経営戦略の事例18選|成功企業に共通する戦略とポイント、自社に合う戦略の選び方 - freeconsultant.jp for Business
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最終更新日:2026.09.23
経営企画/ESG

経営戦略の事例18選|成功企業に共通する戦略とポイント、自社に合う戦略の選び方

経営戦略の事例

企業が持続的に成長するためには、市場環境や競合、自社の強みを踏まえた経営戦略の立案が欠かせません。

しかし、「自社にはどのような経営戦略が合っているのか」「他社はどのような戦略で成果を上げているのか」と、具体的なイメージを持てない方も多いでしょう。

実際の企業事例を見ると、独自の価値を打ち出して価格競争を避ける企業もあれば、特定市場へ経営資源を集中する企業、既存の技術を活かして新たな事業へ進出する企業など、成功のパターンはさまざまです。

本記事では、代表的な6つの経営戦略について、国内外の成功事例18選を紹介します。

単に各企業の取り組みを紹介するだけでなく、「なぜその戦略が機能したのか」という成功要因まで解説します。自社に合った経営戦略を考える際の参考にしてください。

経営戦略の成功事例18選【一覧】

まずは、本記事で紹介する経営戦略の成功事例を一覧で確認してみましょう。

企業 経営戦略 主な取り組み 成功のポイント
スターバックス 差別化戦略 「第三の居場所」としての店舗体験 商品以外の顧客体験を価値にした
モスバーガー 差別化戦略 注文後調理・日本独自の商品 価格・スピード以外の品質を重視した
Apple 差別化戦略 製品・OS・サービスの連携 独自の顧客体験を構築した
ソニーグループ 多角化戦略 ゲーム・音楽・映画・金融などへ展開 複数の事業領域で収益基盤を構築した
セブン&アイ・ホールディングス 多角化戦略 小売・金融などへ事業を展開 既存の顧客接点を複数事業へ活用した
富士フイルム 多角化戦略 写真分野の技術を医療・化粧品などへ展開 独自技術を別市場へ転用した
スズキ 集中戦略 軽自動車・小型車を重視 得意領域へ経営資源を集中した
コメリ 集中戦略 地方・農業・園芸領域を強化 地域・顧客ニーズを絞り込んだ
しまむら 集中戦略 郊外を中心に低価格衣料を展開 対象顧客と出店エリアを明確にした
任天堂 ブルーオーシャン戦略 ゲーム人口の拡大 従来とは異なる顧客層を開拓した
QBハウス ブルーオーシャン戦略 ヘアカットにサービスを特化 不要なサービスを削り新しい価値を作った
サウスウエスト航空 ブルーオーシャン戦略 低価格・シンプルな航空サービス 従来と異なる競争軸を作った
マクドナルド コストリーダーシップ戦略 大量調達・店舗オペレーションの標準化 規模と仕組みでコスト競争力を高めた
ユニクロ コストリーダーシップ戦略 企画・生産・物流・販売を一貫管理 低価格と品質を両立できる仕組みを構築した
ニトリ コストリーダーシップ戦略 製造・物流・IT・小売を一体化 バリューチェーン全体を効率化した
トヨタ自動車 グローバル化戦略 海外生産・販売を各地域で展開 市場特性に合わせて事業を最適化した
日清食品 グローバル化戦略 各地域に合わせた商品展開 現地の食文化・需要へ適応した
バンダイナムコグループ グローバル化戦略 IPをゲーム・玩具など複数領域へ展開 IP価値を世界規模で最大化した

なお、実際の企業経営では一つの戦略だけを採用するとは限りません。

例えばユニクロはコスト競争力を持つ一方で、ヒートテックなど独自の商品による差別化も行っています。スズキも小型車への集中とグローバル展開を組み合わせています。

そのため、本記事の分類は各企業の特徴を理解しやすくするためのものと考え、「どの戦略に分類されるか」だけではなく、「なぜその取り組みが競争優位につながっているのか」に注目してみてください。

経営戦略とは?具体例とともに簡単に解説

経営戦略とは、企業が中長期的な目標を達成するために、「どの市場で」「どのような価値を提供し」「限られた経営資源をどこへ配分するか」を決める基本方針です。

例えば競争が激しい市場で利益率が低下している企業の場合、単純に営業量を増やすだけでは十分とは限りません。

価格競争を避けるために独自の商品・サービスへ投資する「差別化戦略」や、競合が少ない特定市場へ経営資源を集中する「集中戦略」など、会社としてどのような方向へ進むのかを決める必要があります。

経営戦略では、人材や資金、技術、ブランド、顧客基盤などの経営資源が限られていることを前提に、どこへ重点的に投資するかを決めることが重要です。

経営戦略は「何をするか」だけでなく、「何をしないか」を決めることでもあります。

経営戦略・事業戦略・機能戦略の違い

企業の戦略は、対象となる範囲によって大きく3つに整理できます。

種類 主な役割 具体例
経営戦略・全社戦略 企業全体がどの方向へ進むかを決める 新規事業への参入、海外展開、事業ポートフォリオの見直し
事業戦略 特定事業で競争優位を築く方法を決める 差別化、低コスト化、特定顧客への集中
機能戦略 各部門で戦略を実行する方法を決める マーケティング、人事、財務、営業、IT戦略など

例えば「海外市場で売上を伸ばす」という経営戦略を立てた場合、事業戦略では「どの国・顧客層を狙うか」、マーケティング戦略では「どのチャネルで顧客を獲得するか」といった具合に具体化していきます。

全社の方向性と現場の施策をつなげることが、経営戦略を実行するうえで重要です。

代表的な経営戦略6種類と企業例

経営戦略にはさまざまな考え方があります。本記事では、企業事例を理解しやすくするため、代表的な6つを紹介します。

経営戦略 特徴 向いているケース 企業例
差別化戦略 独自の価値で競合と差をつける 価格競争を避けたい スターバックス、Appleなど
多角化戦略 新しい製品・市場へ事業を広げる 新しい収益源を作りたい ソニー、富士フイルムなど
集中戦略 特定の市場・顧客へ資源を集中する 限られた経営資源を有効活用したい スズキ、コメリなど
ブルーオーシャン戦略 既存の競争から離れて新市場を作る 競争の激しい市場から抜け出したい 任天堂、QBハウスなど
コストリーダーシップ戦略 低コストな事業構造で競争優位を作る 規模や効率化を活かせる ユニクロ、ニトリなど
グローバル化戦略 海外市場へ事業を拡大する 海外の成長市場を取り込みたい トヨタ、日清食品など

どの戦略が優れているというものではありません。

市場環境、自社の経営資源、競合との関係、成長目標などによって、適した戦略は異なります。

経営戦略の成功事例【差別化戦略】

差別化戦略とは、価格以外の独自価値を作り、競合企業との違いを明確にする戦略です。

製品性能だけでなく、ブランド、デザイン、サービス、顧客体験なども差別化要素になります。

スターバックス|「第三の場所」という体験で差別化

スターバックスは、コーヒーそのものだけでなく、店舗で過ごす時間を価値として提供してきた企業です。

代表的なのが、自宅でも職場でもない「第三の場所(サードプレイス)」という考え方です。

店舗の内装や座席、音楽、バリスタとのコミュニケーションなどを含め、顧客が心地よく過ごせる体験を作ることで、単純なコーヒー価格だけでは比較されにくいブランドを構築してきました。

同じコーヒーを販売する場合でも、「何を売るのか」を商品だけで考えるのではなく、顧客が商品を利用する前後を含めて価値を設計することで差別化できる可能性があります。

成功のポイント:コーヒーの価格・味だけで競争せず、「店舗で過ごす体験」という異なる競争軸を作ったこと。

モスバーガー|価格・スピードではなく品質で差別化

モスバーガーは、競争の激しいハンバーガー市場で、価格や提供スピードだけではなく「おいしさ」や日本独自の商品開発を重視してきました。

代表的なのが、注文を受けてから商品を調理するスタイルです。作り置きを減らし、できたての商品を提供することで品質面での違いを打ち出しています。

また、ライスバーガーをはじめ、日本の食文化を意識した商品も展開してきました。

競合企業と同じ軸で「もっと安く」「もっと早く」を追求するのではなく、あえて異なる価値を選んだことがポイントです。

成功のポイント:業界の主要な競争軸とは異なる「品質・おいしさ・日本らしさ」を重視したこと。

Apple|製品・サービスをつなぐ独自エコシステムを構築

Appleは、iPhone、Mac、iPadなどの製品単体だけではなく、ハードウェア・ソフトウェア・各種サービスを連携させることで独自の顧客体験を作っています。

例えばiPhoneで撮影した写真やデータをMacなど別のApple製品でも扱えるなど、複数の製品を組み合わせて利用しやすい仕組みを構築しています。

また、App StoreやiCloudなどのサービスも組み合わせることで、一つの製品ではなく、複数の接点を通じて顧客との関係を深めています。

競合が一つの商品機能を模倣したとしても、製品・サービス・ブランド全体で作られた顧客体験まで簡単に再現することはできません。

成功のポイント:個々の商品ではなく、製品・OS・サービスを含めた一体的な体験を競争優位にしたこと。

経営戦略の成功事例【多角化戦略】

多角化戦略とは、新しい市場や商品・サービスへ進出し、事業領域を拡大する戦略です。

新しい収益源を作れるほか、特定の市場・事業への依存を抑える効果も期待できます。

ソニーグループ|複数の事業領域へ展開

ソニーグループは、エレクトロニクスを基盤としながら、ゲーム、音楽、映画など幅広い事業を展開してきました。

単純に異なる業界へ事業を広げるだけでなく、エンターテインメントやテクノロジーなど、それぞれの事業で培った資産を活用できる点が特徴です。

例えばゲーム事業ではハードウェアだけでなく、コンテンツやオンラインサービスなどを組み合わせています。

多角化戦略では、事業数を増やすこと自体が目的ではありません。既存の技術・ブランド・顧客接点を活かせる領域へ広げることが重要です。

成功のポイント:複数事業を持ちながら、それぞれの技術・コンテンツ・顧客接点を活かしていること。

セブン&アイ・ホールディングス|小売を軸に事業を多角化

セブン&アイ・ホールディングスは、コンビニエンスストアをはじめ、これまで小売や金融など複数領域へ事業を展開してきました。

例えば、店舗という顧客接点を持つ小売事業と金融サービスを組み合わせることで、日常生活に密着したサービスを提供できます。

多角化では、まったく無関係な事業を増やすよりも、既存の顧客やブランド、店舗網などを活かせる事業へ展開することでシナジーを生み出しやすくなります。

一方で、事業ポートフォリオは市場環境に合わせて見直す必要があります。「多角化=事業を増やし続けること」ではなく、成長領域へ経営資源を再配分することまで含めて考えることが重要です。

成功のポイント:既存の顧客接点や事業基盤を活かしながら複数領域へ展開したこと。

富士フイルム|写真技術を医療・化粧品などへ転用

富士フイルムは、写真フィルム市場の縮小を背景に、事業構造を大きく変化させてきた代表例です。

注目すべきは、既存の技術を捨ててまったく新しい事業を始めたのではなく、写真フィルム事業で蓄積した技術を別市場へ応用した点です。

例えば、コラーゲンに関する知見や抗酸化技術、ナノテクノロジーなどをヘルスケア・化粧品分野へ活用しています。

つまり、富士フイルムの競争優位は「フィルム」という商品だけではなく、フィルムを作る過程で蓄積してきた模倣されにくい技術・ノウハウにありました。

成功のポイント:自社の本当の経営資源を再定義し、成長市場へ転用したこと。

経営戦略の成功事例【集中戦略】

集中戦略とは、特定の顧客、市場、商品などに経営資源を集中し、その領域で競争優位を築く戦略です。

特に経営資源が限られている場合、幅広い市場を狙うよりも、勝てる領域を絞ることが有効な場合があります。

スズキ|軽自動車・小型車へ経営資源を集中

スズキは、軽自動車や小型車を強みとする自動車メーカーです。

大型車から高級車まであらゆる市場へ同じように投資するのではなく、小型車を中心に技術・生産ノウハウを蓄積することで、独自のポジションを築いてきました。

また、この強みは日本だけでなく、価格や道路事情などから小型車需要が高い海外市場でも活用されています。

集中戦略では、市場を狭めることが目的ではありません。対象を絞ることで顧客理解やノウハウを深め、その領域で競合より優位に立つことが重要です。

成功のポイント:得意な小型車領域へ技術・生産ノウハウを集中させたこと。

コメリ|地方・農業・園芸市場へ集中

ホームセンターを運営するコメリは、金物や工具、園芸、植物、農業資材などを重要な商品カテゴリーとして事業を展開しています。

農業が盛んな地域での店舗網や、農業資材に関する専門性を活かし、地域の顧客ニーズに応えてきました。

また、小商圏向け店舗と大型店を組み合わせるなど、商圏に応じた店舗展開も特徴です。

大都市の幅広い消費者だけを狙うのではなく、農業や地域生活という明確な需要へ対応できる仕組みを構築したことが競争力につながっています。

成功のポイント:地域・農業という明確な顧客ニーズへ専門性と店舗網を集中させたこと。

しまむら|郊外×低価格衣料に特化

しまむらは、日常的に利用しやすい価格帯の衣料品を中心に展開し、郊外や地方を含む幅広い地域へ店舗を広げてきました。

高価格帯のブランドや都市型ファッションとは異なるポジションを取り、ファミリー層などの日常衣料需要を取り込んでいます。

集中戦略では「誰でも顧客にする」のではなく、どの顧客に、どの価値で選ばれるのかを明確にすることが重要です。

成功のポイント:顧客層・価格帯・出店エリアを明確にし、それに適した事業モデルを構築したこと。

経営戦略の成功事例【ブルーオーシャン戦略】

ブルーオーシャン戦略とは、競争の激しい既存市場でシェアを奪い合うのではなく、新しい価値を生み出して競争の少ない市場を作る考え方です。

任天堂|ゲーム人口そのものを広げて新市場を開拓

ゲーム機市場では、高性能化やグラフィック性能などが競争軸になりやすい時期がありました。

その中で任天堂は、ゲームに詳しいユーザーだけではなく、家族やシニア層など幅広い人が遊びやすい商品を展開してきました。

例えば、直感的に操作できるWiiや、さまざまな用途のソフトを展開したニンテンドーDSなどです。

既存のゲームユーザーを競合と奪い合うだけでなく、「これまでゲームをしていなかった人」を市場へ取り込んだ点がポイントです。

成功のポイント:競合と同じ性能競争ではなく、ゲームを利用する人そのものを広げたこと。

QBハウス|「カットだけ」という新しい価値を創出

従来の理美容店では、カットだけでなくシャンプーやブローなど複数のサービスをセットで提供するケースが一般的です。

QBハウスは、こうしたサービスからヘアカットに機能を絞り、短時間で利用できる仕組みを構築しました。

ここで重要なのは、単純にサービスを減らしたわけではないことです。

「時間をかけずに髪を整えたい」という顧客にとっては、不要なサービスを削ることそのものが価値になります。

成功のポイント:業界で当たり前だったサービスを見直し、特定顧客にとって必要な価値だけを残したこと。

サウスウエスト航空|サービスを絞って新たな需要を開拓

サウスウエスト航空は、米国の航空市場で低価格運賃を軸とした事業モデルを築いてきました。

サービスや機材、運航の仕組みをシンプルにすることで運航効率を高め、価格を抑えながら移動できる選択肢を提供しています。

従来の航空会社同士だけを競合と考えるのではなく、自動車などで移動していた顧客にも利用される価格・利便性を目指した点が特徴です。

成功のポイント:航空会社同士のサービス競争とは異なる「低価格・シンプル・便利」という価値を作ったこと。

経営戦略の成功事例【コストリーダーシップ戦略】

コストリーダーシップ戦略では、単純に販売価格を下げるだけではなく、競合より低いコストで商品・サービスを提供できる仕組みを構築することが重要です。

マクドナルド|大量調達と標準化でコスト競争力を強化

マクドナルドの強みの一つが、大規模な店舗網と標準化された店舗オペレーションです。

商品や調理工程、店舗運営などを標準化することで、店舗ごとのばらつきを抑えながら効率よく商品を提供できます。

また、規模を活かした調達もコスト競争力を支える要素になります。

重要なのは、安売りそのものではありません。安定した品質を保ちながら、多店舗で効率よく提供できる仕組みを構築していることです。

成功のポイント:大量調達・業務標準化・店舗網など、競合が簡単には再現できないオペレーションを構築したこと。

ユニクロ|SPAモデルで低価格と品質を両立

ユニクロは、商品の企画から生産、物流、販売までを一貫して管理するビジネスモデルを強みとしています。

工程を分断せず管理することで、顧客の声を商品開発へ反映したり、生産・在庫を調整したりしやすくなります。

また、ヒートテックなど独自性の高い商品を展開している点も特徴です。

そのため、ユニクロの戦略は単純な低価格戦略ではなく、事業プロセスを効率化しながら商品価値も高めることにあります。

成功のポイント:企画から販売までのバリューチェーンを統合し、品質と価格を両立する仕組みを作ったこと。

ニトリ|製造・物流・販売の一貫体制を構築

ニトリは、自社の事業モデルを「製造物流IT小売業」と表現しています。

商品企画だけでなく、製造、物流、IT、販売など幅広い機能を一体的に管理することで、コストと顧客価値の両方をコントロールしています。

例えば物流を外部任せにせず、自社グループの重要な機能として強化することで、商品を店舗や顧客へ効率よく届ける仕組みを構築しています。

価格だけを下げるのではなく、商品が顧客へ届くまでのプロセス全体を見直していることがポイントです。

成功のポイント:製造・物流・IT・小売まで含めたバリューチェーン全体を競争力にしたこと。

経営戦略の成功事例【グローバル化戦略】

グローバル化戦略は、海外市場へ事業を展開し、新たな顧客や成長機会を獲得する戦略です。

ただし、日本の商品をそのまま海外へ輸出すれば成功するとは限りません。市場ごとの需要、文化、価格、流通などへの対応が重要です。

トヨタ自動車|現地生産・現地販売で市場ごとに最適化

トヨタ自動車は、日本だけでなく世界各地域に生産・販売拠点を展開しています。

海外市場では単に日本で作った車を輸出するだけではなく、各地域の需要に応じた生産・供給体制を構築してきました。

現地生産を進めることで、需要変化へ対応しやすくなるほか、為替や物流などのリスクを抑えることにもつながります。

成功のポイント:世界共通の一つのやり方を押しつけるのではなく、地域の市場環境に合わせて生産・販売体制を構築したこと。

日清食品|各国の食文化に合わせて商品をローカライズ

日清食品は、即席麺を世界各地域へ展開しています。

食品は、国や地域によって味覚や食文化が大きく異なる商品です。

そのため、グローバル展開ではブランドを広げるだけではなく、それぞれの地域の需要に合わせて商品や販売方法を調整することが重要になります。

自社の強みとなる商品・技術を維持しながら、現地市場に合わせて変える部分を見極めることがグローバル戦略のポイントです。

成功のポイント:世界共通のブランド資産を活かしながら、現地の食文化や需要へ適応したこと。

バンダイナムコグループ|IPを世界各国へ展開

バンダイナムコグループでは、キャラクターや作品などのIPを軸に、ゲーム、玩具・ホビーなど複数の事業を展開しています。

一つの作品を一つの商品だけで終わらせず、さまざまな商品・サービスや顧客接点へ広げることで、IPの価値を最大化する戦略です。

また、世界中のファンとの接点を広げることで、日本国内だけに依存しない事業成長を目指せます。

成功のポイント:IPという模倣されにくい経営資源を複数事業・地域へ展開し、価値を最大化していること。

成功事例からわかる「良い経営戦略」の5つの共通点

ここまで18社の事例を紹介しました。

採用している戦略は異なりますが、成功している企業を見ると共通する考え方があります。

①自社ならではの経営資源・強みを明確にしている

良い経営戦略は、競合企業の成功事例をそのまま真似するものではありません。

重要なのは、自社だからこそ活用できる経営資源を起点にすることです。

経営資源には、例えば以下があります。

  • 技術・特許
  • 人材・専門知識
  • ブランド
  • 顧客基盤
  • データ
  • 店舗・販売網
  • サプライチェーン
  • 業務ノウハウ

富士フイルムがわかりやすい例です。

同社は「写真フィルム」という既存商品だけを見るのではなく、その背景にある化学技術やナノテクノロジーなどを経営資源として捉え直しました。

競合が簡単には真似できない自社固有の強みが何なのかを見極めることが、経営戦略の土台になります。

②「誰に・どんな価値を提供するか」が明確

優れた経営戦略では、対象となる顧客と提供価値が明確です。

例えばQBハウスは、理美容店に多くのサービスを求める顧客ではなく、「短時間で髪を切りたい」という顧客へ価値を提供しています。

モスバーガーも、価格やスピードだけではなく、品質やおいしさを重視する顧客に選ばれる戦略を取っています。

「できるだけ多くの人へ売る」と考えるより、誰のどの課題を解決するのかを明確にした方が、必要な商品・サービスや投資先も決めやすくなります。

③「やらないこと」を決め経営資源を集中している

経営資源には限りがあります。

そのため戦略では、「何をするか」と同じくらい「何をしないか」が重要です。

スズキは小型車、コメリは農業・園芸など、自社が強みを発揮できる領域を明確にしています。

QBハウスも、従来の理美容店が提供していたサービスの一部をあえて提供しないことで、短時間という価値を実現しています。

選択と集中によって、重要な領域へ人材・資金・時間を多く投入できるようになります。

④戦略を支える仕組み・ケイパビリティを構築している

「低価格で販売する」「高品質の商品を提供する」と宣言するだけでは、競争優位にはなりません。

戦略を実現できる能力や仕組みが必要です。

こうした組織としての能力は「ケイパビリティ」と呼ばれます。

例えばニトリの場合、低価格な商品を提供できる背景には、商品企画だけでなく製造・物流・IT・販売まで含めた事業モデルがあります。

ユニクロも企画から生産、物流、販売までを管理する仕組みを構築しています。

つまり、競合が戦略そのものを理解しても簡単には真似できない実行能力を作ることが重要です。

⑤市場環境に合わせて戦略を変えている

一度成功した戦略が、永遠に有効とは限りません。

市場規模、顧客ニーズ、競合、技術、法規制などは変化します。

富士フイルムは写真フィルム市場の変化を受けて事業領域を広げました。任天堂もゲーム市場の競争環境を踏まえ、ゲーム人口そのものを広げる方向へ新たな価値を提案しました。

戦略とは固定的な計画ではなく、外部環境や自社の状況に合わせて見直し続けるものと考える必要があります。

自社に合った経営戦略を選ぶ4ステップ

他社の成功事例をそのまま自社へ当てはめても、同じ成果を得られるとは限りません。

自社に合った経営戦略を考える場合は、以下の4ステップで整理するとよいでしょう。

STEP1.経営課題と目標を明確にする

最初に「何のために経営戦略を見直すのか」を明確にします。

例えば、以下のような課題です。

  • 価格競争によって利益率が低下している
  • 既存市場が縮小している
  • 新しい収益源を作りたい
  • 限られた経営資源で競合に勝ちたい
  • 海外市場へ事業を広げたい

目的によって適した戦略は異なります。

「経営戦略を作ること」自体を目的にせず、解決したい経営課題から逆算することが重要です。

STEP2.市場・競合・顧客を分析する

次に、自社を取り巻く外部環境を把握します。

確認したいのは、例えば以下です。

  • 市場は成長しているか、縮小しているか
  • 顧客ニーズはどのように変化しているか
  • 競合企業は何を強みにしているか
  • 新しい技術や法規制による変化はないか
  • まだ十分に満たされていない需要はないか

必要に応じて3C分析やPEST分析、5フォース分析などのフレームワークを活用すると整理しやすくなります。

STEP3.自社の経営資源・強みを整理する

市場に魅力があっても、自社に必要な強みがなければ簡単には勝てません。

そこで、自社が保有している技術、人材、ブランド、顧客基盤、データ、設備、販売チャネルなどを整理します。

ポイントは、現在の商品・サービスだけで判断しないことです。

富士フイルムの例のように、現在の商品を作る裏側にある技術・ノウハウが別市場で価値を持つ可能性もあります。

STEP4.経営資源の配分とKPIを決める

最後に、戦略を実行するための経営資源を配分します。

例えば、

  • どの事業へ人材を増やすのか
  • どの市場へ投資するのか
  • どの商品を縮小・撤退するのか
  • どの技術開発へ予算を使うのか

まで決める必要があります。

また、戦略が機能しているか確認できるようKPIも設定しましょう。

経営戦略をスローガンで終わらせず、「人・予算・時間をどこへ配分するか」まで決めることが実行につながります。

経営戦略を実行して成果につなげる3つのポイント

どれだけ優れた経営戦略を作っても、実行されなければ成果にはつながりません。

戦略を具体的な施策・KPIへ落とし込む

経営戦略を、各部署が行動できるレベルまで具体化しましょう。

例えば「差別化を進める」という経営方針だけでは、現場は何をすればよいかわかりません。

そこで、

  • 商品開発では独自機能を強化する
  • マーケティングでは価格以外の価値を訴求する
  • 営業では特定顧客層への提案を強化する

など、各部門の施策へ落とし込みます。

さらに売上や利益だけでなく、戦略に応じたKPIを設定することが重要です。

戦略に合わせて人材・予算を配分する

新しい戦略を掲げても、以前と同じ予算・人員配置のままでは実行できません。

例えば新規事業を成長させるのであれば、経験のある人材を配置したり、必要な投資予算を確保したりする必要があります。

重要だと決めた領域へ実際に経営資源を移すことまでが戦略です。

定期的に成果を検証し戦略を見直す

戦略策定時に置いた前提が、実行後も正しいとは限りません。

市場環境や競合の動き、顧客の反応を定期的に確認し、必要に応じて戦略を見直しましょう。

例えば、想定していた市場が成長していない場合や、新たな競合が参入した場合には、投資配分や対象顧客を変更する判断も必要です。

計画通りに進めることではなく、目的を達成するために必要な修正を続けることが重要です。

経営戦略の策定・実行なら「フリーコンサルタント.jp」におまかせ

経営戦略の策定では、市場分析や競合分析だけでなく、自社の経営資源の整理、事業ポートフォリオの検討、KPI設計、実行計画への落とし込みなど幅広い検討が必要です。

また、戦略を策定できても、実行を推進する人材やノウハウが不足しているケースもあります。

「フリーコンサルタント.jp」は、企業とフリーランスコンサルタントをつなぐマッチングサービスです。

経営戦略や事業戦略、新規事業、業務改革など、さまざまな分野で経験を持つプロフェッショナル人材をご紹介しています。

例えば、以下のような課題がある場合に外部人材を活用できます。

  • 中期経営計画・経営戦略を見直したい
  • 市場・競合分析を踏まえて成長戦略を策定したい
  • 新規事業や海外展開を検討したい
  • 経営戦略を具体的な実行計画へ落とし込みたい
  • 社内だけでは戦略策定・プロジェクト推進のリソースが不足している

自社内の知見だけに限定せず、必要に応じて外部の専門人材を取り入れることで、戦略の策定から実行までをスピーディーに進めやすくなります。

経営戦略の策定や実行に課題を抱えている場合は、「フリーコンサルタント.jp」へぜひご相談ください。

まとめ

本記事では、代表的な経営戦略と18社の成功事例を紹介しました。

各企業が採用している戦略は異なりますが、成功事例を見ると以下のような共通点があります。

  • 自社ならではの経営資源・強みを明確にする
  • 誰にどのような価値を提供するかを決める
  • やらないことを決め、重要領域へ経営資源を集中する
  • 戦略を実現できる仕組み・ケイパビリティを構築する
  • 市場環境の変化に応じて戦略を見直す

経営戦略を考える際に重要なのは、成功企業の取り組みをそのまま真似することではありません。

例えばスターバックスの「サードプレイス」や富士フイルムの多角化を表面的に模倣しても、自社の経営資源や顧客、市場環境が異なれば同じ成果を得られるとは限りません。

「その企業はなぜその戦略を選び、どのような経営資源を使い、どのような仕組みで実行したのか」まで分析することが大切です。

まずは自社が抱える経営課題を整理したうえで、市場・競合・顧客と自社の経営資源を分析し、自社だからこそ実行できる経営戦略を検討してみましょう。

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