金融業や製薬業を中心にITを駆使したコンサルティング事業を展開するビュルガーコンサルティング株式会社。データ活用や海外進出を支援する事業も手掛けるなど、幅広い事業領域をカバーできる点を強みに打ち出す。経験豊富なコンサルタントが多数在籍し、少数精鋭で上流工程から一気通貫で支援できる自負もある。
今回は、2021年から同社の代表に就任した浜岡周作氏、執行役員の斉藤龍一氏、テクノロジーズトランスフォーメーション事業部の黒田裕司氏にインタビュー。同社の展望や求める人物像について聞いた。
浜岡 周作(はまおか・しゅうさく)
1995年に大手カード会社(現三菱UFJフィナンシャルグループ系)に入社し事業企画などを経験。2002年に三井住友銀行系カード会社にヘッドハンティング。その後、外資系コンサルティングファームを経て、2005年にビュルガーコンサルティング株式会社に入社した。金融部門立ち上げを手掛け、2012年取締役に就任。2021年に同社の代表取締役となった。
業界に精通する経験豊富なメンバーが顧客のプロジェクトを成功に導く
——ビュルガーコンサルティングの事業内容を教えてください。
当社は金融業や製薬業向け、さらにはITを軸とした事業を展開しています。金融業向けには、主にクレジットカードや新決済サービスのビジネスコンサルティングを手掛けます。この分野に10年以上関わるメンバーを揃え、フィンテック時代に追随する事業の確立、成長を支援しています。そのほか、クレジットカード事業を支える基幹系システムの開発や導入支援なども担います。金融業界は現在、フィンテックによる新しい決済スキームの導入が相次いでいます。クレジットカード会社各社がしのぎを削る中、急速な変化に対応しながら、いかに競争優位を打ち出せるかが求められます。こうした状況に対応すべく、即時性や実効性の高いソリューションを提供するのが当社の役割だと考えます。
製薬業向けには、製薬企業のITシステムの開発や導入、運用を一気通貫で支援しています。新薬開発にまつわる報告書や製品標準書などの電子化を進め、業務効率の改善や新たな価値を創出できるような支援を手掛けます。
一方、IT領域では各ステークホルダーの合意形成を図ったり、現行の業務プロセスが抱える課題を洗い出したりするケースが少なくありません。上流工程から具体的な施策の実施までを包括支援するPMOの役割を担います。
——幅広い事業領域の案件を成功に導く秘訣はどこにあると考えますか。
当社が主に手掛けるのは、IT戦略やPMOを担うITSP(IT Strategy planning & PMO)という分野です。この分野に20年以上関わってきたコンサルティング経験者を多数擁することで、豊富な経験に基づく適切な支援が案件を成功に導いていると考えます。顧客からこうした実績を評価いただき、プロジェクト期間も数ヵ月などの月単位より、2~3年などの年単位で継続支援を望まれる顧客が多くいます。
——社員数やプロジェクト体制、働き方について教えてください。
正社員は54名で、そのうちコンサルタントが50名、バックオフィス業務に従事するスタッフが4名います。プロジェクトは5名程度でチームを組むのが一般的で、PMは当社の社員が担います。5名中3名が当社の社員、残り2名が他社に在籍するビジネスパートナーという構成がよくあります。大規模なプロジェクトなら約10名をアサインする場合もあります。
働き方は、顧客先の勤務体系に合わせることが多いです。顧客がリモートなら当社のメンバーも自宅からリモートで勤務し、オフィスに出社しているなら顧客先に常駐することもあります。7割ほどがリモート勤務、残り3割が顧客先へ常駐といった具合です。
——どのような年齢層の方がメンバーとして活躍しているのでしょうか。
新卒として採用した20代前半の方から40代までの方が主に活躍しています。新卒で入社したメンバーはアソシエイト、30代後半のメンバーがコンサルタントの中核を担い、40代ではシニアコンサルタントとしてプロジェクトに従事しています。
AI時代に必要な経験やスキルを積めるのが魅力
——浜岡社長のご経歴を教えてください。
新卒で大手カード会社(現三菱UFJフィナンシャルグループ系)に入社して事業企画や経営企画の立案を経験した後、三井住友フィナンシャルグループ系金融機関へ転職。事業企画などを手掛けた後、外資系コンサルティングファームを経てビュルガーコンサルティングへ入社しました。入社して数年後、金融部門立ち上げを経て2012年に取締役に就任、2021年10月に当社の代表取締役社長となりました。
——社長就任を引き受けられたということですが、打診があった際どのようなお気持ちでしたか。
取締役に就任してから12年ほどの年月が経っており、自身でも「もしかすると」といった予見はしていました。社長に就任してから3年経ちますが、当社の社員は皆優秀であるため、物事を推進しやすいと感じます。
ただ、社長を引き受けるうえで精神面のプレッシャーは多くありました。経営層,メンバーには年上の方もいるため、諸先輩方に配慮するなど慎重を期する場面もあります。
——実力主義で挑戦できる土壌が整っている御社では、どのような人材を求めていますか。
コンサルタントの素養である地頭の良さや論理的思考力を重視していますが、困難をしなやかに乗り越え、失敗しても再起できるような方を求めています。
コンサルタントとして日々の業務に向き合えば、いくつもの困難に直面するでしょう。逃げたいと思うときが続くことがあるかもしれません。そのようなときに自分の役割から目を逸らさず、逃げない姿勢を貫けるかどうかがコンサルタントとしてもっとも重視すべき素質だと思います。こうした素質のある方と一緒に働けたらと願います。
——御社で働くことで、どのようなスキルが身に付くと考えていますか。
今後はAIがさらに普及し、あらゆる業務で不可欠になると考えます。そのとき、AIをどう駆使すべきか、AIで業務をどう変えるかといった変革を起こすスキルを身に付けられると思います。この領域において実地経験を通してスキルを身に付けられるのは、当社ならではのメリットだと考えます。
さらに、当社では戦略策定や構想策定といった上流から携わることで、IT技術だけでなくPMとしてのスキルも身に付けられます。まだ小規模な会社だからこそ個人の裁量が大きく、豊富な経験を積むことができます。
——今後の展望を教えてください。
さらに事業領域を拡大し、現在より売上が5倍になるほどの成長を遂げたいと考えています。まずは黒田を中心に、基盤となるITコンサルティングの骨組みをより強固なものにしていきます。
社員数も現在の約50名から100~200名まで増やすことを視野に入れます。上場については審査基準を或る程度クリアしているものの、現在は必ずしも急いていません。好機を伺いながら慎重に進められればと考えています。
小規模な会社だからこそ裁量ある仕事を任せてもらえる
——次に、実際に働かれているテクノロジーズトランスフォーメーション事業部の黒田さんにお聞きします。御社で働くことで身に付けられるスキルや強みは何だと考えますか。
金融業界や製薬業界へのコンサルティングに挑戦したい方は、当社なら十分な経験を蓄積できます。その経験を自身のスキルへと昇華することで、金融業界や製薬業界に精通するノウハウや知見を数多く身に付けられると考えます。
当社の強みは「TX」(テクノロジートランスフォーメーション)です。最新テクノロジーを使って新たな価値を創出する業務を日々積み重ねれば、若手の方なら柔軟性や創造性もより鍛えられるのではないでしょうか。
——黒田さんのご経歴を教えてください。
就職氷河期時代に新卒でブティック系コンサルティングファームに入社しました。日本初のERPを世に送り出す挑戦的な会社でしたが、入社して間もなく倒産したため、当時取り引きがあったセコムグループの会社へ転職しました。そこでしばらく経験を積んだ後、自分のやりたいことを軸に仕事をしたいと考え、ネットワークゲーム会社に入社。しかし転職後1年で倒産したため、フリーランスとして働く傍ら求人を探し、日本IBMのコンサルティング事業部の募集を見つけました。
日本IBMの面接に行った際にエネルギッシュに働く社員を見て感銘を受けて入社し、コンサルタントとして約25年ほどのキャリアを積みました。年月が経ちシニアコンサルタントとして社員を管理する役割を担うようになりましたが、現場で顧客とのつながりを持ちながら課題解決に努めたいと考え、ビュルガーコンサルティングに入社しました。
——続いて執行役員の斉藤さんにもお聞きします。御社ではどのような人材を求めていますか。
20代の方であれば、困難に直面しても自走できる方を求めます。コンサルタントという職業は一見華やかに見えて、実は大変泥臭いもの。若手であれば基礎が必ずしも固まっていないため、こなした業務量の分だけ成長につながります。
一方、30代の方であれば、将来的なビジョンがありモチベーションの高い方に来ていただきたいです。個人の裁量が大きい当社では、将来やりたいことに向かって挑戦を続けられる人が望ましいです。
——斉藤さんのご経歴、今後の会社のビジョンを教えていただけますか。
大手カード会社に新卒で入社し、新規プロジェクトを立ち上げるPMからクラウドにアクセスする専用端末の開発などを幅広く経験しました。その会社で20年ほど勤めたころ、55歳で迎える役職定年制度に対して「もっと現場で働いていたい」と考えるようになり、ビュルガーコンサルティングへ入社を決めました。
ビュルガーコンサルティングへ入社してまず感じたのが、小さな会社だからこそ裁量大きく働けること。当社の良さを多く発見できた一方で、まだ認知に乏しいことが課題だと捉えています。当社が多くの企業や社会に認知されるよう、成長する歩みを止めずに前進し続けたいと考えます。
ビュルガーコンサルティング株式会社 企業情報
会社名 | ビュルガーコンサルティング株式会社 Buerger Consulting Inc. |
所在地 | 【 本社 】〒103-0011 東京都中央区日本橋大伝馬町6-7 住長第二ビル4F TEL:03-5649-2088 FAX:03-5649-2099 |
役員 | 代表取締役社長 浜岡周作 代表取締役副社長 神津陽一 取締役 牧田太郎 取締役 山岸幸満 監査役 中山英明 執行役員 阿部宗人 執行役員 斉藤龍一 |
顧問 | 水谷浩二(元IBM常務執行役員) 佐藤正徳 福田大助 弁護士(山王シティ法律事務所) 税理士法人けやき 中野泰 特定社会保険労務士・行政書士(株式会社アイグロース/中野人事法務事務所) |
設立 | 2004年10月1日 |
資本金 | 99,960,000円 |
主要事業内容 | クレジットカード業務・ITコンサルティング IT戦略・計画&PMOコンサルティング データマイニング・ソリューション 製薬業ITコンサルティング ITマネジメントコンサルティング 海外戦略コンサルティング |