
組織、人事コンサルタントの選定がうまくいくと、企業の成長や人材戦略に非常に大きな効果を発揮します。優れたコンサルティング会社は、組織の課題に対して的確なアドバイスを提供し、効率的な人事制度の設計、人材育成、組織文化の改革などをサポートしてくれるのがメリットです。
しかし、どのコンサルティング会社を選べば良いのか、どのような依頼をすれば効果的なのかを迷う企業も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、組織、人事コンサルタントを選ぶ際に知っておくべきおすすめの会社を紹介します。組織、人事コンサルを使うメリットや注意点にも触れるので、ご参考ください。
■目次
組織、人事コンサルタントとは?
組織、人事コンサルタントとは、企業や組織の人事戦略、組織構造、業務プロセスの改善を支援するコンサルタントを指します。HR(Human Resources|人的資源)の最大活用を目指してコンサルティングを行うのが特徴で、社員の採用、労働環境の整備、既存社員のキャリア開発、福利厚生の見直しなど、手がける分野は多岐に渡ります。
なお、組織、人事コンサルタントは組織の変革や再編成をするときだけでなく、人事制度や評価制度を見直すとき、企業文化やエンゲージメントの改善を目指すときにもフレキシブルに使えるのがポイントです。生産性向上による組織のパフォーマンス改善や離職予防にも役立つので、人事面での課題があるときに検討すると良いでしょう。
なお、組織、人事コンサルタントに依頼する方法として、コンサル会社のほかにコンサルタントと企業をつなぐマッチングサービスも上げられます。コンサル会社よりも費用が安く依頼できる可能性があるので検討してみてください。マッチングサービス「フリーコンサルタント.jp」では、コンサルタントの質を担保するため、経験と実績が豊富なコンサルタントのみが所属できる仕様になっています。なるべく費用を抑えつつ質の高いコンサルタントを求めている企業は、ぜひ一度以下から相談してみてくださいね。
組織、人事コンサル会社の種類5つ
ここでは、組織、人事コンサル会社の種類を5つに細分化して解説します。どの業務に対応しているかはコンサル会社ごとに異なるので、事前に相談してみましょう。
採用
採用に強い組織、人事コンサル会社は、企業のニーズに合った適切な人材を効率的かつ効果的に採用するための専門知識を持っています。採用戦略の設計と最適化に向けて、組織の成長を見据えた採用人数やタイミングなど具体的な計画を作ることが可能です。ターゲット人材の特定と市場分析を担当したり、候補者の選定や面接を担当したり、具体的な実務まで依頼できるのもメリットと言えるでしょう。
コンサル会社によってはデザイン会社と協力して理想的な採用HP作成に携わってくれるなど、フレキシブルな活用ができます。
人材育成、教育
人材育成、教育に強いコンサル会社は、企業の人材のスキルアップやキャリア開発を支援するための深い専門知識を持っています。従業員の能力を最大化し、企業の目標を達成するために、効果的な人材育成プログラムや教育体系を設計、実施してくれるのがメリットです。カスタマイズされた研修プログラムを提供してくれることも多く、外部人材を呼んで社内研修を任せるような感覚で使うこともできます。
上記のようなことから、組織文化に根差した教育プログラムの設計にも強く、帰属意識、従業員満足度を上げたいときに活用しても良いでしょう。
人事組織、制度
人事組織、制度に強いコンサル会社は、企業の人事制度や組織構造の設計、改善に関する深い専門知識を持っています。企業の目標や文化に最適な組織設計を行い、効率的かつ効果的な人事制度の構築をサポートしてくれるので相談してみましょう。企業のMVV(ミッション ビジョン バリュー)や経営戦略に基づいた組織設計や人事制度を実行でき、納得度の高い人事戦略となります。
また、組織の階層や部門の見直し、評価制度の改定など、改革的なことができるのもポイントです。組織変更に伴うロードマップや実行計画の作成から支援してもらえるため、どのような社内改革にするべきか迷っているときにも向いています。
人事BPR/IT
人事BPRとは、人事面での観点から見た業務プロセスの再構築を指す言葉です。人事BPRに強い人事コンサル会社は、人事部門における業務プロセスの効率化、最適化に特化した専門知識を提供してくれます。業務のボトルネックや無駄を洗い出すのに長けていて、業務の重複や非効率的な作業を特定できるのがメリットです。
場合によっては、人事業務における反復的な作業や手動処理を削減するために、RPA(ロボティック プロセス オートメーション)やAIなどのテクノロジーを活用することもあり、人事面でのDXやIT化も実現します。業務の迅速化と精度向上による働き方改革にも最適です。
チェンジマネジメント
チェンジマネジメントとは、組織内での変更に対する従業員の抵抗を最小限に抑え、変革を円滑に進めるための戦略を指します。
チェンジマネジメントに強いコンサル会社は企業が組織変革や業務改革を実施する際のポイントや、新しい指針を社内に周知、徹底するサポートをしてくれるのがポイントです。変革の目的や目標を明確に設定するだけでなく、従業員のエンゲージメントとコミュニケーションに配慮した社内コミュニケーション戦略も立案してくれます。
時には、コーチングやメンタリングを通じて従業員の不安を解消してくれるケースもあるので相談してみましょう。抵抗を軽減するためのトレーニングやワークショップを実施してもらうことで、離職や反発を防ぐ効果もあります。
組織、人事コンサル会社を利用する4つのメリット
ここでは、組織、人事コンサル会社を利用する4つのメリットを解説します。なぜ自社で内製化せず外部のコンサル会社を頼るのか、理由を探っていきましょう。
➀優秀な人材の採用につながる
企業が組織、人事コンサルタント会社を活用する際の大きなメリットのひとつとして、優秀な人材の採用がしやすくなることが挙げられます。
優秀な人材の採用は組織の成長や競争力向上に不可欠な要素ですが、適切な採用プロセスと戦略がなければ実現することはできません。組織、人事コンサルタント会社は業界内外に広範なネットワークとリソースを持っているため、企業が求めるスキルセットや経験を持つ候補者にアプローチできます。
特に高度なスキルや専門知識を持った人材をターゲットにする場合、コンサルタント会社の広いネットワークが役立つでしょう。
➁人材の定着率やエンゲージメント率が向上する
組織、人事コンサルタントの利用は、優秀な人材を採用するだけでなく、採用した人材が長期的に活躍していける環境を作れるのもメリットです。企業文化や価値観が従業員に共有されるようになり、人材の定着率やエンゲージメント率が高くなるので、一度雇った優秀な人材がどんどん離職してしまうこともありません。
また、組織、人事コンサル会社は従業員の満足度調査と改善施策にも強みを持っています。従業員満足度調査やエンゲージメント調査を実施し、従業員のニーズや課題を把握できるので、経営層でも気づかなかった課題が浮き彫りになるかもしれません。
③従業員のスキル向上につながる
組織、人事コンサルタントを活用し、従業員が常に業務に必要な知識や能力を高めることは、組織全体の競争力強化に直結します。コンサル会社に従業員のスキルギャップの特定と評価、カスタマイズされた研修プログラムの提供、リーダーシップとマネジメントスキルの強化などを依頼することで、従業員のスキル向上ができるケースは少なくありません。
その他、オンライン学習プラットフォームの導入や、定期的な勉強会の実施なども主導してくれることがあり、社内の工数をかけることなくスキルアップを図れます。
従業員が自主的にスキルアップを図れるようになることは、ワークエンゲージメントの向上にもつながるのがポイントです。「年々スキルが伸びている」「会社が丁寧に研修してくれる」という満足度は、会社への愛着心を育むことにもつながります。
④自社では思いもよらなかった課題の発見と解決ができる
組織、人事コンサル会社を利用することで、自社では思いもよらなかった課題の発見と解決ができることも多いです。組織内部の視点からは見逃しがちな問題や新たな課題に対して、外部の専門家が客観的に分析してくれるので、解決のヒントが見つかるかもしれません。データ分析を活用して課題を特定しているので納得度も高く、今の課題の根がどこにあるのかが浮き彫りになるでしょう。
また、コンサル会社は、課題の特定だけでなくその後の解決まで一気通貫型のサポートをしてくれるのが一般的です。従業員のフィードバックを元にした改善や変革を伴う組織改革の支援にも強みがあり、頼もしい存在となります。
組織、人事コンサル会社を利用する際の4つの注意点
次に、組織、人事コンサル会社を利用する際の4つの注意点を解説します。利用には多数のメリットがありますが、デメリットやリスクがあることも承知しておきましょう。
➀費用が高く、コストパフォーマンスが悪いと感じることがある
組織、人事コンサル会社を利用するにあたって、想像以上に費用が高くコストパフォーマンスが悪いと感じることがあります。人事改革は一定以上の育成期間や制度の移行期間を設ける必要があり、すぐに効果が出るとは限りません。中長期的な目標になることが多い一方、コストは毎月定額でランニングしていくため、本当にコンサル会社を使ってよかったのか迷うこともあるでしょう。
さらに、組織、人事コンサル会社の料金相場は、1プロジェクトあたり800万円~3,000万円程度と幅がかなり広く、決して安いわけではありません。従業員数や依頼する業務の幅によって異なる他、なかには時間単位での課金形態を採用しているコンサル会社もあります。
なお、即戦力の求める企業にコンサルタントを紹介するプロ人材紹介サービスであれば、コンサル会社よりも費用を抑えられます。「フリーコンサルタント.jp」では、経験豊富なプロ人材のみが所属していることに加えて、費用も20~200万円程度で抑えられるため、気になる方は一度相談してみてください。
➁サポート範囲を確認する
組織、人事コンサル会社は人事に関する全てを相談できるのが一般的ですが、契約書であらかじめ業務範囲を指定することも多いです。
コンサルタントが提供するサービスには、大きく分けて「戦略策定」「実行支援」「評価、フォローアップ」などがあります。サポート範囲として何が含まれるのか、どのフェーズでサポートが得られるのかを確認しておきましょう。
また、具体的なサービス内容も確認しておけば、認識相違が起こることもありません。追加オプションやカスタマイズの可否もチェックし、どこまで依頼するか明文化しておくのがポイントです。
③会社選びに失敗すると効果が出ない場合もある
残念ながら、会社選びの失敗や業務範囲の認識の相違などで思ったような効果が得られなかった、という場合もあるので注意しましょう。
コンサル会社によってアプローチや得意分野は異なり、ニーズに合わない場合は時間やコストの無駄になりかねません。特に、会社文化や価値観を理解してくれないコンサル会社や、進捗管理やフォローアップが不足しがちなときは要注意です。
まずはコンサルタントと成果やゴールを事前に明確に設定し、現実的な目標を共有しておきましょう。プロジェクトの進行状況を定期的に確認し、期待値と結果に乖離がないかをチェックすることも大切です。
④自社にノウハウが蓄積できない可能性がある
外部の専門家に依頼することには大きなメリットがある一方で、自社に人事ノウハウが蓄積されないというリスクもあります。
外部依存が続くと「コンサルがいないと人事戦略が立てられない」という状態に陥ってしまい、自走する力がなくなるかもしれません。次回同じような問題が発生したときに、再度コンサル会社を利用するなど、コストばかり膨らんでしまうこともあるのです。
コンサルタントが提案した施策を実行するだけで、社内のスタッフがそのプロセスやノウハウを学ぶ機会がないのであれば特に注意しましょう。
コンサルタントに対して知識移転を求めたり、マニュアルやガイドラインを作成して今後も自社で活用できる形で残したりするのがおすすめです。
組織、人事コンサル会社を選ぶ時のポイント
ここでは、組織、人事コンサル会社を選ぶ時のポイントを解説します。少なからずコストのかかることを考え、効果を最大化できるよう取り計らいましょう。
自社の課題や目的をあらかじめ明確にしておく
まずは、自社の課題や目的をあらかじめ明確にしておくことが大切です。コンサル会社の力を借りて課題、目的を可視化し、その後具体的な施策に移りましょう。
自社の現状や解決したい課題を整理し、具体的な目標を設定することで、最適な支援内容や専門性を持つコンサルタントを選定できます。また、依頼したい内容も自ずと決まるので、課題とミスマッチのある施策になるリスクを予防できるのもポイントです。
自社の課題に適したサービス、企業か確認する
人事コンサル会社と一口に言っても範囲は広く、事前に自社の課題に適したサービス、企業であるか確認するのが大切です。
最初に自社の抱えている課題を再度洗い出し、優先順位をつけましょう。課題が複数ある場合は、それぞれに対してどのような解決策を求めているのかを整理します。
その後コンサル会社が提供するサービス内容を確認し、照らし合わせることでギャップの有無を把握できます。自社の業界や同規模の企業を支援した経験がある企業を選ぶと、より効果的な支援を受けられるのでおすすめです。
支援実績が豊富か確認する
コンサル会社の支援実績が豊富か、事前に確認しておきましょう。実績が多ければそれだけ多様なケースに対応した経験があるので、より深い洞察や効果的な解決策を提案してもらえる可能性が高くなります。
また、過去の成功事例から自社に適したアプローチを見出せるため、安心して依頼しやすくなるのもポイントです。これまで支援した業界、企業規模、課題、解決手法などをチェックしておけば、自社に向いているコンサル会社か判断しやすくなります。成果を数字や具体的な改善内容で示してもらうなど工夫すれば、ミスマッチも起こりません。
組織、人事コンサル会社へ依頼した事例
最後に、組織、人事コンサル会社へ依頼して成功した企業事例を紹介します。他社がどのように組織、人事コンサル会社を利用しているのか知り、自社に役立つ要素がないかチェックしてみましょう。
情報処理、通信業の会社:キャリア研修設計を依頼
情報処理、通信業を手がける某企業では、組織、人事コンサル会社にキャリア研修設計を依頼して成功させました。キャリアについて考える研修を定期的に開催して従業員のキャリア構築を支援したり、企業カルチャーに合わせた研修プログラムを構築したりすることで、会社の価値観に共感してくれる従業員を増やしました。
結果として、従業員のスキルアップと帰属意識の向上を同時に叶えることができ、若手向けのキャリア施策として定着しています。
新規事業開発の支援会社:評価制度の構築を依頼
新規事業開発の支援会社である某企業では、組織、人事コンサル会社に評価制度の構築を依頼して成功させました。人事評価制度を新たに構築するに当たりタレントマネジメントシステムである「HRBrain」を導入し、評価業務の効率化と最適な人材管理、人材配置を実現しています。
「上司の好み」など主観的な人事評価指標になることを避け、客観性のある人事評価ができるようになったことにより、従業員の納得度も向上することとなりました。システムを導入するだけでなく、根本にある評価体制の構築から伴走した事例と言えます。
ゲーム制作会社:人事制度の構築と育成を依頼
某ゲーム制作会社は組織、人事コンサル会社に人事制度の構築と育成を依頼し、従業員のモチベーションアップや業績向上につなげています。自社の目指す方向性やビジョンを明確にするところから始め、その後人事制度や評価体制に落とし込むことで、企業の成長戦略や文化に合ったシステムとなりました。
自社の文化や価値観に合致した制度にすることで、企業全体の競争力を高めた事例と言えます。
コンサル会社だけじゃない!組織や人事に関する相談ごとならフリーコンサルタント.jpもおすすめ!
組織や人事に関する悩みは、コンサル会社だけでなくフリーランスコンサルタントに相談するのもおすすめです。「フリーコンサルタント.jp」は多数のフリーランス人材を抱えるマッチングサービスであり、組織、人事コンサルティングに強いフリーランスも多数在籍しています。気軽な相談から本格的な施策実行まで、ニーズに応じて対応できるフレキシブルさも魅力として定着してきました。
大手のコンサルティング会社に依頼する場合に比べてコストパフォーマンスが高く、柔軟な契約形態で支援を受けられるのもポイントです。人事制度が未整備の企業や組織改革を進めたい企業は、フリーランスコンサルタントの活用も検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
組織、人事コンサル会社は、人事に関する専門的な支援が必要な企業にとって非常に有益な選択肢となります。利用のメリットも多く、従業員のスキルアップ、離職予防、採用強化、適材適所での最適な人材配置など、得られる効果も大きいのが特徴です。
人事に関する相談は、コンサル会社だけでなくフリーランスコンサルタントも受け付けています。「フリーコンサルタント.jp」はフリーランスの人事コンサルタントを企業とマッチングするプラットフォームなので、柔軟な契約形態で支援を受けたいときはぜひご活用ください。