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三菱マテリアルITソリューションズ社員の“キャリア自律”を促す人材育成プロジェクトが始動 三菱マテリアルITソリューションズにおける企業文化変革の裏側とは?

  • 導入の背景:2023年の会社設立に伴い、自社としての人材育成の土台作りが急務に
  • 導入の決め手:社員のキャリア自律を促すコンセプトへの共感と経営層の後押し
  • 導入効果:自らを見つめ直すアセスメントや越境学習により、社員の前向きな意識変容と横のつながりを創出

三菱マテリアルITソリューションズ株式会社は、2023年に三菱マテリアルグループのIT戦略を担う中核会社として設立されました。同社はグループ全体のIT戦略を支える役割を担い、「人を中心としたIT戦略」を掲げ、社員一人ひとりの成長を企業の成長に直結させる組織づくりを推進しています。

同社が推進する中長期的な人材育成施策の一環として、株式会社みらいワークスからの提案により導入したのが「CY(Change Yourself)プロジェクト」です。今回は本プロジェクトを牽引した企画管理部 企画グループ長の伊藤 立氏と、実務推進を担ったITソリューション部 技術・プラットフォームグループ リードエキスパートの藤塚 陽平氏に話を伺いました。

目次

  1. 会社設立に伴い急務となった人材育成の基盤構築と課題
  2. 「まずはやってみよう」経営層の後押しで始動したCYプロジェクト
  3. 自己認知から行動の自分事化へ。意識変容を促す4つのステップ
  4. 社内メンバーのみでの実施と、横のつながりが生む前向きな自己変容
  5. 効果を最大化する秘訣は定量評価への固執からの脱却
  6. 「人を中心としたIT戦略」の実現に向けた今後の展望

会社設立に伴い急務となった人材育成の基盤構築と課題

「2023年の会社設立に伴い、自社としての人材育成の土台作りが急務になっていました。」と、伊藤氏は当時を振り返ります。

三菱マテリアルITソリューションズ株式会社 企画管理部門 企画グループ長 伊藤 立氏

当時、同社は三菱マテリアルグループの研修に参加をしていましたが、これからITのプロフェッショナル集団として、リーダー・エキスパートになっていくためのより体系的な育成施策の充実が課題だと捉えていました。

そこで同社は、人材育成の土台作りとロードマップ策定を推進するため、みらいワークスが提供するフリーコンサルタント.jpを活用し、プロフェッショナル人材を招へいしました。

プロフェッショナル人材が参画した効果について、藤塚氏は「外部の専門家と壁打ちを重ねることで、頭の中にあったゴールイメージや社内の課題を明文化でき、経営層と認識を合わせるうえでも多大な貢献をしていただきました」と語ります。

こうしてプロフェッショナル人材の伴走によって課題が言語化され、プロジェクトは前進したものの、次なる壁に直面します。 「社員の意識醸成が重要であることは認識していたものの、残念ながら具体的な施策の検討がなかなか進まずにいる状況でした。」と藤塚氏は当時の悩みを明かします。

「まずはやってみよう」経営層の後押しで始動したCYプロジェクト

具体的な施策に悩む中、全体の人材育成施策の一環として導入を決めたのが、みらいワークスが提供する、みらRe-skillingを活用したCYプロジェクトです。

導入の決め手について、伊藤氏はこう語ります。
「会社による育成支援に加え、社員一人ひとりのキャリア自律をさらに促進する必要性を感じていました。その中で提案された“Change Yourself”というキーワードが、当社グループが掲げる成長や変化といった価値観と合致し、深く共感したことが大きかったですね。」

さらに、アセスメントや他社との交流会、越境学習などを通じて自分自身を振り返るプログラムが提示されたことが、導入への後押しとなりました。

同社は三菱マテリアルグループ内における社内SEのようなポジションを担っているため、これまでグループ外との接点が少ないという課題を抱えていました。
そのため、違う会社の人とチームを組む越境学習のプログラムは非常に魅力的でした。そうした厳しい環境のなかでいかに自分の価値を発揮していくかを問われるのは社員にとってほぼ初めての経験であり、強烈な刺激を与えるものだったのです。

一方で、最初からスムーズに社内の賛同を得られたわけではありませんでした。当時の様子について、藤塚氏に導入の裏側を教えて頂きました。

三菱マテリアルITソリューションズ株式会社 ITソリューション部 技術・プラットフォームグループ リードエキスパート 藤塚 陽平氏

「当初は定量的な効果が見えにくく、これによって何が得られるのかと担当者や部長レベルでも不安視する声がありました。しかし、当時の部長から『偵察に行くぐらいのつもりで、とりあえず1回やってみろ。』と背中を押してもらったのです。」

自己認知から行動の自分事化へ。意識変容を促す4つのステップ

こうして、次世代リーダー候補と施策の運営担当者を対象としたスモールスタートで、研修をプレ開催しました。研修は大きく4つのステップで構成されています。

CYプロジェクト ゴール:自律型プロフェッショナル集団への変革

STEP1としてアセスメントとプロによるカウンセリングを行い、伊藤氏が「自分自身を振り返り、内省する時間が持てました。」と語るように、まずは客観的なデータに基づく自身の棚卸しからスタートします。

続くSTEP2では他社との交流会や越境学習を実施し、藤塚氏が「自分のスキルや価値を発揮できるか問われる、非常に刺激的な研修になったと感じています。」と振り返るように、外部の価値観に触れて視野を広げる機会としました。

そしてSTEP3として、それらの気づきを踏まえて自身のテーマを基にした具体的な行動計画を策定し、実際の社内業務の中で実践へと移していきます。

最後のSTEP4では振り返りの報告会を実施し、藤塚氏は「それぞれの体験を共有した上で、今後の目標や思いを公に宣言して頂きました。」と、一連のプロセスを通じた自発的な行動の定着を図りました。

社内メンバーのみでの実施と、横のつながりが生む前向きな自己変容

「アセスメントやカウンセリングによって、じっくり自分を見つめ直す時間が持てたことは非常に良かったです。これは選ばれたメンバーだけでなく、全員にやらせたいと思うほどの手応えです。」と、伊藤氏は個人の変化に対する評価を口にします。

また、組織に生まれた変化についても次のように語りました。 「同じ職種・境遇の社内メンバーだけで実施したことで、組織としての横のつながりや共感が生まれました。共通の悩みやテーマに向かって語り合うことで、コミュニケーションの量だけでなく、質が大きく向上したと感じています。」

三菱マテリアルITソリューションズ株式会社 ITソリューション部 技術・プラットフォームグループ リードエキスパート 藤塚 陽平氏

藤塚氏も、研修について手応えを補足します。「これまで同じ会社にいて自分の現在地を知る機会がなかった中で、アセスメントを通じて客観的な現在地を把握できたことは非常に重要でした。参加者からも、自身を振り返る行為がちゃんとできたという声が確実に多く挙がっています。」

さらに、今回のプロジェクトを通じて行動の自分事化という面でも大きな気づきがありました。伊藤氏は次のように振り返ります。「これまでの人材育成では、会社や上司から求められることが起点となるアプローチが多くなりがちでした。しかし、今回を通じて、本当に自分の目指したい姿や大切にしたい姿を考えていくことが何よりも大事だと気づいたのです。」

藤塚氏も、その変化の重要性を次のように強調します。「人によって成長曲線は異なりますが、一人ひとりが本当に自分自身の言葉でやりたいことを出してくれたことが重要でした。これまでは会社や上司から求められることが起点でしたが、自身のやりたいことを言語化し、自身の志と組織の価値創出を結び付ける視点を持てたことで、誰もが自分事として主体的に取り組めるようになったと感じています。」

効果を最大化する秘訣は定量評価への固執からの脱却

人材育成における変化の基準について、同社は独自の哲学を持っています。

「人材育成のすべてを定量で測ることは非常に難しいと考えています。アセスメントの点数が上がったから良いというものではなく、本人が自発的に変わりたいと感じて前向きに捉えるようになったかという変化のきっかけこそが大事だと思っています。」と、伊藤氏は語ります。

三菱マテリアルITソリューションズ株式会社 企画管理部門 企画グループ長 伊藤 立氏

さらに、「定量的に測れない部分については、目標管理などとは異なる形で、プロセスや目指したい姿に向けた問いかけを重視しながら取り組んできました。育成において数字合わせになってしまうと長続きしないので、時間はかかっても前向きな変化を大切にしたいです。」と、プロセス評価の重要性を説きました。

藤塚氏もこの方針に同調し、次のように言葉を継ぎます。
「数字として語らない方が、変な誘導にならなくて済むと感じています。人間の実感や、組織の中におけるミッションの達成に結びつくことこそが重要です。」

「人を中心としたIT戦略」の実現に向けた今後の展望

研修のプレ実施での確かな手応えをもとに、今後はCYプロジェクトによる意識変容を一過性のものにせず、全社的な企業文化として定着させていく方針です。

「今回の結果をもとに、今後はアセスメントを全社員を対象に進めていきたいと考えています。全社員が自分自身の現在地を知るということが、変化に向けた大切な第一歩になるからです。」と、伊藤氏は今後の展望を見据えます。

同社が掲げる“人を中心としたIT戦略”において、人のパフォーマンスはスキルとモチベーションと考えることの掛け合わせであると考えられています。外部の客観的な知見を自社の組織開発に取り入れ、社員のキャリア自律を促す取り組みは、この戦略を実現する確かな基盤として機能していくはずです。