は決して少なくない。しかし、失敗なしに成功はあり得ない。成長する機会も得られない。みらいワークス総合研究所では、プロフェッショナル人材の方々が積極的に挑戦できる環境づくりにも目を向ける。社会や企業が挑戦を許容する文化を育む取り組みにも注力したい。挑戦者の追い風となる有益な情報を発信することが、みらいワークス総合研究所の役割に他ならない」(岡本)と強調しました。
失敗を恐れず行動することが新規事業開発には不可欠
セミナーでは新規事業をテーマにしたセッションも実施しました。新規事業家の守屋実氏をゲストに招き、岡本とのトークセッションを開催しました。
守屋氏は1992年にミスミに入社し、新規事業開発に従事。ミスミ創業者の田口弘氏と新規事業の専門会社を創業するなど、数々の新規事業を手掛けてきました。現在は独立し、新規事業家として企業の新規事業開発を外部の立場から伴走支援しています。
トークセッションでは、新規事業のヒントとなるアイデアの探し方に言及。守屋氏は「多くの人から『良い事業アイデアを教えてほしい』とよく言われる。しかし、どのアイデアを事業化するのかを決められるのは当人のみだ。周囲からのアドバイスを理由に新規事業を決めるべきではない。どれだけ熱意を持って事業化に取り組めるか、どれほどの覚悟を持って新規事業に挑めるかに目を向け、アイデアを育むべきである」と指摘。アイデアは考えずとも至るところにあり、溢れるくらいあるという持論も展開しました。

とはいえ、数あるアイデアの中から事業に結び付けられるものを探すのは容易ではありません。そこで守屋氏は、事業化に結びつける上で大切なのは「人との出会い」と強調します。「さまざまな課題解決に向け、長く取り組み続けている人はたくさんいる。特定の分野への造詣が深い人も少なくない。多くの人と話す中でこうした人と出会えれば、事業化へのイメージが膨らみやすくなる。社会や経済、市場の動向、法改正などのさまざまなことにアンテナを貼っていれば、人との出会いを通じて事業化への道が開くときがある。自分より課題に深く向き合っている人と出会えるように、多くの人と交流することが大切である」(守屋氏)といいます。
一方、行動することの大切さも訴えます。「新規事業に挑戦しない、つまり何もしないのはゼロではない。マイナスだ。どんなに熟考しても行動が伴わなければマイナスにしか作用しない。行動して初めてゼロかプラスに作用する。もし何もしないことが常態化すると、最大のチャンスが舞い込んだときでさえ動けなくなる。行動ありきで挑戦することが必要だ」(守屋氏)と強調します。どれだけ考えても答えを導き出せないときでも、行動することで答えを導き出せるケースは少なくないと守屋氏は指摘します。
岡本も守屋氏の指摘に同意します。「例えばコンサルタントは『考えるのが仕事』と思われがちだが、行動を伴って初めて成果につながる。どれだけ優れた解決策を導き出しても、解決策を実行しなければ何の意味もない。考えを大切に育むのではなく、まずは行動に落とし込むことが大切だ。こうした取り組みが挑戦する姿勢を養い、失敗を恐れず新規事業に挑む企業風土を醸成する契機になる」(岡本)と述べます。参加された方々に向け、積極的に行動し、挑戦してほしいと訴えました。
では新規事業開発を成功へ導くためには何が必要か。とりわけ大企業は新規事業を創出しにくいと言われるが、守屋氏は「本業の影響を受けにくい専門部署を立ち上げるのが望ましい。ただし、メンバーは新規事業開発に携わってきた人を集めるべきだ。社内のヒエラルキーを踏襲したメンバー構成にすべきではない。新規事業に精通するメンバーの中に、本業に関わるメンバーを加える程度でよい。大切なのは『変われる環境』だ。既存事業の成果やビジネスモデルを引きずるメンバーは容易には変われない。大企業の成功体験に捉われずに新たなビジネスを描ける人が新規事業を主導すべきだ」(守屋氏)と述べます。事業を進めるべきか撤退すべきかを自身で意思決定できる人材を育成することも、大企業には不可欠と守屋氏は指摘します。
最後に、新規事業を創出したいと考える人に向けて守屋氏は、「新規事業に取り組みたいと少しでも考えるなら、『やらない』という選択肢はない。何かしらの行動を今から起こしてほしい。さらに、孤軍奮闘も望ましくない。同様の事業アイデアを持っている人が必ずいる。こうした人と出会える機会も作ってほしい」と指摘。自分の思いを多くの人に聞いてもらえるように、アウトプットできる場に出向くことも大切だと訴えます。
岡本も、「周囲の知見や知恵を借りることで事業を加速させられる。今の時代、周囲からアドバイスを受けるのは決して難しいことではない。積極的に人とつながり、共にアイデアを膨らます仲間を集めるべきだ。こうした人との出会いを大切にする姿勢が、単なるアイデアを事業へと昇華させる」と述べます。事業化に向けて自分に足りないものがあれば、「プロフェッショナル人材と一緒に取り組むのも選択肢の1つだ」(岡本)と、プロフェッショナル人材とつながることの大切さも訴えました。
<セミナーのアーカイブ動画>
https://youtu.be/R6hgvqzzm8M?si=qdpj_pJZuhieKqjM


