オンライン面接は、近年の転職活動において主要な選考方法の一つとして定着し、多くの候補者が経験する可能性があります。場所を選ばずに受けられる利便性がある一方で、対面とは異なる特有の準備や振る舞いが求められます。
この記事では、オンライン面接のマナーについて、前日までの準備から当日の流れ、好印象を与えるための具体的なテクニックまでを網羅的に解説します。カメラや照明、声の使い方といった細かな点まで理解を深め、万全の対策で面接に臨みましょう。
オンライン面接を成功させる!まずは前日までに準備すべきこと
オンライン面接の成否は、当日の受け答えだけでなく、前日までの入念な準備によって大きく左右されます。必要なものや環境の確認を怠ると、予期せぬトラブルに見舞われ、本来の実力を発揮できない可能性があります。
安定した通信環境の確保やWeb会議ツールの動作確認、緊急連絡先の把握といった基本的な準備は不可欠です。
本番で実力を最大限に発揮するためにも、事前に押さえておくべき注意点を確認し、できれば友人や家族と練習を重ねておくと、安心して当日を迎えられます。
安定したインターネット回線を用意する
オンライン面接において、通信環境の安定性は最も重要な要素です。
面接の途中で音声が途切れたり映像が固まったりすると、円滑なコミュニケーションが阻害され、意欲が低いと誤解される可能性も否定できません。
最も推奨されるのは、Wi-Fi接続よりも通信が安定しやすい有線LANを使用することです。もし有線での接続が難しい場合は、Wi-Fiルーターの近くで接続する、他のデバイスの通信を切っておくなど、通信負荷を軽減する工夫を凝らしましょう。
事前にスピードテストサイトなどで回線速度を確認し、通信環境に問題がないかチェックしておくことが、安心して面接に臨むための第一歩です。
背景は壁やバーチャル背景ですっきりと見せる
面接官が話に集中できるよう、背景には不要なものが映り込まないように配慮します。最も望ましいのは、白や無地の壁、または無地のカーテンなどを背景にすることです。
部屋の中が散らかっていたり、ポスターや私物が映り込んだりすると、生活感が出てしまい、自己管理能力を疑われる可能性があります。
適切な背景を用意できない場合は、Web会議ツールに備わっているバーチャル背景機能の利用も有効な手段です。その際は、奇抜なデザインやプライベートな写真は避け、無地やシンプルなオフィス風の画像など、ビジネスシーンにふさわしい背景を選択してください。
使用するWeb会議ツールの動作を確認しておく
企業から指定されたWeb会議ツールは、必ず面接の前日までにインストールし、基本的な操作方法に慣れておく必要があります。
面接当日に初めて起動すると、予期せぬアップデートやアカウント設定に時間を取られ、開始時刻に間に合わなくなるリスクがあります。事前に友人や家族に協力してもらい、実際に通話テストを行っておくと万全です。
音声や映像が問題なく送受信できるか、マイクのミュートや画面共有といった基本的な操作がスムーズにできるかを確認しておくだけで、当日の心理的な負担を大幅に軽減できます。
パソコンやスマホの充電を満タンにしておく
面接の途中で使用デバイスのバッテリーが切れてしまう事態は、絶対に避けなければなりません。パソコンで面接を受ける際は、電源アダプターに接続した状態で臨むのが最も確実な方法です。
もしコンセントが近くにない環境で受ける場合は、前日までに100%まで充電しておくことを徹底しましょう。スマートフォンやタブレットを使用する場合も同様で、充電は満タンの状態にしておきます。
さらに、万が一の事態に備えてモバイルバッテリーを準備しておくと、より安心して面接に集中できます。バッテリー残量を気にすることなく、会話に専念できる環境を整えてください。
カメラ・マイク・イヤホンの接続テストを行う
オンライン面接では、音声や映像に関する機材トラブルが頻繁に発生します。使用するカメラが正常に動作し、自分の顔がはっきりと映るかを事前に確認してください。
音声については、パソコン内蔵のマイクよりも、クリアな音声を届けられる外付けマイクの使用が望ましいです。
また、周囲の雑音を遮断し、面接官の声を正確に聞き取るために、イヤホンの着用を強く推奨します。特にマイク付きのイヤホンは、自分の声も明瞭に相手へ伝えられるため効果的です。
これらのカメラ、マイク、イヤホンといった機材が、使用するデバイスやWeb会議ツールの設定で正しく認識されているかを、必ずテストしておきましょう。
緊急時に備えて企業の連絡先を控えておく
どれだけ万全に準備をしても、当日に予期せぬ機材トラブルや通信障害が発生する可能性はゼロではありません。
そうした不測の事態に備え、企業の採用担当者の電話番号やメールアドレスといった緊急時の連絡先を、すぐに確認できる場所に控えておくことが不可欠です。
トラブル発生時に、慌てず速やかに状況を報告し、指示を仰ぐことで、誠実な対応姿勢を示すことができます。
パソコンのデスクトップだけでなく、スマートフォンや手帳など、複数の場所に連絡先を記録しておくと、パソコンが起動しないといった最悪の事態にも対応可能です。
【当日編】オンライン面接の基本的な流れとマナー
オンライン面接には、対面とは異なる特有の流れと守るべきルールが存在します。入室のタイミングから面接中の受け答え、そして退室の作法まで、一連の流れに沿ったマナーを把握しておくことで、スムーズかつ自信を持って面接に臨めるようになります。
画面越しであっても、相手への配慮を忘れず、ビジネスマナーを遵守する姿勢が評価されます。
ここでは、面接開始から終了までの具体的な流れに沿って、押さえておくべき基本的なマナーを解説します。
5〜10分前には指定URLにアクセスして待機する
オンライン面接では、指定された開始時刻の3〜5分前には、送られてきたURLにアクセスして入室準備を整えるのが適切です。
あまりに早くアクセスしすぎると、前の応募者の面接や社内会議と重なってしまう可能性があり、かえって迷惑になります。逆に、開始時刻ギリギリのアクセスは、機材トラブルなどがあった際に対応できず、遅刻の原因となりかねません。
遅くとも3分前には入室を済ませ、待機画面で静かに面接官を待つのが適切な対応です。落ち着いて心を整え、面接開始を待つ姿勢が求められます。
面接開始時は明るい挨拶と一礼を忘れない
面接官が入室し、画面に表示されたら、まずは着席したままで構いませんので、はっきりと明るい声で挨拶をします。
最初の挨拶は第一印象を左右する重要な場面です。「おはようございます」または「こんにちは」と述べた後、「本日はよろしくお願いいたします」と続けます。そして、「〇〇(氏名)です」と、自分の名前をはっきりと名乗りましょう。
挨拶の際には、画面の向こうの面接官に伝わるように軽くお辞儀をすると、より丁寧な印象になります。画面越しでは表情が伝わりにくいため、意識的に口角を上げて明るい表情を作ることも重要です。
面接官の話を最後まで聞き、丁寧にお礼を伝える
面接中は、面接官の話を最後まで集中して聞く「傾聴」の姿勢が求められます。オンラインでは通信のタイムラグが生じやすいため、相手が話し終わったことを一呼吸おいて確認してから、自分の話を始めるように心がけてください。
相手の話を遮って話し出すと、自己中心的な印象を与えてしまう恐れがあります。
質問には結論から簡潔に答えることを意識しましょう。
面接の最後には、面接の機会をいただいたことへの感謝を伝えます。「本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました」と丁寧にお礼を述べることで、入社への熱意や誠実な人柄を示せます。
面接官が退出するのを確認してから接続を切る
面接が終了し、お礼の挨拶を終えた後も、すぐに接続を切らないのがオンライン面接における退出のマナーです。これは対面での面接において、相手が部屋を出るまで見送るのと同じ考え方に基づきます。
面接官から「接続を切ってください」という指示があればそれに従いますが、特に指示がない場合は、相手が先に退出するのを確認してから、自分も「失礼いたします」と再度一礼し、静かに接続を切断します。
最後の瞬間まで気を抜かず、丁寧な対応を心がけることで、好印象を維持できます。焦って先に退出してしまうと、失礼な印象を与えかねないため、最後まで冷静に行動してください。
面接中に好印象を与える話し方・聞き方のマナー
オンライン面接では、対面と比べて表情や雰囲気といった非言語的な情報が伝わりにくい特性があります。しかし、その分、話し方や聞き方を少し工夫するだけで、熱意や誠実さを効果的にアピールできます。
画面越しでの円滑なコミュニケーションを実現し、面接官に好印象を与えるためには、いくつかのコツを押さえる必要があります。
声のトーン、話すスピード、視線の合わせ方、相づちの打ち方などを意識的にコントロールすることが、他の応募者との差別化を図る上でメリットとなります。
はっきり、少しゆっくり話すことを意識する
オンラインの環境下では、使用するマイクの性能や通信状況によって音声が不明瞭になることがあります。そのため、対面で話す時よりも一層はっきりと、そして少しゆっくりとしたペースで話すことを意識してください。
早口になると、言葉が聞き取りにくくなるだけでなく、落ち着きがない、あるいは焦っているという印象を与えてしまう可能性があります。
特に、大学での研究内容や就職活動の軸といった重要な事柄を伝える場面では、一語一句を丁寧に発音するよう心がけましょう。
相手が聞き取りやすい声量とスピードで話すことは、基本的なコミュニケーション能力を示すことにもなります。
目線はカメラに合わせてアイコンタクトをとる
オンライン面接において、面接官とアイコンタクトをとるためには、画面に映っている相手の顔ではなく、パソコンに搭載されているカメラのレンズを見ることが重要です。
画面の相手を見ながら話すと、相手側からは視線が下に落ちているように見え、自信がなさそうな印象や、話に集中していないという印象を与えかねません。
カメラに目線を合わせることで、面接官と直接目が合っている状態を作り出し、熱意や誠実さを効果的に伝えられます。
最初は不自然に感じるかもしれませんが、事前に練習して慣れておきましょう。カメラの横に目印のシールを貼るなどして、意識的に視線を誘導するのも一つの方法です。
明るい表情と少し大きめの相づちを心がける
画面越しでは感情や表情の変化が伝わりにくいため、意識的に明るい表情を維持することが重要です。常に口角を少し上げるだけでも、親しみやすくポジティブな印象を与えられます。
また、面接官が話している間は、普段よりも少し大きめに頷いたり、「はい」と声に出して相づちを打ったりすることで、話を真剣に聞いているという姿勢を明確に示せます。
インターンの経験などについて説明を受けている際に無表情でいると、興味がないと誤解される恐れがあります。適切なリアクションは、円滑な対話を促し、コミュニケーションへの積極性をアピールする上で非常に効果的です。
背筋を伸ばして正しい姿勢を保つ
自宅で面接を受けると、つい気持ちが緩みがちですが、画面に映る姿勢は対面面接と同様に厳しく見られています。椅子の背もたれに寄りかかったり、猫背になったりする姿勢は、だらしなく見え、やる気がないという印象を与えてしまいます。
面接中は常に椅子に深く腰掛け、背筋をまっすぐ伸ばした正しい姿勢を維持してください。少し顎を引くことで、自信に満ちた落ち着いた雰囲気を演出できます。
正しい姿勢は見た目の印象を良くするだけでなく、声が出やすくなるという効果もあります。画面には上半身しか映らない場合でも、対面と同じ緊張感を持って臨むことが大切です。
オンライン面接にふさわしい服装と身だしなみの基本
オンライン面接は自宅で受けることが多いため、どのような服装をすべきか迷うかもしれません。しかし、基本的には対面面接と同じ基準で考えるべきです。
アルバイトの面接とは異なり、ビジネスの場にふさわしい服装と清潔感のある身だしなみが求められます。
画面に映るのは上半身だけかもしれませんが、スーツなどを全身着こなすことで、気持ちが引き締まり、面接モードへの切り替えがスムーズになります。
ここでは、オンライン面接で好印象を与えるための服装や髪型、メイクといった身だしなみの基本を解説します。
服装は対面面接と同じスーツが無難
企業側から「私服でお願いします」や「服装は自由です」といった特別な指定がない限り、対面面接と同様にリクルートスーツやビジネススーツを着用するのが最も安全で無難な選択です。
画面越しでは実際の色味と異なって見えることがあるため、ネイビーやグレーといった落ち着いた色合いの無地のスーツを選ぶと良いでしょう。インナーには白いシャツやブラウスを合わせ、シワや汚れがないか事前に確認しておきます。
「上半身しか映らないから」と下は部屋着のままで臨むのは避けるべきです。不意に立ち上がる必要が生じた際に対応できないだけでなく、気持ちの面でも緊張感を保ちにくくなります。
もし私服の指定があった場合でも、ジャケットを羽織るなど、オフィスカジュアルを意識した服装を心がけてください。
清潔感を意識した髪型とメイクを心がける
オンライン面接では、カメラによって顔が大きく映し出されるため、清潔感を意識した髪型とメイクが極めて重要になります。
髪が顔にかかると暗い印象を与えてしまうため、前髪は目にかからない長さに整え、長い髪は後ろで一つにまとめるなどして、表情がはっきりと見えるようにしましょう。寝癖などがついていないか、面接前に鏡でしっかりと確認してください。
メイクは、画面越しだと色が飛んで薄く見えがちなので、対面時よりも少し明るめを意識すると顔色が良く見えます。照明によっては顔色が悪く映ることもあるため、チークやリップで健康的な血色感をプラスするのが効果的です。マスクをしない分、全体のバランスを整えることが求められます。
【好印象の鍵】カメラ映りを格段に良くする3つのテクニック
オンライン面接において、自分の印象はカメラを通して面接官に伝わります。そのため、カメラ映りは合否を左右する重要な要素の一つと言えるでしょう。
特別な機材を導入しなくても、少しの工夫で画面に映る自分の印象は格段に良くなります。照明の当て方、カメラを設置する高さ、そして画面に収まる画角という3つのポイントを意識するだけで、表情を明るく見せ、自信に満ちた印象を与えらえれます。
ここでは、誰でもすぐに実践できる、カメラ映りを改善するための具体的なテクニックを紹介します。
自分の顔が明るく映るように照明を調整する
部屋の天井照明だけでは顔に影ができやすく、暗い、あるいは疲れた印象を与えてしまうことがあります。
最も理想的なのは、自然光が差し込む窓を正面にして座ることですが、それが難しい場合は、デスクライトや市販のリングライトなどを活用しましょう。
顔の正面から光が均一に当たるように調整することで、表情が格段に明るく見え、生き生きとした印象になります。
背後から光が当たる「逆光」の状態は、顔が暗く見えてしまうため絶対に避けてください。
もし家族などにお願いできるなら、第三者の視点で画面の映り方を確認してもらうと、最適な照明の位置を見つけやすくなります。
カメラは自分の目線と同じ高さに設置する
ノートパソコンを机に直接置いて面接に臨むと、多くの場合、カメラの位置が自分の目線よりも下になります。この角度は、相手を見下ろしているような印象や、偉そうな印象を与えてしまう可能性があるため注意が必要です。
カメラが自分の目線と同じ高さ、もしくはわずかに上になるように調整しましょう。パソコンの下に本や専用のスタンドを置いて高さを出すことで、簡単に対策できます。
目線の高さが合うと、対面で話しているような自然な視線が生まれ、面接官も違和感なくコミュニケーションに集中できます。自然なアイコンタクトを実現するために、適切なカメラの高さは不可欠です。
胸から上がバランス良く映る画角に調整する
画面に自分がどのくらいの大きさで映るかという画角も、相手に与える印象を左右します。顔だけが画面いっぱいにアップで映っていると圧迫感を与えてしまいますし、逆に体全体が映るほど引いてしまうと、表情が読み取りにくくなります。
最も好ましいとされる画角は、自分の胸から上がバランス良くフレームに収まる程度です。
この画角であれば、表情がはっきりとわかるだけでなく、話に合わせて身振り手振りを加える際にも自然な動きに見えます。
面接開始前に、Web会議ツールのカメラ映像確認機能などを使い、最適な位置や角度に調整しておくことが、良い第一印象を与えるための重要なコツです。
万が一のトラブルに備える!よくある事例と対処法
どれだけ入念に準備を重ねても、オンライン面接では予期せぬトラブルが発生する可能性があります。重要なのは、トラブルが起きた際にパニックにならず、冷静かつ誠実に対応することです。
音声の途切れ、回線の切断、生活音の混入といった、よくあるトラブルの事例とその際の適切な対処法を事前に理解しておくことで、いざという時にも落ち着いて行動できます。
トラブル時の対応も評価の一部と捉え、適切な行動を取れるように注意点を押さえておきましょう。
音声や映像が途切れた場合は正直に伝える
面接中に面接官の声が聞き取りにくくなったり、相手の映像が静止してしまったりした場合は、そのままやり過ごそうとせず、正直にその状況を伝えるべきです。
聞こえたふりをして話を進めてしまうと、質問の意図を誤解して見当違いな回答をしてしまい、かえって評価を下げてしまいかねません。
「大変申し訳ございません。ただ今、音声が途切れまして、質問を伺うことができませんでした。恐れ入りますが、もう一度お願いしてもよろしいでしょうか」と、丁寧にお詫びとお願いをしましょう。
正直に伝える姿勢は、円滑なコミュニケーションを築こうとする誠実さの表れと受け取られます。
回線が切断されたら慌てずに再接続を試みる
面接の途中で突然インターネット回線が切断されてしまった場合、まずは深呼吸をして落ち着き、再接続を試みてください。多くのWeb会議ツールでは、最初にアクセスしたURLから再度入室することが可能です。
数分以内に復旧できた場合は、再接続後に「大変申し訳ございませんでした。通信トラブルにより一度切断されてしまいました」と簡潔にお詫びを述べます。
もし、再接続がうまくいかない、あるいは復旧に時間がかかりそうだと判断した場合は、事前に控えておいた企業の緊急連絡先に電話をかけ、状況を説明して指示を仰ぎましょう。
迅速で誠実な連絡は、問題解決能力の高さを示す機会にもなります。
家族やペットの声が入ってしまったら一言お詫びする
自宅で面接を受ける以上、家族が出す生活音やペットの鳴き声、あるいは宅配便のインターホンなどが鳴ってしまう可能性はゼロではありません。
事前に家族へ面接時間を伝えて協力をお願いしておくのが基本的なルールですが、それでも避けられない音は発生します。
もし面接中にそうした音が入ってしまった場合は、話の区切りが良いタイミングで、「申し訳ございません」と簡潔に一言お詫びを入れるのがスマートな対応です。
完全に無視して話を進めるよりも、一言断りを入れることで、相手への配慮を示せます。予期せぬ出来事に動揺せず、冷静に対処する姿を見せることが重要です。
オンライン面接のマナーに関するよくある質問
オンライン面接は比較的新しい選考方法であるため、対面形式にはない特有の疑問や不安を抱く就活生も少なくありません。例えば、カンペの使用は許されるのか、メモを取る際に断りを入れるべきか、あるいはパソコンではなくスマートフォンで参加しても良いのかなど、判断に迷う細かい点が存在します。
ここでは、オンライン面接に関してよく聞かれることや、多くの人が疑問に思う点について解説し、それらの不安を事前に解消します。
カンペを使っても面接官にバレない?
オンライン面接は手元に資料を置きやすいため、話す内容を記したカンペを用意したくなるかもしれません。
しかし、カンペを読むことに意識が向くと、視線が不自然に動いたり、話し方が単調な棒読みになったりするため、面接官には簡単に見抜かれてしまいます。
これでは、自分の言葉で話せない、コミュニケーション能力が低いといったマイナスの印象を与えかねません。
話したい要点をキーワードとして付箋に書き出し、PCの隅に貼っておく程度なら問題ありませんが、ワードなどで作成した文章をそのまま読むのは厳禁です。カンペに頼らず、練習を重ねて自分の言葉で話すことが評価につながります。
メモを取る際は一言断りを入れるべき?
面接中にメモを取る行為自体は、熱心な姿勢の表れと肯定的に捉えられることが多いため、基本的には問題ありません。
ただし、無言でメモを取り始めると、下を向く仕草やキーボードを打つ音が、面接官には内職をしているように見えたり、話を聞いていないと誤解されたりする可能性があります。
そのため、メモを取りたい場合は、「恐れ入りますが、メモを取らせていただいてもよろしいでしょうか」と、事前に一言断りを入れるのがマナーです。
許可を得た後は、会話の流れを止めないよう、要点を手短に書き留める程度にしましょう。メモに集中しすぎないよう注意が必要です。
スマホで面接を受けても問題ない?
企業からパソコンでの参加を指定されていない限り、スマートフォンで面接を受けること自体は可能です。
しかし、パソコンに比べて画面が小さく相手の表情が読み取りにくい、通信が不安定になりがち、着信や通知で面接が中断されるリスクがあるなど、多くのデメリットが存在します。
そのため、可能な限りパソコンを使用して参加することを強く推奨します。
やむを得ずスマホを使う場合は、必ずスマホスタンドなどで固定し、画面が揺れないようにしてください。また、面接中に通知音などが鳴らないよう、マナーモードやおやすみモードに設定しておくことは必須です。
企業の許可なく面接の様子を録画、録音することは厳禁です。
まとめ
オンライン面接のマナーは、対面でのビジネスマナーを基本としつつ、オンライン特有の環境への配慮を加えることが求められます。
面接の成否は、当日の受け答えだけでなく、事前の準備段階から始まっています。安定した通信環境の確保、背景の整備、使用する機材の動作確認を徹底することが、トラブルを未然に防ぎ、自信を持って本番に臨むための土台となります。
面接中は、カメラ映りを意識した照明や画角の調整、カメラのレンズを見た対話、そして対面時よりもはっきりとした発声と分かりやすいリアクションを心がけることで、画面越しでも熱意や人柄は十分に伝わります。
これらのオンライン面接のマナーを確実に押さえ、万全の準備で選考を突破してください。