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近年、企業の競争力を維持、強化するために、デジタル技術を活用した「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が重要なテーマとして注目されています。DXは単に業務のデジタル化を進めることにとどまらず、企業全体のビジネスモデルや組織文化、顧客との接点までを根本的に革新するプロセスとして活用されるようになりました。
本記事では、DXの基本的な概念をわかりやすく解説するとともに、実際にDXを導入した企業の成功事例を紹介します。具体的な事例を通じて、DXの導入がどのように業務の効率化や新たな価値創出に繋がるのかをチェックしてみましょう。

■目次
DXを推進する必要性
DXを推進する必要性としてよく語られるのは「競争力の維持、強化」「顧客ニーズの変化への対応」「業務効率化とコスト削減」です。DX導入を推進し新たなテクノロジーを活用することで、より効率的な業務運営や新たな製品、サービスの提供が可能になり「競争力の維持、強化」に大きく寄与します。競合他社と差別化を図り、市場での優位性を確保することは、企業の生き残り戦略として非常に有効です。
また、オンライン化が進むなかで、顧客は迅速かつパーソナライズ化されたサービスを求めるようになり、企業側はDXによる顧客データの活用や高度なカスタマーエクスペリエンスが求められるようになりました。戦略的に顧客満足度を上げる手法として「顧客ニーズの変化への対応」を叶えることができるDXが注目されているのです。
DXは、顧客ニーズへの対応や競合他社との競争力強化以外にも、企業の「業務効率化とコスト削減」にも非常に役立ちます。DXによる業務プロセスの自動化やデータの統合により、手作業で行っていた業務をデジタル技術によって効率化することも可能です。無駄な時間とコストを削減することで得られるリソースを商品開発やカスタマーサポートに回せば、より生産性の高い業務に時間をかけることができるようになります。このように、業務の最適化により、無駄なリソースを削減したいときにも、DXが効果的なのです。
企業にとってDXの推進はもはや選択肢のひとつではなく、生き残りと成長のために必ず対応しなければならないものとなってきています。デジタル技術を活用することで、業務効率の向上や新たなビジネスチャンスの創出が期待できるため、DX化を目指す企業が増えているのです。
DX化とIT化、デジタル化の違い
DX化と似ている言葉に「IT化」「デジタル化」がありますが、それぞれの意味は異なります。
IT化は、コンピューターシステム、ソフトウェア、ネットワークなどのIT技術を導入して、業務をより効率的かつ迅速に実行できるようにするプロセスのことです。現在はほぼ全ての業種、職種でIT化が進んでおり「会計ソフトを導入して経理業務を効率化する」「顧客管理システム(CRM)を使って顧客情報を一元管理する」などが、IT化の一例として挙げられます。ただし、IT化が業務の根本的な変革や新たな価値創出に必ずしもつながるとは限らない点に注意しましょう。
デジタル化は、手作業で行う物理的な情報処理を電子形式へ変換することを指します。デジタル化の代表的な事例として「紙の帳簿を電子データに変換する」「手書きの伝票や書類をスキャンしてデジタル化する」などが挙げられます。「ペーパーレス化」とも関連性が高く、業務をデジタル形式で管理しやすくすることがデジタル化のメリットと言えるでしょう。
一方、DXは単なるIT技術の導入やデジタル化だけでなく、ITやデジタル技術を用いて企業全体のビジネス戦略や組織文化、顧客との接点を変革し、競合優位性を確率することを指します。デジタル化やIT化はDXに至る前段階として重要なステップではありますが、DXはその先を見据えた全体的なビジネスの革新を目指すアプローチとして浸透しています。
DX推進において解決すべき3つの課題
次に、DXにおいて解決するべき3つの課題を解説します。以下の課題を解決しないまま無理にDX化を進めても、期待した成果は得られません。むしろ、問題が深刻化したり、新たな課題が生じたりする可能性があるので注意しましょう。
- 組織全体の体制整備
- 社内のITリテラシーを高める
- 社内にDXスキルを保有した人材を確保する
①組織全体の体制整備
デジタルトランスフォーメーション(DX)は単なるITツールの導入にとどまらず、企業全体の戦略、ビジネスモデル、組織文化にまで影響を及ぼします。そのため、組織全体の体制整備が非常に重要です。
たとえば経営層の教育と意識改革を進めたり、積極的なDX化への関与を促進したりすれば、経営層が「変革の旗振り役」となります。部門間の連携とコミュニケーションを強化すれば「各部門が独自の目標に固執して横の連携がうまくいかない」などのトラブルを防ぐことができ、各部門のメンバーが協力しながら進めるDX化が叶います。
また、従業員向けに、デジタル技術や新しい業務プロセスに関する研修を実施しても良いでしょう。経営層から若手まで幅広い層にDXの意義、目的、手法を浸透させることで、従来のやり方にこだわる社内の反発も低くなります。
②社内のITリテラシーを高める
DXには、個人のITリテラシーの高さも欠かせません。ITリテラシーが低く、基本的なPC操作やクラウドサービスの利用方法がわからない従業員が多い場合、業務の効率化やデジタルツールの導入が難しいでしょう。よって、ITを活用した業務の効率化に障害が生じたりします。
たとえば、悪意なく情報漏洩に加担してしまったり、既存のシステムを書き換えてしまうなどのトラブルも生じやすいです。そのため、eラーニングやオンラインの学習プラットフォームを利用する、IT基礎スキル研修を開催するなど、複数の手段で社内のITリテラシーを高めましょう。業務に直結した研修の実施や、部門横断のワークショップなども効果的です。
社内全体のIT活用に対するマインドセットの改革を図るなど工夫し「新しい技術を使うことに抵抗を感じる」という状態から脱却させる取り組みを心がけましょう。
③社内にDXのスキルを保有した人材を確保する
社内にDXのスキルを保有した人材を確保しておくことで、DX化を叶える手法の考案から効果検証、改善までワンストップで完結します。データ分析、AI、クラウドコンピューティング、サイバーセキュリティ、プロジェクトマネジメントなど、さまざまな分野において高い専門性を持った人材がいれば、さらに効果は高まるでしょう。
社内に理想的な人材がいない場合「フリーコンサルタント.jp」の活用がおすすめです。「フリーコンサルタント.jp」は外部から即戦力となる人材を採用できるプラットフォームであり、企業のDX化における実績が豊富なフリーランスのコンサルタントが多数在籍しています。専門職に特化した採用活動の経験がない企業でも活用しやすく、自社の課題に合った人材を紹介してもらえるのがメリットです。
中小企業がDXを推進させるための4つのポイント
ここでは、中小企業がDXを推進させるための4つのポイントを解説します。以下の点を意識してDX化を推進することで、短期間で効果の高いDXが叶うので注目してみましょう。
- 明確なゴール設定
- 段階的に施策を進める
- DX人材の育成に力を入れる
- システムを導入する
①明確なゴール設定
DXは単なる技術導入ではなくビジネスのあり方を根本的に変えるプロセスであるため、具体的なゴールを設定し、達成に向けて戦略的なアプローチをするのが近道です。まずは経営課題を具体的に洗い出し、DXで解決できそうなものをリスト化してみましょう。短期的なゴールを設定することはもちろん、長期的なゴールを明確にして成果指標(KPI)を可視化するのも大切です。
特に、中小企業では経営層と現場が連携したうえでのゴール設定が求められます。経営層がDXのゴールや戦略を定めた後、現場でもそのゴールを理解、納得できるような伝え方を意識しましょう。定期的なタウンホールミーティングやワークショップを通じて、DXの目的やゴールを社員に伝えると効果的です。DX推進の過程で現場からのフィードバックを受け入れ、ゴール設定を柔軟に見直すことができれば、現場の声を反映させたDXにできます。
②段階的に施策を進める
DXは段階的に施策を進めることでリスクを分散し、効果的にDXを実現できます。特に中小企業の場合、リソースや予算が限られているため、一度に全てを変革するのは現実的ではありません。
そのため、小規模なプロジェクトで試行、検証を繰り返したり、結果の分析とフィードバックを経て内容を都度見直したりするのがおすすめです。成功事例を基に施策規模を拡大していけば「効果がある」「やった甲斐があった」というポジティブなイメージも固めることができ、全社的なデジタル文化の定着につながります。
③DX人材の育成に力を入れる
DXを成功に導くためには技術的なスキルを持った人材だけでなく、デジタルを活用して戦略的に企業の成長を推進できる人材が必要です。クラウドコンピューティングやデータ分析、AI活用、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)、セキュリティ対策に精通したハイスキル人材がいれば、DX化も加速するでしょう。
とはいえ、中小企業では実務に即した人材のみを採用するのに注力している場合が多く、DX人材の採用に積極的になれないことも多いです。そのような場合には「フリーコンサルタント.jp」などの外部サービスを活用し、採用コストを下げながらピンポイントで人材を活用することを検討しましょう。社内のDX意識の醸成などに貢献してくれるケースも多く、基礎スキルの広がりを実感できます。

④システムを導入する
DXの成功には、最新のテクノロジーやツールを積極的に活用することが不可欠です。たとえば企業全体の資源を一元管理するのに役立つERPや、顧客情報、商談データを管理して営業活動を支援するCRMなどを導入すれば、業務の効率化やデータ活用の実現が叶います。また、社内情報格差をなくすきっかけとしても活用しやすく、業務効率化の他にも働き方改革になるなど、副次的なメリットも得られるでしょう。
自社のニーズに合ったシステムを選定し、テスト運用を経て運用状況をモニタリングしていけば、業務プロセスや組織文化の変革も叶えられます。
DXを推進する4社の事例
ここでは、DX導入企業の事例を4社分ご紹介します。自社でも役立ちそうな要素がないかチェックしてみましょう。
【小売】ニトリホールディングス
家具、インテリア業界のリーディングカンパニーとして知られるニトリホールディングスでは、実際に自宅で家具を配置した際のシミュレーションができるAI、ARサービスを提供しています。購入前に商品のイメージを具体化できるため「イメージ通りの家具が買えた」「サイズが合わなくて返品するなどの手間が省けた」という顧客満足度の向上につながりました。
他にも、AIを活用した需要予測モデルを使用し、在庫管理や製造計画の効率化を図るなど、無駄な在庫削減やコスト最適化も行っています。さらに、データ活用による製品開発、物流の効率化など、ITやデジタル技術で優位性を高め、業界内での地位の強化にも役立たせています。
【製造】トヨタ自動車
世界最大級の自動車メーカーとして活躍しているトヨタ自動車では、自動車の製造、販売にとどまらず、モビリティサービス、エネルギーマネジメント、スマートシティの構築に至るまで幅広い分野でデジタル技術を駆使しており、新しい価値の創出を続けています。
具体的な施策としては、スマートフォンアプリを通じた来店予約システムや、最適な車両選択をAIでサポートする仕組みが挙げられます。利用者の利便性向上だけでなく、車のシェアリングによる環境負荷の軽減など副次的な効果のある取り組みが多く、新しいモビリティサービスとして確立しました。
その他、運転支援、車両のメンテナンス予測、自動運転技術の研究開発、デジタル技術を駆使したスマートシティなどオリジナリティのある取り組みが多く、世界的に注目を集めています。自社の業務に関連する分野でDXを進めることもできるので、アイディアのひとつとして参考にしてみましょう。
【金融】株式会社りそなホールディングス
株式会社りそなホールディングスでは、スマートフォンアプリの提供によって口座の残高確認、振込、取引履歴の確認やクレジットカードの利用明細など、各種の金融サービスを簡単に利用できるようにしているのが特徴です。モバイル決済サービス「楽天ペイ」や「PayPay」などとの連携による顧客利便性の向上を図る取り組みも始めており、モバイルバンキングの活用幅を大きく拡大しました。
他にも、チャットボットによるカスタマーサポートやAIを活用したパーソナライズサービスなど、徹底して顧客の利便性をあげる取り組みにDXを活用しているのがポイントです。銀行業界はフィンテック企業やデジタルバンクの台頭により競争が激化しているからこそ「便利で役立つ銀行」の印象を根付かせ、競争力を高めるようにしています。
【情報】ソフトバンク
日本を代表する総合通信事業者であるソフトバンクでは、AIとデータ解析による業務効率化支援を進めています。たとえば、AIを活用した需要予測や従業員の勤務状況、作業負荷の分析による最適な人員配置など、意思決定の支援にAIを使っているのが特徴です。
デジタル業界は近年特に変遷が激しく、少し意思決定が遅れるだけでも競合他社にチャンスを取られてしまいます。そこで、社外向けのDXだけでなく社内向けのDXも同時に進めることで、複雑な意思決定が必要なシーンでも経営者の勘や経験だけに頼ることなく、脱属人化した動きが取れるようになりました。
その他、ソフトバンクではエッジコンピューティング技術を活用し、データ処理をネットワークの端末(エッジ)で行うことで、低遅延でリアルタイムなデータ処理を実現しています。ビッグデータ解析などもしやすくなり、データドリブンな経営に役立つようになりました。

DXを実現させるための5つのステップ
最後に、DXを実現させるためのステップを解説します。以下の5ステップを参考にしながら、スモールステップでの導入を目指しましょう。
- 現状の課題を把握する
- DX化に対応できる人材の補充
- 組織全体の意識改革
- 業務プロセスの見直しやシステムの構築
- データの活用や分析
①現状の課題を把握する
現状の課題を明確にすることで、どの部分をデジタル化し、どのプロセスを改善すべきかが見えてきます。そのため、人材、技術、予算など変革に必要なリソースも明確化でき、リソースの調達も無駄なく叶えることが可能です。
まずは各部門のリーダーや担当者とのヒアリングを通じて、業務の現状や課題を把握しましょう。企業内のデータがどのように収集、保存されているか、既存のITインフラがどの程度デジタル化されているかなど自社の状況を詳しく把握できれば、より明確な課題をリストアップしやすくなります。
②DX化に対応できる人材の補充
データサイエンティスト、デジタルアーキテクト、AIエンジニア、プロジェクトマネージャーなど、DX化に対応できる人材の補充を始めます。社内リソースを活用した人材育成ができれば、最もコストを安く抑えながら組織文化に適応できるのでおすすめです。オンライン研修、社内研修プログラム、OJTなどを活用しながら育成を進めましょう。
万が一、DX化を社内人材だけで完結させるのが難しい場合は、専門的なスキルを持った人材を外部から採用することも重要です。フリーランスの採用も視野に入れ、プロ人材とのマッチングができる「フリーコンサルタント.jp」などのサービスを活用しましょう。プロジェクト単位で専門家を採用できる手法なので、柔軟なリソース管理が可能です。

③組織全体の意識改革
まず「DXは単なるIT導入や業務効率化の手段ではなく、企業の競争力を高め、市場での優位性を確立するための戦略的な取り組みである」と周知させ、目的や意義を共有していきましょう。経営層が変革に積極的に関与し、DX推進のためのリーダーシップを発揮することで、組織全体の意識が変わりやすくなります。
「DXがもたらす具体的な利益や成果は何か?」という点を全社員に説明し、共感を得ることができれば、自主的なDXへの取り組みも期待できるのもポイントです。
④業務プロセスの見直しやシステムの構築
DX化と同時に業務プロセスの見直しやシステムの構築を行うことで、無駄な手順や重複作業を排除できます。コスト削減効果も高く、DXのメリットを実感できるでしょう。
プロセスが一貫していない場合や部門ごとに異なる方法で実行されている場合は、業務フローを標準化してシステムに落とし込むことで、実践的なDXもしやすくなります。
また、既存システムと新たなシステムを同時並行で使う場合は、互換性やAPI連携の活用可否なども検討し、使い勝手の良いシステムにしていくことが重要です。
⑤データの活用や分析
業務プロセスの見直しやシステムの構築が完了したら、データの活用や分析を進めます。データは、目的に合わせて営業データ、顧客データ、業務データ、在庫データ、製造データなど、企業内のシステムから集めましょう。その他、競合情報、業界データ、ソーシャルメディアのデータ、政府統計、天候データなど、外部ソースからデータを収集する方法もあります。
なお、収集したデータはそのままでは分析に使えない場合が多いため、データの整形(データ整備)とクレンジング(データ清掃)が必要です。欠損値の補完、重複データの削除、異常値の処理などを行い、分析しやすいようにデータを整えます。データ分析に基づく施策を実行した後、その結果をフィードバックとして次のサイクルに活かしましょう。
まとめ
「デジタルトランスフォーメーション(DX)」への注目度は、今や業種、職種、企業規模問わず幅広い企業で上がっています。業務効率化、コスト削減、優秀な人材の確保、競争力の強化など、DX化で得られるメリットが多いからこそ、中小企業でもDXに取り組む事例が増えました。
本記事で紹介した成功事例や導入のステップを参考に、自社に根付くDXを始めてみましょう。
「DX化を進めたいが何から着手すればいいかわからない。」
「企画段階からアドバイスしてくれる人材がほしい」
「すでにDX化は進めているが、自社に定着しない。」
「社内への周知徹底や従業員のトレーニングを進めてくれる人を募集している。」
などの課題やご要望をお持ちの方はお気軽にご相談下さい。企業様の課題解決に最適な人材のマッチングを実施いたします。

(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)

