【比較表付き】請負契約と準委任契約の6つの違い|見分け方・使い分け・契約時の注意点 - freeconsultant.jp for Business
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最終更新日:2026.09.27
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【比較表付き】請負契約と準委任契約の6つの違い|見分け方・使い分け・契約時の注意点

プロの手を借りてでも、仕事の効率や業績の向上を図りたいと考えている方におすすめなのが、業務委託契約です。業務委託契約には、請負契約や準委任契約、委任契約などがありますが、それぞれどのような違いがあるのかわからない方も多いでしょう。

特に、請負契約と準委任契約は混同されやすい契約形態です。大きな違いは、請負契約が「仕事の完成」を目的とするのに対して、準委任契約は「業務の遂行」を目的とする点にあります。

請負契約と準委任契約の違いを正しく理解し、自社に適した契約形態を選択するための参考にしてください。

請負契約とは?

業務委託契約における請負契約とは、発注者が受注者(請負人)へ仕事を委託し、受注者が仕事を完成させることを約束する契約です。完成した仕事の結果に対して、発注者から受注者へ報酬が支払われます。

民法では、請負について以下のように定義しています。

(請負)

第六百三十二条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

引用:e-GOV 法令検索

請負契約で重要なのは、単に作業を行うことではなく、契約で定めた「仕事を完成させること」です。

たとえば、Webサイト制作を依頼する場合、制作会社が一定時間作業するだけではなく、契約で定めた仕様に沿ってWebサイトを完成させることが求められます。

業務委託契約における請負契約の事例

  • 建設工事
    受注者が契約で定められた建物や設備などを完成させ、その仕事の結果に対して発注者が報酬を支払います。
  • Webサイト制作
    契約で定めた仕様やページ数などに基づいてWebサイトを制作し、完成した成果物に対して報酬が支払われます。
  • ソフトウェア開発
    仕様や要件が明確に定められている場合、システムやアプリなどを完成させることを目的として請負契約を締結するケースがあります。

ただし、システム開発であれば必ず請負契約になるわけではありません。要件が固まっていない開発や、開発を進めながら仕様を調整する場合には、準委任契約が選ばれることもあります。

準委任契約とは?

業務委託契約における準委任契約とは、法律行為以外の事務を委託する契約です。請負契約のように仕事を完成させること自体を目的とするのではなく、契約で定められた業務を適切に遂行することを目的とします。

民法では、委任および準委任について以下のように定義しています。

(委任)

第六百四十三条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。

(準委任)

第六百五十六条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。

引用:e-GOV 法令検索

たとえば、プロジェクトの進行管理やシステムの運用・保守など、成果物を完成させることよりも「一定期間、専門的な業務を遂行してもらうこと」を目的とする場合に準委任契約が利用されます。

なお、間違われやすい契約として「委任契約」があります。委任契約は法律行為を委託する契約であるのに対して、準委任契約は法律行為以外の事務を委託する契約です。

業務委託契約における準委任契約の事例

  1. 1.プロジェクト管理
    プロジェクトの進捗管理や会議運営、関係者との調整、資料作成などを一定期間行うケースです。成果物の完成ではなく、プロジェクト管理という業務の遂行を目的とします。
  2. 2.SES(システムエンジニアリングサービス)
    エンジニアがシステム開発や運用などの技術的な業務を遂行します。契約内容によって異なりますが、業務の遂行や工数などを基準として報酬が設定されるケースがあります。
  3. 3.コンサルティング・プロジェクト支援
    企業の課題分析や施策立案、プロジェクト推進など、専門的な知識を活用した業務を一定期間支援するケースです。

準委任はさらに2つの種類に分類できる

準委任契約は、報酬の支払い方によって「履行割合型」と「成果完成型」の2種類に分類できます。

  • 履行割合型
    業務を遂行した割合に応じて報酬が支払われる契約です。作業時間や工数などを基準として報酬を設定するケースが代表的で、成果物の完成自体が報酬発生の条件ではありません。
  • 成果完成型
    委任事務を履行したことによって得られる成果に対して報酬が支払われる契約です。成果物の納品や一定の成果の達成などを報酬の支払い条件として定めることがあります。

履行割合型と成果完成型の違い

履行割合型と成果完成型の大きな違いは、何を基準として報酬を支払うかです。

比較項目 履行割合型 成果完成型
報酬の基準 業務の履行割合 業務の履行によって得られた成果
代表的な報酬の考え方 時間・工数などに応じて支払う 定められた成果に対して支払う
成果物 必須とは限らない 成果物などを報酬条件とする場合がある
仕事の完成義務 原則として負わない 原則として請負契約のような仕事の完成義務は負わない

特に間違われやすいのが、成果完成型準委任契約と請負契約です。どちらも成果物の納品などを報酬の条件とすることがありますが、請負契約では「仕事を完成させること」が受注者の義務となるのに対し、成果完成型の準委任契約では請負契約と同じ仕事の完成義務を負うわけではありません。

そのため、「成果物がある=請負契約」と判断しないよう注意しましょう。

請負契約と準委任契約の違いを比較表で解説

請負契約と準委任契約の最も大きな違いは、契約の目的です。請負契約では「仕事の完成」を目的とするのに対して、準委任契約では「業務の遂行」を目的とします。

主な違いを比較すると、以下の通りです。

比較項目 請負契約 準委任契約(履行割合型) 準委任契約(成果完成型)
契約の目的 仕事の完成 業務の遂行 業務の遂行
仕事の完成義務 あり 原則なし 原則なし
報酬の基準 仕事の結果 業務の履行割合・工数など 業務の履行によって得られた成果
成果物 設定されることが多い 必須ではない 設定される場合がある
受注者の主な義務 仕事を完成させる義務 善管注意義務 善管注意義務
契約不適合責任 適用される 原則として請負の契約不適合責任は適用されない 原則として請負の契約不適合責任は適用されない

ここからは、それぞれの違いについて詳しく解説します。

①契約の目的

請負契約と準委任契約を理解するうえで、最も重要なのが契約の目的です。

請負契約では、受注者が「仕事を完成させること」を約束します。そのため、単に作業を行っただけではなく、契約で定めた仕事を完成させる必要があります。

一方、準委任契約では、契約で定められた業務を適切に遂行することが求められます。期待していた成果が得られなかったという理由だけで、直ちに仕事の完成義務を果たしていないことになるわけではありません。

そのため、契約形態を選ぶ際は「仕事を完成させてもらいたいのか」「専門的な業務を遂行してもらいたいのか」を明確にすることが重要です。

②成果物・完成義務の有無

請負契約では、仕事を完成させる義務があります。Webサイト制作であればWebサイト、システム開発であれば契約で定めたシステムなど、仕事の完成結果として成果物が設定されるケースが代表的です。

一方、準委任契約では成果物が必ずしも必要とは限りません。プロジェクト管理やシステム保守のように、業務そのものを継続的に遂行する契約もあります。

ただし、準委任契約でも資料やレポート、設計書などの成果物を納品する場合があります。さらに成果完成型では、一定の成果を報酬の支払い条件とすることも可能です。

そのため、成果物の有無だけで請負契約と準委任契約を判断するのではなく、「仕事そのものの完成を約束しているか」を確認しましょう。

③報酬が発生する基準・タイミング

請負契約と準委任契約では、報酬が発生する基準やタイミングにも違いがあります。

  • 請負契約・・・完成した仕事の結果に対して報酬を支払う
  • 準委任契約(履行割合型)・・・業務の履行割合や工数などに応じて報酬を支払う
  • 準委任契約(成果完成型)・・・業務の履行によって得られた成果に対して報酬を支払う

たとえば、契約で定めたWebサイトを100万円で完成させる場合は、請負契約が考えられます。一方、「月80時間、システム開発を支援する」といった場合は、履行割合型の準委任契約が考えられるでしょう。

どちらを選ぶかによって報酬の考え方が変わるため、契約締結前に「何を基準として、いつ報酬が発生するのか」を明確にしておくことが重要です。

④受注者の義務

請負契約の場合、受注者は契約で定められた仕事を完成させる義務を負います。正当な理由なく期日までに仕事を完成できない場合などには、契約内容や状況に応じて債務不履行責任を問われる可能性があります。

対して準委任契約では、請負契約のような仕事の完成義務ではなく、善管注意義務を負います。

善管注意義務とは「善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務」のことです。簡単に言えば、その業務を担う者として一般的に求められる注意を払いながら、適切に業務を遂行する必要があります。

準委任契約だから成果に対して一切責任を負わないという意味ではありません。必要な注意を怠ったことで発注者に損害が発生した場合などには、契約内容や状況によって損害賠償責任を負う可能性があります。

⑤契約不適合責任の有無

請負契約では、完成した仕事が契約内容に適合していない場合、契約不適合責任が問題となります。

契約不適合責任とは、引き渡された成果物などが契約で定めた内容に適合していない場合に受注者が負う責任です。発注者は状況に応じて、以下の対応を求められる可能性があります。

契約不適合があった場合に考えられる対応

  • 履行の追完
  • 代金の減額
  • 損害賠償
  • 契約の解除

一方、準委任契約では請負契約と同じ仕事の完成義務を負わないため、請負に関する契約不適合責任がそのまま適用されるわけではありません。

ただし、準委任契約であれば成果物に関する責任が一切生じないという意味ではありません。契約で定めた義務に違反した場合などには、債務不履行など別の責任が問題となる可能性があります。

成果物を設定する場合は、品質基準や確認方法、修正範囲などを契約書で明確にしておきましょう。

⑥途中解約・再委託の扱い

請負契約と準委任契約では、途中解約や再委託の扱いにも違いがあります。

  • 請負契約
    注文者は、請負人が仕事を完成しない間であれば、損害を賠償した上で契約を解除できます。
  • 準委任契約
    委任に関する規定が準用され、各当事者は原則としていつでも解除できます。ただし、相手方に不利な時期に解除した場合などには、損害賠償が必要になるケースがあります。

再委託については、契約形態だけで一律に判断するのではなく、契約書の内容を確認することが重要です。

再委託を予定している場合は「再委託を認めるか」「発注者の事前承諾を必要とするか」「再委託先の行為について誰が責任を負うか」などを契約書で明確にしておきましょう。

請負契約と準委任契約の見分け方

請負契約と準委任契約を見分ける際は、成果物の有無や契約書の名称だけで判断しないことが重要です。

特に、以下の3つのポイントを確認しましょう。

  • 仕事の完成を約束しているか
  • 成果物の有無だけで判断していないか
  • 契約書の名称と実際の契約内容が一致しているか

仕事の完成を約束しているかで判断する

最も重要なのは、「受注者が仕事の完成を約束しているか」です。

たとえば「契約で定めた仕様のWebサイトを期日までに完成させる」という契約であれば、仕事の完成を目的としているため請負契約が考えられます。

一方、「6カ月間、Webサイト改善のための分析・施策立案・実行支援を行う」といった契約であれば、一定期間の業務遂行を目的とする準委任契約が考えられるでしょう。

契約形態で迷った場合は、まず「完成させること」と「業務を遂行すること」のどちらを受注者に求めているのかを整理してください。

成果物があるだけでは請負契約とは限らない

成果物の有無だけでは、請負契約と準委任契約を正確に見分けられません。

準委任契約でも、業務を遂行した結果としてレポートや設計書、分析資料などの成果物を提出するケースがあります。また、成果完成型準委任契約では、業務によって得られた成果を報酬の支払い条件とすることもあります。

  • 成果物がある=請負契約
  • 成果物がない=準委任契約

上記のように単純に判断するのは避けましょう。

成果物の有無ではなく、その成果物を含む「仕事の完成」自体を受注者が約束しているのかを確認することがポイントです。

契約書の名称だけでなく契約内容や実態を確認する

「業務委託契約書」「請負契約書」「準委任契約書」など、契約書に記載された名称だけで契約形態を判断しないようにしましょう。

重要なのは、実際にどのような業務を委託し、受注者がどのような義務を負い、何に対して報酬を支払う契約になっているのかです。

また、実際の業務の進め方も重要です。契約上は請負や準委任となっていても、発注者が受注者側の労働者に直接指揮命令を行っているなど、実態が労働者派遣に該当する場合には、偽装請負と判断される可能性があります。

契約書の名称だけではなく、「契約内容」と「実際の業務の進め方」の両方を確認しましょう。

請負契約のメリットとデメリット

請負契約では、発注者、受注者(請負人)の双方にメリットとデメリットがあります。それぞれの特徴を理解した上で、自社の目的に適しているか確認しましょう。

請負契約のメリット

発注者

  • 管理業務を最小限に抑えられる
    請負契約では、仕事を完成させるための具体的な作業方法や人員管理などを受注者側が担います。そのため、発注者側の管理負担を抑えながら外部の専門性を活用できます。
  • 専門人材を自社で採用・育成する必要がない
    自社にない技術やノウハウが必要な業務でも、専門企業などへ依頼できます。新たに専門人材を採用・育成する場合と比較して、必要な期間だけ外部リソースを活用できる点がメリットです。
  • 成果物や費用を明確にしやすい
    仕様や成果物、報酬をあらかじめ定めて契約するため、発注時点で必要な予算を把握しやすくなります。

受注者

  • 作業方法や進捗管理の自由度が高い
    契約内容を満たすことを前提に、仕事の進め方や人員配置などを受注者側で決めやすい点がメリットです。
  • 業務効率化によって収益性を高められる
    仕事に対する報酬が事前に定められている場合、計画よりも少ない工数で仕事を完成できれば、収益性を高められる可能性があります。

請負契約のデメリット

発注者

  • 完成するまで品質を把握しにくい場合がある
    具体的な作業方法は受注者側に委ねられるため、途中経過を細かく管理する契約には向いていません。品質を担保するためには、成果物の仕様や検収基準などを事前に明確にする必要があります。
  • ノウハウやスキルが社内に蓄積されにくい
    業務を外部へ一任すると、業務遂行に必要な知識やノウハウが社内に残りにくくなる可能性があります。
  • 仕様変更によって追加費用が発生する可能性がある
    契約後に成果物の仕様や業務範囲を大きく変更する場合、契約変更や追加費用が必要になることがあります。

受注者

  • 工数が増えると収益性が低下する可能性がある
    仕事の完成に対する報酬が事前に決められている場合、想定以上に工数が増えると受注者側の負担が大きくなります。
  • 仕事を完成させる責任を負う
    請負契約では仕事の完成義務を負うため、スケジュールや品質を適切に管理する必要があります。
  • 契約不適合責任を負う可能性がある
    完成した成果物が契約内容に適合していない場合、修正や代金減額、損害賠償などが問題となる可能性があります。

準委任契約のメリットとデメリット

準委任契約では、受注者に一定の業務を委任することから、発注者、受注者双方にメリットとデメリットが存在します。

それぞれの特徴を確認して、依頼したい業務と準委任契約の相性が良いか確認しましょう。

準委任契約のメリット

発注者

  • 要件が固まっていない業務でも依頼しやすい
    成果物の完成を前提としないため、業務を進めながら方向性を調整するプロジェクトと相性が良い契約形態です。
  • 専門人材を一定期間活用できる
    エンジニアやコンサルタントなど、専門的な知識を持つ人材の支援を一定期間受けることができます。
  • 状況の変化に対応しやすい
    業務遂行を目的とするため、成果物や仕様を最初から完全に固定することが難しい業務にも利用しやすいです。

受注者

  • 工数に応じた報酬を設定しやすい
    履行割合型では作業時間や工数などを基準として報酬を設定できるため、請負契約と比較して想定外の工数増加による負担を抑えやすくなります。
  • 要件変更に対応しやすい
    仕事の完成そのものを約束する契約ではないため、プロジェクトの状況を踏まえながら業務内容を調整しやすい特徴があります。

準委任契約のデメリット

発注者

  • 期待した成果が保証されるわけではない
    準委任契約では業務を適切に遂行することが基本となるため、期待していた成果が必ず得られるとは限りません。
  • 長期化すると費用が増える可能性がある
    履行割合型で工数や期間に応じて報酬を支払う場合、プロジェクトが長期化すると総額が大きくなる可能性があります。

受注者

  • 善管注意義務を負う
    仕事の完成義務はなくても、受注者には適切に業務を遂行する義務があります。必要な注意を怠った場合には、損害賠償などが問題になる可能性があります。
  • 業務範囲が曖昧になる可能性がある
    柔軟に業務を進められる反面、契約時に業務範囲を明確にしていないと、当初想定していなかった業務まで依頼される可能性があります。

請負契約と準委任契約はどちらを選ぶ?ケース別の使い分け

請負契約と準委任契約のどちらを選択するかは、企業が業務委託を行う目的を明確にした上で判断する必要があります。

単純にどちらか一方が優れているわけではありません。仕事の完成を求めるのか、専門人材による継続的な業務遂行を求めるのかを整理して選択しましょう。

成果物や仕様が明確なら請負契約

請負契約が適している場合は、以下の通りです。

  • 完成させたい成果物が明確に決まっている
  • 成果物に必要な機能・品質・仕様を事前に決められる
  • 作業工程よりも完成した成果物を重視している
  • 予算や納期をあらかじめ明確にしたい

たとえば、仕様が確定したWebサイト制作やシステム開発、建設工事などが考えられます。

「いつまでに、どのようなものを完成させるか」を明確に定義できる業務ほど、請負契約との相性が良いと言えるでしょう。

業務内容や要件が変化しやすい場合は準委任契約

準委任契約が適している場合は、以下の通りです。

  • 業務開始時点で最終的な成果物が明確に決まっていない
  • プロジェクトを進めながら要件を調整したい
  • 一定期間、専門人材に業務を支援してもらいたい
  • 成果物よりも業務の遂行や専門知識の提供を重視している

たとえば、プロジェクトマネジメントやコンサルティング、システムの運用・保守、要件が変化しやすい開発支援などが考えられます。

特に、開始時点ですべての要件を決めることが難しい業務では、準委任契約の方が柔軟に対応しやすいでしょう。

システム開発では工程ごとに使い分けることもある

システム開発では、プロジェクト全体を一つの契約形態に統一するのではなく、工程や業務内容に応じて請負契約と準委任契約を使い分けるケースがあります。

たとえば、要件が固まっていない段階の支援や、仕様変更を繰り返しながら進める開発では準委任契約を利用し、仕様が明確になった工程については請負契約を利用するといった方法です。

重要なのは、「システム開発だから請負契約」「エンジニアを依頼するから準委任契約」と決めつけないことです。

各工程で何を依頼し、受注者にどのような義務を負ってもらうのかを整理した上で、適切な契約形態を選択しましょう。

請負契約・準委任契約を結ぶ場合の注意点

請負契約・準委任契約を締結する際は、契約書の内容だけでなく、実際の業務の進め方にも注意が必要です。

契約内容と実際の業務を一致させる

契約書に「請負契約」「準委任契約」と記載すれば、必ずその契約形態として扱われるとは限りません。

実際にどのような業務を行っているのか、誰が労働者へ指示を出しているのかなど、実態も重要です。

そのため、契約締結時だけでなく、業務開始後も契約内容と実際の運用にずれが生じていないか確認しましょう。

業務範囲・成果物・報酬条件を明確にする

請負契約では、完成させる仕事の内容や仕様、納期、検収基準などを明確にしておくことが重要です。

準委任契約でも、対象となる業務や契約期間、報酬の計算方法、成果物を設定する場合の取り扱いなどを契約書に記載しておきましょう。

契約内容が曖昧なまま業務を開始すると、「この作業は契約に含まれているのか」「どの状態になれば報酬が発生するのか」といった認識の違いからトラブルにつながる可能性があります。

指揮命令や偽装請負に注意する

請負契約や準委任契約では、発注者が受注者側の労働者に対して、労働者派遣と同じように直接指揮命令を行わないよう注意が必要です。

契約上は請負や準委任となっていても、実態として発注者が受注者側の労働者へ直接、具体的な作業方法や業務の割り振りなどを指示している場合、労働者派遣に該当し、いわゆる「偽装請負」と判断される可能性があります。

業務に関する要求や変更がある場合は、受注者側の責任者を通して伝えるなど、適切な契約関係を維持することが重要です。

請負契約と準委任契約は使い分けすることが重要

請負契約と準委任契約では、契約の目的や受注者が負う義務、報酬の考え方などが異なるため、依頼する業務に応じて使い分けることが重要です。

あらためて整理すると、それぞれ以下のようなケースに適しています。

  • 請負契約・・・成果物や仕様が明確で、仕事を完成させてもらいたい場合
  • 準委任契約(履行割合型)・・・一定期間、専門的な業務を遂行してもらいたい場合
  • 準委任契約(成果完成型)・・・業務の遂行を前提としながら、その業務によって得られた成果を報酬の条件としたい場合

特に請負契約と準委任契約を使い分けるには、「成果物があるか」だけで判断するのではなく、仕事の完成を受注者に求めるのか、業務を適切に遂行してもらうことを求めるのかを確認する必要があります。

また、契約書上の名称と実際の業務内容が異なる場合、契約上のトラブルにつながる可能性があります。業務内容・成果物・報酬・責任範囲などを整理した上で、自社の目的に合った契約形態を選択しましょう。

まとめ

今回は、請負契約と準委任契約の違いや見分け方、それぞれのメリット・デメリット、契約時の注意点についてご紹介しました。

請負契約では「仕事の完成」が求められるのに対して、準委任契約では「業務を適切に遂行すること」が基本となります。

また、準委任契約には履行割合型と成果完成型があり、成果完成型では成果物などを報酬の条件とするケースもあります。そのため、「成果物がある=請負契約」と考えるのではなく、仕事の完成義務や報酬の基準などを確認することが重要です。

業務委託を検討する際は、依頼する業務の目的や成果物、求める役割を明確にした上で、請負契約と準委任契約を適切に使い分けましょう。

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