
NotebookLMを試してみたものの、「思ったように使えない」と感じていませんか。ログインできない、資料をうまく読み込めない、回答の精度が今ひとつなど、つまずきの理由はさまざまです。
この記事では、NotebookLMがどのようなツールかという基本から、使えないと言われる代表的な原因とその対策、ソース数・文字数などの制限事項、社外秘情報を扱う際の注意点、向いている業務・向かない業務の判断軸、そして代替となる類似ツールとの違いまでを解説します。
原因の多くは仕様の理解と使い方の工夫で解消でき、解消しきれない部分は他の手段で補うことも可能です。自社にとって「使える」形を見極める参考にしてください。
NotebookLMとは
NotebookLMは、Googleが提供するAIノートツールです。ユーザーが自分でアップロードした資料(PDF、Webページ、音声ファイルなど)をもとに、要約や質疑応答、音声概要の生成などを行えます。
なお、Googleは2026年7月にNotebookLMの名称を「Gemini Notebook」へ変更しています。製品自体は同じもので、名称のみの変更です。本記事では検索・利用時になじみのある「NotebookLM」の表記で解説します。
出典:Google Workspace Updates「NotebookLM is now Gemini Notebook」
一般的なAIチャットとの一番の違いは、あらかじめ学習した幅広い知識をもとに自由に答えるのではなく、読み込ませた資料の範囲内でのみ回答する設計になっている点です。NotebookLMではこの読み込ませる資料を「ソース」と呼びます。
この「資料の範囲でしか答えない」という前提を知らずに使うと、「知りたいことに答えてくれない」「思ったより融通が利かない」と感じやすくなります。後述する「使えない」という評価の多くは、この前提のズレから生まれていると考えられます。
主な機能は次のとおりです。
- 複数の資料を横断した要約・質疑応答
- 資料の内容をもとにした音声概要(会話形式の音声)の生成
- 資料の要点を整理したスライドの生成

まずは「NotebookLMは資料を読み込ませて使う相棒」というイメージを持っておくと、以降の原因・対策が理解しやすくなります。
出典:Google Workspace「NotebookLM」製品ページ
NotebookLMが「使えない」と言われる原因と対策
「NotebookLMが使えない」という声には、いくつかのパターンがあります。ここでは代表的な5つの原因を、症状・原因・対策のセットで整理します。多くは仕様の理解や使い方の工夫で解消できますが、一部は仕様上の制限として受け止める必要があります。
ログイン・アクセスに関するトラブル
「そもそも画面を開けない」「ログインしようとするとエラーになる」というつまずきです。
原因として考えられるのは、次のようなケースです。
- 会社のGoogle Workspaceアカウントで、管理者がNotebookLMの利用を制限している
- 年齢制限や地域による利用制限に該当している
- 個人用のGoogleアカウントと会社用のアカウントを混同している
対策としては、個人利用であればブラウザのシークレットモードで別アカウントとして開き直す、会社アカウントで使えない場合は情報システム部門やWorkspace管理者に利用制限の有無を確認する、という手順が有効です。
ソース数・文字数・ファイル容量の上限
「資料を追加しようとするとエラーになる」「長い資料の後半が反映されない」という声です。
NotebookLMには、1つのノートブックに追加できるソースの数(上限50件)、1つのソースあたりの文字数(上限約50万語)、ファイル容量(上限200MB)に、それぞれ上限が設けられています(NotebookLM公式ヘルプによる)。上限値は変更される場合があるため、利用時は必ず公式ヘルプで最新の値を確認してください。
対策としては、次のような工夫が考えられます。
- 大きな資料は章・テーマごとに分割してアップロードする
- 目的ごとにノートブックを分けて管理し、1つのノートブックに詰め込みすぎない
- 特に大容量のファイルは、要点をまとめた資料をあらかじめ用意してから読み込ませる
出典:NotebookLM ヘルプ「よくある質問」、NotebookLM ヘルプ「新しいソースを追加または検索する」
回答精度の低さとハルシネーション
資料に基づいて回答するはずのNotebookLMが、資料に書かれていない内容や、資料の趣旨と異なる内容を答えてしまうことがあります。これは生成AI全般に見られる「ハルシネーション」(AIが事実と異なる内容を、それらしく生成してしまう現象)と呼ばれる問題です。
原因として、資料の分量が多すぎる場合や、質問が曖昧な場合、複数の資料をまたいだ質問をした場合に、精度が下がりやすい傾向があると考えられます。
対策としては、質問はできるだけ具体的にする、NotebookLMが示す引用元(どのソースのどの部分を根拠にしたか)を必ず確認する、重要な判断に使う場合は回答内容を人が資料と照らし合わせて確認する運用にする、といった対応が有効です。
音声概要・スライド生成機能の限界
「音声概要の内容が薄い」「スライドのデザインが単調」といった声もあります。
これらの機能は、資料の要約・整理を助ける位置づけの機能であり、本格的な資料作成・デザインツールと同等の仕上がりを想定したものではないと考えられます。
対策としては、これらの機能を「たたき台・下書きを素早く作るための機能」と位置づけ、仕上げは他の資料作成ツールや人の手で行う、という運用が現実的です。
日本語の資料・質問に対する精度のばらつき
日本語の資料を読み込ませたときに、要約が粗くなる、質問の意図をくみ取りにくいと感じるケースも報告されています。
多言語対応の精度は言語によって差が生じる場合があると考えられますが、公式情報で言語ごとの精度差が明確に示されているわけではないため、断定はできません。
対策としては、重要な資料は要点を日本語で明確に構造化してから読み込ませる、回答は必ず人が確認する、といった工夫で精度のばらつきをカバーできます。
| 原因 | 症状 | 対策 |
|---|---|---|
| ログイン・アクセス | 画面を開けない/エラーになる | 個人はアカウント切り替えで確認、企業はWorkspace管理者に利用制限を確認 |
| ソース数・文字数の上限 | 資料を追加できない/後半が反映されない | 資料を分割してアップロード、ノートブックを目的ごとに分ける |
| 回答精度・ハルシネーション | 資料と異なる内容を答える | 質問を具体的にする、引用元を確認する、重要判断は人が照合する |
| 音声概要・スライド生成 | 内容が薄い/デザインが単調 | たたき台として位置づけ、仕上げは他ツールや人の手で行う |
| 日本語の精度 | 要約が粗い/意図をくみ取りにくい | 資料を日本語で明確に構造化してから読み込ませる、回答を人が確認する |
社外秘・機密情報を扱う際に確認すべきこと
企業でNotebookLMを使う際に多くの担当者が気にするのが、社外秘・機密情報を読み込ませてよいかという点です。
個人向けの無料版と、Google Workspaceなど企業向けのプランとでは、データの取り扱いポリシーが異なる場合があります。「一般的に安全」といった曖昧な判断はせず、利用しているプランの公式情報を確認したうえで判断する必要があります。
企業として確認しておきたいポイントは次のとおりです。
- 利用しているプランのデータ取り扱いポリシー(入力した資料がAIモデルの学習等にどう扱われるか)
- 社内の情報管理規程・機密区分とNotebookLMの利用範囲が整合しているか
- 機密度の高い資料をアップロードしてよいかどうかのルールが、担当者任せになっていないか

判断に迷う場合は、まず情報システム部門や法務部門に確認し、機密度の高い資料は運用ルールが整うまでアップロードを控えるのが安全です。
出典:Google Workspace「NotebookLM」製品ページ
NotebookLMの活用に向く業務・向かない業務
ここまでの原因と対策を踏まえると、NotebookLMには向いている業務と、他の手段で補ったほうがよい業務があることが見えてきます。
向いている業務の例です。
- 複数の社内資料・議事録の要点整理
- 既存資料の範囲内での質疑応答(過去の提案書や規程集への問い合わせなど)
- 資料内容の音声化による、移動時間などを使ったインプット
向いていない、あるいは注意が必要な業務の例です。
- 資料に基づかない自由な発想での企画・資料作成
- デザインの完成度が求められる資料作成
- 機密度の高い情報を扱う用途(前章の確認が済むまで)
この「向く業務」と「向かない業務」を2つのカラムに並べて対比すると、自社の業務に当てはめて判断しやすくなります。
向かない業務は、NotebookLMが役に立たないという意味ではありません。他のAIツールや、外部の専門人材による支援で補うという選択肢があります。
NotebookLMの代替・類似ツールとの比較
「NotebookLMが使えないなら、何を使えばよいか」という疑問に対しては、代表的な類似・代替ツールとの違いを知っておくと判断しやすくなります。
ChatGPT・Claude・Geminiといった汎用的なAIチャットツールは、あらかじめ学習した幅広い知識をもとに回答できる点が特徴です。これに対しNotebookLMは、読み込ませた資料の範囲に限定して回答する設計のため、資料に基づく厳密な要約・質疑応答を重視する場合に向いています。
- 資料に基づく厳密な要約・質疑応答を重視するなら、NotebookLM
- 幅広い知識やアイデア出し、クリエイティブな出力を重視するなら、汎用的なAIチャットツール
各ツールの料金・プラン・機能の詳細は変更される可能性があるため、導入を検討する際は必ず各社の公式サイトで最新情報を確認してください。
| 項目 | 回答の情報源 | 得意な用途 | 向く企業 |
|---|---|---|---|
| NotebookLM | アップロードした資料の範囲に限定 | 資料の要約・質疑応答 | 既存資料をもとに正確な回答を得たい企業 |
| ChatGPT | 学習済みの幅広い知識+資料 | 自由な発想・幅広い相談 | 汎用的にAIを使いたい企業 |
| Claude | 学習済みの幅広い知識+資料 | 長文の読解・分析 | 文書処理を重視する企業 |
| Dify | 学習済みの知識+独自データ連携 | 業務システムへのAI組み込み | 自社サービスにAIを組み込みたい企業 |
出典:OpenAI公式サイト、Anthropic公式サイト、Google Gemini公式サイト、Dify公式サイト
NotebookLMの導入・活用は「フリーコンサルタント.jp」へご相談ください
NotebookLMが「使えない」と感じる原因の多くは、仕様の理解不足や運用の工夫で解消できます。しかし、社内でどこまで使ってよいかのルール整備や、資料の準備・運用の設計までを自社だけで進めるのは、担当者にとって大きな負担になりがちです。
導入にあたっては、利用範囲の線引き、社内ガイドラインの整備、社員へのAI活用教育といった論点を、事前に整理しておく必要があります。
「フリーコンサルタント.jp」では、AI・DX領域で実務経験豊富なプロ人材が、こうした上流の運用設計から現場への定着支援まで伴走します。自社にAI活用の知見を持つ人材が不足している場合も、必要な期間・工数だけプロ人材の力を借りることが可能です。
導入の進め方に迷ったら、まずは無料相談で自社の状況を相談してみることをおすすめします。フリーコンサルタント.jpのサービス詳細はこちらからご確認いただけます。
フリーコンサルタント.jpによるAI導入支援の事例
大手通信キャリア企業では、業務効率化を目的にデジタル活用組織(CoE=Center of Excellence、複数部門の知見を集約する専門組織)の立ち上げを決めたものの、組織づくりとデジタル技術活用の両方をリードできる人材が社内に不足していました。NotebookLMのようなAIツールを導入しても、社内でどう使いこなすかというルール整備・運用設計の担い手がいなければ定着しないという、多くの企業に共通する課題です。
| 当時の課題 | ・デジタル領域の知見と組織立ち上げ経験を併せ持つ人材が社内に不足 ・業務効率化ツールの開発・運用体制をゼロから構築する必要があった |
|---|---|
| 実施したこと | ・CoE組織の立ち上げから全体設計・運用構築・実運用までを一気通貫で伴走支援 ・事業部門への課題ヒアリングをもとにしたツール活用の仕組みを構築し、プロパー社員が自走できる体制へ知見を移転 |
このプロジェクトでは、CoE組織の立ち上げと運用の安定化により、組織立ち上げ前と比較して業務工数を削減しました。プロパー社員が主体的に運用できる体制を構築し、外部人材への依存から段階的に脱却しています。
まとめ
NotebookLMが「使えない」と感じる原因は、ログインできない・上限に達する・回答精度が安定しない・機能が期待と異なるなど多岐にわたりますが、その多くは仕様の理解と使い方の工夫で解消できます。
一方で、データの取り扱いや回答精度の限界は仕様上の制限として受け止め、向いている業務に絞って活用するか、他のツールや専門人材の支援で補うのが現実的な向き合い方です。自社にとって「使える」形を見極めることが、NotebookLM活用の第一歩になります。









