「人材紹介手数料の相場や計算方法が分からない」
「人材紹介の手数料を安く抑えたい」
など採用の費用面に関して不安を抱えていませんか?
採用コストを抑えつつ、優秀な人材を効率的に確保したいと考えている企業は多いです。
本記事では、人材紹介手数料の計算方法、成功報酬型の特徴、返金規定を詳しく解説します。
また、求人広告や無料サービスを併用し、コストを分散させる方法も紹介します。
採用担当者や経営者が、最適な採用手法を見極めるためのヒントを得られる内容です。
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■目次
人材紹介の手数料とは?
人材紹介の手数料とは、企業が人材を採用する際に、紹介会社へ支払う費用のことです。
通常は成功報酬型で、採用が成立した場合にのみ発生します。
この手数料は、企業にとって採用コストの主要な部分を占めるため、しっかりと理解し管理することが必要です。
まずは、人材紹介手数料の計算方法、手数料が発生するタイミングについて解説していきます。
人材紹介の手数料は成功報酬型
人材紹介の手数料は、企業が紹介された人材を実際に採用し、雇用契約が成立した場合にのみ発生する成功報酬型と呼ばれる料金体系です。
このため、企業側にとってはリスクが少なく、求める人材を確保できた場合に限り、手数料を支払う仕組みとなっています。
具体的には、採用が成立した時点で紹介会社に手数料を支払い、その金額は採用した人材の理論年収を基に計算するのが一般的です。
成功報酬型の手数料は、紹介会社の利益が確保される一方で、企業の採用コストも明確にしやすいメリットがあります。
人材紹介手数料の計算方法は2種類
人材紹介手数料には、届出制手数料と上限制手数料の2種類あります。
① 届出制手数料
届出制手数料とは、紹介会社が人材紹介手数料の金額を自由に設定し、事前に厚生労働省に届け出を行う方式です。
紹介する職位や条件に応じて手数料が異なる場合があり、企業と紹介会社との交渉で決定されることもあります。
事業者が自由に設定できますが、一般的には求職者の理論年収の35%前後が相場です。
② 上限制手数料
上限制手数料は、紹介手数料に上限が設けられている方式です。
通常、紹介した人材の年収に対して一定の割合が手数料として徴収されます。
紹介した求職者が、6か月間雇用された場合、その期間の賃金の11% (免税事業者は10.3%)以下に相当する額が手数料です。
届出制手数料と上限制手数料はそれぞれメリットとデメリットがあり、企業は自社のニーズに合った方式を選択できますが、ほとんどの事業者は届出制手数料が選ばれています。
紹介手数料が発生するタイミング
紹介手数料が発生するタイミングは、届出制手数料と上限制手数料で異なります。
届出制手数料の場合、基本的に人材が採用され、雇用契約が正式に締結されて入社した時点で手数料が発生します。
このため、面接などの途中で候補者が辞退した場合や、企業側が採用を見送った場合には手数料は発生しません。
一方、上限制手数料の場合は、賃金の支払いが発生(最大6ヶ月)したタイミングで手数料が発生します。
手数料を支払う際の注意点
手数料を支払う際には、いくつかの注意点があります。
まず、支払いタイミングについて、契約内容を十分に確認しましょう。
一般的には採用が決まった時点で手数料が発生しますが、支払い時期や分割払いの可否などが契約によって異なることがあります。
また、返金規定についても確認が必要です。
早期退職や試用期間内の辞職が発生した場合、返金が適用される条件や期間をチェックしておきましょう。
さらに、手数料の計算方法が明確であるかどうかも含め、理論年収に基づく場合の請求例も確認しておくと良いでしょう。
予期せぬトラブルを避けるためにも、契約時に少しでも疑問があれば確認しておくことをおすすめします。
人材紹介手数料の相場
人材紹介手数料の相場を知ることは、採用コストの計画を立てる上でも重要です。
手数料率は多くの企業に共通する基準があり、採用したい人材の年収やポジションによって変動します。
次に、手数料の具体的な算出方法や相場について詳しく見ていきましょう。
手数料の算出方法は「理論年収×手数料率」
人材紹介の手数料は、基本的に理論年収に手数料率を掛けて算出されます。
理論年収とは、採用が決まった人材の1年間の総支給額を指し、基本給だけでなく、残業代や賞与、手当も含まれます。
例えば、理論年収が500万円で、手数料率が35%の場合、紹介手数料は175万円になります。
その他の年収については以下の表をご覧ください。
理論年収 (万円) | 手数料 (35%) (万円) |
---|---|
400 | 140 |
500 | 175 |
600 | 210 |
700 | 245 |
800 | 280 |
900 | 315 |
1000 | 350 |
1200 | 420 |
1500 | 525 |
この計算方法は、成功報酬型であるため、採用が成功した場合にのみ発生します。
一般的な手数料率は25~35%
人材紹介の手数料率は、業界や職種、企業規模によって異なりますが、 一般的には25%~35%の範囲で設定されています。
各人材紹介サービスの紹介手数料は、紹介する企業によって異なる場合が多いですが、一般的な目安として以下のような手数料が設定されています。
人材紹介サービス | 紹介手数料 |
---|---|
リクルートエージェント | 理論年収の約30%~35% |
マイナビエージェント | 理論年収の30%~35% |
doda | 理論年収の35% |
パソナキャリア | 理論年収の30%~35% |
JACリクルートメント | 理論年収の36%~ |
iX転職 | 理論年収の36%~ |
エン転職 | 理論年収の30% |
手数料率はあくまで目安で、実際の料率は企業規模や職種、求める人物像、契約内容などによって変動する場合がある点はご注意ください。
また、一部のエージェントでは、成功報酬型ではなく、月額固定制や成果報酬型と月額固定制の組み合わせを採用している場合があります。
上記以外にも、紹介手数料とは別に初期費用が発生するサービスもあるため、事前に確認が必要です。
理論年収の算出方法・実年収との違い
理論年収は、採用された人材が1年間(12ヶ月間)に得る総額を指し、基本給だけでなく、ボーナスや各種手当も含まれます。
一方で、実年収は、その年に実際に支払われた金額を示し、諸々の手当をすべて含んでいるため「理論年収≦年収」となります。
理論年収に含まれるもの、含まれないものは下表の通りです。
比較項目 | 理論年収 |
---|---|
基本給 | ◯:含まれる |
賞与(ボーナス) | ◯:含まれる |
通勤手当・交通費 | ×:含まれない |
住宅手当 | ◯:含まれる |
残業手当(変動) | ×:含まれない |
固定残業手当 | ×:含まれない |
成果報酬 | ×:含まれない |
その他の手当 | ◯:概ね含まれる |
理論年収は、契約時に確定される年収ベースでの見込み額であり、採用時に企業が参考にする指標です。
例えば、賞与やインセンティブが業績に応じて変動する場合でも、理論年収はあくまで固定的な算出方法に基づきます。
このように、理論年収は採用時点での標準的な年収見込みであるため、紹介手数料の基準に使われるのが一般的です。
返金規定|早期退職時の返還金
返金規定は、人材紹介サービスを利用する際に重要なポイントです。
採用した人材が短期間で退職した場合、紹介手数料の一部が返金されることがあります。
具体的な返還条件や金額は契約によって異なりますが、一般的には返還保証期間が設けられています。
この期間や手続きについて詳しく見ていきましょう。
人材紹介における返還金とは?
人材紹介における返還金とは、紹介された人材が早期に退職した場合に、企業が支払った紹介手数料の一部または全額が返金される仕組みです。
この返金制度は、採用が定着しないリスクを軽減するための重要なポイントです。
一般的には、人材紹介会社が提供する返還金保証制度によって、この制度が適用されます。
企業にとっては、採用後の早期退職による損失を最小限に抑え、次の採用活動に影響を与えないようにするための重要な制度です。
返還金の保証期間は6ヶ月
人材紹介サービスにおける返還金の保証期間は、一般的に入社から3〜6ヶ月で設定されています。
保証期間が長いほど、企業にとっては採用リスクが低くなりますが、契約内容によって保証条件は異なるため、企業は契約時に返還金の条件をしっかり確認することが重要です。
また、返還金制度は採用後の安定性を確保する一助となりますが、過度な依存は避けるべきでしょう。
そして、フリーリプレイスメントと呼ばれる、早期退職した人材の代わりを手数料なしで手配する制度もあるのでうまく活用すると良いです。
返還金利率の計算方法
返還金利率は、特定の契約や取引において支払われた手数料や費用の一部が返還される際に、その返還額を計算するための基準です。
人材紹介サービスなどでは、採用された候補者が早期に退職した場合、紹介手数料の一部を返還する制度が適用されます。
最初に支払われた手数料に対して、離職した時期に応じた割合を掛け合わせる方式が採用され、計算方法は以下の通りです。
返還金利率は、入社からの離職タイミングによって、たとえば次のように設定されていることが多いです。
- 1ヶ月以内に退職した場合:100%
- 3ヶ月以内:80%
- 6ヶ月以内:50%
返還金の割合や期間は、利用する人材紹介サービスや契約ごとで異なりますので、その割合は事前に確認しておきましょう。
返金手続きの流れ
① 返金申請の開始
顧客が返金を希望する場合、まず正式に返金申請を行いましょう。
この申請は、書面やオンラインフォームを使用して行い、返金の理由(早期退職など)を明確に記載する必要があります。
② 申請内容の確認
企業側は、返金申請が適切か、返金ポリシーに基づいているかを確認します。
契約内容や購入履歴、返金理由を詳しく審査します。
③ 返金の承認
申請が確認されると、返金手続きが承認されます。
返金額や返金方法(銀行振込、クレジットカードの払い戻しなど)が確定されます。
④ 返金手続きの実行
返金が承認された後、企業は返金を実行します。
通常、返金には数営業日かかり、手続きが完了するとその旨通知がされるでしょう。
⑤ 返金完了の確認
返金が正常に完了したかを確認します。
もし問題が発生した場合は、再度問い合わせが必要です。
返還金に関する注意点と確認事項
返還金制度においては、契約時に返還条件を細かく確認することが不可欠です。
例えば、退職理由が自己都合か企業都合かによって、返還金が適用されない場合もあります。
また、返還金が手数料の全額ではなく、段階的に減額されることが多いため、返還率を確認しておくことが重要です。
さらに、返金手続きの期限が設けられていることが多いため、退職が発生した際には速やかに人材紹介会社に連絡を入れ、必要な書類や手続きを漏れなく行いましょう。
人材紹介とそれ以外の費用比較
以下に人材紹介とそれ以外で1人あたりの人材採用の費用を比較しました。
採用手法 | コスト | 採用コスト目安 |
---|---|---|
人材紹介 | 採用者の年収の20〜35% | 50〜150万円 |
求人広告 | 広告費 | 5〜20万円 |
社内紹介 | 紹介者への謝礼 | 3〜10万円 |
ハローワーク | なし | 0円 |
SNSリクルーティング | なし | 1〜5万円 |
まず、人材紹介は費用が高く、採用者の年収の20〜35%が手数料としてかかるため、50〜150万円ほどが目安です。
しかし、専門的なスキルを持つ候補者を効率的に見つけられるメリットがあります。
一方で、求人広告やSNSリクルーティングは比較的低コスト(5〜20万円程度)で実施でき、幅広い応募者にアプローチできますが、質の高い人材を得るのが難しい場合があります。
社内紹介やハローワークはさらに費用が抑えられますが、求める人材が見つかる保証はありませんし、採用に時間もかかるでしょう。
それぞれ一長一短あるため、企業のニーズに合わせた採用手法の選択が重要です。
高い人材紹介手数料を削減する方法
高い人材紹介手数料を削減するためには、次の3つの手法を併用することが有効です。
- 他の採用手法との併用
- 長期目線で採用コストを抑える
- 無料の求人広告や採用サービスを活用
これにより、依存度を減らし、コスト削減を目指すことができます。
それぞれ詳細を解説します。
他の採用手法との併用
人材紹介サービスを利用する際、他の採用手法との併用は非常に有効です。
例えば、求人広告や転職サイトを併用することで、多様な求職者にリーチできるため、候補者の幅を広げることができます。
人材紹介は成功報酬型で確実な人材確保が見込めますが、併用することで費用を分散し、採用リスクを減らせるでしょう。
また、自社の採用チームを活用して直接応募を促すことも効果的です。
このように、さまざまな手法を組み合わせることで、採用の幅を広げ、効率的な人材確保が可能となります。
長期目線で採用コストを抑える
短期的な採用ニーズを満たすだけでなく、長期的な視点での採用戦略が、企業にとって重要です。
長期目線で採用コストを抑えるためには、計画的な人材育成や社員定着率の向上を目指すことが不可欠でしょう。
人材紹介サービスを利用する際も、即戦力だけでなく将来的に成長したり、自社に恩恵を与えてくれる可能性のある人材を見極めて採用する必要があります。
また、定着率の高い社内文化や環境を整えることで、リクルーティングコストが削減され、結果的に人材紹介手数料の負担も軽減されるでしょう。
無料の求人広告や採用サービスを活用
企業は、採用コストを削減するために、無料の求人広告や採用サービスを活用する方法を検討すると良いでしょう。
インターネット上には無料で求人情報を掲載できるプラットフォームや、費用対効果の高いサービスが多数存在します。
また、SNSを利用したダイレクトリクルーティングや、社員紹介制度の導入も、コスト削減につながります。
これらの手法は、初期投資が少なく、企業ブランドの認知度向上にも役立つため、効果的に活用することで、優秀な人材を低コストで獲得できる可能性があります。
人材紹介サービスのメリット・デメリット
次に人材紹介サービスのメリットとデメリットを見ていきましょう。
人材紹介サービスのメリット
人材紹介サービスには、多くの企業にとって有益なメリットがあります。
まず、専門のコンサルタントが企業のニーズに合った人材を迅速に見つけてくれるため、採用にかかる時間を大幅に短縮できます。
また、求人広告や自社採用チームでは届かないようなハイキャリアの候補者にアプローチできることも大きな利点です。
さらに、人材紹介サービスは成功報酬型のため、実際に採用が決定するまで費用が発生しないという点も、企業にとってリスクを抑えた採用手法となります。
人材紹介サービスのデメリット
一方で、人材紹介サービスにはデメリットも存在します。
まず、成功報酬型であるため、採用が成立すると一度に高額な手数料を支払う必要があります。
この手数料は通常、採用された人材の年収の25%から35%とされ、企業によってはコスト負担が大きいと感じる場合もあるでしょう。
また、紹介された人材が短期間(6ヶ月以上、1年未満など返金対象外の期間)で退職した場合には、企業の採用計画に影響を与えるリスクもあります。
さらに、外部のサービスに頼ることで、自社の採用ノウハウが蓄積されにくくなる点も考慮すべきポイントです。
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人材紹介手数料に関するよくある質問
最後に人材紹介手数料に関するよくある質問を紹介します。
人材紹介が向いている企業は?
人材紹介サービスは、即戦力となるプロフェッショナルや特殊なスキルを持つ人材を求めている企業に向いています。
特に、中途採用で空いたポジションを迅速に埋めたい場合や、特定の業界に精通した専門職の採用が必要な場合に効果的です。
また、採用の内製化が難しい中小企業や、採用リソースが限られている企業にとっても有効な手法です。
人材紹介会社のネットワークを活用することで、幅広い候補者から最適な人材を確保できるでしょう。
紹介手数料に含まれるサービスは何?
人材紹介手数料には、単に候補者を紹介するだけでなく、企業に適した候補者の選定、スクリーニング、面接調整、条件交渉などの幅広いサービスが含まれます。
企業のニーズに応じた人材の厳選、採用活動の進行管理、候補者の面談や選考結果のフィードバックの提供など、採用のサポートを包括的に行います。
紹介手数料は高い反面、企業はこれらの負担を軽減しながら、適切な人材をスムーズに採用できるというメリットがあります。
早期退職時の返金を確実に受けるには?
早期退職時の返金を確実に受けるためには、契約時に返金規定をしっかりと確認しておくことが重要です。
特に、返還保証期間や返金率、返金の手続き方法などを細かくチェックし、返金が発生する条件を明確にしておく必要があります。
さらに、早期退職が発生した場合、速やかに人材紹介会社に連絡し、期限内に手続きを進めることが大切です。
こうした準備をしておくことで、万が一の際も適切に対応できます。
費用を抑えつつ長期目線で優秀人材を獲得しよう!
本記事では、人材紹介の手数料に関する基本的な情報と計算方法、返金規定、そして採用コストを抑える方法について解説しました。
成功報酬型の手数料制度は、企業にとってリスクが少ない一方で、早期退職時の返金保証なども確認が必要です。また、求人広告や無料サービスなどを併用することで、人材獲得の費用を下げる方法も有効でしょう。人材獲得費用を抑えるには、長期的な視点での採用戦略を取り入れ、効率的に優秀な人材を確保することが重要です。
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(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)