
近年、マーケティングや営業、カスタマーサクセスなど複数の部門が関わる企業では、部門間の連携不足やデータの分断による非効率が課題となっています。
こうした課題を解決し、収益の最大化を実現する手法として注目されているのがRevOps(Revenue Operations)です。
本記事では、RevOpsとは何かをはじめ、注目される理由、導入のメリットやポイントまでをわかりやすく解説します。RevOpsの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
RevOpsの役割とは
RevOps(Revenue Operations)とは、 マーケティング ・ 営業 ・ カスタマーサクセスの各部門を統合する組織戦略の手法の 1 つ です。「Revenue」は、日本語で「収益」「収入」などを意味します。
RevOpsの役割は、次の大きく4つに分けられます。
| 区分 | 具体的な役割 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 戦略・運用管理 | 各部門のKPI設定、収益予測(フォアキャスト)、リソース配分の最適化。 | 経営判断の迅速化、成長の再現性の確保。 |
| プロセス最適化 | リード獲得から成約、既存顧客の維持までのフロー(ファネル)の標準化。 | 部門間の摩擦解消、リードの取りこぼし防止。 |
| データ分析 | 部門間でバラバラなデータの統合、収益サイクルの可視化とレポーティング。 | 共通言語(単一の真実)による意思決定。 |
| テクノロジー(ツール)活用 | CRM、MA、SFAなどの選定・導入、ツール間の連携(連携基盤の構築)。 | 事務作業の自動化、現場の生産性向上。 |
従来のビジネスの手法では、各部門ごとにKPIを設定し、異なるデータやシステムを用いて業務を行ってきました。しかし、収益を生み出す仕組みが多様化したことで、部門間での情報の分断による業務の非効率化、顧客体験の質の低下、コスト増大などの問題が発生するケースも少なくありません。
RevOpsは、 各部門の縦割り分断「サイロ化」を解消し、データや業務プロセスなどの横断的な連携を実現 します。
企業として一貫した顧客体験を提供し、継続的な収益を得る手法の1つです。
RevOpsが注目されている理由
RevOpsが注目されている理由として、 顧客体験の重要性の高まりと購買プロセスの複雑化 が挙げられます。
近年、多くのビジネスは販売して終わりではなく、継続的な関係の構築が前提です。リード獲得から契約、維持に至るまで、すべての顧客との接点が継続を左右します。そのため、利用開始から終了までのライフサイクル全体を通して、高品質な顧客体験を提供することが重要です。
しかし、企業内の各部門がサイロ化されていると、情報の共有不足や業務の非効率化によって顧客体験の低下を招きます。部門間の連携不足による対応の違いや遅れは、サービスの一貫性を損ねるでしょう。
RevOpsは、 各部門のサイロ化が引き起こす顧客体験を損ねる問題を解消するうえで効果的な仕組み です。
部門を横断した連携を実現し、組織全体で顧客中心の価値提供を行うためにRevOpsは注目されています。
RevOpsの効果と得られるメリット4つ
RevOpsの導入によって得られる、4つの具体的なメリットについて、以下で解説します。
- 各部門の連携強化
- 顧客体験価値の最大化
- 意思決定の改善
- コスト削減
①各部門の連携強化
RevOpsにより、 各部門が一貫性のあるKGI・KPI、データやツールを横断的に管理できるようになることで社内連携を強化することができます 。
企業において、マーケティング・営業・カスタマーサクセスなどの部門が、それぞれ異なるツールや業務プロセスを用いて業務を進めることも多いでしょう。しかし、このようなサイロ化によって情報共有や連携が不足すれば、顧客対応の質や業務効率が低下します。
しかし、RevOpsの導入によって、KPI・業務プロセス・データ・運用ルールなどの一元管理が可能です。それにより、 さまざまな情報や業務が連動し、部門間の連携 を強化することができ、収益の最大化に繋げられる でしょう。
②顧客体験価値の最大化
各部門の対応を統一することで、 顧客との認識の齟齬や不要なやり取りを防ぎ、円滑な対応が可能 です。
たとえば、情報の一元管理により、営業部門がヒアリングした顧客の課題について、カスタマーサクセスも同様に把握できます。契約受注時の情報を自動でCSへ共有できるようにすることでリード顧客の獲得にも繋げることが可能です。
顧客の購買履歴や行動のデータを分析することで、最適なタイミングでのフォローアップも行えます。
また、資料請求や契約・更新手続きなども自動化させることで、顧客は手続きをスムーズに行えることから、契約時の事務的なストレスを省くこともできます。
顧客体験の向上によって、 リピート・アップセル・クロスセルなどのLTVの最大化にも つなげることができる でしょう。
③意思決定の改善
統合されたデータを利用すれば 、各部署で同じ情報にアクセスできるようになるため、受け取る情報に齟齬がなく、迅速な意思決定によって市場ニーズの変化に柔軟に対応可能 です。
マーケティングや営業、カスタマーサクセスなどがそれぞれ異なるデータを管理している場合、データの集約に時間がかかります。また、システムの違いにより、データの整合性が取れていないケースも考えられるでしょう。データの集約に時間と手間がかかれば、リアルタイムでの状況の把握が難しくなります。さらに、意思決定に時間がかかれば、売上機会の損失や市場変化に対応できないという事態を招く恐れがあります。
そのため、RevOpsによりデータを統合し、データを一貫性のあるものに整備しておきましょう。
④コスト削減
CRMやMAなどの ツール統合により業務プロセスを整備することで、コスト削減と人的リソースの最適化も可能 です。
営業やマーケティング等の各部門間で同じツールで顧客情報を管理すれば、転記や二重入力が不要になります。よって、不要な業務の廃止、手作業の自動化により、時間的なコストが削減可能です。
RevOpsにより各部門のデータや業務プロセスが整備されるで、成果に直結する生産性の高い業務にリソースを集中できるでしょう。
RevOpsの導入がおすすめな企業
RevOpsの導入は、顧客との接点が多い企業や中規模以上の企業におすすめです。
具体的には、以下の特徴を持つ企業におすすめといえるでしょう。
- 複数の部門が顧客と接点を持つ企業
- SaaSをはじめとしたサブスクリプション型のサービスを提供する企業
- 分業体制によって機会損失や顧客満足度の低下が課題となっている企業
- 使用ツールが各部門で異なり、管理が煩雑になっている企業
- 顧客単価が高く、正確な管理が収益に直結する企業
一方で、運用がシンプルな小規模企業や部門間の連携が少ない企業では、RevOpsを導入する優先度は下げると良いでしょう。
RevOpsの導入タイミング
RevOpsの導入を検討すべきタイミングは、 部門間の分断が始まったときと収益が伸び悩んでいるとき です。
従業員数が50名を超えると部門間の分断が始まる場合が多く、共通目標が持ちづらくなります。さらなる事業の拡大を目指す場合には、RevOpsの導入によって部門間の連携を実現し、一貫性のあるKGI・KPIなどの指標を定めましょう。
また、 データ管理や営業活動の効率が低下し、収益に影響を与えている場合にも、RevOpsの導入 検討がおすすめ です。ツールの統合とデータの一元管理による業務効率化により、収益の改善が見込めます。
RevOpsを導入する際のポイント5つ
RevOpsを定着させ、導入を成功させるためには、正しいポイントを押さえることが重要です。
5つのRevOps導入のポイントについて以下で解説します。
- 導入目的の明確化
- データの連携・一元管理
- CROの配置
- 適切なツール導入
- RevOpsを自社完結しない
①導入の目的を明らかにする
RevOpsは、異なる部門を動かすための仕組みづくりです。 導入目的が明確でなければ、ツールの導入にとどまり、想定した成果を得ることは難しくなります 。そのため、まずはデータや業務プロセスを棚卸して、どこに課題があるのかを把握しましょう。 導入の段階で課題を可視化できれば、導入後の各部門間の連携もスムーズに取ることが可能 です。
また、導入の目的が不明確であれば、社員の協力を得られず、反発を生むことが考えられます。そのため「なぜ、RevOpsの導入が今必要なのか」という理由を示し、社員の理解を得ることが大切です。統一した目的意識が共有できれば、社員一人ひとりが自分ごととしてRevOpsの導入に取り組めるでしょう。
②データ連携・一元管理を行う
各部門に散在する収益や顧客に関するデータを1つにまとめ、現場で誰でも活用できる状態を作るようにしましょう。 活用するデータを整備することで、意思決定のスピードを加速させることが可能 です。
各従業員が活用するデータがバラバラの場合、顧客に提案できるサービスや説明の質が低下し、トラブルにもなりかねません。常に、最新のデータが整っている状態にするとともに、データの重複や誤入力等がないようにしましょう。
また、 管理データの安全を担保するために、アクセス管理を徹底することが重要 です。閲覧権限や編集権限を設けて、各部門で必要な情報のみ見れるようにするのも良いでしょう。
適切なデータの一元管理と連携を行うことで、収益最大化のための活動の基盤となる共通指標を持つことができます。
③CROを配置する
RevOpsの導入では、 組織全体の収益戦略を統括する責任者として、CRO(Chief Revenue Officer)を配置すると効果的 です。RevOpsにおける各部門のKPI・KGI・目標・戦略の調整を行い、円滑な連携を促進するため、リード獲得から顧客維持に至るまでのすべてのプロセスにおいて、最適化が行えます。
CROを配置することで、経営トップとのパイプ役となり、収益最大化に向けた戦略立案・実行が可能になるでしょう。
④適切なツール導入を行い体制を整える
RevOpsには 企業の課題を解決し、各部門を統合する基盤となるツールの導入が必要 です。効果を最大限に高めるために、課題解決に適した機能を持つツールを選定しましょう。
RevOpsに必要となる主なツールとして、以下が挙げられます。
- CRM(顧客関係管理)ツール
- MA(マーケティングオートメーション)ツール
- SFA(営業支援)ツール
- BI(ビジネスインテリジェンス)ツール
- 収益予測ツール
- 社内コラボレーションツール
なかでも、 顧客データを一元管理するCRMは特に重要 です。営業やマーケティング、カスタマーサポートなどの各部門の連携の要となる情報源となるからです。
また、 ツールの導入の際は、日常的に使用する現場の声に耳を傾けましょう 。どれだけ機能性が高いツールであっても、使いこなせなければ成果は得られません。そして、新しいツールの導入には、学習コストが少なからずかかります。
機能のわかりやすさや操作性を加味し、現場の声を反映したツールの導入を行うことが、RevOpsの導入を成功させる大切なポイントです。
⑤自社完結にこだわらず、外部人材も活用する
RevOpsの重要性が高まる中、多くの企業がまずは自社のリソースだけで体制を構築しようと試みます。しかし、 自社リソースだけで取り組む場合は、途中でプロジェクトが形骸化したり、現場の混乱を招いたりして、失敗するケースも少なくありません。
そこで、外部人材を活用することで、成功率を大きく高められます。外部人材は、社内のパワーバランスに左右されないため、妥協的な施策に落ち着いてしまうこともありません。また、データや保有している専門知識に基づいた客観的な視点で、最適解を提言してくれます。学習期間やコストをカットしたうえで、すぐに取り組んでもらえるため、施策の進行や定着がスムーズに行えるでしょう。
一方で、RevOpsが自社完結で失敗しやすい理由を次項にて解説していきます。
RevOpsが自社完結で失敗しやすい理由と解決方法
RevOpsの導入を自社で完結させることが難しい理由は、次の通りです。
- 部門間での綿密な調整不足
- ツールの統合のための時間と技術不足
- RevOpsの導入後の改善・調整不足
- RevOpsを深く理解した専門の人材不足
①部門間での綿密な調整不足
RevOpsを導入して仕組みとして定着させるためには、社員の協力と理解が不可欠です。 既存の業務プロセスや社員の意識を加味せず、RevOpsの導入をトップダウンで強引に行えば、現場の反発を招きます 。
RevOpsの導入を成功させるためには、目標に対する共通認識を根付かせ、社員の意識や業務に寄り添うことが成功のカギとなります。
②ツールの統合のための時間と技術不足
CRMやMA等の既存ツールを データとして統合するには、高度な技術力と知識が必要 になります。
また、単にツールを連携するだけでは情報の重複が生じるため、データクレンジングが必要です。しかし、データ統合は膨大な工数がかかるため、日々の業務を抱える従業員に任せるとなると、なかなか完了しないケースも少なくありません。 また、技術が不足していることから、完璧なデータ統合が行えていないということもあるでしょう。
自社だけで難しいと判断した場合は、外部人材を活用するなどして対策を行うことをおすすめします。
③RevOpsの導入後の改善・調整不足
RevOpsは仕組みを作るだけではなく、導入後に環境や事業展開に合わせて変化させていていくことが求められます。 自社のみで導入する場合は、導入がゴールになりやすく、稼働後のPDCAが 回らない ことも多い です。よって、データの蓄積はあるものの、誰も上手に活用できていない、という状況が発生しかねません。
導入後、改善・調整を行うにも時間や運用体制の整備が求められます。持続的に運用していくためにも、 社内の運用体制を整えることも重要 といえるでしょう。
④RevOpsを深く理解した専門の人材不足
RevOpsには、 ビジネス戦略やデータ分析、ITスキルなどの知識に精通した人材の力が必要 になります。しかし、日本国内においてマルチスキルを持つ人材は現在不足しており、自社で育成するには多大な時間とコストが必要です。
自社リソースだけで完結したいと考える企業が既存社員に任せるケースもありますが、結果的に投資対効果が合わない事態も招いてしまうケースも少なくありません。自社のみで難しいと判断した場合は、外部人材の活用も視野に入れましょう。
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RevOpsの導入に必要となる以下の点に対して、社内のリソースでの対応に不安を感じている場合もあるでしょう。
- 業務プロセスの可視化
- データの一元管理・連携
- 適切なツールの導入
- 組織への定着
このような点で不安を感じている経営者様や事業責任者様は、ぜひフリーコンサルタント.jpにご相談ください。
フリーコンサルタント.jpのプロ人材の導入事例3選
フリーコンサルタント.jpのプロ人材の導入事例を3つ紹介します。業務効率化に悩んでいる経営者様や事業責任者様は、ぜひ参考にしてください。
- 大手ネット証券銀行様
- 大手人材サービス様(東証一部上場)
①大手ネット証券銀行様
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②大手人材サービス企業様(東証一部上場)
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プロ人材が、経営層から現場オペレーターまで伴走しながら全業務工程を可視化し、現状(As-is)と目指す姿(To-be)の整理から、業務の再設計、現場への導入までを一貫 して実施しました。その結果、 業務フローが整備され、滞留案件は減少し、現場の生産性がアップ しました。
まとめ
RevOpsは、 マーケティング・営業・カスタマーサクセスといった各部門を横断的に連携させ、収益の最大化を目指す組織戦略 です。
部門のサイロ化を解消し、データや業務プロセスを一元化することで、顧客体験の向上や意思決定の迅速化、コスト削減など多くのメリットが期待できます。
導入を成功させるためには、明確な目的設定やデータ基盤の整備、適切なツールの選定などが重要です。自社の課題や組織規模を踏まえ、最適なタイミングでRevOpsの導入を検討しましょう。
なお、フリーコンサルタント.jp では、RevOpsの戦略設計からデータ統合、ツール導入、組織への定着まで、各企業様の課題に合わせプロ人材をご紹介いたします。ご相談は無料のため、まずはお気軽にお問い合わせください。





