手探りの新規事業が、具体的な営業戦略を持つまでに
~株式会社東芝を支えた「チーム型」プロ人材活用術~
*導入の決め手:課題を深く理解し、最適なチーム体制を提案してくれたこと
*導入効果:営業先の解像度が上がり、具体的な案件創出に繋がった
社会インフラやエネルギー、デジタルソリューションの領域で、長年にわたり日本の産業を支えてきた株式会社東芝。その中でセキュリティ・自動化システム事業を手掛ける部門が今、交通インフラと沿線サービスを繋ぐ「交通チケットオープン化プラットフォーム どこチケ®」という新たな事業展開に挑んでいます。今回は、この新たな挑戦の裏側についてお話を伺いました。
2.挑戦を支えた”オーダーメイド”の「チーム型」支援
3.手探りの訪問から“刺さる”提案へ。営業の「解像度」が劇的に向上
4.完璧な相談は不要「情報共有」こそが外部人材を活かす鍵
5.移動と街を繋ぎ、お出かけがもっと豊かになる未来を創る
1.技術者がリードする、前例のないサービス事業への挑戦
お話を伺ったのは、新規事業において、企画立案から事業計画の策定、そして実際の営業活動まで、プロジェクト全体を牽引する株式会社東芝 セキュリティ・自動化システム事業部 交通自動機器システム技術部 の杉本 勇一氏です。

従来のハードウェアやシステム販売が中心となる組織の中で、BtoBtoC事業者向けのサービス事業という、新たなビジネスモデルの確立に挑戦されています。
2.挑戦を支えた”オーダーメイド”の「チーム型」支援
「交通チケットオープン化プラットフォーム どこチケ®」は、鉄道のデジタル乗車券(きっぷ)を、沿線の商業施設やイベントなどの移動以外のサービスと連携させる画期的なサービスです。そのため、事業は始まったものの、社内では過去に前例のないビジネスを推進しているため、確立された営業戦略が存在せず、手探りの状態が続いていました。

「まずはこのプロジェクトの現状を整理し、事業としてどう進めるべきか、具体的な営業計画を立て直す必要がありました」と杉本氏は当時を振り返ります。この挑戦を支えるパートナーを探す中、社内の紹介で出会ったのが株式会社みらいワークスのフリーコンサルタント.jpでした。
決め手となったのは、個別のスキルを提案するのではなく、言語化できていない課題まで深く汲み取り、「チームでの支援」を提案してくれたことだと言います。実際、みらいワークスからは具体的な4名体制での支援が提案されました。アイデアを実業務に落とし込み推進する担当者と、的確に軌道修正を行う担当者が組むなど、バランスの取れたチーム構成も魅力でした。
「我々のやりたいことを本当に理解し、同じ目線で対話してくれると感じました。特定の誰かを選ぶというより、このチームになら任せられるという安心感がありました。」と杉本氏は振り返ります。
3.手探りの訪問から“刺さる”提案へ。営業の「解像度」が劇的に向上
プロ人材との協業で生まれた最も大きな効果は、営業活動における「解像度」が劇的に向上したことでした。これまで手探り状態だった営業先が、「どの業界の、どんな課題を持つ人にアプローチすべきか。」というターゲットのペルソナが明確になりました。
以前は訪問先の担当者が提案内容の意図を汲んでくれるかという点において、「ランダム性」に頼る面がありましたが、今は違います。「ターゲットが絞られたことで、提案内容が具体的になり、話が伝わりやすいお客様へ直接アプローチできるようになりました。結果、具体的な案件に繋がりやすくなったと実感しています。」
また、自分たちだけでは整理しきれなかった事業の提供価値やビジネス構造が「見える化」されたことも大きな成果です。具体的な営業計画やターゲットリストという定量的なアウトプットを得られたことで、チームは自信を持って前に進めるようになりました。比較対象がない中でも「コストパフォーマンスは良いと感じています。」と杉本氏は話します。
4.完璧な相談は不要「情報共有」こそが外部人材を活かす鍵
このような成功の裏側には、プロ人材の力を最大限に引き出す秘訣がありました。
「たとえ考えがまとまっていなくても、現状や課題をオープンに話すことが、良いマッチングの第一歩です。社内の常識で『これは言わない方がいい』と情報を制限せず、何でも相談するくらいの姿勢が重要だと感じました。」と杉本氏は語ります。

まず自力で試行し、「何ができないのか」を把握することで、外部に依頼すべき範囲が明確になります。「丸投げではなく、パートナーとして一緒に走ってもらうという意識が、プロジェクトを成功に導くと考えています。私たち自身も、彼らの提案に追いついていくのがやっとの時もありました。受け手側のレベルが上がるほど、彼らの能力をさらに引き出せる。それも実感しましたね。」
5.移動と街を繋ぎ、お出かけがもっと豊かになる未来を創る
「近年、鉄道インフラのデジタル化が急速に進み、私たちのサービスが社会で活用される基盤は整いつつあります。」今後は、「交通チケットオープン化プラットフォーム どこチケ®」をさらに多くの鉄道沿線の事業者様に活用してもらい、新たな顧客体験の創出を支援していきたいと考えているようです。

「私たちのサービスを通じて、人々がもっと気軽にお出かけし、地域の経済が活性化する。そして、個人的にもハッピーな人が増える。そんな未来の実現に貢献できれば嬉しいです。新しい顧客サービスの拡大を目指す企業の方々に、ぜひこの可能性を届けたいですね。」
「交通チケットオープン化プラットフォーム どこチケ®」で、人々の移動体験に新たな価値を創造する株式会社東芝。社会インフラの知見と新たな発想を掛け合わせる同社の挑戦が、日本の未来をより豊かに変えていくことでしょう。








