
近年は、商品やサービスのクオリティを上げるだけでなく、会社や商品のイメージを左右する「ブランド力」が重要になっています。ブランド力があると価格競争に巻き込まれにくく、顧客の信頼も獲得してリピーターを増やしやすくなるのがメリットです。顧客との長期的な関係や継続的な経営を実現したいときは、自社のブランドについても意識しておきましょう。
本記事では、ブランド力形成をサポートしてくれる「ブランドコンサルティング」について解説します。ブランドコンサルティングを依頼するメリットや、おすすめのコンサル会社にも触れるので、自社に唯一無二の価値をつけたいときにご参考ください。
ブランドコンサルティングとは?期待できる効果
ブランドコンサルティングとは、企業や製品、サービスの「ブランド価値」を高めるための戦略設計と実行を支援する、専門的なコンサルティングサービスです。単にロゴやデザインを整えるだけではなく、企業の理念、顧客との関係性、ブランド体験を通じて、自社にしかない唯一無二の価値やイメージが根付くよう、中長期的にサポートしてくれます。
一見、ブランディングはコストがかかるように見えますが、無駄なコストを抑えて効率的な経営を実現するための手段として活用することが可能です。また、売上やリピート率の向上にも繋がる他、企業の商品価値も明確にし、顧客の購買意欲を向上させ、売上増加の効果が期待できます。
企業ブランディングとサービスブランディングの違い
企業ブランディングとサービスブランディングの違いは、ブランディングの対象にあります。
企業ブランディングは「コーポレートブランディング」とも言われており、企業そのものの価値や理念、姿勢、文化に共感してもらい、ファンを増やすことが目的です。企業ブランディングを行うことで「この企業の商品サービスであれば間違いない」「時代の最先端をいくリーディングカンパニーである」など、企業全体に対するイメージが向上し、売上だけでなく就職希望者や株主からの評価にも繋げられるでしょう。
一方、サービスブランディングは「プロダクト/商品ブランディング」とも言われており、特定の製品、サービスを差別化するブランディング活動として定着しています。「この商品と言えばこの会社」「うちの主力商品といえばこれ」という強力なイメージを与えることができるため、ブランディングに成功すれば商品の市場シェア率を伸ばすことも可能です。
近年では、ブランドとして確立しつつあるAppleのiPhoneやiPad、SNSや口コミを通して爆発的に広がった無印良品のコスメアイテム、テクノロジーがぎゅっと詰まっている印象の高いダイソンの掃除機などが、サービスブランディングの成功例として挙げられます。
ブランドコンサルティングのプロセス、対応範囲は?
ブランドコンサルティングは、以下のプロセスを基本に展開していきます。
- 現状分析、ヒアリング
- ブランド戦略の設計
- ブランドアイデンティティの開発
- ブランド体験の設計と浸透施策
- 実行支援、運用サポート
一般的なコンサルティングと同じように、戦略設計、実行支援、効果測定や改善施策の考案などは全て対応範囲です。ブランドコンサルティングならではの対応範囲として「ブランドアイデンティティの開発」や「ブランド体験の設計と浸透施策」が含まれており、社内向けのインナーブランディングなど行ってくれます。
ブランドコンサルティングを行う4つのメリット
ここでは、ブランドコンサルティングを行うメリットを解説します。業種問わず幅広い企業がブランドコンサルティングを利用している理由を探ってみましょう。
①客観的なアドバイスをもらえる
外部のブランドコンサルタントに相談することで、第三者目線での客観的な評価と提案を得られるようになり「企業がどう見られているか」「何が伝わっていないか」が明確になります。
企業の内側にいると「当たり前」になってしまっている強みや課題に気づきにくくなり、自社の良い面も悪い面も浮き彫りにできません。そこで、ブランドコンサルタントを活用することにより、感覚ではなくデータや実例に基づいた論理的なアドバイスが受けられるため、データドリブンなブランディングをすることができます。
よって、独りよがりなブランディングや自己満足なブランディングに陥るリスクを回避し、本当に「伝わる、刺さる」ブランド戦略にすることが可能です。
②求める結果がいち早く出せる
ブランドコンサルタントを活用すれば、実績に裏打ちされたノウハウとフレームワークを用いて、無駄のないブランド戦略立案、実行ができます。そのため、結果につながるまでのスピードが格段に早まりやすく、コストも無駄になりません。
本来、ブランド構築を成功させるためには、膨大な情報整理、分析や戦略立案、社内調整など多くのプロセスが必要です。しかし、自社だけでブランド戦略を進めると、方向性の迷い、社内リソースの不足、試行錯誤の繰り返しにより、時間と労力がかかってしまうケースが少なくありません。
自社が求めている結果をいち早く出したい場合は、ブランドコンサルタントなど専門家の力を借りて、遠回りせずに成果に直結するアクションを見つけ出すのが近道です。
③失敗のリスクを減らせる
ブランドコンサルタントは、過去の成功、失敗事例に基づいた知見や体系的なアプローチをもとに「よくある落とし穴」や「独りよがりな判断」を回避してくれます。施策の実行前にリスク検証や市場反応の予測を行うことで、時間、費用、人的リソースのムダを最小限に抑えることもできるため、コストパフォーマンスが良く、成功するブランディングにできるのがポイントです。
ブランド構築には「ターゲットに届かない」「社内で浸透しない」「デザインだけ変えて終わってしまう」といった多くの失敗リスクが潜んでいます。ブランドコンサルティングは「戦略ミスによる失敗コスト」を大きく減らす保険のような機能もあるので、成功させたいときにこそ活用を検討してみましょう。
④ブランディング人材の育成が期待できる
ブランドコンサルティングを通じて得られるのは、成果やアウトプットだけではありません。コンサルタントとのプロジェクトを進める中で、社内の担当者や関係部署のメンバーが「ブランド思考」や「戦略的視点」を学ぶ機会にもなります。
たとえば、ブランド設計プロセス、ターゲット分析、メッセージ設計など、これまで感覚で行っていた業務が体系的に理解できるようになり、社内にノウハウを蓄積することが可能です。よって、将来的にブランドコンサルタントがいなくても自発的にブランディングできるようになり、将来的な資産にもなるでしょう。
ブランディングの内製化を実現したいときこそ、ブランドコンサルティングの力を借りることをおすすめします。
ブランドコンサルティングを依頼する前に知っておきたい2つの注意点
ここでは、ブランドコンサルティングを依頼する前に知っておきたい2つの注意点を解説します。
リスクのひとつとして、知っておきましょう。
①社内の理解不足でノウハウが蓄積されない可能性がある
ブランドコンサルティングは、大きな成果を得られる一方で、社内の理解と協力が不十分なまま進んでしまうリスクがあります。よって、プロジェクト終了後にノウハウが社内に残らず、いつまでもブランドコンサルタントの力を借りなくてはいけないなど、自走力がつきません。
特に「すべて外部任せにして社内担当者が学ばない」「関係部署との連携が取れずに情報共有や運用が形骸化する」という場合は危険です。せっかく作り上げたブランド戦略やツールが継続的に活用されず、やがてブランド力も落ちてしてしまう可能性があるので注意しましょう。
②依頼先の選定ミスで求める結果が出せない可能性もある
ブランドコンサルティングを成功させるうえで最も重要なのが、自社に合ったコンサルタントや支援会社を選ぶことです。選定を誤ると、時間、コストをかけても「思っていた成果が出ない」「ブランドの方向性がズレる」といった問題が発生しやすくなります。
たとえば「デザインや制作物は得意でも、ブランド戦略の設計力が弱い会社に依頼してしまう」「過去の実績は豊富でも、自社の業種やターゲットと親和性が低い」といったブランドコンサルタントを頼るのは避けましょう。効率的にブランディングを成功させるためにも、戦略から実行支援まで一貫して対応してくれるブランドコンサルタントや、目的に応じた柔軟性のある提案力を行ってくれるコンサル会社を頼るのがおすすめです。
ブランディングの成功事例5選
ここでは、ブランディングの成功事例5つを紹介します。
いずれも日本で大成功している企業であり、生活に根差す「なくてはならない企業」となっているので、ぜひご参考ください。
①【企業ブランディング】無印良品
無印良品(MUJI)は、元々「ブランドでなく商品の品質で勝負する」を掲げ「無印=ノーブランド」という逆転の発想でスタートしました。しかし現在では「無印良品」という名前自体が強力なブランド資産です。
「訳あって、安い。」というコピーに象徴されるように、過剰な装飾やマーケティングを排し、本質的な価値に焦点を当てる姿勢を初期の頃から継続して打ち出しています。消費者にとっての「ちょうどよさ」をブランド化し、シンプルで老若男女問わず使いやすい店という評価を確立しました。
現在では海外でも支持される「グローバルブランド」へと成長し、30ヶ国以上に展開しています。「シンプルであること」「自然体であること」を徹底的に追求し、感性に訴えるブランドを作り上げた事例と言えるでしょう。
②【企業ブランディング】資生堂
資生堂(SHISEIDO)は、日本発の化粧品メーカーとして140年以上の歴史を持っており、「Beauty Innovations for a Better World(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)」を会社のスローガンとして掲げています。これまで「クレ・ド・ポー ボーテ」や「NARS」「ローラ メルシエ」など複数のブランドを確立し、それぞれ異なる顧客層をターゲットにすることで、年齢や悩みに応じたメイクをサポートしてきました。
現在では世界120以上の国と地域に進出し、特にアジア市場でのシェア率を上げています。日本を代表するグローバルビューティーブランドとして、盤石な地位を確立しているのが特徴です。
③【企業ブランディング】星野リゾート
星野リゾートは元々老舗温泉旅館の運営から始まり、現在では日本を代表する「体験型ホスピタリティブランド」へと成長しました。
ブランド価値は「豪華さ」ではなく「土地の個性を活かした記憶に残る滞在」を提供することに据え、地域資源や文化を最大限に活かしてプロデュース力を伸ばしているのが特徴です。結果、地域ごとに異なる滞在体験を創造することにつながり「また別の星野リゾート施設にも行ってみたい」と思わせるブランド力を構築しました。
ブランドのファン化とリピート率の向上を図る施策でブランディングに成功した事例であり、広告よりも体験そのものを重視する姿勢はブランディングの本質として語られています。
④【サービスブランディング】リッツ・カールトン
ザ・リッツ・カールトンは、世界中の高級ホテルの中でも際立った「顧客満足度」と「ブランド忠誠度」を誇るホテルブランドです。ザ・リッツ・カールトンのブランディングは、極上のサービス体験と従業員のホスピタリティ精神によって支えられています。
同時に「クレド(The Ritz-Carlton Credo)」として自社のMVV(ミッション、ビジョン、バリュー)を明文化しており、全従業員が日々朝礼で読み上げるほど、深く組織に根付かせました。全スタッフに裁量を与え、お客様1人につき1日2,000ドルまでを、自分の判断で顧客満足のために使ってよいルールを導入するなど、従業員を全面的に信頼した施策が行われているのです。
結果、マニュアルではなくその場その場で最適な判断をすることが可能になり、従業員が状況に合わせたフレキシブルな接客ができるようになっています。高級ホテルらしい対応力を身につけることで、顧客からの評価も獲得したブランディング事例と言えるでしょう。
⑤【サービスブランディング】アマゾン
Amazon(アマゾン)は元々書籍の通販から始まった会社ですが、今では世界最大の総合EC企業として知られています。「品揃えの多さ」や「価格」で他社を上回るだけでなく「顧客中心主義」を徹底したサービスブランディングに成功したことで、今の地位を確立しました。
たとえば、1クリック購入、迅速な配送(Primeサービス)、レコメンド機能などを充実させ、「どうすればもっと便利にできるか?」を徹底的に考え抜いているのが特徴です。同時に、厳しいルールを設けない返金、返品対応も設けて、顧客がストレスを一切感じない購買体験ができるよう徹底しました。
Amazonのロゴ(A〜Zを結ぶ矢印)は「何でもそろう=信頼の象徴」として消費者の頭にインプットされています。「ECサイトといえばAmazon」というイメージは、サービスブランディングの大きな成功事例と言えるでしょう。
ブランドコンサルティングの費用相場
ブランドコンサルティングの費用相場は、コンサル会社へ依頼する場合、月額で50万~200万円程度です。ただし、短期契約、長期契約など契約手法により金額は変動します。とはいえ、コンサル会社には、広範な経験を持つコンサルタントが多数在籍しているので、ハイレベルなアドバイスや長期的な伴走を求める際にはコンサル会社への依頼がおすすめです。
一方、フリーランスのブランドコンサルタントの場合、月額で30万~100万円程度で完結することが多いです。プロジェクト単位にしても100万~500万円前後と比較的リーズナブルなため、中小企業やスタートアップ企業におすすめできます。コンサル会社に比べて、柔軟な対応も行ってくれるので相談のハードルも低く、ニーズに合わせたコンサルティングが期待できます。
ブランディングコンサルティングの依頼先を選ぶ3つのポイント
ここでは、ブランディングコンサルティングの依頼先を選ぶポイントを3つ解説します。
自社のニーズに合致していて、かつコミュニケーションが取りやすいブランドコンサルタントを選ぶためにも、以下をご参考ください。
①実績と事例が多いか
実績豊富なコンサルタントは、過去にさまざまな業種や市場で成功した経験があり、経験に裏付けされたアドバイスを提供してくれます。経験があればあるほどノウハウや知見も広くなり「自社の場合だったらどうするか」を考える引き出しが多い点がメリットです。
また、同じ業界や似たような規模の企業での実績があれば、業界の特性を理解した上で適切なアドバイスや戦略を提供してくれるため、成果も上がりやすくなるでしょう。ポートフォリオや実績を確認し、信頼して依頼できるかを確認してみることをおすすめします。
②依頼できる範囲
コンサルタントによって、依頼できる業務範囲は異なります。中でも、ブランド戦略の策定から実行まで支援してくれるブランドコンサルタントであれば、幅広い業務を依頼できるため、より迅速かつ効果的にブランディングを進めることが可能です。
中には、マーケティング戦略、ビジュアルアイデンティティ、コミュニケーション戦略など特定部分に強いコンサルタントもいるので、自社のニーズと合致するか照らし合わせておくことが欠かせません。
また、ブランド調査や分析をピンポイントで依頼できるコンサルタントも存在します。「リブランディングについて相談したい」「デジタルマーケティングを助けてほしい」など、依頼したいことを明確にして相談してみましょう。
③コンサルタントとの相性
ブランドコンサルティングを成功させるためには、コンサルタントとの「相性の良さ」も非常に重要です。実績やスキルが優れていても、企業の考え方や現場とのコミュニケーションにズレがあると、期待した効果を十分に得られないので注意しましょう。
なお、相性の良し悪しは、自社の課題や目的にどれだけ理解を示してくれるかで判断するのが理想です。担当者のコミュニケーション能力や対応力、話しやすさをチェックするのもよいでしょう。腹を割って本音で会話できるコンサルタントや、ブランドに本気で向き合ってくれるコンサルタントであればプロジェクトの質を上げられるでしょう。
ブランドコンサルティングのおすすめ依頼先
最後に、ブランドコンサルティングのおすすめ依頼先を紹介します。ブランドコンサルタントは主に「コンサルティング会社」または「フリーランス」に依頼するのが一般的なので、それぞれの特徴をチェックしてみましょう。
①コンサルティング会社
ブランドコンサルティングができるコンサルティング会社は多数ありますが、特におすすめなのは以下の企業です。
| 会社名 | 強み | 対象 |
|---|---|---|
| 株式会社電通コンサルティング | 電通グループのクリエイティブ力と戦略的アプローチ | 大企業、グローバル展開を目指す企業 |
| インターブランドジャパン | グローバル市場でのブランド構築 | 高級ブランド、国際展開を目指す企業 |
| 株式会社リスキーブランド | 大手出身者による高品質なブランド戦略 | 中小企業、BtoB企業、技術系企業 |
| フォアビスタ株式会社 | 中堅、中小企業向けのブランディング専門 | 中堅、中小企業、成長、転換期の企業 |
| グラムコ株式会社 | 戦略とデザインを融合したアプローチ | デジタル重視の企業、ブランドデザインを強化したい企業 |
コンサルティング会社は、企業として確立された対応力の高さが魅力です。企業によってコンサルタントが得意とする戦略や案件のタイプも多種多様なため、自社の企業ジャンルや求める成果をもとに選択すると良いでしょう。
また、体系化されたフレームワークに基づく標準的アプローチもあるため、安心して依頼できるのがメリットです。
②フリーランス
フリーランスコンサルタントは、比較的リーズナブルな価格設定になっていることが多く、対応が柔軟でスピード感があるのが魅力です。企業の個別事情を深く考慮してくれることや、完全オーダーメイド対応が可能なことから、近年はフリーランスのブランドコンサルタントを活用する企業も増えました。
とはいえ、実績とスキルの見極めが重要になるのはコンサル会社と変わりません。組織全体のコミットではないからこそ実績や経験には個人差が大きく、コンサルタントのスキルに依存しやすくなる点に注意しましょう。
ブランドコンサルティングなら「フリーコンサルタント.jp」にご相談ください
フリーランスのブランドコンサルタントをお探しの方は「フリーコンサルタント.jp」にご相談ください。「フリーコンサルタント.jp」には、企業のブランド戦略や新規事業立ち上げ、業務改革などのプロジェクトに強みを持つフリーランスが多数在籍しています。専任のコーディネーターが企業の課題と目的を正確に把握し、最適なコンサルタントを紹介するので、コンサルタント選びに迷っている方にも最適です。
また「フリーコンサルタント.jp」では、プロジェクトの内容に応じて契約期間や案件を自由に決めることもできます。経験豊富なコンサルタントと2~3ヶ月だけ契約したい、などのオーダーも可能なのでお気軽にご活用ください。
まとめ
ブランドコンサルティングとは、企業や商品の「ブランド価値」を明確にし、競合との差別化や顧客からの信頼を築くための戦略的サポートを行うコンサルティングです。企業の成長や市場でのポジショニング強化を目指すことができ、近年はブランドコンサルタントを積極的に活用する企業が増えました。
なお「フリーコンサルタント.jp」では、経験豊富なフリーランスコンサルタントを紹介しています。企業価値や認知度の向上による中長期的な成長を実現したいときや、社内外へのブランド浸透による一貫性の確保をしたいときは、お気軽にご相談ください。



