業務委託費とは?|仕訳の注意ポイントや費用を抑えるコツ、報酬の決め方についても解説 - freeconsultant.jp for Business
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最終更新日:2025.12.25
業務委託/フリーランス

業務委託費とは?|仕訳の注意ポイントや費用を抑えるコツ、報酬の決め方についても解説

業務委託とは、雇用契約を締結せずに外部の業者などに仕事を任せる手法です。人材コストを削減しながら業務品質を担保でき、社内リソースも確保できるため、生産性の向上にも繋がります。しかしながら、業務委託費用の相場や仕訳方法が分からないと悩んでいる方も多いでしょう。

この記事では、業務委託の特徴やメリット、仕訳の方法や注意点について解説します。記事の後半では、業務委託費を抑えるコツや決め方も紹介するので、ぜひ最後までお読みください。

【こんな人におすすめ】

  • 初めて業務委託契約を結ぶことを考えている企業担当者
  • 業務委託費の仕訳や経理処理に携わる経理担当者
  • 人件費を抑えたい方

 

業務委託の契約にかかる費用相場

業務委託の契約にかかる費用相場は、依頼する業務の種類やボリューム、難易度などによって大きく異なります。具体例として、IT関連の業務委託にかかる費用相場をご紹介します。

業種 費用相場
ライター 1~4円/1文字、SEO記事0.3万円~、インタビュー記事3万円~
ITエンジニア 30万円~/1ヶ月
Webサイト制作 企業サイト10ページ30万円~、ECサイト10ページ300万円~
Webデザイナー バナーデザイン0.5~5万円、ロゴデザイン3~15万円

なお、コンサルティングは1時間あたり数千円から数万円が相場で、プロジェクト全体では数千万円以上になるケースも少なくありません。業務委託を行う際には費用相場を把握しておきましょう。

業務委託は請負契約と準委任契約の2種類

業務委託の契約形態は、大きく以下の2種類に分けられます。

  • 準委任契約
  • 請負契約

ここからは、それぞれの契約形態について詳しく解説していきます。業務委託する際には、それぞれの違いを理解して目的に合った契約形態を選びましょう。

準委任契約

準委任契約とは、特定の業務を遂行することに対して報酬を支払う契約です。請負契約とは異なり、一定の成果が報酬の要件となっている契約ではありません。

準委任契約の具体例として、以下のものが挙げられます。

  • 医療機関での診療
  • マッサージ
  • コンサルタント契約

いずれも診療やコンサルティングなどの業務遂行に対して報酬の支払いが求められます。期待した結果が得られなかった場合でも支払い義務があるため注意が必要です。

また、準委任契約は依頼が完了した際に報酬を支払う成果完成型と、業務を遂行した労働時間や工数などに応じて報酬を支払う履行割合型に大別されます。

請負契約

請負契約とは、依頼された成果物や成果を納品したことに対して報酬を支払う契約です。準委任契約とは異なり、どれだけ業務を行っても成果が出なければ報酬は支払われません。

請負契約の具体例として、以下のものが挙げられます。

  • 住宅建築
  • 配送、運送
  • システム開発

住宅、システムなどの成果物や配送、運送などの成果が得られなければ、業務委託した目的が達成できないので報酬を支払う必要はありません。請負契約においては納品時のトラブルを避けるために、成果物の検収基準や納期、納品方法などを事前に定めておくことが重要です。

業務委託費は源泉徴収を行わなくてもよい

業務委託費は給与所得ではないため、源泉徴収を行わなくても問題ありません。ただし、委託先が個人の場合は、以下のようなケースで源泉徴収が必要です。

  • 原稿料や講演料
  • 特定の資格を持つ職種

上記のような案件を個人に業務委託する際は注意しましょう。

業務委託で計上することができる費用

業務委託で計上することができる費用には様々なものが含まれます。

まず、業務委託を開始する際の採用コストです。具体的には、委託先を募集する求人広告費やエージェントへの手数料などの外部コスト、採用担当者の人件費、業務委託契約の締結にかかる内部コストが挙げられます。

また、業務委託料はすべてまとめるのではなく、コンサルタント報酬や制作費、講演料など詳細に区分しておくことで仕訳管理が楽になるでしょう。

なお、下請業者に依頼した下請費も業務委託として計上できます。加えて、委託先に報酬を振込む際の銀行手数料も支払手数料として計上することが可能です。

業務委託を利用する3つのメリット

業務委託の利用には以下のようなメリットがあります。

  1. 品質を担保することができる
  2. 人材採用コストを削減できる
  3. 社内リソース確保に繋がる

ここからは、業務委託を利用する3つのメリットを解説します。業務委託によって実現できるメリットを理解したうえで活用を検討しましょう。

①品質を担保することができる

専門業者やクリエイターなどその道のプロに業務委託することで、クオリティの高い成果物が期待できます。Webサイトや動画、デザインの制作など専門的な知識やスキルが必要となる業務について、社内の人材だけでは満足できるレベルの成果物を創り出すことは困難です。しかし、業務委託を行うことで、成果物の品質を担保することができます。

また、特定の業務を専門に手掛ける業者やクリエイターであれば、最新のスキルや機材などを常に取り入れているため、自社で内製化するために人材育成やインフラ整備などを行う必要もありません。

②人材採用コストを削減できる

業務委託の場合は業務に対する報酬だけで依頼できるので、人材採用コストが削減可能です。

繁忙期や一定期間のプロジェクトなどの一時的に人材が必要となる際に、その都度社員を雇用しようとすると人材採用コストが膨れ上がります。雇用したあとも賃金や社会保険料、育成にかかる費用などが固定費として負担となるうえに、閑散期に余剰人員となりかねません。その点、業務委託は必要な時に必要なスキルや能力を保有した人材を採用することが可能なため、流動費としてコスト全体の削減につながります。

このように業務委託を利用することで、人材採用コストを削減しつつも企業の業務の品質は担保してサービスを提供することが可能です。

③社内リソース確保に繋がる

データ入力やバックオフィス業務など日常的に発生する単純作業を外部委託することで、社内リソースを確保することが可能です。

高齢化社会や売り手市場の採用環境などを背景に、人材不足に悩んでいる企業は少なくありません。また、働き方の多様化を踏まえ、現在の社員のみで業務をすべて遂行することが困難となっているケースも増加しています。

そこで、業務委託を利用することにより、社内リソースの確保に繋げることが可能です。コア業務に集中することで、会社全体の生産性が向上するとともに、社員の業務負荷も軽減されます。

以下の資料ではマーケティング人材が必要な業務に対し、プロ人材をスポット対応で活用した事例をまとめています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

業務委託費等を仕訳する際に注意するべき3つのポイント

業務委託費等の仕訳については、以下の点に注意しなければなりません。

  1. 業務委託費と給料を混同しない
  2. 消費税の支払いは業務委託先に支払う
  3. 業務委託費の内訳は細かく記載する

ここからは、業務委託費等を仕訳する際に注意するべき3つのポイントを解説します。仕訳が分からなくて悩んでいる方はぜひご確認ください。

①業務委託費と給料を混同しない

業務委託費は、社外の業者などに対し業務委託契約に基づいて支払う報酬が該当します。それに対して、社員に対し雇用契約に基づいて支払う報酬が給料です。業務委託費と給料では、企業側にとって以下の違いがあります。

消費税 社会保険料 源泉徴収
業務委託費 控除あり 負担なし 原則不要
給料 控除なし 負担あり 必要

業務委託費の方が消費税や社会保険料、源泉徴収の面で負担が軽いです。ただし、契約内容や業務実態によっては業務委託を行っても給料とみなされるケースがあるので注意しましょう。

②消費税の支払いは業務委託先に支払う

業務委託費は消費税の課税対象となっているため、業務委託契約で定めた報酬に消費税を加算した金額を委託先へ支払う必要があります。もし消費税を支払っていなかった場合は、税務調査で指摘され追徴される可能性があるので注意しましょう。なお、法人税や所得税、消費税などの納税義務は委託先が負担してくれるため、発注者側には支払いの負担がありません。

また、委託先がインボイス発行事業者であれば、委託先からインボイスを発行してもらうことで、業務委託費の消費税分を仕入税額控除額に含めることが可能です。

③業務委託費の内訳は細かく記載する

業務委託にかかる費用をすべて「業務委託費」として処理する方法は、必ずしも間違いではありません。ただし、委託業者や業務内容などによって税法上の取り扱いが異なる場合、内訳が記載されていないと判断が困難になります。内訳の具体例は以下のような項目です。

  • 販売促進費
  • 講演料
  • コンサルタント報酬
  • 各種制作費
  • 原稿料

業務委託費もコストの一つであり、費用対効果などを分析して見直しする際のデータとして有効です。業務内容や業務委託先などで区別して処理するのが良いでしょう。

業務委託費の仕訳例

ここでは、業務委託費の仕訳例を2つ解説していきます。税理士個人に対して、顧問料として10万円支払った場合の仕訳は以下の通りです。

借方 貸方
業務委託費 100,000円 普通預金
預り金
89,790円
10,210円

特定の資格を持つ個人に対する報酬は、源泉徴収をしなければなりません。そのため、源泉徴収額を差し引いた金額を支払います。なお、支払先が税理士法人の場合は、源泉徴収の対象外です。

次にコンサルティング会社に対して、コンサル報酬として100万円支払った場合の仕訳は以下の通りです。

借方 貸方
業務委託費 100,000円 普通預金 100,000円

業務委託費を抑える2つのコツ

業務委託には様々なメリットがありますが、少しでも業務委託費を抑えたいと考えている方は少なくないでしょう。業務委託費を抑えるコツは以下の通りです。

  • 依頼する内容を明確にする
  • 業務委託費の交渉を行う

ここでは、業務委託費を抑える2つのコツを紹介します。

①依頼する内容を明確にする

依頼する内容が曖昧な状態の場合、業務が適切に遂行されず期待する成果物が得られない可能性があります。その場合、改めて業務委託をすることになり、結果として業務委託費が増大します。そのため、依頼する内容は予め明確にしておきましょう。

具体的には以下のような点を検討します。

  • 業務委託の目的
  • 委託する業務内容、範囲
  • スケジュール
  • 成果物イメージ

数字やマニュアルなどを用いて具体的に設計することで、期待した成果物を受け取ることができますよ。

②業務委託費の交渉を行う

業務委託費は、複数の業者の見積りを比較したうえで交渉することで、適正な価格設定をすることができます。なお、比較にあたっては価格以外にも以下の点を考慮することが重要です。

  • 業務範囲
  • 納品までの期間
  • 品質基準
  • アフターサポート
  • 支払い方法

どれだけ安価であっても、期待する業務品質が提供されなければ業務委託費を支払う意味はありません。そのため、価格だけでなくコストパフォーマンスの観点から交渉し、両社が納得したうえで業務委託するようにしましょう。

業務委託費の報酬を決める4ステップ

業務委託費の報酬は、以下のようなステップで決定していきます。

  • ステップ1|報酬形態を定める
  • ステップ2|業務委託費の相場価格を把握する
  • ステップ3|業務にかかる時間や実績を把握する
  • ステップ4|単価と依頼業務量の設定を行う

ここからは、業務委託費の報酬を決める4ステップを順番に解説します。初めて業務委託をしようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

ステップ1|報酬形態を定める

まず委託先と報酬形態を定めます。報酬形態は、大きく分けて以下の3種類です。

  • 固定報酬型
  • 成果報酬型
  • 複合報酬型

それぞれの報酬形態には特徴やメリット、デメリットがあるので、十分に理解したうえで選択しましょう。委託する業務内容や求める成果物のイメージによっても、選ぶべき報酬形態は異なります。

また、同じ委託内容でも、委託先によって固定報酬と成果報酬のいずれを希望するかは変わってきます。お金に関わる重要な事項なので、お互いが納得できるよう、委託前に十分協議しておきましょう。

固定報酬型

固定報酬型とは、毎月定額の報酬額を業務委託先に支払う報酬形態です。コールセンター業務やメンテナンス業務、不動産管理業務など、業務内容や業務範囲が明確になっている業種に設定される傾向があります。

固定報酬型は、予算管理がしやすく想定以上の成果が出ても追加報酬が発生しない点がメリットです。一方で、成果が出なくても報酬を支払わなければならず、業務内容が変更となった場合には報酬の再設定が必要となるデメリットもあります。

成果報酬型

成果報酬型とは、業務委託先が生み出した成果に対して報酬を支払う報酬形態です。営業代行や広告代理業、Webライティングなど、成果物の納品が求められる業種に設定される傾向があります。

成果報酬型は、業務委託先のモチベーションを高める効果があり、成果が得られない場合は報酬を支払う必要がない点がメリットです。一方で、成果の基準を事前に決めておかなければならず、すべての業務には設定できないデメリットがあります。

複合報酬型

複合報酬型とは、固定報酬と成果報酬を一体化した報酬形態です。コンサルティングやSEO業務、インサイドセールスなど、毎月の定例業務を行いながら成果が変動するような業種に向いています。

複合報酬型は、固定報酬と成果報酬の良いとこ取りができるので、月額費用を抑えながら成果に応じて効率的な報酬支払いができる点がメリットです。一方で、固定報酬と成果報酬のバランスが悪いと逆効果になってしまうデメリットがあります。

ステップ2|業務委託費の相場価格を把握する

報酬形態が決定したら、業務委託費の相場を把握します。依頼したい業務委託の相場を把握するためには、以下のような方法が有効です。

  • クラウドソーシングサイトやフリーランスサイトで確認する
  • 人材紹介サービスに相談する

クラウドソーシングサイトやフリーランスサイトには業務委託の募集内容が掲載されており、具体的な報酬額が把握できるので確認してみると良いでしょう。また、人材紹介サービスなどのエージェントは様々な案件に精通しているため、委託したい業務内容などを踏まえて適切な報酬額をアドバイスしてくれます。

ステップ3|業務にかかる時間や実績を把握する

業務委託費の相場価格を把握したら、3つ目のステップとして業務にかかる時間や実績を把握します。

業務にかかる時間を把握する手順は以下の通りです。

  1. 委託する業務内容を抽出する
  2. それぞれの業務にかかる時間を算出する
  3. 総業務時間を算出する

求める業務量にかかる時間を明確にすることで、適切な業務委託費を決定することができます。加えて、業務委託後の予算管理やスケジュール管理も容易になるでしょう。

また、時間だけでなく委託業者の実績を考慮することも忘れてはいけません。高度なスキルや豊富な業務実績は、報酬を上乗せする要素となります。

ステップ4|単価と依頼業務量の設定を行う

業務にかかる時間や実績を把握したら、4つ目のステップとして単価と依頼業務量の設定を行います。

業務にかかる時間に単価を掛けたものが報酬額です。単価についても、クラウドソーシングサイトやフリーランスサイトを確認したり、人材紹介サービスに相談したりしましょう。ただ、あまりに報酬が少額だと業務委託を断られる可能性があります。そのため、委託先の実績なども踏まえて設定することが重要です。

また、依頼業務量によって最終的な報酬額が決定するため、委託する業務を改めてチェックして過不足がないかを注意しましょう。

まとめ

この記事では、業務委託の特徴やメリット、仕訳の方法、注意するポイントに加えて、業務委託費を抑えるコツや報酬を決めるステップについて解説しました。

雇用契約を締結せずに外部業者などに仕事を任せられる業務委託には、人材コストを削減しながら業務品質を担保でき、社内リソースも確保できるメリットがあります。一方で、業務委託費は給料とは異なる性質を持つため、仕訳には注意しなければなりません。

そのため、業務委託を新たに検討する際は、依頼する目的や業務内容、成果物のイメージなどを明確にするとともに、業務委託の契約にかかる費用相場を把握し、条件交渉を行うようにしましょう。

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