
チームやプロジェクトの目標設定を任されたものの、KPIとKGIの違いや使い分けに迷う方は少なくありません。
KGIは最終的に達成したいゴールを示す指標 であり、 KPIはその達成に向けた進捗を確認する中間指標 です。両者を正しく理解し、連動させて設定することで、目標と日々の行動がつながり、チーム全体の成果向上にもつながります。
本記事では、KPIとKGIの意味や違い、KSFやOKRとの関係性、具体例、設定手順を解説します。KPI・KGIの理解を深め、成果につながる目標設定と運用方法を身につけましょう。
KPI・KGIの違いとは?
KPIとKGIの違いは「最終的な目標」を示す指標か、その目標達成に向けた「通過点」を示す指標かにあります。KGIは、事業やプロジェクトにおいて最終的に達成したい成果を数値化した指標です。一方、KPIはKGIを達成するための進捗を測る指標として活用されます。
| 項目 | KGI | KPI |
|---|---|---|
| 役割 | 最終目標を示す | 中間指標を示す |
| 正式名称 | 重要目標達成指標 | 重要業績評価指標 |
| 見る対象 | 最終的な成果 | 成果に至るまでの進捗 |
| 設定期間の目安 | 半年〜1年程度 | 週次〜月次程度 |
| 具体例 | 売上高1億円、採用人数50名、成約数100件 | 商談数、問い合わせ数、面接設定数、受注率 |
上記のように、KGIは「最終的に何を達成するのか」を明確にする指標であり、KPIは「そのために何を追いかけるのか」を明確にする指標だと考えると、違いがわかりやすいです。

たとえば、KGIを「年間売上1億円」に設定した場合、KPIには「月間商談数」「受注率」「平均単価」などが入ります。
KGIだけを設定しても、日々の行動までは明確になりません。反対に、KPIだけを追っていても、それが最終成果につながっていなければ意味が薄れてしまいます。そのため、KGIとKPIは それぞれの役割を理解したうえで、セットで設計・運用することが重要 です。
KGI(Key Goal Indicator:キーゴールインジケーター)
KGIとは、ビジネスやプロジェクトにおける最終的な成果を測る指標です。日本語では「重要目標達成指標」と訳され、組織やチームが最終的に何を達成するのかを明確にするために設定します。
KGIは、単なるスローガンではありません。「売上を伸ばす」「採用を強化する」「顧客満足度を高める」といった曖昧な目標では、達成できたかどうかを判断しにくくなります。そのため、 KGIは必ず数値で設定することが重要 です。
たとえば、以下のような数値がKGIにあたります。
- 年間売上高1億円を達成する
- 月間新規受注金額2,000万円を達成する
- 新卒採用人数50名を達成する
- 年間EC売上高を前年比120%にする
- 顧客継続率90%を達成する
なお、KGIを設定する際は日々の行動に落とし込みやすくするために、 期限もあわせて決めることが重要 です。KGIを明確に設定し、目標達成に向けた中間指標としてKPIを設定することで、チーム全体が同じゴールを共有しながら行動しやすくなります。

さらに、目標を数値化することで「現在どこまで達成できているのか」「目標との差分はどれくらいあるのか」を把握しやすくなるため、進捗状況の可視化が可能です。
結果として、課題の発見や改善施策の検討もしやすくなり、目標管理の精度向上にもつながります。
KPI(Key Performance Indicator:キーパフォーマンスインジケーター)
KPIとは、KGIを達成するための進捗を測る中間指標です。日本語では「重要業績評価指標」と訳され、最終目標に向かうプロセスが正しく進んでいるかを確認するために使います。
たとえば、KGIが「月間売上1,000万円」の場合、KPIには以下のような指標が考えられます。
- 月間問い合わせ数
- 商談化率
- 受注率
- 平均受注単価
- 既存顧客のリピート率
上記の数値を追うことで、 売上目標に対してどの部分が順調で、どの部分に課題があるのかを把握することが可能 です。
たとえば、問い合わせ数は多いのに売上が伸びていない場合、商談化率や受注率に問題がある可能性があります。一方で、受注率は高いものの売上が足りない場合は、問い合わせ数や平均単価を見直す必要があるでしょう。
KPIは、現場の行動を具体化し、チーム全体の動きをそろえるうえで重要な指標になります。

KPIを適切に設定すれば、感覚ではなく数値に基づいて改善すべきポイントを判断することが可能です。
KPI・KGI・KSF・OKRの違い
KPI・KGI・KSF・OKRは、いずれも目標管理に関係する考え方ですが、それぞれの役割が異なります。
それぞれの違いは以下のとおりです。
| 項目 | KGI | KPI | KSF | OKR |
|---|---|---|---|---|
| 正式名称 | Key Goal Indicator | Key Performance Indicator | Key Success Factor | Objectives and Key Results |
| 意味 | 重要目標達成指標 | 重要業績評価指標 | 重要成功要因 | 目標と主要な成果 |
| 役割 | 最終的なゴールを数値で示す | KGI達成までの進捗を測る | 目標達成に必要な成功要因を示す | 挑戦的な目標と成果指標を管理する |
| 具体例 | 年間売上1億円・採用人数50名 | 商談数・受注率・面接設定数 | 質の高い商談を増やす・既存顧客からの追加受注を伸ばす | 顧客満足度を高める・継続率を改善する |
KPIとKGIは数値目標として使われる一方で、KSFは「何が成功の鍵になるか」を示す考え方です。また、OKRは組織やチームが目指す方向性となる「目標(Objective)」と、その達成度を測る「成果指標(Key Results)」をセットで管理するフレームワークです。KPI・KGIが数値による進捗管理を目的とするのに対し、OKRは組織全体の方向性をそろえながら、挑戦的な目標に向かって行動を促す目的で活用されます。
たとえば、営業チームで「年間売上1億円」をKGIに設定した場合、KPIは「月間商談数」「受注率」「平均単価」などです。そして、KSFは「質の高い商談を増やすこと」や「既存顧客からの追加受注を伸ばすこと」などになります。OKRでは、より大きな方向性として「顧客から選ばれる営業組織になる」といった目標を掲げることもあります。
上記のように、使う場面がそれぞれ異なるため、 目標設定で迷わないためにはまずKGIで最終成果を決めることが重要 です。
KPI・KGI設定の具体例
KPI・KGIを正しく設定するには、業務の目的に合わせて指標を選ぶことが重要です。同じ「売上を伸ばす」という目標でも、営業・EC・店舗・人事では追うべき数字が異なるため注意しましょう。
以下では、以下の4つの場面に分けて具体例を紹介します。
リード獲得から受注を目指すビジネス
BtoBの営業や問い合わせ獲得型のサービスでは、見込み顧客の獲得から商談・提案を経て受注へ進む流れが一般的です。そのため、 最終的な受注金額をKGIに設定し、受注までの各過程をKPIとして分解して管理 します。
たとえば、KGIを「月間新規受注金額1,000万円」とした場合、KPIには以下のような指標が考えられます。
- リード獲得数
- 商談化率
- 商談数
- 受注率
- 平均受注単価
仮に平均受注単価が100万円であれば、月間新規受注金額1,000万円を達成するには、10件の受注が必要です。受注率が25%であれば、40件の商談が必要になります。さらに、商談化率が20%であれば、200件のリード獲得が必要です。
上記のように数値を逆算すると、現場が追うべき行動が明確になります。
取引の最大化を目指すビジネス
ECサイトやサブスクリプション型サービスなど、取引数や売上拡大を重視するビジネスでは、売上高をKGIに設定し、購入までの流れをKPIとして分解するケースが一般的です。こうしたビジネスでは、 売上を構成する要素を分けて考えることが重要 になります。たとえば、KGIを「年間EC売上高1億2,000万円」とした場合、KPIには以下のような指標が入ります。
- セッション数
- CVR
- 客単価
- リピート率
- 購入頻度
EC売上は、主に「セッション数 × CVR × 客単価」で考えられます。CVRとは、サイト訪問者のうち購入や申し込みに至った割合です。

たとえば、月間売上1,000万円を目指す場合、客単価が1万円であれば、月1,000件の購入が必要になります。CVRが2%であれば、月5万件の訪問が必要です。
上記のように売上を分解すれば、課題が集客にあるのか、購入率にあるのか、客単価にあるのかを判断できます。 セッション数が十分でも売上が伸びない場合は、商品ページや購入導線の改善が必要 です。CVRが高くても売上が足りない場合は、客単価やリピート率の向上が課題になります。
来店・利用の最大化を目指すビジネス
飲食店や美容サロン、クリニック、フィットネスジムなど、来店数や利用回数が売上に直結するビジネスでは、店舗売上や予約数をKGIに設定するケースが一般的です。こうしたビジネスでは、 来店数や利用単価が成果に大きく影響する重要な要素 となります。たとえば、KGIを「月間店舗売上高を前年比120%にする」とした場合、KPIには以下のような指標が考えられます。
- 新規顧客数
- リピート来店数
- 予約、問い合わせ獲得数
- 1人あたり平均利用単価
- キャンセル率
店舗売上は、主に「来店客数 × 平均利用単価」で構成されているため、売上を伸ばすには来店数を増やす方法と、1人あたりの利用単価を高める方法があります。
たとえば、新規顧客数は増えているのに売上が伸びない場合、平均利用単価やリピート来店数に課題がある可能性があるといえます。一方で、リピート率が高くても売上が伸びない場合は、新規顧客の獲得や予約枠の稼働率を見直す必要があるでしょう。
人材獲得・定着を目指す活動
人事採用領域では、採用人数や定着率、早期離職率などをKGIに設定するケースが一般的です。こうした活動では、最終的な採用人数だけを追うのではなく、 応募から内定承諾までの流れを分解し、各段階にKPIを設定することが重要 になります。たとえば、KGIを「新卒採用目標人数50名の充足」とした場合、KPIには以下のような指標が考えられます。
- エントリー数
- 書類選考通過率
- 面接設定数
- 面接通過率
- 内定承諾率
仮に内定承諾率が50%であれば、50名を採用するには100名への内定出しが必要です。面接通過率が40%であれば、250名の面接通過者が必要になります。
上記のように逆算すれば、母集団形成が足りないのか、選考途中で離脱しているのか、内定承諾率に課題があるのかを判断することが可能です。
KPI・KGIを設定するメリット3つ
KGIで最終的なゴールを定め、KPIで進捗を確認できれば、チーム全体が同じ方向に進みやすくなります。
KPI・KGIを設定する主なメリットは、次の3つです。
①具体的な目標が明確になる
KPI・KGIは、曖昧な目標を現場で使える数字に変える役割を持つため、チームやプロジェクトの方向性を揃えるうえで有効です。
たとえば「売上を伸ばす」といった表現だけでは、人によって受け取り方が変わります。あるメンバーは売上10%増を想定し、別のメンバーは売上30%増を想定するかもしれません。この状態では、同じ目標に向かっているように見えても、実際の行動にはズレが生じるでしょう。
しかし、KGIを「今期中に売上1億円を達成する」と設定すれば、最終的なゴールが明確になります。さらに、KPIを「月間商談数80件」「受注率25%」「平均受注単価50万円」と設定すれば、日々追うべき数字を具体化することも可能です。

目標が数字で示されると、チーム内で共通認識を持ちやすくなり「どこを目指しているのか」「今どの数字を改善すべきか」が明確になるため、メンバーごとの判断も揃いやすくなるでしょう。
②進捗・成果を把握できる
KGIだけを見ていると、最終結果が出るまで問題に気づけないことがありますが、KPI・KGIを設定すると目標に対する現在地を客観的に把握できます。
たとえば、KGIが「年間売上1億円」の場合、KPIには「月間商談数」「受注率」「平均単価」などを設定しましょう。月間商談数が目標を下回っていれば、営業活動量やリード獲得に課題があると判断でき、受注率が下がっていれば、提案内容や顧客の選定に問題があると判断できます。
年度末に売上目標の未達が判明しても、そこから挽回するのは簡単ではありません。しかし、 KPIを月次や週次で確認していれば、早い段階で課題を発見することが可能 です。感覚ではなくデータに基づいて判断できるため、改善策も具体的になります。
なお、進捗確認では、以下のように見る項目を分けると整理しやすくなるでしょう。
| 確認する項目 | 見るべき内容 | 判断できること |
|---|---|---|
| KGI | 最終成果の達成状況 | 目標全体が達成できているか |
| KPI | 中間指標の進捗 | どのプロセスに課題があるか |
| 行動量 | 実際の取り組み量 | 行動不足か、やり方の問題か |
| 改善結果 | 施策後の数値変化 | 改善策が有効だったか |
KPI・KGIを設定しておけば、進捗確認が単なる報告で終わりません。数字をもとに、次に何を変えるべきかを判断でき、手遅れになる前に軌道修正しやすくなります。
③業務の優先順位が明確になる
KPI・KGIを設定すれば業務の優先順位を数字で判断でき、結果としてチームの時間や予算を成果に近い活動へ集中させやすくなります。また、優先順位が明確になると、メンバーの心理的な負担も減らすことが可能です。
たとえば、KGIが「月間新規受注金額1,000万円」だとします。このとき、KPIが「商談数」と「受注率」であれば、営業資料の細かな装飾よりも、商談創出や提案精度の改善を優先すべきです。一方で、KPIが「平均受注単価」であれば、単価の高い顧客層への提案や、追加提案の設計が重要になるでしょう。このようにKPIによって、優先すべき行動は変わります。

KPI・KGIは、目標管理のためだけでなく「何から手をつければ良いかわからない」という日々の業務判断を助ける基準としても役立つのがポイントです。
【5ステップ】KPI・KGIの設定手順
KPI・KGIの設定手順は、次の5ステップです。
①KGI(最終目標)を設定する
KPI・KGIを設定する際は、まずKGIから決めます。最初の段階で具体的に設定するほど、その後のKPIや行動計画も決めやすくなるからです。
また、KGIを設定するときは、以下の観点を確認しましょう。
- いつまでに達成するのか
- 何を達成するのか
- どれくらいの数値を目指すのか
- 現実的に達成可能な水準か
- 事業やプロジェクトの目的と合っているか
特に重要なのは、 現実的な水準にすること です。高すぎる目標は、現場で形骸化しやすくなり、低すぎる目標はチームの成長や成果向上につながりにくくなります。
②KGIを要素分解する
KGIを設定したら、その目標を構成する要素に分解しましょう。KGIを分解することで、どの数字を改善すれば目標達成に近づくのかが見えやすくなります。
| 項目 | 分解例 |
|---|---|
| 売上 | 売上 = 客数 × 客単価 × 購入頻度 |
| 営業活動 | 受注金額 = リード数 × 商談化率 × 受注率 × 平均受注単価 |
| 採用活動 | 採用人数 = エントリー数 × 選考通過率 × 内定承諾率 |
KGIを分解する際は、 重複や抜け漏れをできるだけ減らすことが重要 です。同じ意味の指標を複数入れてしまうと、どの数字を見れば良いか分かりにくくなります。反対に、 重要な要素が抜けていると、KGIに影響する課題を見落とす可能性があるため注意 しましょう。
③KPI(中間指標)を設定する
KGIを分解したら、改善すべき要素をKPIとして設定します。KPIは、多く設定しすぎると現場が何を優先すべきか判断しにくくなるため、 1つのKGIに対して3〜5個程度に絞るのが一般的 です。
たとえば、KGIが「月間新規受注金額1,000万円」の場合、KPIには以下のような指標が考えられます。
- リード獲得数
- 商談数
- 商談化率
- 受注率
- 平均受注単価
また、KPIを選ぶときは、以下の観点で確認します。
- KGIに直接つながっているか
- 数値で測定できるか
- 現場の行動で改善できるか
- 定期的に確認できるか
- 多すぎて管理が複雑になっていないか
特に重要なのは、 現場の行動で改善できる指標にすること です。現場で具体的なアクションにつなげやすくなるため、KPIの改善がそのままKGI達成につながりやすくなります。
たとえば「市場全体の需要」や「景気動向」は重要な要素ですが、現場の行動だけで直接変えることは難しいでしょう。一方で「商談数」「提案後のフォロー率」「内定承諾率」などは、現場の行動によって改善しやすい指標です。
なお、KPIを設定したら、目標値も具体的に決めましょう。「商談数を増やす」ではなく「月間商談数を40件にする」と設定します。このように数値化することで、達成状況を判断しやすくなります。
④最終的なアクションに落とし込む
KPIを設定したら、具体的な行動計画に落とし込みます。現場で誰が、いつ、何をするのかまで決めましょう。
たとえば、KPIが「月間商談数40件」の場合、行動計画は以下のように具体化できます。
- 週に50件の新規架電を行う
- 既存リードへ週20件のフォロー連絡を行う
- 月4本の導入事例コンテンツを公開する
- 休眠顧客へ月1回のメール配信を行う
- 商談化率を高めるためにトーク内容を見直す
上記のように、 数えられる行動に落とし込むことが重要 です。「営業を強化する」「採用を頑張る」といった表現では、実行内容が人によって変わります。一方で「週50件の架電」「月4本の事例公開」のように設定すれば、行動の有無を確認することが可能です。
なお、行動計画を作る際は、担当者と期限も明確にしましょう。誰が担当するのかが曖昧だと、実行されないまま時間が過ぎる可能性があり、期限がなければ優先順位が下がりやすくなります。
KPIをアクションに落とし込むときは、以下の形で整理するのがポイントです。
| KPI | 具体的なアクション | 担当 | 確認頻度 |
|---|---|---|---|
| 商談数40件 | 新規架電、既存リードへのフォロー | 営業担当 | 週次 |
| 受注率25% | 提案資料の改善、商談後フォローの徹底 | 営業責任者 | 月次 |
| 内定承諾率60% | 面談内容の改善、候補者フォローの強化 | 採用担当 | 月次 |
数値目標と実行内容をセットで管理することで、チーム全体が動きやすくなります。
⑤定期的な進捗確認と改善
KPI・KGIは、設定して終わりではありません。 週次や月次で進捗を確認し、必要に応じて見直すことが重要 です。市場環境や顧客の反応、チーム体制は常に変動するため、最初に設定したKPIが常に正しいとは限りません。
進捗確認では、課題の原因や改善すべきポイントを整理しやすくするために、以下の順番で確認すると効果的です。
- KGIは達成に向かっているか
- KPIは計画通りに進んでいるか
- KPIとKGIの間にズレはないか
- 行動量は十分か
- 改善策の効果は出ているか
KPIやKGIが計画通りに進んでいない場合は、 原因を整理しながら改善を進めることが重要 です。
たとえば、行動量が不足している場合は、実行体制や優先順位の見直しが必要になります。一方で、行動量は十分でも成果につながらない場合は、施策の質やKPI自体の設定が適切かを見直しましょう。
また、KPIそのものを変える判断も重要です。

一度決めた指標にこだわりすぎると、成果につながらない数字を追い続けることになります。
KPI・KGIを設定する際の注意点3つ
KPI・KGIを設定する際は、現場で運用できる指標にすることが重要です。
どれだけ見栄えの良い目標を作っても、現実とかけ離れていたり、測定できなかったりすれば、目標管理は機能しません。また、KPIを細かく設定しすぎると、現場が数字の管理に追われてしまいます。
KPI・KGIを設定する際の注意点は、次の3つです。
①達成が見込める数値を設定する
KPI・KGIでは、 現実的に達成が見込める数値を設定することが大切 です。現実とかけ離れた目標を掲げると、メンバーが「どうせ達成できない」と感じやすくなります。その結果、目標が形だけのものになり、日々の行動にもつながりません。
たとえば、前年売上が5,000万円のチームに対して、翌年のKGIを「年間売上5億円」に設定したとします。人員、予算、商談数、商品単価が大きく変わらない場合、この目標は現場にとって非現実的です。
一方で、 簡単に達成できる目標も適切ではありません 。低すぎる目標では、改善努力が生まれにくく、チームの成長にもつながりにくいためです。KGIやKPIを設定するときは、 過去の実績や現在のリソースをもとに考える必要があります 。
目安としては、現在の実績から110%〜120%程度を目指すと、現場にとって挑戦しやすい目標になりやすいです。加えて、目標値の根拠を説明できる状態にすることで、メンバーも納得して行動しやすくなります。
②定量化可能な指標にする
KPI・KGIは、達成できたかどうかを判断しにくいため、 必ず数値で測定できる指標 にしましょう。数値化されていない目標は、現状とのギャップや改善効果を把握しにくく、具体的なアクションにもつながりにくいです。
また、定量化された指標にすることで、進捗確認や施策の効果検証を行いやすくなり、チーム内でも共通認識を持ちながら行動しやすくなります。そのため、定性的な目標は、以下のような数えられる形に変換することが重要です。
| 曖昧な目標 | 定量化した指標の例 |
|---|---|
| 顧客満足度を高める | アンケート平均スコア4.5以上、リピート率80%以上 |
| 認知度を上げる | 指名検索数、SNSのフォロワー数、広告表示回数 |
| 営業力を強化する | 受注率、商談化率、平均受注単価 |
| 採用力を高める | 応募数、内定承諾率、入社後定着率 |
| 業務効率を改善する | 作業時間、処理件数、対応完了までの日数 |
上記のように数値化することで、達成状況を客観的に判断でき、改善前後の変化も確認しやすくなります。ただし、数値化しやすいものだけを追えば良いわけではありません。KGIにつながらない数字をKPIにしても、成果には直結しません。KPI・KGIは、 測定できることに加えて、最終成果とのつながりが明確であることが重要 です。
③KPIを分解しすぎない
KPIは、必要以上に分解しすぎないことが重要です。指標が多すぎると、現場が何を優先すべきか分かりにくくなり、 数字を管理すること自体が目的化してしまう可能性 があります。
そのため、KPIはKGIに直結する重要な指標に絞って設定しましょう。KPIを整理することで、チーム全体が優先順位を共有しやすくなり、改善すべきポイントにも集中しやすくなります。
KPI設定時の考え方や具体例については「KPI(中間指標)を設定する」で詳しく解説しています。
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KPI・KGIの設定に悩む場合は、外部のプロ人材を活用することも有効です。
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KPI・KGIの設計では、次のような場面でプロ人材の支援が役立ちます。
- 事業目標をどのようなKGIに落とし込むべきか判断したい
- KGIに直結するKPIを整理したい
- 既存のKPIが成果につながっているか見直したい
- 営業やマーケティングの数値管理を改善したい
- 採用や人事領域の目標管理を整備したい
KPI・KGIは、一度設定すれば終わりではありません。事業環境や組織体制の変化に合わせて、定期的に見直す必要があります。そのため、 外部のプロ人材を活用すれば、社内では気づきにくい課題を整理することが可能 です。また、第三者の視点が入ることで、目標設定の根拠も明確になります。
KPI・KGIの設計に不安がある場合は、社内だけで抱え込まず、専門的な知見を持つプロ人材の活用を検討することが重要です。
フリーコンサルタント.jpのプロ人材を導入した事例2選
KPI・KGIの設定では、適切な指標設計だけでなく、現場で実行できる形に落とし込むことが重要です。
しかし、事業改革や業務改善、DX推進、人材戦略などは、社内だけでは課題整理や優先順位付けが難しい場合もあります。 外部のプロ人材を活用することで、課題整理から実行支援までスムーズに進めることが可能 です。
以下からは、フリーコンサルタント.jpのプロ人材を導入した事例を2つ紹介します。
①大手飲食業界会社様
大手飲食業界会社様では、社内外に蓄積されたデータを十分に活用できていないことや、データ活用・設計・分析人材の不足が課題となっていました。また、複数プロジェクトの進行に伴いKPIが乱立し、優先すべき指標が不明確な状態となっていたうえ、経営指標とKPIの紐づきも弱く、現場の活動が可視化しづらい状況が続いていました。
そこで、フリーコンサルタント.jpのプロ人材を導入し、 分散していたデータの整理と統合を行い、戦略に基づいたデータベース設計およびBIツールの活用を実施 しています。
結果として、 経営指標とKPIの連動が進み、施策ごとのROI分析や資源配分を踏まえた意思決定が可能となり、データに基づくPDCAが回り始めました。
②大手総合建設会社様
大手総合建設会社様では、エネルギー事業本部においてカーボンクレジットの新規事業を推進するにあたり、大枠の方針は決まっているものの、具体的な調査や施策が未整理で、何から着手すべきかが不明確な状態でした。
そこで、フリーコンサルタント.jpのプロ人材を導入し、 事業構想の整理からプロジェクトの進め方までを明確化することに加えて、ロードマップの策定および推進体制の構築 を行っています。
結果として、プロジェクト組織の組成が進み、 部署横断での新たな取り組みやアイデア創出が活性化 しました。さらに、カーボンクレジット領域におけるKGI・KPIの設計も明確化され、目指すべきビジョンと評価指標が整理されています。
事業構想を実行可能な形へと落とし込み、サービスローンチに向けて挑戦できる体制の構築と、社内における知見蓄積につながった事例です。
まとめ
KPIとKGIは、目標管理で使われる大切な指標であり、 KGIは最終的に達成したい成果を示し、KPIはその達成に向けた進捗を確認する中間指標 です。
KPIとKGIを正しく使い分けるには、まずKGIを決め、その達成に必要な要素を分解してKPIに落とし込む必要があります。KGIに直結するKPIを設定できれば、チームの目標や進捗、業務の優先順位が明確になります。
一方で、現実とかけ離れた数値や定量化できない指標、細かすぎるKPIは現場で運用しにくくなるため注意が必要です。

KPI・KGIを設定する際は、KGIの設定、要素分解、KPIの設定、行動への落とし込み、定期的な改善の順に進めましょう。









