
近年、企業の競争が激化する中、専門性の高い人材の重要性はますます高まっています。
「プロフェッショナル人材(通称:プロ人材)」は、その専門知識や経験を活かして、企業の課題解決や新たな価値創造に貢献する存在として注目を集めるようになりました。
本記事では、プロフェッショナル人材の定義から、具体的な種類、企業における活用事例、効果的な採用方法まで、多角的に解説していきます。人材育成や採用に携わる方、企業の成長に関心のある方はぜひご一読ください。
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■目次
プロ人材(プロフェッショナル人材)とは?
プロ人材(プロフェッショナル人材)とは、特定の分野において高度な専門知識や経験を有し、企業の課題解決や新たな価値創造に貢献する人材のことです。
プロ人材(プロフェッショナル人材)が手がける業務の幅は広く、コンサルティングから新規事業立ち上げ、商品(サービス)開発、組織改革、人材育成、経営戦略まで多岐に渡ります。
また、スタートアップ企業やベンチャー企業など立ち上げ期に活用されることはもちろん、大企業が「外の風を入れたい」「自社にはない知見がほしい」などの理由でプロ人材(プロフェッショナル人材)を活用するケースも増えてきています。
プロ人材事業とは?
プロ人材事業とは、企業の成長を支援するために高度な専門知識や経験を持つプロフェッショナル人材を企業に紹介、派遣する事業のことです。各企業が抱える経営課題や人材不足といった問題に対し、最適なプロフェッショナル人材をマッチングさせることで、迅速な解決を目指します。
主に、人材紹介、人材派遣、人材育成、コンサルティングのいずれかの形態でサービスを提供しており、企業の課題に合わせて変動してもらえるケースも多いです。他社のノウハウを直接取り入れたいときは人材紹介または人材派遣を、社内人材をプロ人材(プロフェッショナル人材)にキャリアアップさせたいときは人材育成またはコンサルティングを利用するのが良いでしょう。
プロ人材を求める企業が年々増加している理由
プロ人材を求める企業が年々増加している理由として、急激なグローバル化と技術革新が挙げられます。
近年は特に国際競争が激化しており、各企業にとって国内企業だけでなく海外企業もライバルになることが増えました。専門知識と国際感覚を兼ね備えた人材がいない限り、同業他社や海外企業にシェアを奪われてしまうことが多くなるでしょう。
また、新しい技術が次々と登場するに従い、素早い意思決定と確実な市場分析に伴う「変化」が求められるようになったことも、プロ人材を求める企業が増えた理由のひとつです。コンサルティング人材はもちろん、 AI、IoT、ビッグデータなどの専門知識を持つプロ人材も重宝されるようになり、豊富な実務経験に基づいた実践力がある人は大いに頼りになります。
その他、少子高齢化に伴う労働人口の減少により、有能な人材の獲得が困難になるなど課題は多数存在します。その点、プロ人材がいると効率よく自社の成長戦略を描けるようになり、ロスやリスクを少なくすることにもつながるのです。
プロ人材の4つの種類
ここでは、プロ人材の種類を解説します。一口に「プロ人材」と言っても、持っているスキルや経験は人それぞれ異なります。自社がどのようなプロ人材にオファーを出すべきか探るためにも、まずはプロ人材の種類を知っておきましょう。
①オペレーター人材
オペレーター人材とは、企業の成長戦略や事業戦略を現場レベルで遂行、実行する能力に長けているプロ人材です。専門知識やスキルを活かして業務効率化や品質向上に貢献する他、現場で働く人とのコミュニケーションも行いながら、円滑な人間関係と情報共有で業務遂行を支援してくれます。
現場で必要なスキルセットが身についているため、エンジニア、プログラマー、デザイナー、マーケター、アナリストなど専門職として稼働するのが一般的です。たとえばエンジニアであれば製品開発、システム設計、メンテナンスなど、技術的な側面から企業を支えてくれるので、社内にエンジニア人材がいないときに大きく貢献してくれるでしょう。
②マネージャー人材
マネージャー人材とは、組織の目標達成のためにチームを率い、チームメンバーのモチベーションを高めたりスキルアップを促進したりできるプロ人材です。組織全体のゴールを達成するために具体的な目標を設定し、計画を立案してくれるので、組織全体のかじ取りがしやすくなります。
その他、チームメンバーの能力開発を行って組織全体の成長に貢献したり、チームメンバーとのコミュニケーションを密に行ったりと、情報共有やモチベーション向上を図ってもらえることも多いです。
人に好かれるような人材が多いのも特徴で、自然と社内に溶け込むことができ、社内の雰囲気も良くなります。チームを鼓舞し、目標達成に向けて導く力のある人材と言えるでしょう。
③スペシャリスト人材
スペシャリスト人材とは、特定の分野において深い知識や高度なスキルを持ち、その分野の専門家として活躍するプロ人材です。AI、IoT、ビッグデータなど、最先端知識に関する知見が広かったり、ニッチな分野に特化した専門知識を持っていたりします。
また、グローバル人材として活躍していて、今後市場を広げたい国や地域に対する知見が深い人も、プロフェッショナル人材として頼りにして良いでしょう。
さらに「新規事業の創出」「組織の活性化」「ビッグデータ活用」など、特定の領域に絞り込んでスペシャリスト人材を探すことも可能です。自社が何を解決したいのか、課題や問題にフォーカスして依頼する人を決めましょう。
④エグゼクティブ人材
エグゼクティブ人材とは、一般的に企業の経営層や高位管理職として稼働できるプロ人材です。具体的には、CEO(最高経営責任者)、COO(最高執行責任者)、CFO(最高財務責任者)などの役職者が挙げられます。
顧客、株主、従業員など様々なステークホルダーとの関係を構築して企業の信頼性を高めてくれるので、経営のパートナーがほしいときに最適です。外部のコンサルタント以上に自社へ入り込んで戦略を組み立ててくれるので、まさに自社の一員として稼働してくれるでしょう。
その他、リスクマネジメントやヒューマンリソース管理などのノウハウに長けているエグゼクティブ人材も多いため、企業の戦略策定、意思決定、そして組織全体の運営を担う重要な役割を担う存在と言えます。
プロ人材を活用する3つのメリット
ここでは、プロ人材を活用するメリットを紹介します。プロ人材をわざわざ外部から探す理由にもつながるので、以下を参考にしてみましょう。
①課題解決に最適な人材が見つかる
自社だけで解消できない課題があるときやそもそも課題がどこにあるかわからないときは、積極的にプロ人材を活用しましょう。手あたり次第に人材を雇用したり、むやみに社員のスキルアップを図ったりするより、課題解決に最適な人材が短期間で見つかりやすくなります。
プロフェッショナル人材は、経営戦略、マーケティング、IT、エンジニアリングなど、幅広い分野で活躍しています。プロ人材に強い人材紹介会社やプラットフォームを活用すれば、自社のニーズに合った人材を効率的に探せるでしょう。また、プロジェクトの規模や期間に合わせて最適な契約形態を選択すれば、効率的な業務遂行が可能になります。
②専門性の高い業務も遂行できるようになる
プロ人材は、特定の分野に特化した長年の経験と知識を蓄積しています。そのため、自社にはない知見やノウハウを頼ることができ、専門性の高い業務が遂行できるようになります。
学術的な知識だけでなく、実際の業務の中で培われた実践的なスキルを持っている人が「プロ人材」と呼ばれているため、複雑な問題に対して独自の視点と経験に基づいた解決策を提示してもらえるのもメリットです。
プログラマー、システムエンジニア、データサイエンティストなどのIT系技術職はもちろん、アナリストやトレーダーなど深い金融知識が必要な職種、デザイナー、ライター、動画編集者などクリエイティブスキルを必要とする職種でも、プロ人材が役立ちます。
③客観的な意見をもらえる
プロ人材は、専門性と経験に基づいた客観的な視点を持っているため、自社にはない気づきや発見をもたらしてくれることも多いです。問題の本質を正確に捉えて客観的な分析をしてくれることもあり、最適な解決策につながることも珍しくありません。
また、組織の内部に属していないため、内部の政治や感情的な問題に左右されずに客観的な意見を伝えてくれることもメリットです。結果として、客観的な意見が組織の課題解決や新たな価値観の創造につながることもあります。
プロフェッショナル人材と信頼関係を築きながら、より率直な意見を引き出していきましょう。
プロ人材を活用するデメリット
プロ人材を活用するメリットは多いですが、一方でデメリットもあります。
特に、プロ人材とのミスマッチが起きたときは大きなデメリットとなるでしょう。「依頼する人材を間違えた」という明確な後悔から「高いスキルがあることは間違いないが自社の企業風土と合わない」というわずかな違和感まで、ミスマッチの内容はさまざまです。また、企業が期待する能力、スキル、企業文化や価値観などが一致せず、結果として双方にとって満足のいく関係を築けない状態になってしまうこともあります。
企業と人材のミスマッチが起きると、プロ人材の活用にかかったコストや時間が無駄になってしまうことに加え、プロジェクトの遅延や品質の低下にもつながります。そのため、具体的にどのような人材を求めているのか明確にしてから依頼するなど、ミスマッチが起こらないようにする対策が不可欠です。
プロ人材を採用する方法2つ
プロ人材を正社員として見つけるのは、ハードルが高いので注意しましょう。人材がいない、給料が高い、など課題に悩まされるときはプロ人材の活用がおすすめです。ここでは、プロ人材を採用する方法を解説します。
①地域のプロ人材戦略拠点に相談する
地域のプロフェッショナル人材戦略拠点は、企業の成長を支援するために、専門知識や経験を持つ人材の採用、育成をサポートする機関です。全国各地に点在しており、人材採用に関する専門知識を持ったスタッフが企業のニーズに合った人材探しをサポートしてくれます。
地域の産業動向や人材の現状など、地域に精通した情報に基づいたアドバイスも受けられるので、積極的に活用してみると良いでしょう。
②マッチングサービスを活用する
プロ人材用のマッチングサービスを活用することも近道です。膨大な数のプロフェッショナル人材の中から、自社が求めるスキルや経験を持つ人材を効率的に探し出せます。特に、マネージャー以上の人材を専門にしたサービスを利用すれば、プロ人材と出会える確率も高くなるでしょう。
また、多くのマッチングサービスはコンシェルジュやアドバイザーが常駐しているので、どんなプロ人材に依頼するべきか迷ったときの相談先としてもおすすめです。
フリーコンサルタント.jpがおすすめ!
プロ人材のマッチングサービスの中でも、特におすすめしたいのが「フリーコンサルタント.jp」です。
フリーランスのコンサルタントと企業をマッチングさせる日本最大級のプラットフォームであり、22,000人ものプロ人材が在籍しています。また、戦略コンサルティング、PMO、ITコンサルティングなど、専門性の高い案件別に人材を探すことも可能です。
企業規模や業種を問わず利用でき、実際に大手企業からスタートアップまで、幅広い企業が利用しているのでお気軽にご相談ください。
プロ人材の活用事例5選
最後に、プロ人材の活用に成功した事例を紹介します。他社がどのようにプロ人材を活用しているか知り、自社にも役立つ要素がないか探っていきましょう。
有限会社春華堂|販路拡大
うなぎパイの製造、販売で知られている老舗菓子メーカー「有限会社春華堂」では、和菓子から洋菓子へと事業を拡大するためにプロ人材を活用しました。今後50年の成長を見据え、新たなブランド「五穀屋」と「coneri」を立ち上げた結果、和菓子でも洋菓子でも一定のシェアを獲得できるようになっています。
「五穀屋」 ブランドでは、洋菓子店で長年の経験を持ち、百貨店の店舗管理や海外出店も手がけたプロフェッショナル人材を登用しました。一方「coneri」 ブランドでは、東京の通販会社でウェブ担当として活躍し、企画からホームページ作成、運営までを一貫して行ってきたプロフェッショナル人材を採用しています。
結果として、各ブランドの特性を最大限に引き出し、顧客に新たな価値を提供することでブランド力を強化できました。
青谷建設株式会社|農業の新規事業立ち上げ
鳥取県鳥取市に拠点を置く青谷建設株式会社は、土木工事や水道施設工事を中心に事業を展開する建設会社です。公共工事への依存度が高く、新たな収益源の開拓が課題となるなか、農業の新規事業立ち上げにプロ人材を活用して成功しました。
ソフトバンク株式会社のDX事業本部のプロデューサーを務めた経験を持つプロフェッショナル人材を登用し、IoT機器を用いた遠隔監視システムやAIによる作物生育予測システムの構築を実現しています。一見すると異業種のプロ人材ですが、プロ人材が持つノウハウや知見が新たな企業価値創造につながった事例と言えるでしょう。
セルビスグループ|自走型組織の構築に向けた人材育成
飲食店を運営管理する専門人材がいないことに悩まされたセルビスグループでは、自走型組織の構築に向けた人材育成に向けて、プロ人材を登用しています。
料理人に任せていたレシピを明文化し、材料の仕入れ原価を数値化するなどデータドリブンなメニュー設計をはじめ「どのメニューを重点的に売っていくか」などの方針も明確に打ち立てるようになりました。また、SNS運用を自社の人材で自走できるようトレーニングしたり、来店客の少ない時間帯の営業時間を短縮する権限を各店舗にもたせたりすることで、組織の内部変革を進めています。
より効率よく、より自走的に組織を変えた事例であり、プロ人材活用の幅が広いことがわかります。
オウミ技研株式会社|人事評価制度を再構築
オウミ技研株式会社では、人事分野に強いプロ人材を活用し、人事評価制度をゼロから構築しなおすことに成功しました。評価者によって評価ポイントがばらついてしまうリスクを可視化し、誰が採点者になっても結果がほぼ同じになる評価手法を採用したことで、評価への納得度も上がっています。
結果として、従業員のモチベーションアップや離職率低下も見込まれるようになり、今後の人材獲得難の時代に対して大きなアドバンテージとなるでしょう。
十全化学株式会社|効率的な業務フローを実現
製薬メーカーである十全化学株式会社では、効率的な業務フローを実現するためにプロ人材を活用しています。複数のマルチパーパスプラントを効率的に稼働するように生産計画を立てることで、ローコストでハイクオリティな製薬ができるようになりました。
また「手入力が多い、ファイル間での転記が多い、情報連絡の抜け漏れあり」などの非効率を改善したのもポイントです。ExcelとVBAを駆使した解決策も有効な手法となり、社内のデータ化が一気に進みました。
まとめ
プロフェッショナル人材とは、特定の分野において高度な専門知識や経験を持ち、企業の課題解決や新たな価値創造に貢献する人材です。専門知識や経験を活かして、企業の課題を解決し、新たな価値を創造してくれる存在となるでしょう。
「フリーコンサルタント.jp」では、貴社の課題解決をサポートするプロフェッショナル人材との出会いを提供します。大手企業からスタートアップまで幅広い業界の案件を取り扱っており、貴社のニーズに合った最適な人材をご紹介できるのでお気軽にご相談ください。