デジタル戦略の構想からシステム化の計画立案、プロジェクト支援など上流から下流に至るまで支援を続けているブレインズコンサルティング株式会社。今回は同社の取締役 古崎知昭氏とシニアコンサルタントの飯塚愛氏にインタビュー。今後の展望や求める人物像などを聞いた。
古崎 知昭(ふるさき・ともあき)
東京理科大学卒業後、1994年にNTTデータ四国テクシス(現NTTデータ四国)株式会社入社。オープン系システム黎明期より多くのオープン系プロジェクトを経験し、設計から開発・テストに至るまでの全般的なスキルを習得。2001年 フューチャーシステムコンサルティング(現フューチャーアーキテクト)株式会社に入社。主にデータ連携システム(EDI,EAI)のコンサルティングから構築までをプロジェクトリーダとして担当し、大規模幹系システム再構築プロジェクトにおいても、グランドデザイン・計画立案・実行段階のマネジメントの経験を積む。2008年 ブレインズテクノロジー株式会社の創業メンバーとして参画し、現場を強く志向したコンサルティングにより、クライアント側PMO組織の立ち上げからプロジェクトマネジメント実務の推進を通じて、多くのプロジェクトを成功に導く。2013年、ブレインズコンサルティング株式会社設立に伴い取締役に就任。AI関連事業を統括。
飯塚 愛(いいづか・あい)
新卒で大手システムインテグレーターにSEとして入社し、システム導入等の開発経験を積む。その後、SESや事業会社の情報システム部での経験を経てブレインズコンサルティング株式会社に入社。
ITとAIの2軸で包括かつ柔軟な支援に強み打ち出す

——ブレインズコンサルティングの事業内容を教えてください。
ITとAIの2軸でクライアントを支援するコンサルティング事業を展開しています。具体的にはDXの構想策定から計画立案、PMO支援やAIモデル開発など、上流から実際に手を動かす下流に至るまで幅広く対応しているのが特徴です。
例えばDX推進にあたって必要となる基幹システムのリプレイスでは、PMOとPL支援の双方をクライアントやプロジェクトの状況に応じて使い分けます。プロジェクトマネジメントを円滑に行えるようプロジェクトの情報共有や部署間での調整などをPMOとして行う、プロジェクトの実行に重きを置いてWBS策定などを経てPL支援を行う、といったようにクライアントの状況やプロジェクトのフェーズに合わせて柔軟に支援を行っています。
——支援するクライアントはどのような業種、規模感の会社が多いのでしょうか。
業種は製造業や小売業が多いものの、幅広く支援しています。規模感は売上2,000億〜8,000億円程の大企業がこれまでは多かったのですが、最近では売上400億〜2,000億円程の中堅企業に対する支援が増えています。理由としてはIT予算の割合がこれまでよりも多くなっていること、また、大手企業では参画が難しかった大規模な基幹再構築案件の構想策定フェーズ(いわゆる超上流工程)にチャレンジできるからです。
——社員数やプロジェクト体制についても教えてください。
社員数は現在25名ほどで、そのうちバックオフィスが3名、その他はコンサルタントとして勤務しています。
コンサルタントはプロジェクト単位で活動するので、コンサルタントの中でチームは分けておりません。プロジェクトには必ず担当役員をプロジェクトの責任者として設け、その直下にPM/PLを配置します。小規模のプロジェクトであれば1名で担当することもあり、大規模プロジェクトであれば6名ほどでチームを組むこともあります。人数はクライアントの予算やプロジェクトの規模・役割に合わせています。
——求める人物像について教えてください。
当社のミッション・ビジョン・バリューに強く共感いただける方、コミュニケーション力や課題解決力のある方です。中でもミッション・ビジョン・バリューへの共感は、当社で働く上で最もベースとなる部分であるため重視しています。
当社が支援するクライアントの業種や規模感は幅広いため、プロジェクト内容も多岐にわたります。そのため、未知のプロジェクトであっても柔軟に対応できる方も求めています。
——ITやAIについても知見のある方が良いのでしょうか。
ピンポイントにITやAIのコンサルティング経験が必須というわけではありませんが、何らかの形でITやAIに携わった経験のある方が望ましいです。例えば、ITに関して言えば要件定義から設計、開発までプロセス全体の経験があるなど、しっかりとした軸があった上でキャリアを積んでいる方が合っていると思います。
しかし一方で、第二新卒のポテンシャル採用にも実績があります。新卒でIT系企業に入社して1〜2年ほど経験を積んだ後、当社に入社したというケースもあります。
企業規模を拡大してプロジェクト数増を目指す

——古崎さんのご経歴について教えてください。
地元が四国だったこともあり、新卒でNTTデータ四国テクシス(現:NTTデータ四国)に入社しました。ただやはり地方よりも東京の方が仕事の幅が広いと感じ、東京のフューチャーシステムコンサルティング(現:フューチャーアーキテクト)に転職しました。
そこでコンサルタントとして働いていた頃、現在の代表である平瀬が事業部長を務める事業部に異動となり、平瀬と出会います。そこで独立や起業に興味を持つようになり、フューチャーシステムコンサルティング入社から約7年後、ブレインズコンサルティングの前身となるブレインズテクノロジーに創業メンバーとして参画しました。
——ブレインズテクノロジーに参画したきっかけを教えてください。
平瀬のもとで働く中、会社に所属するのではなく自分たちで会社を興してみたいという思いを持つようになり、ジョインしました。やはり起業は私たちにとって1つの夢であり、大きな挑戦をしてみたいという思いもありました。
——今後の展望について教えてください。
当社の中期的な目標に向けて、まずは企業規模の拡大を図りたいと考えています。現在の社員数は25名ほどですが、少なくとも50名規模に拡大したいと考えています。増員しなければプロジェクト数を増やすのも難しいと感じているためです。ただし、人を増やしたいと言っても闇雲に増やせば良いとは考えていません。当社にマッチする人材かどうかをしっかりと確認し、規模の拡大を進めていきたいと考えています。
若い方が挑戦できる環境づくりを進める

——次に、実際に現場でコンサルティングをされている飯塚さんにお聞きします。プロジェクトの期間や働き方について教えてください。
プロジェクト期間は内容やクライアントの状況によってかなり異なります。ミニマムなプロジェクトであれば3ヵ月ほど、大規模なものであれば3年など長期で支援するプロジェクトもあります。
出勤形態はリモートと出社のハイブリッドですが、プロジェクトによって偏りはあります。役職はPM/PLなどを務めるポジション(マネージャー以上)からシニアコンサルタント、コンサルタント、アソシエイトコンサルタントなどが続き、コンサルタント以下は1人が1つのプロジェクトを担当するのが一般的です。
——働いているメンバー層は若い方が多いのでしょうか。
コンサルタントのうち約半数が30代前半以下のメンバーのため、比較的若い方が多い会社です。一方で古崎のように、ベテラン層も充実しています。ベテラン社員が現場で動きつつ、若い方も大いに挑戦できる環境です。
——相対するクライアントは、どのような役職の方が多いのでしょうか。
情報システム部の部長や上席の役員の方です。プロジェクトを経営層に提案する際に必要な資料を一緒に作ることもあります。
私が現在担当する案件では、資料作りから開発、実装まで担っています。経営層への提案から下流に至るまで担当することで、ワンストップで支援しています。
——飯塚さんの目線から、ブレインズコンサルティングではどのような方が活躍されると考えますか。
メンバー層は若い方とベテラン層が半々でまだ小さな会社であるため、自主的に動ける方が活躍できると思います。大手のように1から付きっきりで教えることは難しく、プロジェクトも多岐に渡るため、ベテランの方でも初めて取り組むプロジェクトもあります。ある程度は自分で調べたり、手を動かしたりしながら進めて行ける人が向いていると思います。
加えてコンサルティングやIT、AIの分野において全くの未経験というよりも、少しでも経験があり知らない領域でも果敢に取り組める方のほうが順応しやすいです。さらに言えば、開発経験やシステム設計に携わった経験があればより早期に活躍できると思います。やはりクライアントと話す際、開発側のことが全く分からなければ、価値のあるアドバイスはできません。クライアントやベンダーが使う言葉が分かるぐらいの知識がないと、クライアントとのコミュニケーションが難しいためです。
出社とリモートのハイブリッドが融通の利いた働き方を可能に

——飯塚さんの経歴を教えてください。
新卒では準大手のSIerにSEとして入社しました。学生時代にプログラミングを学んだわけではなかったのですが、SEという職種に挑戦したかったため入社しました。そこで約5年半働いたのですが、大きな組織だったためそれ以上のスキルアップが難しいと感じ、SES(システムエンジニアリングサービス)で約3年働きましたが、SESでは正社員と違いできることに限界があると感じ、事業会社の情報システム部へ転職しました。そこで7年ほど勤め、現在のブレインズコンサルティングへ入社しました。
——ブレインズコンサルティングにジョインしたきっかけを教えてください。
前職がコロナ後にフル出社になってライフスタイルと合わなくなったことと、やり切った感覚があったので転職を決めました。
前職の情報システム部にジョインしたのは、ちょうど上場する前でIT統制を整備しないといけない時期でした。基幹システムのリプレイスなどの大きなイベントが多く、やりがいもありとても良い経験をさせていただきました。ただ整備が終わるとやり切った感覚があり、どこか緊張の糸が切れたような気がしたのです。
そして転職を決めた最終的なきっかけは、リモートからフル出社勤務に変わったことでした。子供がいるため、フル出社では育児と仕事の両立は難しく、転職を決めました。当社では出社とリモートのハイブリッドのため、ある程度融通を利かせて働くことができます。
——次に飯塚さんご自身のビジョンについて教えてください。
現在はマネージャーの1つ下のレイヤーにいるため、マネージャーになることが直近での目標です。マネージャーに上がることで任せてもらえることが大きく広がるので、自分のスキルアップにもつながると考えています。
現在は育児もありますので、時短勤務ではないものの残業はあまりできない環境にあります。そのため仕事を持ち帰って合間を縫って作業をすることもあります。私以外でも子供がいても働きやすい環境を醸成できれば良いなと、長期的な目標として考えています。短期的な目標と長期的な目標の2つを軸に、日々邁進しています。
ブレインズコンサルティング株式会社 企業情報
会社名 | ブレインズコンサルティング株式会社 |
設立 | 2013年8月8日 |
代表取締役社長 | 平瀬正博 |
事業概要 | ITコンサルティング 機械学習等AI関連技術の適用に関するコンサルティング AI関連技術を活用したサービスの開発、提供 |
住所 | 〒103-0014東京都中央区日本橋蛎殻町1-29-9ネオテック水天宮ビル5階 |
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