コンサル業界は第二新卒や20代、30代の転職希望者から人気が高く、競争が激しいため、内定を獲得するのは容易ではありません。
しかし、漠然とした理由でコンサル業界を志望する人も多いため、十分に情報収集したうえで志望動機を作成すれば、差別化が可能です。
本記事では、コンサル業界への就職や転職を成功させたい人に向けて、仕事内容や職種、活躍するための必須スキルを解説します。
各種コンサルやシンクタンクへ応募する際の志望動機の例文も紹介しているので、就職や転職活動を行う際の参考資料として有効に活用してください。
コンサルとは?志望動機を書く前に理解を深めよう

コンサル(コンサルタント)とは、企業や官公庁などのクライアントが抱える経営課題を明らかにし、戦略の立案や実行支援を通じて、業績改善や組織改革をサポートする専門家です。
コンサルの仕事は多くの場合、案件ごとにプロジェクトチームを組成し、現状分析と課題の特定、仮説の立案、検証等の工程を繰り返しながら必要なサポートを提供します。
会社や機関が抱える悩みが複雑化している昨今、特定の業界・分野に特化したコンサルのサポートを希望するクライアントが少なくありません。コンサル業界ではこれらのニーズの変化を受けて、専門性の深化や多様化が進んでいます。
コンサル業界では、時に足を使って詳細に情報収集する努力も要求され、日々の業務内容も多岐にわたるために多忙さを感じる可能性は否めません。しかし、労力に見合う高収入を狙えるチャンスも多く、人気のある仕事です。
コンサル出身者が応募書類の作成をサポート!
コンサルタントの役職

コンサル業界には、一般企業と同様の階層構造があり、主に4つの役職に分かれています。年次や実績に応じて段階的にキャリアを積み上げていける仕組みです。
- アナリスト
- コンサルタント
- マネージャー
- パートナー
将来的なキャリアプランを明確にイメージするためにも、役職ごとの仕事内容を理解しておきましょう。
アナリスト
コンサル業界に就職すると、通常最初にアナリストを担当します。アナリストは、コンサルタントやマネージャーの補佐役としてデータ収集や市場調査・分析を行い、結果を報告する役職です。
アナリストには基本的に、将来の活躍に役立つスキルを習得しつつ、縁の下の力持ちとして多様なプロジェクトをバックアップする役割が期待されます。しかし、アナリストにも会議の場で発言する機会が与えられるケースはあり、自身の考えが採用された際にやりがいを実感できます。
コンサルタント
コンサルタントは、アナリストから1段階ステップアップした役職です。クライアントと直に接して、現状のヒアリングから解決策の提案、実行まで一連の流れを主導します。時には、クライアントの組織内部に入って課題の解決をサポートすることもあり、多様なスキルが要求されます。
また、コンサルタントは、自身のタスクをこなしつつアナリストに指示する仕事も担当します。タスク管理やマネジメントのスキルも、コンサルタントとして活躍するための必須スキルのひとつです。
マネージャー
マネージャーは、アナリストやコンサルタントとしての実務を担当しつつ、マネジメントや部下のサポート、人材育成も担う役職です。
プロジェクトの予算管理もマネージャーの業務にあたり、チームの牽引役として幅広い業務を担当します。プロジェクトの成否はマネージャーの手腕に左右されるケースも多く、責任は重大です。
マネージャーとして活躍するには、高度なコミュニケーションスキルが要求されます。マネージャーは一般企業の「管理職」にあたる役職であるため、リーダーシップやマネジメントスキルも必要です。
パートナー
パートナーは一般企業の役員クラスに該当する役職で、クライアントではなく、自社の経営方針や戦略を検討する仕事を担当します。
ただし、コンサル会社ではパートナーが営業の役割も担当するケースが少なくありません。経営者や役員向けのセミナーを開催するといった営業活動で人脈を構築し、プロジェクトの受注に至るまで取り組むのもパートナーの仕事です。
パートナーは自社の将来を左右する役職であり、コンサル業界におけるキャリアプランの最終目標地点として認識されています。
コンサルの仕事の魅力

コンサルの仕事には、4つの魅力があります。
- 国内外問わずさまざまな業界でグローバルに働ける
- 成長できる環境である
- 課題解決を通して社会貢献ができる
- 給与水準が高い
これらの魅力が、コンサル業界を目指す志望動機に直結することもあります。面接の際に具体的に志望動機を説明できるように、魅力について今一度押さえておきましょう。
1.国内外問わずさまざまな業界でグローバルに働ける
コンサル業界は外資系企業が多く、国内外の拠点と連携してプロジェクトを推進していくグローバルな環境で働けます。一定のキャリアを積んだ後には、日本の会社が海外進出する場合、あるいは海外の会社が日本進出する際のサポートを担当できる可能性もあり、グローバルな案件に関わるチャンスが豊富です。
また、コンサルは多種多様な業界のプロジェクトを扱うため、幅広い人脈を構築しやすい傾向があります。クライアントの抱える課題も千差万別であり、好奇心が強く常に自身を成長させたい人にとっては、挑戦しがいのある環境で自分を試せる仕事といえます。
2.成長できる環境である
実務経験を通じて高度なビジネススキルを養い、いち早く成長を目指せる点がコンサルの魅力です。入社後間もないタイミングからアナリストとしてプロジェクトに参加し、多様な経験を積めます。多忙さをネガティブに考えず「成長のチャンス」と捉え、前向きに努力できるタイプの人には特におすすめの業界です。
さらに、業界の垣根を越えて管理職クラスの人と関わり、信頼関係を構築していく機会が多く存在します。管理職クラスの人と日々接する中で、コミュニケーションスキルやプレゼンスキルといった、コンサル以外の業界においても重視される基本的なビジネススキルの向上が期待できます。
3.課題解決を通して社会貢献ができる
コンサルは、クライアントの課題解決をバックアップする活動を通じて、社会に広く貢献できる仕事です。
コンサル業界では、時に経営難に陥っている会社の立て直しも担当します。自身の関与によって業績回復に成功すれば、クライアントの商品やサービスを利用している顧客にも好影響が及ぶため、ひいては社会貢献につながります。
コンサルの主な仕事はクライアントのサポートで、基本的には「陰の立役者」として行動するため、世間から直接評価されるとは限りません。しかし、自身が関わった商品やサービスが社会に評価されると、大きな達成感が得られます。
4.給与水準が高い
コンサルは一般的に給与水準が高く、待遇面を重視して就活する人にとって魅力的な仕事です。
国税庁が発表した「令和5年分民間給与実態統計調査結果」によると、2023年度における日本人の平均給与は460万円です。これに対して、業界動向リサーチのデータが示すコンサル業界の平均年収は987万円と、日本人の平均給与の2倍以上にあたります。
コンサル業界でマネージャーやパートナーにステップアップした場合には、平均年収を超える給与も大いに期待でき、給与面で非常に魅力的な仕事です。
自身の努力に対して十分な見返りを得ながら貪欲に成長したい人にとって、挑戦しがいのある業界です。
参照元:国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」
参照元:業界動向リサーチ「コンサルティング業界の動向」
【募集中のコンサルタント求人】
コンサルに必要なスキルは?

コンサル会社の面接では、応募者の素質を判断する目的で、以下のスキルを備えているかをチェックする可能性があります。
- 論理的思考力
- 問題解決能力
- コミュニケーション能力
志望動機を書く際には、「スキルを備えた人材である」と判断してもらえる内容、構成を意識し、効果的なアピールにつなげる必要があります。
論理的思考力
コンサルは、容易に解決できない複雑な課題の解決を支援します。課題の原因を分析し、仮説を立案して検証したうえ、クライアントにわかりやすく説明するには、論理的思考力が欠かせません。
アナリストとして働く期間はクライアントと直接接する機会が少なくとも、コンサルタントやマネージャーから意見を問われる可能性はあります。多忙な相手へ自身の意見を明確に伝えるためには、ロジカルかつ端的に説明できるスキルが必須です。
コンサル業界の採用プロセスでは、論理的思考力を確認する目的でしばしばケース面接が実施されます。ケース面接ではフェルミ推定を活用して回答を導くタイプの設問が目立つため、コンサル会社へ応募する際には、練習しておくと安心です。
問題解決力
コンサルには、クライアントのあるべき姿と現状のギャップを明確化して理想に近づけるための方策を見出し、継続的な働きかけを行う役割も期待されます。その役割を十分に果たして、クライアントに評価される成果を出すためには、問題解決力が必須です。
ひとつの会社や機関と継続的なパートナーシップを構築し、複数の課題の解決をサポートするケースも珍しくありません。
コンサルとしての長期的な活躍を目指すためには、ひとつの課題を解決しただけで満足をせずに、より理想へ近づけるためにはどのような戦略を選択すべきか検討し続ける姿勢が求められます。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力も、コンサルの必須スキルにあたります。高度なコミュニケーション能力があれば、クライアントの意向を十分に汲み取った確度の高いアウトプットが可能です。
コンサル業界では、アナリストであっても一定の発言権が認められます。会議の場で自身の意見をわかりやすく伝えてプロジェクトを円滑に推進したり、メンバーとの意見の折衷を図ったりするためにも、コミュニケーション能力は非常に重要なスキルです。
コンサル業界の志望動機でアピールするべき要素

コンサル業界を志望する際には、採用担当者の「なぜ?」という問いに納得感のある回答を用意しておく必要があります。ここでは、志望動機を構成するうえで押さえておきたいポイントを紹介します。
1.なぜコンサル業界で働きたいのか
コンサル業界では、志望理由を自分の言葉で明確に説明できる力が求められます。業界への理解を十分に深めたうえで、「なぜ他の業界ではなくコンサルなのか?」という問いに適切に答えることが、差別化のカギとなります。
単に「成長したい」「人の役に立つ仕事がしたい」といった抽象的な理由では、採用担当者の心に響きません。内定獲得への第一歩として、キャリア目標を明確にし、コンサル業界でなければならない理由を、論理的かつ具体的に説明できるように準備しましょう。
2.コンサル業界を志望するようになった背景となるエピソード
志望動機を伝える際、特に重要なのが、コンサル業界を志望するようになった背景となるエピソードを交えて語ることです。実体験に基づく動機は、説得力を高めます。
例えば、過去に関わったプロジェクトで課題解決の面白さを実感したといった経験や、企業経営や組織運営への関心が芽生えたできごとなど、自身の志望動機に深みを与える要素を加えましょう。
3.なぜその企業を志望するのか
「数あるコンサルティングファームの中で、なぜその企業を選んだのか?」という質問にも明確に答える必要があります。これは、採用担当者が最も注目するポイントのひとつです。
応募先企業の得意領域や実績、企業文化を事前に調査したうえで、自分がその企業で働きたい理由を筋道立てて伝えましょう。入社後に携わりたい分野や貢献したいテーマに言及すると、説得力がさらに高まります。
企業研究が不十分なままでは具体的な志望動機を構築するのは難しいため、企業の公式サイトやニュースリリース、業界メディアなどを活用して十分に情報収集しましょう。
4.どのように活躍できるか・やりたいこと
書類選考や面接では、採用担当者に「入社後、どのように活躍できそうか?」という観点から評価されます。志望動機を作成する際にも、自分がその企業でどのような価値を提供できるのか、具体的に伝えることが大切です。
特に、「コンサルタントとしてどんな分野の課題に取り組み、どのような価値を提供したいのか」という明確なビジョンを盛り込むと、応募先とのマッチ度をより効果的にアピールできます。
たとえば、「中小企業のDX支援に携わりたい」「人事制度の構築を通じて組織課題を解決したい」など、応募先の得意分野と自分の志向をリンクさせるとよいでしょう。
社会人経験のある第二新卒や転職者であれば、過去に培ったスキルや経験をコンサルの業務にどのように活かせるかを示すと、実務面での期待値を高められます。異業種から転職を目指す場合も、自身の業界知識や視点の多様性を強みとしてアピールするのが効果的です。
コンサル出身者が応募書類の作成をサポート!
ES・面接でコンサルの志望動機を書く際のポイント

コンサルの志望動機を書く際には、内容のまとめ方や構成のポイントを意識する必要があります。具体的には、以下の3点を意識して志望動機を作成し、書類選考の突破を目指しましょう。
- 志望動機を伝える目的を忘れない
- 結論から伝える
- 自分自身のリアルな経験を盛り込む
志望動機を伝える目的を忘れない
ESや面接で伝える志望動機は、内定を獲得するための手段にすぎません。内定を獲得するには何を伝えるべきか、どのような書き方をすれば他の応募者と差別化できるかをよく考え、内容を検討します。
実際にコンサルとして働き始めた後には、目的を最短経路で達成するには何が必要かを検討し、行動しなければなりません。それゆえに、独りよがりの志望動機を伝えた場合「コンサルの素質がない」と判断されるリスクがあります。
方向性に迷った場合には、採用担当者目線で「どのような応募者を採用したいか」を考えてみると、何を伝えるべきなのかが見えてくるはずです。
結論から伝える
論理的かつ説得力のある志望動機を書くためには、PREP法を意識して結論を最初に伝える構成を採用しましょう。
PREP法とは、Point(結論)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(結論)の順に文書を構成する手法です。志望動機の冒頭では「なぜコンサル業界を希望し、その中でもなぜ応募先に入社したいのか」を明確に記します。
PREP法に沿って志望動機を作成すれば、コンサルの必須スキルのひとつにあたる論理的思考力のアピールも可能です。自身の思いをわかりやすく採用担当者に伝えられれば、コミュニケーション能力も同時にアピールにもつながります。
自分自身のリアルな経験を盛り込む
志望動機には自分自身のリアルな経験を盛り込み、そこからコンサルに必要な素養をどのように身につけているのかを伝えるのも大切です。
採用担当者は多くの応募者の志望動機を見聞きするため、他の人と横並びの内容を伝えても印象に残りません。オリジナリティのあるエピソードを志望動機に盛り込めば面接での会話も盛り上がりやすく、コミュニケーション能力を評価してもらうチャンスも得られます。
志望動機に盛り込む経験、エピソードの選択に迷う場合は、自身の業務経験や学生時代の体験を改めて棚卸ししてください。どのような経験・体験を経てコンサル業界に関心を持ち、応募に至ったのかを整理して内容に反映させると、具体性を高められます。
コンサル出身者が応募書類の作成をサポート!
各業界のコンサルの特徴と志望動機の例文10選
コンサルにはさまざまな種類が存在し、担当する仕事や役割が異なります。
- 戦略系コンサル
- 総合系コンサル
- IT系コンサル
- シンクタンク系コンサル
- 組織人事系コンサル
それぞれの特徴と、志望動機の例文をまとめました。自身が実際に作成する際のヒントにしてください。
戦略系コンサルの特徴

戦略系コンサルとは、クライアントの経営課題を明確化して解決するタイプのコンサルです。主に、新規事業の立ち上げやM&A、中期経営計画の立案といった、クライアントの将来を大きく左右する場面で必要なサポートを提供します。
- マッキンゼー・アンド・カンパニー・インコーポレイテッド・ジャパン
- ボストン・コンサルティング・グループ合同会社
- ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド
- A.T.カーニー株式会社
- 株式会社ローランド・ベルガー
戦略系コンサルは、世界を股にかけて事業展開する大手の会社、政府系機関のプロジェクトを担当するケースも少なくありません。戦略系コンサルは会社や機関の経営層と直接接して意見を交わし、サポートを提供する機会が多く、高度な専門性と知識が要求されます。
戦略系コンサルの志望動機の例文1
私は、戦略系コンサルとして国内企業の海外進出をサポートし、日本の技術振興を後押ししたいと考えています。M&Aの実績が豊富で、強固なグローバルネットワークを持つ貴社であれば自分の思いを実現できると考え、求人への応募を決意しました。
大学時代は陸上部に所属し、駅伝メンバーへの選出を目指して、毎日最低1時間のランニングを半年間継続しました。この経験を通じて培った忍耐力と継続力を武器に、いち早く貴社に貢献できる人材へ成長したいと考えています。
戦略系コンサルの志望動機の例文2
市場環境を分析して経営戦略を立案し、組織の課題解決をサポートする仕事に魅力を感じ、戦略系コンサルタントを志望します。貴社が掲げる「顧客ファースト」のサービス提供姿勢は私がこれまで培った仕事観と一致しており、強く共感しています。
前職では、保険会社の法人営業担当として約100社の中小企業経営者と向き合い、クライアントにとって本当に役立つ提案は何かを検討し、提案する仕事を経験しました。継続的な訪問と丁寧なヒアリングを通じて信頼関係を構築し、案件の受注につなげるスキルは、貴社に就職した後にも活かせると考えます。
総合系コンサルの特徴

総合系コンサルは、クライアントが抱える課題の明確化と戦略提案を行うほか、実行支援や業務改善のサポートも提供する仕事です。必要があれば、現場のオペレーションの改編やシステム導入と保守・運用もサポートします。
- デロイトトーマツコンサルティング合同会社会社
- PwCコンサルティング合同会社
- KPMGコンサルティング株式会社
総合系コンサルは、会社や機関の経営層のみでなく現場の従業員とも関わり、広範な支援を提供しています。さまざまな分野の専門家と協力してプロジェクトを推進するケースも多くあり、チームワーク力を要求されるのが特徴です。
総合系コンサルの志望動機の例文1
経営戦略の立案から実行までをワンストップで支援し、組織の成長をサポートできる仕事に魅力を感じ、総合系コンサルを志望します。
日本では、多くの会社が海外進出を検討しているものの、知識不足で頓挫する事例が少なくありません。世界各国に拠点を抱える貴社であれば、海外進出の進め方に迷う多くの会社を支援し、ひいては日本の国益にも貢献できると考えています。
貴社の説明会に参加した際、チームワークを重視する社風を強く感じました。サークル活動で培った人間関係の構築力を武器としてチームのメンバーと協力し合い、クライアントに貢献したいと考えます。
総合系コンサルの志望動機の例文2
父の会社が経営難に陥った際、コンサルの支援を受けて立て直しに成功しました。その様子を間近で見て専門家のアドバイスの必要性を理解し、自身も組織の軌道修正をサポートできる人材になりたいと考えて、応募を決意した次第です。
現在は機械メーカーの人事部に勤務し、採用や新人教育の仕事を担当しています。「人材」という切り口から会社をよりよくする仕事にやりがいはあるものの、より根本的な部分から組織改善に関与できるコンサルへの思いを捨てきれず、転職に踏み切りました。
IT系コンサルの特徴

IT系コンサルとは、業務改善や効率化を目的としたシステムやソフトウェアの導入、運用支援を行う仕事です。費用対効果を検証して必要なツールを選定し、クライアントに提案する役割も担当します。
- 日本IBM株式会社
- アクセンチュア株式会社
- フューチャー株式会社
IT系コンサルは時に、CRMやSCMといった経営手法を活用してビジネスモデルの変革をサポートする仕事も担当します。システムやソフトウェアを安全に活用できる体制を整備すべく、十分な情報セキュリティ対策を検討して提案する取り組みも、重要な仕事のひとつです。
IT系コンサルの志望動機の例文1
システムエンジニアとして働く中で、より上流工程に関わり根本的な組織改革を支援したいといった思いが募り、コンサル業界を志望します。現職で担当したクライアントの中にはITツールの導入のみでは解決できない課題を抱える会社も多く、システムエンジニアとして提供できるサポートの限界を感じたためです。
貴社が、ITと経営の両面から課題解決に導き、クライアント企業の業績向上に貢献している点に強く魅力を感じています。私も幅広い知識と視野で、企業の変革をサポートするコンサルタントを目指したく、今回の応募を決意しました。
IT系コンサルの志望動機の例文2
ITコンサルとして組織のDX推進を支援し、クライアントと社会の利益に貢献したいと考え、応募しました。IT分野に特化したコンサルサービスを提供している貴社は、私にとって理想的なフィールドです。
学生時代に経験した家庭教師のアルバイトでは、生徒が理解しやすい説明方法を考えて継続的に学習指導を行い、苦手分野の克服をサポートしました。相手の立場に立ってアプローチ方法を工夫し、目標達成を支援する思考力は、ITコンサルとして働く際にも役立つと考えます。
シンクタンク系コンサルの特徴

シンクタンク系コンサルとは、シンクタンクに所属して、公的機関から依頼を受けて特定分野の調査・研究・分析を行い、レポート作成などを担うコンサルです。調査結果に基づいて国や行政機関に対し、課題解決策の提案も行います。
- 株式会社野村総合研究所
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
- 株式会社NTTデータ経営研究所
多くのシンクタンクは、金融機関や大手企業が母体です。シンクタンク系コンサルが扱うテーマは幅広く、都市計画・インフラ・教育・福祉といった、社会に大きな影響を与える分野の研究・調査を担当します。
シンクタンク系コンサルの志望動機の例文1
日本の地域社会活性化に貢献したいと考え、シンクタンクを志望しました。
私の地元は人口減少が著しく、活気を失った街の様子を見ていて心苦しく感じているためです。同様の現象が全国各地で発生していると考えるといたたまれず、地方創生実績が豊富な貴社で確かな実力を養い、課題解決を支援したいと考えています。
地方創生や街づくりにはもともと関心が強く、大学時代にはキャンパス周辺の商店街組合に掛け合い、空き店舗を子ども食堂として活用するプロジェクトを実現しました。貴社に入社した後はより大局的な視点から地方創生プロジェクトを企画し、地方都市の抱える課題解決をサポートできる人材に成長する所存です。
シンクタンク系コンサルの志望動機の例文2
介護や福祉に関する政策提言を行い、社会全体の福祉の質の向上をサポートできる人材に成長したいと考え、シンクタンクを志望しました。理由は、大学時代に介護施設でアルバイトを経験し、人手不足の現状とスタッフの苦労を目の当たりにしたためです。
貴社は、エビデンスベースで制度・政策レベルから社会課題に向き合い、実効性ある提言を重視しています。私もデータに基づく課題解決に寄与したく、志望いたしました。
組織人事系コンサルの特徴

組織人事系コンサルとは、人事制度コンサル・採用コンサル・人材育成コンサルなどのサービスを提供し、「人」と「組織」に関わる課題解決をサポートする専門家です。M&Aに際する人事制度の統合や海外進出に対応したマネジメント制度の構築といった、会社の全体像に関係するサポートも提供します。
- マーサージャパン株式会社
- コーン・フェリー・ジャパン株式会社
- エーオンソリューションズジャパン株式会社
- 株式会社グロービス
- 株式会社コーチ・エィ
組織人事系コンサルは、人的資本経営に対する注目が高まる時代において需要が高く、将来性が期待される仕事のひとつです。
組織人事系コンサルの志望動機の例文1
多様な業種・業界における企業の成長を、人事領域から支援できる仕事に魅力を感じ、組織人事系コンサルタントを志望しました。
現職では、製造業の人材開発部門に所属しています。自社の経営目標に沿った研修計画を立案し、実行する業務を担当するなか、従業員一人ひとりの成長が組織全体の成長につながると実感し、人材開発の重要性を理解しました。この経験が、特定の一企業に留まらず、より多くの企業の成長に寄与したいという思いを抱いたきっかけです。
貴社の採用ホームページを拝見し、「クライアントファースト」の理念にも共感しました。入社後は現場経験で培った知識を活かし、クライアントの利益を最優先に考えた課題解決策を提案し、組織改革を支援したいと考えています。
組織人事系コンサルの志望動機の例文2
貴社を志望した理由は、企業風土の改革や人材開発システムの再構築を通じ、クライアントの継続的な成長を支援したいと考えたためです。
現職では採用コンサルタントとして、主に中小企業の新卒者獲得をバックアップしてきました。目標数の新卒者を獲得できても定着率が低い場合、組織の成長には寄与しません。中小企業の成長を支援するにはより根本的な部分からコンサルサービスを提供する必要があると考え、転職を決意しました。
人と組織に関わる課題解決サポートを総合的に提供する貴社であれば、これまで以上に踏み込んだ支援を提供し、クライアントに貢献できると考えます。
コンサル出身者が応募書類の作成をサポート!
コンサル業界の志望動機で避けるべき内容

自身の中で志望するポイントとなっていたとしても、志望動機をまとめる際には盛り込まない方が得策である「避けるべき内容」があります。具体的には、以下の3つの事項に対する言及をできる限り控えましょう。
年収や勤務地などの労働条件
年収や勤務地といった労働条件への言及は、できる限り避けるべきです。コンサル会社のすべてで年収が高いとは限らず、長期のスパンで考えると転勤する可能性もあります。
年収や勤務地や志望動機に含めた場合、「コンサルでなければならない理由」が伝わりにくくなり、ネガティブな印象を与える可能性もあるため、できる限り避けましょう。
そもそも、年収や勤務地は求人の付加価値にすぎず、志望動機の決定打になりません。付加価値のみに焦点をあてた志望動機を伝えた場合、「より高待遇の他社で内定を獲得した場合には辞退されるのではないか」といった印象を持たれるリスクもあるため、注意しましょう。
転職を前提としたキャリアプラン
志望動機では、経験を積んだ後の転職を前提としたキャリアプランへの言及も避けてください。
コンサル業界は離職率が比較的高く、キャリアアップ目的の転職を選択する人も少なくありません。しかし、入社する前の時点で将来的な転職意向を伝えた場合は「長期で働く意思がない」と判断され、ネガティブに受け取られるリスクがあります。
また、コンサルは基本的に、クライアントの利益を実現するために行動しなければなりません。転職を前提としたキャリアプランを伝えた場合、「自身の利益を最優先に考えて行動する」と捉えられる可能性もあります。
ネガティブな退職理由
中途採用の場合、「前職の悪口である」と解釈されるネガティブな退職理由への言及を避けましょう。
ネガティブな退職理由を伝えた場合、採用担当者に「同様の理由ですぐに挫折するのではないか」といった懸念を与えるリスクがあるためです。内容によっては「問題解決力がない」と判断され、コンサルの素質に疑念を持たれる可能性もあります。
退職理由を志望動機に含める場合には、ポジティブな表現に置き換えましょう。たとえば昇進のチャンスの少なさを不満に感じて転職した場合は、「実力主義の環境で前向きに努力し、仕事の幅を広げたい」といったように表現を置き換えます。
【募集中のコンサルタント求人】
まとめ
コンサルの志望動機では、業界と応募先を選択した理由を含め、自身を採用するメリットを採用担当者に伝えましょう。志望動機の説得力を高めるためには、結論を最初に提示する構成にすることが重要です。
採用担当者の関心を引くためには、前職や大学時代の具体的なエピソードを盛り込み、他の応募者と差別化を図る方法もおすすめです。
十分に練り上げた志望動機を伝えると、コンサルの必須スキルにあたる論理的思考力やコミュニケーション能力をアピールできます。本記事の内容を参考にして魅力的な志望動機を作成し、就職・転職活動を成功させてください。
コンサルネクスト.jpでは、コンサル転職を目指す方に向けて、職務経歴書の添削や模擬面接などのサポートを提供しています。志望動機の作り方に悩んでいる人は、ぜひ登録して転職相談をしてみてください。