「セールスイネーブルメントって何?」
「どうやって営業チームを強化できるの?」
そう思う方もいるかもしれません。
営業活動の属人化や、非効率な作業に課題を感じている方もいるでしょう。実は、セールスイネーブルメントを導入することで、営業チームのパフォーマンスを大幅に向上させ、課題を解決できます。
本記事では、セールスイネーブルメントの基本的な概念、成功事例、そして具体的なツールの紹介を通じて、営業チームを強化する方法を解説します。
セールスイネーブルメントを活用して、営業効率を高め、売上アップを目指したいと考えている方はぜひご覧ください。
また、チーム全体でパフォーマンスを高める仕組みづくりを詳しく知りたい方は、以下の資料を参考にして下さい。
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営業組織の最適化がもたらす効果と取り組み方法
■目次
セールスイネーブルメントとは?目的や意味
セールスイネーブルメントとは、営業担当者が顧客に最適な情報を提供し、多くの商談を獲得できるようにするアプローチです。 具体的には、営業チームに必要なトレーニング、コンテンツ、ツールなどを提供し、営業プロセス全体を最適化し、売上向上を目指します。
多くの企業では、営業担当者がさまざまな課題を抱えているでしょう。たとえば、社内での情報共有の不足、非効率な作業プロセス、顧客ニーズの把握不足などです。
紹介した課題は、セールスイネーブルメントによって解決できる可能性があります。セールスイネーブルメントは、営業担当者のパフォーマンス向上、ひいては企業全体の成長に大きく貢献する取り組みです。
セールスイネーブルメントの具体的な定義、目的、そして営業企画との違いについて、見ていきましょう。
セールスイネーブルメントの定義
セールスイネーブルメントとは、適切なタイミングで適切な人に適切なコンテンツを提供し、売上を最大化する戦略的プロセスです。
つまり、ただ闇雲に営業活動をするのではなく、データにもとづいて戦略的に行動することで、効率的に成果をあげることを目指します。 現代の複雑化したビジネス環境において、重要な考え方です。
セールスイネーブルメントの目的
セールスイネーブルメントの最終的な目的は、売上の向上です。しかし、単に売上を伸ばすだけでなく、持続的な成長を実現するために、営業チーム全体の能力向上を目指します。
個々の営業担当者のスキルアップはもちろんのこと、チーム全体の連携強化や、組織全体の営業力底上げも重要な目的となります。
セールスイネーブルメントと営業企画の違い
セールスイネーブルメントと営業企画は、どちらも営業活動を支援する役割を担いますが、アプローチは異なります。
営業企画は、主に市場分析や戦略立案、販売計画策定など、経営層に近い立場で全体的な方向性を決める役割です。 一方、セールスイネーブルメントは、営業担当者一人ひとりのパフォーマンス向上に焦点を当て、現場に近い立場で支援を行う役割です。
両者は密接に連携しながら、相乗効果を生み出すことで、より大きな成果を生み出せるでしょう。
セールスイネーブルメントが重要になった背景
セールスイネーブルメントは、変化の激しい現代社会において、企業の持続的な成長を支える重要な戦略です。セールスイネーブルメントがなぜ重要なのかを理解し、自社の営業戦略に役立てるためのヒントを得られます。
具体的には、以下の3つの背景から、セールスイネーブルメントの重要性が高まっています。
- セールスイネーブルメントの市場規模の拡大
- 顧客ニーズの多様化と購買行動の変化
- デジタル化の進展によるリモートワークの普及
重要になった背景を理解することで、今後のビジネス戦略を検討するうえで新たな視点が得られるでしょう。
セールスイネーブルメントの市場規模の拡大
セールスイネーブルメントプラットフォーム市場は、急速な成長を遂げていますResearch and Markets社の実施した調査によると、2023年には36億米ドル規模だった世界市場は、2030年には134億米ドルに達すると予測され、CAGRは20.7%にものぼります。
市場規模の拡大は、デジタル変革、効果的な顧客エンゲージメントへのニーズ、そしてAI技術の進歩といった要因です。IT、通信業界をはじめ、小売業や金融サービス業界、そしてヘルスケア分野に至るまで、さまざまな業界でセールスイネーブルメントプラットフォームの導入が進んでいます。
特に、米国と中国市場は大きな成長が見込まれており、日本、カナダ、ドイツ、アジア太平洋地域も市場拡大を牽引する重要な地域として注目されています。世界的な市場拡大は、セールスイネーブルメントが現代ビジネスにおいて不可欠な戦略になりつつあることを示してるでしょう。
参照元:Sales Enablement Platform – Global Strategic Business Report- Product Image
Sales Enablement Platform – Global Strategic Business Report
顧客ニーズの多様化と購買行動の変化
インターネットの普及により、顧客は自ら情報収集を行い、比較検討してから購買するようになりました。 もはや営業担当者からの一方的な情報提供だけでは顧客の心を掴むことは難しく、顧客一人ひとりのニーズに合わせたきめ細やかな対応が求められています。
顧客は多様な情報源から情報を得ており、企業のWebサイト、SNS、口コミサイト、比較サイトなど、あらゆるチャネルを活用しています。 購買行動の変化した現代では、顧客とのエンゲージメントを高め、信頼関係を構築する点が重要です。
顧客の購買プロセスを深く理解し、適切なタイミングで適切な情報を提供する必要があります。 セールスイネーブルメントは、まさにこの課題を解決するための有効な手段といえるでしょう。
デジタル化の進展によるリモートワークの普及
リモートワークの普及により、営業活動のデジタル化が加速しています。オンライン商談やWeb会議システムの活用など、デジタルツールを活用した営業活動が当たり前になりつつある状況です。デジタル化の進展による変化は、営業担当者にとって新たな挑戦をもたらすと同時に、大きなチャンスも秘めています。
場所に縛られない営業活動により、多くの顧客へのアプローチや移動時間の短縮、コスト削減など、効率化が可能になりました。たとえば、オンライン商談で多くの顧客にアプローチし、移動時間を削減できます。
リモートワークの普及は、デジタルツールを活用した新たな営業スタイルを確立し、多くのビジネスチャンスを生み出す可能性を高めているでしょう。
セールスイネーブルメントの具体的な5つの取り組み
セールスイネーブルメントの実践には、具体的な戦略と行動が不可欠です。ここでは、セールスイネーブルメントを推進するための以下の5つの具体的な取り組みについて解説します。
- 現状分析と目標設定
- コンテンツ開発
- トレーニングプログラムの実施
- データ収集と分析
- PDCAサイクルの実践
紹介した取り組みを一つずつ理解することで、セールスイネーブルメントを効果的に推進するための道筋が見えるでしょう。
現状分析と目標設定
セールスイネーブルメントを始める前に、現状の営業活動を徹底的に分析し、課題と目標を明確にする点が重要です。漠然とした目標設定では、効果的な施策を立てることができません。
現状を分析し「営業プロセスの課題は何か?」「売上向上に繋がる目標は何か?」を具体的に考えましょう。たとえば、顧客との接点が少ない、提案内容に一貫性がない、営業担当者のスキルにばらつきがあるなど、さまざまな課題が明らかになるかもしれません。
課題を踏まえ、具体的で測定可能な目標を設定することで、進捗状況を把握しやすくなり、モチベーション維持にもつながるでしょう。
コンテンツ開発
顧客にとって価値のあるコンテンツを開発し、営業活動に活用することは、セールスイネーブルメントを推進するうえで不可欠です。顧客のニーズを的確に捉えたコンテンツの提供は、顧客とのエンゲージメントを高め、購買意欲を高められます。
顧客の課題解決に役立つブログ記事、事例紹介、動画など多様なコンテンツで購買を後押ししましょう。たとえば、ホワイトペーパーや製品紹介動画などが効果的です。また、コンテンツを営業担当者が活用しやすいようにデータベース化し、適切なタイミングで顧客に提供できるような仕組みを構築する点も重要です。
トレーニングプログラムの実施
営業担当者のスキルアップは、セールスイネーブルメントの重要な要素です。トレーニングプログラムを実施することで、営業担当者の知識やスキルを高め、パフォーマンス向上につなげられます。
トレーニング内容としては以下の内容が挙げられます。
- 製品知識
- 営業スキル
- 顧客対応スキル
- プレゼンテーションスキル
- 交渉スキル
- クロージングスキル など
また、ロールプレイングやケーススタディなどを交えた実践的なトレーニングを行うことで、より効果的な学習が可能です。オンライン学習プラットフォームを活用すれば、場所や時間に縛られずに学習できる環境を整備できます。eラーニングシステムの導入により、学習進捗状況の管理や個々のニーズに合わせた学習コンテンツ提供が可能になるでしょう。
データ収集と分析
データにもとづいて営業活動を分析することは、セールスイネーブルメントの成功に不可欠です。
以下の数値を分析することで、顧客のニーズや購買行動を深く理解できます。
- 顧客情報
- 商談履歴
- Webサイトアクセス状況
- メール開封率
- コンテンツダウンロード数など
顧客の興味を引くコンテンツ、流入が多いチャネル、成約率の高い担当者を分析することで、効果的な施策を特定し改善が可能です。
たとえば、コンテンツ別反応やチャネル別流入数、担当者別成約率などを分析します。
また、CRMやMAツールなどを活用することで、データを自動的に収集、分析し、リアルタイムに分析結果を見れます。
PDCAサイクルの実践
セールスイネーブルメントは、一度導入すれば終わりではありません。継続的に改善を繰り返すことで、より大きな効果を発揮します。PDCAサイクルを回し、現状分析、計画、実行、評価、改善を繰り返すことで、常に最適な状態を維持することが重要です。
市場環境や顧客ニーズの変化に合わせて、柔軟に戦略を修正していくことで、持続的な成長を実現できるでしょう。
セールスイネーブルメントを実施した日本企業の成功事例
セールスイネーブルメントは、さまざまな企業で導入が進み、成果を上げています。 他社の成功事例を学ぶことで、自社に合ったセールスイネーブルメント戦略を構築するためのヒントを得られるでしょう。
ここでは、セールスイネーブルメントを導入し、成功を収めた日本企業3社の事例を紹介します。
- NTTコミュニケーションズ
- Sansan株式会社
- 東芝テック
NTTコミュニケーションズ
NTTコミュニケーションズは、SFAやMAを導入し、営業活動の可視化を図りました。営業データを専門に扱うチームを立ち上げ、成功事例の社内共有を推進しています。データにもとづいた改善を継続することで、営業スタイルの変革や組織としての強化に成功しました。
セールスイネーブルメントを成功させるためには、データドリブンな考え方が重要であることを示しています。 データにもとづいて現状を分析し、改善策を講じることで、着実に成果を積みあげていけるでしょう。
Sansan株式会社
名刺管理アプリなどの営業DXサービスを提供するSansan株式会社は、営業の生産性向上のために人材育成に注力しました。新人教育の基盤を整備し、オンボーディングプログラムを構築して学びやすい環境を作っています。
また、KPIの見直しにより目標達成率を改善し、人材の定着と成長の促進を進めているのがポイントです。動画講義やロールプレイングなど多くのカリキュラムを導入しているのも特徴で、多角的な視点で会社を成長させられる仕組みを作っています。
Sansan株式会社の事例は、人材育成こそがセールスイネーブルメントであることを示唆しています。
東芝テック
東芝テック株式会社では、テレワークによる営業活動を実施しています。しかし、オンライン営業を実施するとともに各担当者の経験や知識に頼った自己流の営業により、営業スキルにバラつきが生じる課題を抱えていました。
そこで営業スキルの標準化を目的に「セールスイネーブルメントツールの導入」「営業担当が商品を紹介し、ダウンロードできる動画の作成」の2点に取り組みました。セールスイネーブルメントツールでデータやノウハウを蓄積し取り入れた動画を活用することで、営業トークや提案資料の均一化を図り、営業活動の標準化を達成しています。
東芝テックの事例は、ツールとコンテンツを効果的に活用することで、営業活動の標準化を実現できることを示しています。
おすすめのセールスイネーブルメントツール
優れたセールスイネーブルメントツールを導入することで、営業活動を効率化し、売上をあげられます。さまざまなツールが存在するため、自社のニーズに合ったツールを選ぶことが重要です。
ここでは、下記の3つのツールを紹介します。
- DealPods(ディールポッズ)
- Mazrica Sales(マツリカセールス)
- MiiTel(ミーテル)
紹介するツールの詳細な機能やメリットを理解することで、自社に合ったツールを選択できるでしょう。
DealPods(ディールポッズ)大型商談を成約導くDSRツール
DealPods(ディールポッズ)は、営業と顧客間のコミュニケーションを一元管理できるカスタマーコラボレーションプラットフォームです。
DealPodsは、以下の情報を一つの専用Webページにまとめて共有できます。
- 製品資料
- WebページURL
- 議事録
- タスク管理
また、コンテンツ管理機能、商談テンプレート機能、インテントデータ取得機能、SFA/CRM自動入力機能など、営業活動を支援するさまざまな機能が搭載されています。
Mazrica Sales(マツリカセールス)後発・国産・最先端の営業支援ツール
Mazrica Sales(マツリカセールス)は、Google WorkspaceやMicrosoft 365と連携し、入力負荷を軽減する国産の営業支援ツールです。視覚的にわかりやすい案件管理画面、営業ボトルネック分析レポート、AIによるネクストアクションレコメンドなど、データ蓄積から分析、改善までを網羅的にサポートします。
モバイルアプリも提供しており、Starterプランは月額27,500円(5ユーザー)、Growthプランは月額110,000円(10ユーザー)から利用可能です。案件管理、進捗管理を手軽に行いたい企業、営業の入力負荷を下げ、営業効率を上げたい企業におすすめです。
MiiTel(ミーテル)AIが通話内容を解析して定量評価
MiiTel(ミーテル)は、クラウドIP電話で、AIが通話内容を解析し定量評価を行うツールです。通話内容の自動録音、全文文字起こし、重要部分の抜粋、CRM/SFAやビジネスチャットツールとの連携など、営業活動の効率化と質の向上を支援する機能が充実しています。
月額5,980円/1IDで利用可能です。通話内容の分析を通じて営業スキル向上を目指したい企業におすすめです。AIによる通話分析で営業の質を高めたいと考えているなら、MiiTelは強力なツールとなるでしょう。
まとめ
セールスイネーブルメントは、変化する市場環境において営業組織を強化し、持続的な成長を実現するための重要な考え方です。本記事では、その定義からメリット、具体的な取り組み、成功事例、そしておすすめのツールまでを解説しました。
顧客ニーズの多様化やデジタル化の進展に伴い、営業活動の効率化と質の向上が不可欠となっています。セールスイネーブルメントは、まさにこれらの課題を解決するための有効なアプローチといえるでしょう。
セールスイネーブルメントを成功させるためには、現状分析にもとづいた明確な目標設定と、戦略的なツール選定、そして継続的なPDCAサイクルの実践が重要です。個々の営業担当者のスキルアップだけでなく、組織全体の連携強化を図ることで、最大限の効果を発揮できるでしょう。
営業組織の強化を図るセールスイネーブルメントチームの組成や仕組み作りなど、自社内だけでの対応が難しい場合は、外部プロフェッショナル人材の招へいを検討する必要があるでしょう。
株式会社みらいワークスは、国内最大級のプロフェッショナル人材DBを運営している企業です。ぜひお気軽にご相談下さい。
(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)