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最終更新日:2025.09.29
新規事業

【完全版】新規事業の事例11選!大手企業、海外企業に共通する成功のためのポイントまで解説

ビジネス環境が目まぐるしく変化する中で、企業の成長や生き残りには「新規事業の立ち上げ」がますます重要になっています。しかし、実際には多くの企業がアイデアの段階でつまずいたり、立ち上げ後の運営に課題を抱えたりと、成功にたどり着くまでの道のりは決して平坦ではありません。

そこで本記事では、国内外の企業による「新規事業の成功事例」を11個厳選してご紹介します。大手企業のチャレンジ、海外スタートアップの先進事例などを通じて、どんな発想で生まれ、どのような戦略で成長してきたのかを深掘りしていきましょう。

1.新規事業立ち上げが求められている理由

新規事業立ち上げが求められている主な理由は「顧客ニーズの変化」です。

現代社会では、技術革新や価値観の多様化、社会環境の変化によって、顧客のニーズが従来とは大きく異なる方向へと変化しています。新規事業の成功には、この変化に気づき、柔軟に対応していくことが欠かせません。

顧客ニーズの変化は、以下の通りまとめられます。

変化の内容

具体例や傾向

機能重視から体験、共感重視へ 単に「良い商品」より「共感できるストーリー」や「楽しい体験」が選ばれる(例:サブスク型体験)
所有から利用へ モノを「買う」より「シェア、レンタル」する流れ(例:カーシェア、定額家具レンタルなど)
価格よりも価値、意味を重視 安さだけでなく「環境に良い」「社会貢献している」などの付加価値が重視される(例:エシカル消費)
大量消費からパーソナライズへ 誰にでも同じものより、「自分専用、自分に合う」が好まれる(例:パーソナライズ化粧品やサプリ)
リアルからデジタルへの移行 購買行動、情報収集、サービス体験がオンラインへシフト(例:EC、アプリ経由のサービス)
スピードと手軽さへの期待 忙しい現代人は「すぐに使える、すぐ届く、簡単に操作できる」商品やサービスを求めている

時代遅れのビジネスモデルは競合に一気に置き換えられてしまうので、昔評判だった製品、サービスだからといって、そのまま継続して利益を出し続けることは難しいです。顧客ニーズに合わない商品やサービスは、やがて選ばれなくなるでしょう。変化を前提に事業を設計することが、新規事業成功の絶対条件となっています。

なお、具体的な新規事業の進め方は、以下の記事で触れているため、合わせてチェックしてみてください。

2.【大手企業】新規事業の成功事例5選

ここでは、大手企業における新規事業の成功事例を紹介します。誰もが知る大企業でも新規事業に関する努力を続けていることを知り、事例として学んでいきましょう。

  1. 富士フィルム株式会社:化粧品ブランド「アスタリフト」が40代にヒット
  2. 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント:PlayStation発売で累計販売台数6億2090万台以上のヒット
  3. 東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本):Suica開発で決済プラットフォームまで進化
  4. 株式会社リクルート:人材業からSUUMOやじゃらんを通して多角化
  5. 株式会社サイバーエージェント:広告業からAmebaやAbema、ゲーム開発を通して多角化

①富士フィルム株式会社

富士フイルムは、長年培ってきた「写真フィルムの技術」と「独自のナノテクノロジー」を活かし、新たに化粧品市場へ参入しています。特に40代の女性をターゲットに据え、肌のエイジングケアに焦点を当てた高機能化粧品ブランド「アスタリフト」を開発しました。

一見すると「フィルム会社が化粧品づくり?」という疑問が生まれそうですが、実は写真フィルムの研究で得た高い保湿技術やナノ粒子技術を応用することで、他社には真似できない高品質な化粧品作りに成功しています。「写真の美しさを守る技術をあなたの肌にも」というメッセージで、技術の信頼性と安心感を伝えたことでも注目されました。

また、口コミや体験レビューを活用し、リアルな使用感を伝えるプロモーションを実施して、マーケティング面の目新しさでも成功しています。

②株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント

ソニー・コンピュータエンタテインメント社は、PlayStationを累計販売台数6億2090万台以上販売するなど、異例のヒットを手がけています。もともとソニー・コンピューターエンタテインメント社は主に電子機器の開発、製造を行う会社で、ゲーム部門には参入していませんでした。しかし、スーパーファミコンの互換機を任天堂と共同開発する契約が締結されたのをきっかけに、ゲーム業界へ参入しています。

この契約は最終的に任天堂により一方的に破棄され、以降は写真、音響、映像技術の蓄積を活かし、高性能な家庭用ゲーム機「PlayStation」の開発に着手しました。電子機器の製造メーカーから、エンターテインメント分野の総合企業へと変貌を遂げた成功事例です。

③東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)

JR東日本はもともと旅客鉄道会社でしたが、2001年に非接触型ICカード「Suica(スイカ)」を導入し、鉄道の乗車券としてだけでなく、電子マネーとしても利用できる画期的なサービスを開始しました。駅の改札をスムーズに通過できるだけでなく、コンビニや自動販売機などでの支払いにも使える電子マネーとして成長し、現在では「生活に欠かせないソリューション」としての立ち位置を確立しています。

単なる交通系ICカードから、幅広いサービスで使える電子決済プラットフォームへと発展させた事例であり、提携店舗や他社サービスと連携にも成功したのがポイントです。

株式会社リクルートは、人材派遣や人材紹介などの人材業に加え、SUUMOやじゃらんなど多角的なサービスの提供に梶切りをしています。インターネットを活用した情報提供サービスを強化し、ユーザーに利便性の高いプラットフォームを提供したことで、あっという間に市場へ広がりました。もともとリクルート社が持っていた既存の顧客ネットワークやデータを活用し、新規事業の立ち上げやサービス展開を効率的に推進させたのが成功のポイントです。

現在では、複数の分野でトップシェアを獲得し、国内外で安定した収益を上げる企業として成長しています。多角化戦略によって事業領域を広げ、既存の強みを活かしつつ新たな市場を開拓した事例と言えるでしょう。

⑤株式会社サイバーエージェント

株式会社サイバーエージェントはもともとインターネット広告代理店でしたが、現在ではAmebaやAbema、ゲーム開発を通して事業を多角化させています。インターネット広告を基盤に、広告技術やデータ分析のノウハウを蓄積したことで、ブログサービス「Ameba(アメーバ)」やインターネットテレビ局「AbemaTV(アベマTV)」のアイデアが生まれました。

時代の移り変わりとともにスマートフォンゲーム開発を強化するなど、多様なユーザー層へリーチする姿勢も評価されています。

3.【中堅企業】新規事業の成功事例5選

次に、中堅企業における新規事業の成功事例を紹介します。新規事業を積極的に展開し、多角化を成功させた事例として参考にしてみましょう。

  1. ラクスル株式会社:印刷業からアパレル、ユニフォーム事業を立ち上げ急成長
  2. 日本交通株式会社:タクシー配車アプリ「GO」で課題をまとめて解決
  3. 株式会社和多屋別荘:従来の旅館ビジネスを脱却するためサテライトオフィス事業をスタート
  4. 株式会社タニタ:健康経営やヘルスケア関連事業をスタート
  5. KIYOラーニング株式会社:学習後のキャリア支援を強化する事業をスタート

①ラクスル株式会社

ラクスル株式会社は、印刷業で培ったオンライン注文、管理システムをアパレルやユニフォーム事業にも応用し、効率的な運営を実現した成功事例です。製造から配送までのプロセスをデジタル化し、コスト削減とスピードアップを意識したことで、最小限の投資で最大の利益を得られるようになりました。

現在では、簡単なデザインツールや見積もり機能を充実させ、ユーザーが気軽に注文できる環境を整備しています。

②日本交通株式会社

日本交通株式会社は、業界が抱える配車効率や利用者利便性の課題を解決するために、スマホ配車アプリ「GO」を開発、導入しました。スマホアプリによるリアルタイム配車で、乗客とドライバーのマッチングを最適化し「早くて便利」「確実に車両を手配できる」とユーザーからの評価も高いです。コロナ禍における少人数での移動ニーズや、東京オリンピック時のタクシーニーズ増も追い風となり、利用者の満足度を向上させました。

配車アプリ「GO」は、利用者、ドライバー双方の課題を解決し、日本交通の競争力を大幅に強化するソリューションとして注目され、現在も順調に利用比率を伸ばしています。

③株式会社和多屋別荘

株式会社和多屋別荘は従来の旅館ビジネスを脱却するため、旅館の空きスペースを活用してサテライトオフィス事業をスタートしています。新たな設備投資がほとんど必要なく、むしろ旅館ならではの落ち着いた雰囲気と充実した設備を活かせる手法として注目されました。働き方改革やリモートワークの普及によって地方でのワークスペース需要が増加したことも追い風となり、新たな顧客層を開拓しています。

観光客数の減少やコロナ禍のダメージを新規事業で乗り越えた事例であり、ピンチをチャンスに変えるヒントが見つかりそうな事例です。

株式会社タニタ:健康経営やヘルスケア関連事業をスタート

株式会社タニタは、従来の体重計、健康機器の製造、販売に加えて健康経営やヘルスケア関連事業をスタートさせ、成功を収めた企業として知られています。

特に注目されるのが、社員の健康管理や生活習慣改善をサポートする「タニタ食堂」や「健康管理アプリ」の展開です。「タニタ食堂」ではカロリーや栄養バランスを考慮した食事メニューを提供し、外部からの購買が増えた他、レシピ本やノウハウコンテンツの売れ行きが高くなりました。「健康管理アプリ」と連携した体組成データを活用した健康アドバイスも提供し、ウェルビーイングな収益源としてブランド価値を創出しています。

株式会社タニタにおける新規事業の成功要因として、以下が挙げられます。

  • 健康管理の悩みや生活習慣改善のニーズを正確に把握したこと
  • 体重計や体組成計とサービスを連動させ、データ活用を促進したこと
  • タニタという既存ブランドの信頼を新規事業にも適用したこと

結果として、タニタは単なる機器メーカーから健康ソリューションを提供する企業へと進化し、新規事業として高い市場価値を確立しています。中小企業でも自社の強みを活かし、顧客課題に応える形で新規事業を展開すれば、大きな成果を上げられるとわかる事例と言えるでしょう。

KIYOラーニング株式会社

KIYOラーニング株式会社は、オンライン資格講座「スタディング」や法人向け社員教育クラウドサービス「AirCourse」を提供する企業です。

もともとは資格取得講座や関連コンテンツを主力商品としていましたが、学習後のキャリア支援を強化するために「スタディングキャリア」という転職マッチングサービスを立ち上げています。受講者と企業を直接つなげるダイレクトリクルーティング型の仕組みを採用したサービスであり、従来の人材紹介とは異なる新しい形態として注目されました。

KIYOラーニング株式会社の成功要因としては、以下の点が挙げられます。

  • 資格取得者のデータベースを活用し、企業と受講者のマッチング精度を向上させたこと
  • 企業側にもサービスを提供し、双方のニーズを的確に捉えたマッチングを実現したこと
  • AIやデータ分析を駆使し、効率的なマッチングプロセスを構築したこと

KIYOラーニング株式会社では、受講者の資格取得後のキャリアパスを支援する新たな収益源を確保した他、講座受講後も顧客を逃さない仕組みづくりを行いました。

これにより、学習からキャリア形成までを一貫してサポートするサービスへと進化させています。受講者と企業の双方に価値を提供するこのアプローチは、今後の人材育成市場における新たなスタンダードとなる可能性を秘めていると言えるでしょう。

4.【海外企業】新規事業の成功事例3選

次に、海外企業における新規事業の成功事例を紹介します。日本でも馴染み深いサービスが多いのでチェックしてみましょう。

  1. Uber Technologies Inc.:Uber EATSの展開で提携店数12万店舗越え
  2. Netflix, Inc.:動画配信サービス開始で日本会員数1,000万人を達成
  3. Amazon.com, Inc.:「Kindle」開発により収益源の多様化

①Uber Technologies Inc.

Uber Technologiesは、元々配車サービスで世界的に知られていましたが、フードデリバリー市場にも積極的に参入し「Uber EATS」を展開しています。もともと持っていた「世界中のドライバーとユーザーをつなぐプラットフォーム」を活かした新規事業であり、効率的にフードデリバリーサービスを始められたのがポイントです。

また、小規模店舗から大手チェーンまで幅広く提携し「Uber加盟店」になるメリットも訴求しました。コロナ禍による「巣ごもり需要」ともフィットし、テイクアウトやデリバリーによる売上確保で店舗をサポートした、社会的意義の高い新規事業と言えるでしょう。

自社の強みである「マッチングプラットフォーム」を活かしつつ、効果的に利用者や参加企業を増やした事例です。

②Netflix, Inc.

Netflixは元々DVDレンタル事業からスタートした企業ですが、2007年に動画ストリーミングサービスへと事業転換し、現在では世界最大級のサブスクリプション型動画配信プラットフォームに成長しました。日本では2015年にサービスを開始し、2024年時点で会員数1,000万人を突破しています。

日本独自のニーズに合わせたオリジナル作品も多く、視聴履歴や行動データをもとに、一人ひとりに最適化されたレコメンドを実施しているのも特徴的です。使えば使うほど便利に感じる仕組みを構築し、根強いファンを獲得しました。

自社の得意分野をさらに深堀し、ユーザーの満足度や利便性を追求したことで成功した事例と言えるでしょう。

③Amazon.com, Inc.

Amazonは元々オンライン書店としてスタートした企業ですが、2007年に自社製の電子書籍リーダー「Kindle(キンドル)」を開発、発売することで、書籍ビジネスの構造そのものを大きく変革しました。

また、電子書籍端末だけでなく、Kindleストアという書籍配信プラットフォームも同時に展開し、ハードとコンテンツの両輪でビジネスを展開しています。電子書籍は在庫リスクがないため、膨大な書籍を低コストで提供でき、本の流通モデルを抜本的に変える施策として定着しました。

急速にデジタル化が進む現代にマッチした事業であり、書籍ビジネスのこれまでの問題点を解決した事例と言えるでしょう。

新規事業のアイデアの出し方

新規事業を成功させるためには、独自性があり市場ニーズに合致したアイデアを生み出すことが不可欠です。しかし、多くの企業や起業家は「どのようにアイデアを考えれば良いか分からない」と悩むことが少なくありません。

以下からは、新規事業のアイデアの出し方を解説します。現実的かつ革新的な事業の芽を見つけるヒントとしてお役立てください。

重要ポイント➀市場選び

新規事業のアイデアを考えるときは、まず「どの市場で勝負するか」を明確にしていきましょう。市場選びでは、単に規模の大きさだけでなく、以下の視点で総合的に判断することが重要です。

  • 成長性:市場が今後拡大する可能性があるか
  • 競争環境:競合が多すぎないか、差別化できる余地があるか
  • 参入障壁:新規参入の難易度や規制の有無
  • 顧客ニーズの深さ:潜在的な課題や不満があるか

たとえば、成熟市場で競合が激しい場合は差別化が難しいため、ニッチ市場や未開拓分野を狙う方向性にしても良いでしょう。

また、市場分析には業界レポート、統計データ、競合の動向などを活用し、定量、定性の両面から評価すると精度が高まります。

重要ポイント➁情報収集

新規事業のアイデアを成功に導くためには、徹底した情報収集が欠かせません。情報収集は単なるデータ集めではなく、市場や顧客の本質的な課題を理解し、競合との差別化ポイントを見つけるためのステップとして活用します。

たとえば、以下のような情報を収集して顧客課題、市場ニーズ、競合状況に役立てましょう。

お客様の声の収集

  • インタビューやアンケートでニーズを把握
  • 顕在化していない課題(潜在ニーズ)も探索
  • 不満点や不便さをリスト化し、解決策のヒントに

競合分析

  • 競合商品の強み、弱みを明確化
  • 提供価値の差別化ポイントを特定
  • 成功事例や失敗事例から学ぶ

市場動向の把握

  • 業界レポートや統計データをチェックする
  • 成長性、トレンド、規制の変化を理解する
  • ニッチ市場や新規市場の可能性を評価する

技術、サービス動向の理解

  • 新技術やサービスモデルの出現を把握
  • 自社に活かせる技術や提携可能性を検討
  • 将来的な市場優位性の確保に活用

また、収集した情報を整理、分析することは、事業仮説の精度を高めて「アイデアの発想、検証」へ発展させる役割も持っています。単なる思いつきではなく、客観性のある意思決定にするためにも、情報収集を進めましょう。

5.新規事業の立ち上げを成功させた企業に共通する5つのポイント

ここでは、新規事業の立ち上げを成功させた企業に共通する5つのポイントを解説します。成功の秘訣を知りたいときにお役立てください。

  1. ターゲット層をしっかりと明確にしている
  2. 新規事業の内容に合った人材の育成
  3. 「リーンスタートアップ」を採用しリスクを低減
  4. PDCAサイクルを迅速に回す
  5. 顧客視点とシステム化思考を持つ

①ターゲット層をしっかりと明確にしている

新規事業の立ち上げにおいては、誰に向けたサービスや商品なのかを明確にすることが重要です。

たとえば、年齢、性別、職業、価値観、ライフスタイルなどを細かく設定することで、ユーザーが本当に求めている体験や機能を提供しやすくなります。明確なターゲット像があることで、広告のメッセージやチャネル選定がブレずに済み、より少ないコストで高い効果を得られるのもポイントです。

明確なターゲット設定は、新規事業の立ち上げ段階だけでなく、成長フェーズにおいても意思決定の軸となります。曖昧にせず、具体的かつ深く設計することが、成功への第一歩です。

②新規事業の内容に合った人材の育成

新規事業の成功には、その事業の特性や目的にフィットしたスキル、マインドを持つ人材の育成が欠かせません。従来の事業とは異なる市場や顧客、手法に対応するには、既存人材の延長では不十分な場合も多いため、戦略的な育成や配置が重要です。

特に、DX(デジタルトランスフォーメーション)やサブスクリプション、データ活用など、現代の新規事業には専門的な知識がある人は重宝されます。よりスピーディーで質の高い新規事業推進にするためにも、十分な人的リソースを確保しましょう。

③「リーンスタートアップ」を採用しリスクを低減

リーンスタートアップはアメリカの起業家エリック・リースが提唱した方法です。MVP(必要最低限の機能を持った製品)を活用して限られたリソースで素早く仮説検証を行い、リスクを最小限に抑える手法として注目されています。

リーンスタートアップの大きなメリットは、いきなり完成品を作らず段階的に検証を重ねるため、無駄な投資を避けられる点です。実際のユーザーの反応に基づき改善するため、「作ったけど売れない」を防ぎやすくなるでしょう。

近年は、国内企業の新規事業部門でも、MVPを活用したプロトタイプ開発が増加しています。リーンスタートアップは、新規事業における失敗のコストを下げ、成功確率を高める上で非常に有効なアプローチです。

④PDCAサイクルを迅速に回す

新規事業では、スピード感と柔軟な対応力が成功の鍵となります。その中で重要なのが、PDCA(Plan、Do、Check、Act)サイクルを高頻度で回すことです。計画を立て、実行し、検証し、改善するこのプロセスを繰り返すことで、事業の精度と成果を着実に高められます。

また、変化の早い市場や顧客ニーズに柔軟に対応できることもメリットです。小さくテストしてすぐに見直すことで、大きな損失を防ぎやすくなります。

⑤顧客視点とシステム化思考を持つ

新規事業を成功に導くためには、単に良いアイデアや商品をつくるだけでは不十分です。「顧客視点」と「全体を俯瞰して考えるシステム化思考」の両立が求められるので注意しましょう。

顧客視点とは、単なるアンケート結果や希望の裏にある「本当に困っていること(Pain)」を見つける力を指します。また、システム化思考とは、開発、マーケティング、オペレーションなど、各要素が連携して成果を出すように設計する思考のことです。

「誰がやってもうまくいく」フローや仕組みを作ることで、事業のスケーラビリティを確保していきましょう。

6.新規事業の失敗事例から学ぶリスクマネジメントのポイント3つ

ここでは、新規事業の失敗事例から学ぶリスクマネジメントのポイントを3つ解説します。残念ながら、新規事業に失敗するケースも少なくありません。リスクを減らすためにも、以下の点を抑えましょう。

  1. 撤退基準を明確にしておく
  2. 情報収集を怠らない
  3. 外部リソースや専門家の知見を活用する

①撤退基準を明確にしておく

新規事業は常に不確実性とリスクを伴うため「どのタイミングで撤退すべきか」を事前に決めておきましょう。苦労して立ち上げた事業には情が移りやすく、赤字でも「もう少し続ければうまくいくかもしれない」という期待に引っ張られがちです。しかし、失敗が明確になった事業にリソースを割き続けるよりも、将来性のある他のプロジェクトに移したほうが企業全体にとってプラスになるかもしれません。

また、撤退判断を曖昧にしていると、損失が膨らみ続け、企業全体の経営資源や信頼に大きなダメージを与えることにもつながります。損切りのタイミングを逃さず、最小限の損失で事業を終了することも覚悟しましょう。

②情報収集を怠らない

環境変化が激しい現代では、一度立てた計画がすぐに陳腐化することも少なくありません。事業の進行中も、他社動向や顧客の声、市場の変化をつかみ続けることが、軌道修正や機会の発見につながります。

具体的には「他社の成功、失敗事例の分析」「顧客へのヒアリング、アンケート」「従業員からの意見吸い上げ」などを行うと良いでしょう。顧客のニーズからズレたプロダクトを作ってしまう前に仮説と照らし合わせて、判断材料として活用するのがポイントです。

③外部リソースや専門家の知見を活用する

新規事業の立ち上げでは、社内リソースだけでは対応しきれない局面が多々あります。特にスピードと柔軟性が求められる初期段階では、外部の専門家やフリーランス、コンサルタント、業務委託人材などの活用が非常に有効です。豊富な知見や実行力を取り入れることで、質の高い意思決定と迅速な行動が可能になります。

また、社内に新規事業のノウハウが不足している企業や、スピードが求められるなかで専門スキルを即戦力で補いたい企業にも、外部リソースや専門家の活用がおすすめです。外部人材であれば必要なときに必要なだけ活用できるため、固定費の増加を抑えながら高い成果を期待できます。

7.新規事業立ち上げなら「フリーコンサルタント.jp」にお任せください

「フリーコンサルタント.jp」は、フリーランスコンサルタントと企業をマッチングさせるプラットフォームです。業界経験豊富で実績のあるフリーランスコンサルタントが多数登録しており、企業のニーズに合わせて最適な人材をご紹介しています。新規事業の立ち上げに必要な市場調査、事業計画策定、マーケティング戦略、組織体制構築など、多岐にわたるサポートが可能です。

また、フリーランスコンサルタントならではの柔軟な対応力とスピード感も強みのひとつであり、スポット採用もできます。コストの無駄を抑えつつ、社内のリソースを効率的に活用したいときはお気軽にご相談ください。

事例①:大手通信キャリア会社

大手通信キャリア会社では、新しい収益の柱となる教育サービスを開発することが決まり、フリーランスコンサルタントの活用を行いました。

主に、収集データの分析をもとにシステムに実装するための要件定義とプロジェクトマネジメントを依頼しています。結果として、新たな領域での新規サービス立ち上げでも要件定義や全体設計が明確になり、新しい収益が見込めるサービスとしてローンチを実現しました。

サービスのシステム開発と実装のプロジェクト推進を社員にも共有しながら進め、次の挑戦へ安心して望める体制が構築できた事例です。

事例②:大手外資系リゾート開発会社

大手外資系リゾート開発会社は、日本でリゾート施設の開発プロジェクトを発足させるにあたり、日本でのステークホルダー対応やプロジェクト管理に慣れている外部プロフェッショナルをプロジェクトに参画させています。

業務内容としては、主に「問題、コンフリクトが生じている、もしくは生じそうな点を探して課題の論点を整理すること」と「相互に妥協できる点に落とし込む提案をしてもらうこと」にフォーカスしました。

その結果、複数のプロジェクト計画立案、工程管理、リスク管理、課題管理を遂行してもらったことにより、ジャパンナイズされたプロジェクトとして進めることができています。

また、ステークホルダーとの交渉も比較的スムーズに進み、リゾート開発の着手に取り組めました。

新たな地域でビジネスを展開する際にも、フリーランスコンサルタントの力が有効であるとわかる事例です。

事例③:大手総合建設会社

大手総合建設会社では、エネルギー事業本部においてエネルギー事業の新規事業推進をすべくカーボンクレジットの新たなプロジェクトを発足させ、フリーランスコンサルタントを参画させています。

元々は、カーボンクレジットの新規事業という大枠方針は決まっているものの、具体的な調査や施策は手つかずの状態で、タスクが多く何から始めると良いか課題を抱えていました。そこでプロパーの担当者と並走して上記の課題解決を行い、カーボンクレジットに係る新規事業のプロジェクトリードと経験や知見の共有をしてくれるプロフェッショナル人材を活用したのです。

その結果、事業構想を整理したことで実際の事業アイデアを形にするための体制を構築でき、サービスローンチまで挑戦できる環境になりました。

事例➃:大手テレビ局会社

大手テレビ局会社では、IT部門主導で、各事業部の業務改善をデータドリブンで実施していくためデータ戦略を司るチームを組成しています。一方、可視化されたデータをもとに業務改善のプランを立案し、他部署連携のもと推進するメンバーが社内にいないため、形骸化のリスクもありました。

本事例における外部のプロフェッショナル人材は、ハンズオンで参画し、ステークホルダーを巻き込んで主体的に課題解決を図るなど、実務面で稼働しています。結果として、煩雑だったデータを整理し、可視化できたことで、データを利活用した業務推進体制の構築に成功しました。

また、データの取りまとめや整理の手法を社員が学ぶきっかけにもなり、内製化のヒントにつながった事例でもあります。

プロダクトやサービスの立ち上げ、DX推進、コスト削減などを得意とするコンサルタントが担当し、相性もよく進められたのもポイントです。

事例⑤:大手電機メーカー会社

大手電機メーカー会社では、中期経営計画の達成に向けグリーンエネルギーやカーボンニュートラルなどをテーマとした新事業創出を実施することが急務となりました。新規事業の立ち上げから事業のグロースまでを成功させてきた経験があるプロパーがいないことを理由に、外部プロフェッショナル人材の登用を決定しています。

本企業では、PMOという名目でプロフェッショナル人材を登用したものの、実際には工程管理やPMサポートではなく、プロジェクトを主体的にリードしてもらうことが多かったようです。しかし、結果として、新規事業の企画からグロースまでの知見をプロパーにトランスファーしてもらうことができ、新規事業を当初の予定よりも早くローンチできています。

また、新規事業の立ち上げを社員が間近で学べるなど、新規事業の経験値が上がった事例でもあります。

同社における新たな経営の柱の一つとなり得るGX事業の創生に成功し、今後の更なる成長も期待されました。

新規事業についてのよくある質問

最後に、新規事業について「よくある質問」をまとめました。以下に気になる項目がある方は、事前にチェックしておきましょう。

①新規事業を始めるメリットは?

新規事業を立ち上げることには、単なる売上拡大だけでなく多数のメリットが存在します。

  • 売上、利益の多角化
  • 企業価値、競争力の向上
  • 組織の活性化
  • 市場ニーズへの迅速な対応
  • 長期的な成長基盤の確保

新規事業はリスクも伴いますが、適切な計画と戦略を立てながら進めれば、企業全体の成長ポテンシャルを大幅に高める手段となります。企業の未来を切り拓く重要な戦略の1つとして、新規事業に挑戦する価値は非常に大きいと言えるでしょう。

②新規事業を始める場合のリスクは?

新規事業には大きな成長の可能性がある一方で、さまざまなリスクも伴います。

  • 市場リスク
  • 資金リスク
  • 人材リスク
  • 技術リスク
  • 経営リスク
  • 法規制、政治的リスク
  • 社会的リスク

新規事業のリスクは多岐にわたりますが、リスクを早期に把握し、対策を講じることで失敗の可能性を最小化できます。必要に応じて外部のプロフェッショナル人材を活用するなど、的確なアドバイスをもらう工夫も必要です。

③新規事業を成功に収めるためのポイントは?

新規事業はリスクを伴いますが、戦略的に取り組むことで成功確率を大きく高められます。成功のためのポイントは、大きく分けて「顧客理解」「市場適応」「資源活用」「組織体制」の4つに整理できます。

顧客理解

  • 顧客の課題やニーズを正確に把握する
  • 潜在的な不満や要望まで掘り下げる
  • 他社との差別化ポイントを明確にする

市場適応

  • 成長性や未開拓ニーズのある市場を選定する
  • トレンドや競合状況を分析する
  • 参入タイミングを最適化する

資源活用

  • 人材、資金、時間を優先度に応じて配分する
  • MVPで小規模に試し、データに基づき改善する
  • 無駄な投資を避け、成果に直結する活動に集中させる

組織体制

  • プロジェクト責任者やチームを明確にする
  • 社内外の関係者との連携体制を構築する
  • 意思決定を迅速化し、柔軟な対応を可能にする

いずれもバランスよく追求することが大切で、どれか1つが突出しているだけでは新規事業の成功に至りません。上記のポイントを意識し、計画と実行を繰り返しながら新規事業の成功確率を高めていきましょう。

8.まとめ

新規事業の成功は決して偶然ではなく、計画的かつ戦略的な取り組みの積み重ねによって実現します。「ターゲット層の明確化」「継続的な市場調査」「迅速なPDCAサイクルの運用」「外部リソースの活用」など、成功に欠かせないポイントをしっかり押さえていけば、成功への近道となるでしょう。

「フリーコンサルタント.jp」では、新規事業コンサルタントなど、ノウハウと知識を持つ専門職を紹介しています。継続的なサポートもピンポイントでのスポット採用にも対応しているので、お気軽にご相談ください。

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