【リスク回避術】Copilotのセキュリティリスクと情報漏洩・ハルシネーション防ぐ運用方法 - freeconsultant.jp for Business
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最終更新日:2026.07.14
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【リスク回避術】Copilotのセキュリティリスクと情報漏洩・ハルシネーション防ぐ運用方法


Microsoft Copilotの導入を検討しているものの「入力した情報が外部に漏れないか」「自社の機密情報がAIの学習に利用されないか」といったセキュリティ面に不安を感じている企業担当者は少なくありません。特に、全社導入となると個人情報、顧客データ、経営情報など重要な情報を扱う機会も多くなります。だからこそ、情報漏洩や誤回答へのリスク対策が欠かせません。

本記事では、Copilotで考えられる具体的なセキュリティリスクや情報漏洩の事例をはじめ、管理画面で実施できる安全対策、入力データがAIの学習に利用されない仕組みについて、公式情報をもとにわかりやすく解説します。

Microsoft Copilotのプラン別セキュリティリスク

Microsoft Copilotはプランによって利用できる機能やデータ保護の範囲が異なり、セキュリティレベルにも差があります。個人向けサービスと法人向けサービスでは、入力データの取り扱いや管理機能が大きく異なるのです。

そのため、Copilotを安全に運用するには、自社が利用しているプランでどのようなリスクが考えられるのかを理解し、適切な対策を講じることが欠かせません。まずはプランごとの特徴とセキュリティ上の注意点を確認していきましょう。

  • 高リスク:無料版・Copilot Pro
  • 低リスク:Microsoft 365 Copilot(旧:Copilot for Microsoft 365)

高リスク:無料版・Copilot Pro

Microsoft Copilotの無料版や個人向け有料版であるCopilot Proを業務利用する場合は、情報漏洩リスクへの対策が欠かせません。

コンシューマー向けCopilotでは、ユーザーが入力した会話内容やアップロードしたファイルなどが、サービス品質の向上、AIモデルの改善のために利用される可能性があります。実際に、公式FAQで「Microsoft のプライバシーに関する声明で説明されている限られた目的でのみ、お客様の会話を使用して、Copilot をお客様に提供します。」「生成 AI モデルをトレーニングして、お客様や他のユーザーにとってより良いエクスペリエンスを作り出します。 」と明記されているので注意しましょう。

例えば、従業員が業務効率化を目的として、顧客の個人情報、未公開の財務データ、契約書の内容、社外秘の企画書などをプロンプトに入力した場合、その情報が意図せずAIモデルの改善に利用されるリスクがあるということです。

ただし、無料版やCopilot Proでも、設定画面から「会話データをモデルのトレーニングに利用する」機能をオフにすることができます。

オプトアウト後は将来の会話データがAIモデルの学習に利用されなくなるため、業務利用する場合は必ず設定をオフにしておくと良いでしょう。

参考:Microsoft「Microsoft Copilotに関するプライバシーに関する FAQ」

低リスク:Microsoft 365 Copilot(旧:Copilot for Microsoft 365)

企業でCopilotを安全に活用したいのであれば、Microsoft 365 Copilotの利用が有力な選択肢となります。その理由は、Microsoft 365 Copilotでは、ユーザーが入力したプロンプトや組織内のデータが大規模言語モデル(LLM)の学習に利用されないためです。

インプットした情報が、AIモデルのトレーニングデータとして再利用されることはありません。

企業データはMicrosoft 365のセキュリティ境界内で管理され、組織のデータ保護ポリシーやコンプライアンス要件が適用されることもポイントです。

また、Microsoft 365 Copilotは既存のMicrosoft 365環境と連携して動作するため、SharePoint、OneDrive、Teamsなどで設定されているアクセス権限をそのまま引き継ぎます。そのため「権限を持たない従業員が、Copilot経由で他部署の機密資料や人事情報を閲覧する」といった事態を防ぐことも可能です。

企業で機密情報を扱いながら生成AIを活用する場合は、Microsoft 365 Copilotの導入を前提に検討すると良いでしょう。

参考:Microsoft「Microsoft Copilotに関するプライバシーに関する FAQ」

Microsoft 365 Copilotに搭載されているセキュリティ対策5つ

Microsoft 365 Copilotは、企業が安心して生成AIを活用できるよう、さまざまなセキュリティ対策を標準で備えています。

以下からは、Microsoft 365 Copilotに搭載されている代表的な5つのセキュリティ対策について詳しく見ていきましょう。

  • データソースの学習禁止設定
  • データの保護
  • アクセス管理
  • プロンプトインジェクションの防止
  • 有害なコンテンツのブロック

①データソースの学習禁止設定

Microsoft 365 Copilotでは、企業データや入力内容がAIモデルの学習に利用されません。ユーザーが入力したプロンプト、社内文書、メール、チャットデータなどが大規模言語モデル(LLM)のトレーニングに利用されない点は、安心材料のひとつになっています。

特に、経営層、情報システム部門、コンプライアンス部門へ安全性を説明する際には「入力データや企業データはAIモデルの学習に利用されない」という点が最も強力な根拠となるでしょう。

機密情報を扱う企業であっても、情報漏洩リスクを抑えながらCopilotの利便性を活用できます。

②データの保護

Microsoft自体が企業向けクラウドサービスとして高いセキュリティ基準を採用しており、データの保存から通信、処理に至るまで多層的な保護を実施しています。Microsoft 365 Copilotにおいても同様のセキュリティ基準を満たしており、企業の機密データが自社のMicrosoft 365テナント内で厳重に保護されているのが特徴です。

Copilotがユーザーの指示に応じて情報を検索したり文章を生成したりする際も、企業ごとに分離されたMicrosoft 365テナントの論理的な境界内でデータが処理されます。

例えば、従業員が社内の会議資料や顧客データを参照しながらCopilotを利用した場合でも、そのデータが他社の環境へ共有されたり、一般ユーザーが閲覧できる状態になったりすることはありません。

また、保存中のデータだけでなくユーザーとMicrosoftのサーバー間で送受信されるデータも暗号化されており、不正な盗聴や改ざんのリスクを低減しています。

既存のMicrosoft 365環境と同等のセキュリティレベルを維持しながら、生成AIを活用できる仕組みです。

③アクセス管理

生成AIを導入する際に多くの企業が不安に感じるのが「Copilotを使えば本来閲覧できない情報まで見られてしまうのではないか」という点です。しかし、Microsoft 365 Copilotは独自の権限体系を持つのではなく、Microsoft 365で設定されているアクセス権限に従って動作します。

例えば、ユーザーがCopilotに「先月の人事評価データを要約してほしい」と指示したとしても、そのユーザーに閲覧権限がなければデータは検索対象になりません。経営層や人事部のみがアクセスできる機密フォルダ内の資料についても、権限を持たない一般社員がCopilot経由で検索したり内容を確認したりすることはできない仕組みです。

ただし、もともとのアクセス権限設定に問題がある場合は、その状態がCopilotにも反映されるため、導入前に共有フォルダやドキュメントの権限を見直しておきましょう。

④プロンプトインジェクションの防止

プロンプトインジェクションとは、AIに対して悪意のある指示文(プロンプト)を与えることで、本来はアクセスできない情報を取得させるサイバー攻撃です。

生成AIの普及に伴い、企業が対策を講じるべき新たなセキュリティリスクとして注目されるようになりました。

Microsoft 365 Copilotでは、プロンプトインジェクションのリスクに対応するため、システムの内部指示や制限を突破しようとする不審なリクエストを検知・ブロックする仕組みが導入されています。外部からの攻撃だけでなく、従業員による不適切な利用や操作ミスによるリスクの低減にも役立つでしょう。

ただし、プロンプトインジェクションはAIが人間の自然言語を解釈する仕組みそのものを悪用する攻撃です。システムだけで100%完全に防ぐことは難しく、新しい攻撃手法も日々登場しているため、単一の対策に依存することはできません。

プロンプトインジェクション対策機能を活用するだけでなく「機密データそのものをAIの参照範囲から除外する」「RAG(Retrieval-Augmented Generation)のアクセス権限を厳格に管理する」「重要情報へのアクセス権限を定期的に見直す」など、運用面の対策を組み合わせましょう。

⑤有害なコンテンツのブロック

生成AIは非常に便利なツールですが、利用方法によっては不適切な文章や有害な情報を生成してしまうリスクがあります。そのため、企業で安全に活用するためには、セキュリティだけでなく、生成されるコンテンツの品質や安全性を担保する仕組みが欠かせません。

Microsoft 365 Copilotには、業務に不適切な有害コンテンツの生成を抑制する安全対策が標準搭載されています。「責任あるAI(Responsible AI)」の原則に基づいて開発されており、ユーザーからの指示内容や生成結果を評価するフィルタリング機能が組み込まれているのが特徴です。例えば、以下のようなコンテンツは生成されない、または生成が大幅に制限されるよう設計されています。

  • ヘイトスピーチや差別的な表現
  • 暴力行為を助長するコンテンツ
  • 性的なコンテンツ
  • 自傷行為や自殺を助長する内容

また、ユーザーがこれらの内容を意図的に生成させようとした場合でも、Copilotが回答を拒否したり、安全な内容へ誘導したりする仕組みが働きます。

ただし、有害コンテンツのフィルタリングは万能ではありません。文脈によっては不適切な回答が生成されたり、逆に問題のない内容が制限されたりする可能性もあります。

企業として、AIの出力結果をそのまま利用するのではなく、人間による確認プロセスを設ける対策も設けましょう。

Microsoft Copilotで起こりうるセキュリティリスク3つ

ここまで解説してきたように、Microsoft 365 Copilotには学習データの保護やアクセス権限の継承、プロンプトインジェクション対策など、多くのセキュリティ機能が搭載されています。

とはいえ、セキュリティリスクが完全になくなるわけではありません。

これはCopilotに限らず、あらゆるITシステムやクラウドサービスに共通する考え方です。

どれだけ高度なセキュリティ対策が実装されていても、設定ミスや人的ミス、新たな攻撃手法の出現などによってリスクが発生する可能性は残ります。実際、Copilotのセキュリティ機能は「リスクを大幅に低減する」ためのものであり「100%リスクを排除する」ものではありません。

以下からは、Copilot利用時に想定される代表的なセキュリティリスクについて解説します。

  • 情報漏洩
  • ハルシネーション
  • 意図しない情報へのアクセス

①情報漏洩

Microsoft 365 Copilotには、強固なセキュリティ対策が施されています。しかし、実際の情報漏洩は従業員のヒューマンエラーや利用環境によって発生するケースが少なくありません。例えば、従業員が会社で承認されていない個人向けCopilotや他社の生成AIサービスを利用する「シャドーAI」が発生した場合、入力したデータがAIモデルの学習に利用されてしまいます。

また、データが学習されないMicrosoft 365 Copilotを利用している場合でも安心はできません。機密情報を含む文書を要約させた結果を従業員が誤って社外に送信したり、生成された資料を十分に確認せず外部へ共有したりすることで、情報漏洩が発生する可能性があります。

情報漏洩リスクを防ぐためには「どのような情報をプロンプトへ入力して良いのか」「どのような情報は入力してはいけないのか」を明確に定めたセキュリティポリシーを策定し、全従業員へ周知することが欠かせません。

個人情報、顧客データ、未公開の経営情報、契約情報などの取り扱いルールを明文化し、定期的な教育を実施することでヒューマンエラーの発生を抑えましょう。

②ハルシネーション

Copilotに限らず、AIが生成した回答は基本的に鵜呑みにしないことが重要です。

生成AIには「ハルシネーション」と呼ばれるリスクが存在します。ハルシネーションとは、事実ではない内容をあたかも正しい情報であるかのように回答してしまう現象です。

例えば、AIが存在しない法律の条文や判例を引用したり、実際とは異なる売上数値や市場データを提示したりするケースがあります。

また、文脈を誤認したり学習データに偏りがあったりすると、もっともらしい説明をしながら誤った結論を導き出すこともあるので注意しましょう。

Microsoftは回答品質の向上や安全対策に日々取り組んでいますが、ハルシネーションを完全に無くすことは難しいです。そのため「AIが生成した回答は必ず人間が確認する」というルールを徹底する必要があります。

特に、数値データ、法務・契約関連の情報、経営判断に関わる内容については、社内資料や公的機関の情報、公式発表などの一次情報を用いてファクトチェックを行う運用を義務付けるべきでしょう。

③意図しない情報へのアクセス

Copilotは、ユーザーが閲覧権限を持つSharePoint、OneDrive、Teamsなどのデータを横断的に検索し、必要な情報を収集して回答を生成します。業務効率が向上する便利な仕組みである一方、もともとのアクセス権限設定に問題がある場合、意図せず一般社員が機密情報を閲覧してしまう可能性があるため注意が必要です。

例えば、本来は特定部署のみが閲覧すべき人事情報や経営資料が、誤って「社内全員が閲覧可能」の状態で共有されていたとします。

この場合、Copilotはそのファイルを検索対象として認識するため、権限を持つ従業員が質問した際に不要な機密情報を回答へ含めてしまう可能性があるのです。

上記のようなリスクを防ぐためには、社内における厳格な管理が求められます。Copilot導入前に、SharePointやOneDriveの共有フォルダ、Teamsのチャネル、各種ドキュメントのアクセス権限を棚卸しし「誰が何にアクセスできるのか」を改めて確認しておきましょう。

生成AIによるセキュリティインシデントの事例

生成AIにはさまざまなセキュリティ対策が講じられている一方で、実際には情報漏洩や機密情報の取り扱いに関するインシデントも発生しているのが現状です。

次項からは、生成AIの利用によって実際に発生した代表的なセキュリティインシデントを紹介しながら、企業が注意すべきポイントを解説します。

  • エア・カナダ
  • サムスン電子

①エア・カナダ

生成AIのハルシネーションが企業の責任問題に発展した代表的な事例として、エア・カナダのチャットボット訴訟が挙げられます。

エア・カナダがウェブサイト上で提供していたAIチャットボットが、乗客に対して実際とは異なる割引制度の案内を行いました。祖母の葬儀のために航空券を購入しようとしていた乗客が、チャットボットから「通常料金で購入した後でも90日以内であれば弔事割引を申請できる」と説明を受け航空券を購入したところ、実際の規定は異なり、後から割引を受けることはできなかった事例です。

納得できなかった乗客はエア・カナダを提訴しましたが、同社は「利用者が適切な手続きを踏んでいない」「チャットボットの回答については責任を負えない」と主張しました。しかし、ブリティッシュコロンビア州民事解決審判所は「チャットボットはエア・カナダのウェブサイトの一部であり、企業は自社サイト上で提供される情報に責任を負うべきである」と判断し、乗客への損害賠償金と裁判費用の支払いを命じています。

たとえAIがもっともらしい回答を生成したとしても、その内容が正しいとは限りません。

AIが生成した回答を、人間が確認せずに対外的な業務へ利用することには一定のリスクがあります。

生成AIを便利な業務支援ツールとして活用しながらも、最終的な責任は人間が負うという前提を忘れないようにしましょう。

参考: Civil Resolution Tribunal「CRT Decisions | Search Now」

②サムスン電子

入力するデータの種類や利用するサービスの選定が重要であることを示す事例として、サムスン電子で発生した事象があります。

韓国の大手電機メーカーであるサムスン電子では、従業員の業務効率化を目的として、コンシューマー向けの生成AIサービスに社内情報を活用しました。具体的には、製品開発に関わる社外秘のソースコードの修正依頼や、社内会議の議事録の要約などを生成AIへ入力しています。

しかし、その後入力データがサービス改善やAIモデルの学習に利用されてしまう事態に発展しました。サムスン電子はこの事象を受け、社内PCからの生成AI利用を一時的に制限するなどの対応を実施しています。

生成AIの利用を禁止するのではなく、企業情報を守りながら安全に活用するためのルール整備に着手した形です。

生成AIを導入する際には「どのAIサービスを使うか」「どの情報を入力してよいか」を明確に管理することが欠かせません。「顧客情報」「未公開の製品情報」「ソースコード」「契約情報」など、プロンプトに入力してはいけない情報を明確に定義したセキュリティポリシーを策定し、従業員へ継続的な教育を行うことが、情報漏洩を防ぐ有効な対策となります。

参考:Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)「サムスン、ChatGPTの社内使用禁止 機密コードの流出受け」

Copilotのセキュリティを強化するための対策5選

Microsoft 365 Copilotには、企業利用を想定したさまざまなセキュリティ機能が搭載されています。しかし、機能を導入しただけで情報漏洩や誤利用のリスクが完全になくなるわけではありません。「AIに任せる範囲」と「人間が管理すべき範囲」を明確にし、多層的なセキュリティ対策を講じていきましょう。

以下からは、Copilotを安心して業務利用するために実施すべき具体的なセキュリティ強化策を5つ紹介します。

  • 「Microsoft 365 Copilot」を契約する
  • アクセス権限・ラベリングを適切に設定する
  • Web検索機能を制御する
  • 監査ログの有効化と監視体制を構築する
  • Microsoft Purviewなどのツールを利用する

①「Microsoft 365 Copilot」を契約する

Copilotを企業で安全に利用するためには、無料版や個人向けプランではなく、法人向けの「Microsoft 365 Copilot」を導入するのがおすすめです。

無料版や個人向けプランでは、入力したプロンプトやデータがサービス改善のために利用される可能性があります。一方、Microsoft 365 Copilotでは、企業データや入力したプロンプトが大規模言語モデル(LLM)の学習(トレーニング)に利用されません。データ処理は自社のMicrosoft 365テナント内で行われ、企業ごとに分離された環境で保護されることがメリットです。

また、Microsoft 365 Copilotは既存のMicrosoft 365環境と連携するため、SharePoint、OneDrive、Teamsなどに設定されたアクセス権限もそのまま適用されます。権限を持たないユーザーが機密情報を参照することを防ぎながら、必要なデータだけを活用することが可能です。

②アクセス権限・ラベリングを適切に設定する

Microsoft 365内のアクセス権限やデータ分類(ラベリング)を適切に管理することで、意図しない情報開示を防ぐことができます。

Copilotは、ユーザーの代わりに社内データを検索して回答を生成する仕組みです。ユーザー自身が閲覧権限を持つMicrosoft 365上のデータを対象に処理を行うため、もともとのファイル共有設定が適切でない場合、本来見せるべきではない情報が回答に含まれてしまう可能性があります。例えば、役員報酬に関する資料、未公開の人事情報、経営戦略に関わる内部資料などが「社内全員が閲覧可能」という状態で保存されていた場合、その情報が検索結果や生成回答に反映される恐れがあるのです。

意図しない情報漏洩を防ぐためには、まず社内ドキュメントのアクセス権限を定期的に見直しましょう。一部の従業員だけが扱うべき情報については、閲覧できるユーザーを限定し、必要最小限の権限だけを付与します。

また、機密性の高いドキュメントには「社外秘」「機密情報」「重要データ」などのラベルを付与し、情報の重要度を明確に分類することも有効です。

データの種類に応じた管理ルールを設定することで、誤共有や不要なアクセスを防ぎやすくなります。

③Web検索機能を制御する

CopilotのWeb検索機能の利用範囲を適切に管理することで、入力情報の流出を防ぐことが可能です。

Copilotは、Web検索機能を有効にするとインターネット上の最新情報を取得し、回答の精度を高められます。

例えば、最新の市場動向や公開情報の調査、一般的な業界情報の収集などでは、Web検索機能が大きな効果を発揮するでしょう。

一方で、Web検索機能にはデメリットもあるので注意が必要です。Copilotが外部の検索エンジンを利用する際、ユーザーの入力内容や質問文が検索クエリとして処理されることがあります。つまり、社内の機密情報を含む質問を入力すると、意図せず外部サービスへ情報が送信されるリスクにつながるのです。

上記のリスクを防ぐためには、Microsoft 365の管理画面からWeb検索機能の利用設定を制御することが近道です。テナント全体で無効化することはもちろん、業務内容や所属部署に応じて特定のユーザーグループのみ利用を許可する設定にすることも検討しましょう。

④監査ログの有効化と監視体制を構築する

生成AIの利用によるセキュリティリスクは、事前の設定だけでは完全に防ぎきれないため、従業員の利用状況を把握できる監査ログの有効化と、継続的な監視体制の構築が重要です。情報漏洩や不適切な利用が発生した場合「誰が」「いつ」「どの情報にアクセスし」「どのような操作を行ったのか」を確認できなければ、原因の特定や迅速な対応ができません。

監査ログを有効化すれば、Copilotの利用履歴やデータへのアクセス状況を記録できます。従業員がどのようなプロンプトを入力したのか、どのファイルやデータを参照したのかといった情報を確認できるため、不審な利用パターンを早期に発見することが可能です。

また、ログは取得するだけでなく、定期的に内容を確認する運用も欠かせません。設定ミス、ルール違反、不適切なAI利用を早期に発見し、必要に応じてアクセス権限や利用ポリシーを見直しましょう。

⑤Microsoft Purviewなどのツールを利用する

Microsoft 365 Copilotには基本的なセキュリティ機能が備わっていますが、企業内に存在する膨大なデータを安全に管理するには、情報の分類、保護、利用状況の監視を行う仕組みが欠かせません。特に、機密情報を多く扱う企業では、生成AIの導入と同時にデータガバナンスを強化することが重要です。

Microsoft Purviewを利用すると、社内に保存されているデータを自動的に検出し、重要度に応じて分類・管理できます。例えば、マイナンバー、クレジットカード情報、顧客情報、社外秘のキーワードを含むファイルなどを識別して「機密情報」としてラベルを付与したり、暗号化によって保護したりすることが可能です。

また、DLP(データ損失防止)機能を活用して、設定したポリシーに違反するデータ共有や外部への送信を制御しても良いでしょう。機密情報を含むファイルを社外へ共有しようとした場合に警告を表示したり、一定の条件では操作自体をブロックしたりすることで、人的ミスによる情報漏洩を防止できます。

セキュリティツールを組み合わせて、アクセス制御・データ保護・監視を一体化したゼロトラスト型の安全なCopilot活用環境を構築していきましょう。

Copilot利用時の社内セキュリティポリシーを策定する4つのポイント

Copilotを安全に活用するためには、システム側のセキュリティ設定だけでなく、従業員が正しく利用するためのセキュリティポリシーの策定が欠かせません。

以下からは、Copilot利用時に策定しておきたい社内セキュリティポリシーの具体的なポイントを4つ紹介します。

  • 入力してはいけない機密情報の定義を明確にする
  • 生成された回答の事実確認を義務付ける
  • 利用可能なデバイスとネットワークを制限する
  • 社員研修を定期的に実施する

①入力してはいけない機密情報の定義を明確にする

Copilotに「どのような情報を入力してはいけないのか」を具体的に定義することで、情報漏洩の原因を根本から無くすことが可能です。

以下のような情報はCopilotへ入力しない情報として明確に定めておく必要があります。

  • 顧客の個人情報(氏名、住所、連絡先、購買履歴など)
  • 未公開の財務情報、経営計画、M&Aに関する情報
  • 開発中の製品データや設計情報
  • 独自のソースコードや技術情報
  • 社外秘に指定されている資料や契約情報

特に注意が必要なのは、従業員が「業務効率化のため」と考えて入力してしまうケースです。

例えば、顧客から受け取った問い合わせ内容を要約させたり、未公開の企画書を文章改善のために貼り付けたりする行為は、一見すると問題がないように見えます。しかし、実際には情報管理上のリスクを含んでいて、想定外のタイミングで社外に流出してしまうかもしれません。

Copilotのセキュリティ機能だけに頼るのではなく、従業員一人ひとりが安全な使い方を理解できる環境を整えることが、ヒューマンエラーによる情報漏洩を防ぐ第一歩です。

②生成された回答の事実確認を義務付ける

Copilotを業務で利用する場合は、AIが生成した回答をそのまま利用せず、必ず人間がファクトチェックを行いましょう。

特に、以下のような業務でCopilotの回答を利用する場合は、慎重な確認が必要です。

  • 顧客へ提出する提案書や報告書の作成
  • 法務・契約に関わる資料の作成
  • 経営判断に使用する分析資料の作成
  • 金額や数値を扱うレポート作成

「AIの回答はあくまで業務を補助する参考情報であり、最終的な確認責任は利用者が持つ」という考え方を社内で共有することが大切です。

また、ファクトチェックを行う際は、社内の公式資料や公的機関の情報、契約書、原文データなどの一次情報と照合する運用を徹底しましょう。生成AIは作業時間を短縮して業務効率を高める強力なツールですが、判断や確認まで完全に任せることはできません。人間による確認プロセスを組み込むことで、Copilotの利便性を活かしながら、誤情報によるリスクを最小限に抑えられます。

③利用可能なデバイスとネットワークを制限する

利用可能なデバイスやネットワーク環境をあらかじめ制限することで、ウイルス感染や不正アクセスを防止することが可能です。

例えば、従業員が外出先のカフェなどでフリーWi-Fiに接続し、Copilotを使って社内資料を検索・作成した場合、通信経路を狙った攻撃によって情報が漏洩する可能性があります。また、私物スマートフォンにMicrosoft 365の認証情報が残った状態で端末を紛失すると、第三者に社内データへアクセスされるケースもあるでしょう。

上記のようなリスクを防ぐためには、Copilotの業務利用を会社が管理する端末に限定することが有効です。端末側にセキュリティソフトやアクセス制御を適用することで、企業が管理できる環境内でのみAIを利用できる状態を作れます。

また、社外からCopilotを利用する場合は、VPNなど安全な社内ネットワークを経由するルールを設定することも検討しましょう。

通信経路を保護することで、外部環境から社内データへアクセスする際のリスクを低減できます。

④社員研修を定期的に実施する

Copilotを安全に活用するためには、全社員に向けた定期的な研修や啓発活動も必要です。

どれだけ厳格なセキュリティポリシーを策定しても、従業員が内容を理解していなければ、実際の業務場面で適切な判断をすることはできません。

研修では、まずCopilotがどのような仕組みで動作しているのか、全社員が理解できている状態を目指しましょう。例えば「入力した情報がどのように処理されるのか」「どのような情報がリスクになるのか」「なぜ機密情報を入力してはいけないのか」といった基本的な考え方を共有することで、従業員のセキュリティ意識を高められます。

また、実際の業務で迷わないように「NGなプロンプト」と「推奨されるプロンプト」の具体例をまとめた社内向けガイドを作成することも有効です。

例えば、以下のような使い分けを明確にします。

【NG例】

  • 顧客名や個人情報を含む問い合わせ内容をそのまま入力する
  • 未公開の売上データや経営計画を分析させる
  • 社外秘のソースコードを貼り付けて修正を依頼する

【推奨例】

  • 公開情報をもとに文章の構成を改善する
  • 個人情報を除いた内容の要約を依頼する
  • 一般的なアイデア出しや資料作成の補助として利用する

具体的な事例を示すことで、従業員は「どこまでなら安全に使えるのか」を判断しやすくなります。

AIのセキュリティ体制構築にお悩みなら「フリーコンサルタント.jp」へご相談ください

生成AIの導入は業務効率化や生産性向上につながる一方で、情報漏洩対策、利用ルールの整備、社内データ管理など、企業が事前に解決すべき課題も多くあります。

特にCopilotのように社内データと連携するAIツールでは「どの情報を参照させるのか」「誰が利用できるのか」「従業員がどのように使うべきか」といった運用設計が重要です。セキュリティ機能を導入するだけではなく、自社の業務内容や情報管理体制に合わせたAIガバナンスの構築が求められます。

しかし、AIセキュリティの専門知識を持つ人材が社内に不足している企業は少なくありません。AI人材に関する課題を抱える企業には、専門的な知見を持つ外部人材の活用も有効な選択肢です。

「フリーコンサルタント.jp」では、AI導入、DX推進、業務改革など、企業の課題解決を支援できるフリーランスのプロフェッショナルを紹介しています。経験豊富な専門家の力を借りることで、自社に合った安全なAI活用環境を効率的に整備することが可能です。

「Copilotをはじめとした生成AIを安心して業務へ取り入れたい」「AI活用とセキュリティ対策を両立したい」と考えている企業は「フリーコンサルタント.jp」へお気軽にご相談ください。

フリーコンサルタント.jpによるAI導入・セキュリティ強化の成功事例2選

次項からは「フリーコンサルタント.jp」が支援したAI導入・セキュリティ強化に関する成功事例を紹介します。

  • 大手保険代理店
  • 大手通信キャリア

大手保険代理店

大手保険代理店では、Azure OpenAIとPythonを活用した生成AIボットのプロトタイプ開発は完了していたものの、今後の社内展開や顧客向けサービスとしての製品化に向けて、以下の課題を抱えていました。

  • 開発した生成AIボットを全社へ展開するための活用方法や運用体制の整備
  • 社員が継続的に利用できる仕組みづくり
  • 顧客向けサービスとして提供するための事業化検討
  • 生成AIに関する社内知見の蓄積と人材育成

現場への定着や組織全体でのAI活用推進を実現するため、生成AI領域に精通した専門人材による伴走支援が必要でした。

そこで「フリーコンサルタント.jp」では、生成AIボットを社内外へ展開するため、生成AI活用のエバンジェリストとして以下の支援を実施しています。

  • 生成AIボットの社内展開に向けた活用方針・運用方法の整理
  • 最新の生成AIツールや技術動向の調査・分析
  • 社員向けの生成AI活用支援・ナレッジ共有
  • 顧客向け生成AIサービスの事業化に向けた検討支援
  • 継続的なAI活用を推進するCoE(Center of Excellence)組織の立ち上げ支援

支援の結果、開発済みだった生成AIボットを全社的に展開することに成功しています。社員同士で行っていたナレッジ共有や問い合わせ対応を、生成AIボットで効率化できるようになり、これまで時間を要していた情報検索・確認作業を大幅に削減できました。

また、生成AIボットの活用によって社内問い合わせ対応工数を約60%削減することに貢献しています。

専門人材による伴走支援とスキルトランスファーにより、社内に生成AI活用ノウハウが蓄積され、継続的にAI活用を推進できるCoE組織の形成にもつながった事例です。

大手通信キャリア

大手通信キャリアでは、グローバル展開を進める企業において、各国の個人情報保護規制や国際的なセキュリティ基準への対応が求められていました。

しかし、社内にはグローバルレベルの情報セキュリティ体制構築を経験した人材が不足しており、以下のような課題を抱えていました。

  • 国際基準に沿ったセキュリティポリシー策定の知見不足
  • グローバル規模での情報管理・リスク対策の経験不足
  • 英語で海外拠点と円滑に連携できる人材不足
  • 現在のガイドラインや社内ルールが国際基準に十分準拠していない
  • セキュリティルールを策定するだけでなく、実際に運用・定着させる仕組みが未整備

特に、情報やデータの機密度に応じた必要な対策を定義し、各システムの設計・運用へ反映するためのセキュリティ方針の策定が必要でした。

そこで「フリーコンサルタント.jp」では、グローバル基準に対応できる情報セキュリティ体制の構築に向け、専門人材による支援を実施しました。

主な支援内容は以下の通りです。

  • 現行のセキュリティガイドライン・ポリシーの現状分析
  • 国際基準に沿ったセキュリティルールへの見直し
  • 情報資産を保護するためのセキュリティ方針策定
  • データの機密度に応じた管理基準・必要対策の整理
  • 各システムの設計・運用へ適用するためのプロセス設計
  • グローバル拠点と連携したセキュリティ運用体制の構築
  • 社内ルールを定着させるための組織づくり・意識改革支援

また、社内公用語である英語を用いて海外関係者との調整も行い、グローバル環境で円滑にプロジェクトを推進しています。

支援の結果、グローバル基準に準拠した情報セキュリティ体制の基盤を構築することができました。情報セキュリティを継続的に確立・維持・改善するための運用プロセスや、それを支える組織体制の整備まで実現させています。

さらに、海外拠点とのコミュニケーションも英語で円滑に進めることができ、国内外を問わず安心して取引できるセキュリティ環境を整備できたこともポイントです。

まとめ

Microsoft Copilotは、業務効率化や生産性向上を実現できる強力な生成AIツールです。しかし、情報漏洩やハルシネーション、意図しないデータアクセスなど、導入時に理解しておくべきリスクも存在します。

リスクを防いでcopilotを安全に使うためには、法人向けプランの選定、アクセス権限の適切な管理、監査ログの活用など、多層的な対策を組み合わせることが重要です。

「フリーコンサルタント.jp」では、AI導入支援やDX推進、セキュリティ体制構築など、企業ごとの課題に合わせた専門人材の活用を支援しています。

生成AIを安心して業務へ取り入れ、企業成長につなげたいと考えている方は「フリーコンサルタント.jp」の活用をぜひご検討ください。


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