
近年、業務委託を検討している企業が増えています。
リソース不足や、「コストを抑えて即戦力のある人材を確保したい」などの理由で業務委託を行いますが、業務委託にはトラブルが尽きないのも事実です。
この記事では、業務委託のトラブル事例5選と、トラブルにあわない為の対策を解説します。
また、業務委託契約書の作成方法やトラブルにあった場合の対応方法も紹介します。
最後まで読んで、トラブルを回避した業務委託ができるように役立ててください。
1.業務委託とは
業務委託とは、業務の一部または全部を外部に委託する契約のことです。
依頼者と受注者で「業務委託契約」結び、ルールに従って業務を遂行して納品し、その成果に対して報酬を得る仕組みです。
たとえば、企業がフリーランスや専門業者と自社のホームページを作成する業務について「業務委託契約」を結びます。
受注者はクライアントの要望に従い、ホームページを期日までに作成し、納品して報酬を得るという流れです。
業務委託は、フリーランスや企業との契約形態をさし、雇用者と労働者の関係と違って対等な関係となるため、強制的に業務をさせることはできません。
また、業務委託先は個人のフリーランスばかりではなく、企業の場合もあります。
2.業務委託で起きやすいトラブル事例5選
ここでは、業務委託で起きやすいトラブルを解説します。
業務委託契約は、業務の効率化やコスト削減ができる一方、通常の雇用契約にないトラブルが起きやすいのも事実です。
起こりやすい5つのトラブル事例を紹介します。
報酬に関する認識の違い
報酬の支払いについての認識の違いは、トラブルに発展することが多い事例です。最初に取り交わした契約と、報酬額や支払いのタイミングなどが違うとトラブルの原因となります。
例をあげると
- 期日までに納品したが、企業側の検収が終わらず翌月扱いになる
- 納品物の修正回数が多く、委託先に追加報酬を求められる
- トライアルなどの理由で、契約内容より安い単価になっている
このようなトラブルは、契約時にしっかりとした基準や細かい契約をしなかった為に起こります。
報酬に関する認識の違いが起きないよう、単価や追加の修正についての明記は細かく設定しなければなりません。
また、納期と支払いのタイミングなども明確にしておきましょう。
秘密情報漏洩
業務委託契約では、秘密情報の漏洩は大きなトラブルとなります。たとえば、業務委託先が、企業から提供された重要なデータや顧客情報を第三者に漏らしてしまうケースです。
情報漏洩によって、企業は顧客からの信頼を失う為、法的責任を追及されることも少なくありません。
秘密保持契約(NDA)を結び、秘密情報の取り扱いについて明確なガイドラインを定めることをおすすめします。
また、業務委託先が情報を取り扱う際には、セキュリティが確保されたパソコンや、特定のネットワークのみを接続可能にするなどの設定が効果的です。
納期が守られない
業務委託には、納期が守られなかったり、納品物の品質が基準のレベルにならなかったりするトラブルが多くあります。
たとえば、「委託先のWebデザイナーが1週間たっても納品しない」「ITエンジニアの納品したプログラムに抜けやミスが多い」などがあげられます。
納期遅れや納品物が充分でないと、委託した企業側もスケジュールの変更や修正が必要です。
さらに、企業が二次受けなどの業者だった場合は、クライアントへの調整が必要になり、期日までに納品できなければ、信頼問題にもなりかねません。
委託先が何度も納期遅れを繰り返すようなら、契約解除の処置を取ったり、信頼できる業務委託先に発注したりすることも検討しましょう。
委託先の契約不履行(中途解約)
業務委託には、契約の不履行のトラブルもよくある事例のひとつです。
「委託先で納期が守られず、連絡がつかなくなった」「企業の業績が悪化して、業務の続行が不可能になった」などが該当します。
契約不履行には、「履行遅滞」「履行不能」「不完全履行」「履行拒絶」の4種類があり、
種類ごとの要件は以下の表の通りです。
| 種類 | 要件 |
| 履行遅滞 | 債務の履行が遅れること 合意された期限までに履行されない |
| 履行不能 | 債務の履行が不可能な状況 契約内容が物理的または法的に履行できなくなる |
| 不完全履行 | 履行はされたが一部が不完全 |
| 履行拒絶 | 債務者が明確に履行を拒否する意思を示す |
契約不履行の種類を理解し、それぞれに適切に対応することで、契約トラブルを未然に防ぎましょう。
偽装請負・二重派遣
業務委託には、偽装請負や二重派遣のトラブルの事例もあります。
偽装請負は、業務委託契約を結んだ委託先に対して、企業が直接指示を出して業務を遂行させる状況を指します。
たとえば、委託先が企業から業務の進め方や働く場所に関して、指示を受ける場合です。この行為は、労働者派遣法などの罰則を受けることがあります。
一方、二重派遣は、派遣労働者が本来の派遣先企業とは別の会社で働くことです。
たとえば、フリーランスのシステムエンジニアが業務委託先の企業から指示され、取引先で働くことなどが該当します。
この場合は、委託先と企業は職業安定法や労働基準法に基づく罰則を受ける可能性があります。
業務委託契約と派遣契約の違いを理解し、適切な契約と運用を徹底しましょう。
参照:労働者派遣法
参照:職業安定法第64条9項
参照:労働基準法第118条
3.業務委託とは
ここからは、トラブルにあわないための対策を3つ解説します。
以下の3つの対策を実施して、トラブルを未然に防ぐことが重要です。
報酬の支払い方法や条件を明確にする
報酬の支払いに関するトラブルを未然に防ぐためには、契約時に詳細な支払い方法や条件を明確にすることが重要です。
たとえば、Webライターに業務委託する場合は以下のように詳細な条件を明記しましょう。
- 文字単価2円で5,000文字(5,000文字を超える部分は支払いは発生しない)
- 文字数に関係なく1記事11,000円(税込み)
- 月末締め翌月15日払い(ただし、検収が終わっていない場合は翌月の繰越)
- 月末までの件数に対し、請求書を作成して提出すること
このように漏れがないよう、詳細な条件を明記することで不要なトラブルを回避できます。
秘密情報漏洩を取り交わす
秘密情報漏洩を取り交わす
業務委託の契約時は、秘密保持契約書(NDA)を取り交わしましょう。
秘密保持契約書とは、情報の漏えいなどを防止するためのルールを定めた契約書です。
業務委託によって開示した企業の情報を委託業務以外で使用や、他人に漏らすことを禁止し、秘密情報の流出を防止するのが目的です。
たとえば、委託先が業務委託で知り得た情報をライバルの企業に知られてしまうと、莫大な損害が発生し、信頼を損なうことになりかねません。
秘密保持契約書の違反があった場合は、差止請求や契約解除の措置や、損害賠償請求を求めることができます。
委託業務と委託期間を明確にする
トラブルを防ぐためには、委託業務と委託期間を明確にする必要があります。
契約時には、納品物の修正回数や、業務の範囲をなどの内容をこまかく記載することで、誤解や疑問がなくなります。
具体的には
- Webライターの場合「構成・執筆・画像挿入までを含む」
- ITエンジニアの場合「バグやプログラムの不具合があった場合、修正も含む
など、詳細な記載があれば、お互いに契約時のルールの認識につながるでしょう。
また、委託期間は、開始日と終了日を必ず記載します。継続がある場合は、「契約満了時に継続の意思があれば、6ヶ月ごとの自動更新とする」などの記載もしておきましょう。
4.業務委託契約書の作成時の7つの注意点
ここからは、業務委託契約書の作成時の注意点を7つ紹介します。
報酬や委託料の支払い
契約書には、報酬や委託料の詳細な金額や条件を決定し、税込みの金額や源泉徴収税に関しての明記が必要です。
また、業務で発生する費用を経費として認める場合も、条件を詳細に決めておきましょう。
くわしい業務内容
業務委託契約書には、くわしい業務内容の記載が欠かせません。詳細に記載することで、トラブルを防ぐことにつながります。
業務内容の範囲や、提出期限、修正の有無や回数などを詳細に記載しましょう。
業務内容が多岐にわたり、変更の可能性がある場合は、業務委託契約書にはおおまかな内容を記載します。
そのうえで、業務内容欄に注意書きで「業務内容の詳細は別紙参照」とすることも可能です。
契約期間と再契約の有無
契約期間は、開始日と終了日が必要です。さらに、再契約の有無も記載します。
「契約満了時に継続の意思があれば、6ヶ月ごとの自動更新とする」などの継続や再契約の有無も忘れずに記載しておきましょう。
秘密情報漏洩の記載
情報漏洩を防ぐために、秘密情報漏洩の記載をしておく,/span>とよいでしょう。
業務委託契約書には、秘密保持契約書(NDA)を別途取り交わす旨を記載します。実際には、秘密保持契約書(NDA)は別紙で用意して契約を取り交わします。
成果物に関する権利
納品した成果物に関する権利も重要な項目です。成果物に知的財産権が発生する場合、納品または検収した時点で、権利は企業側に移ることを明記しましょう。
また、成果物が委託先の実績として、紹介が可能かも明記するとトラブルを防げます。
禁止事項の詳細
業務委託契約において、委託先が業務を行う際に禁止したい事項があれば記載しておきましょう。
管轄裁判所の記載
裁判になった場合に、管轄の裁判所をどこにするかを記載します。委託先と企業との管轄裁判所が離れている場合は、事前に相手の管轄裁判所がどこにあるのか調べたうえで記載しましょう。

5.トラブルがおきてしまった時は?
業務委託契約に関連するトラブルが発生した場合、以下の手順で対応しましょう。
- 問題の把握と情報共有
- 冷静な対応と解決策の策定
- 専門家の助言を受ける
まずはじめに、問題の原因の特定と把握をし、関係者に迅速に情報を提供し共有します。
次に、感情的にならず冷静に対応し、客観的に事態を分析します。短期的な対処法と長期的な改善策を立てて、実行に移しましょう。
必要に応じて弁護士やコンサルタントなどの専門家に相談し、法的なアドバイスや専門的な視点を取り入れるのもいいでしょう。
トラブルが起きてしまった時は、影響を最小限に抑え、円滑な業務の遂行が求められます。
6.まとめ
業務委託は、リソース不足や、コストを抑えて即戦力のある人材を確保できる有効な手段です。業務委託をする際は、事前にトラブルの事例や対策、注意点を把握しておくことが重要です。
しかし、フリーランスなどに業務委託をする場合は、実績や評価のみで判断せざるを得ないので、不安に感じることもあるでしょう。
また、企業同士の契約と違い、個人との契約はトラブルが発生するリスクも少なくありません。
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