コンサルとしてクライアントの戦略実現にこだわり、新しい挑戦をし続ける 株式会社エフェクトリー 代表取締役 四方谷瑞樹氏インタビュー

EFFECTRY 株式会社エフェクトリー 四方谷瑞樹氏

株式会社エフェクトリーは、人事領域に特化したコンサルティング企業として2023年5月に創業。代表取締役の四方谷瑞樹氏は、人事領域での一貫したキャリアで培った戦略・業務・システムに関する知見、システムベンダーとコンサルティングファームでのコンサルティング経験を活かし、人事DXコンサルティング・アドバイザリー・ビジネスコーチング事業を展開している。

四方谷社長が大事にしているのは、「お客様に伴走し、共に達成を目指す」という想い。同社の社名には、「コンサルティング企業としてクライアントの目標達成・戦略の実現にこだわる」「まだ目に見えない新しいモノ・コトに挑戦する」という決意が込められている。今回は四方谷社長に、起業までのキャリアや起業を決意した想い、同社の事業などについて聞いた。

四方谷 瑞樹(よもや・みずき)

立命館大学国際関係学部を卒業後、人材系ベンチャー企業を経て、株式会社ワークスアプリケーションズ(HR関連事業は現・株式会社Works Human Intelligenceに承継)に入社。人事システム導入コンサルタントとしてクライアントのシステム導入を支援。2014年には同社の海外進出に伴いシンガポールに赴任し、グローバルコンサルティング事業部の立ち上げを推進。その後、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社に入社し、HRコンサルタントとして人事戦略策定、業務設計・整理、人事システム選定、システム導入・保守等のテーマで多数のプロジェクトをPMとしてリード。また同社内のSAP SuccessFactorsビジネスでは役員補佐としてサービス開発、組織運営に従事。2023年5月に株式会社エフェクトリーを設立し、代表取締役に就任。人事DX領域を中心とした数多くのプロジェクトを手掛け、初年度黒字を達成。

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お客様に伴走し共に達成を目指す仕事を志し、システムベンダーやコンサルファームで経験を蓄積

——四方谷社長は、もともと起業を考えておられたのですか?

そうですね、大学の頃から考えてはいました。折しも株式会社ドリコムや株式会社サイバーエージェントなどが名を馳せており、私も社会にインパクトを与えたいという漠然とした想いから、起業した方のお手伝いなどもしていました。ただ、当時試行錯誤した結果、クライアントやビジネスパートナーから信頼を勝ち取るために、まずは会社に入って経験を積み、実力をつける必要があると感じました。そこで営業やコンサルタントとしてビジネス基礎スキルを磨き、クライアントの信頼を勝ち取り、クライアントの目標達成を支援するキャリアに進みました。

——ワークスアプリケーションズ在籍中にはシンガポールに約3年赴任し、現地コンサルティング事業の立ち上げを担われました。

実は私、最初は英語に強い苦手意識があり、英語が話せませんでした。しかし、私がプロジェクトマネジャーを務めていた某外資系ブランド会社のプロジェクトで海外のクライアント本社とのミーティングがあった際、英語が話せないという理由で全くMTGの役に立てなかったことがありました。「英語が話せないことで仕事の幅が狭まってしまう」ということを痛烈に実感しました。

そうしているうちに、シンガポールでグローバルコンサルティング事業を立ち上げるという方針が発表され、英語圏でのビジネス経験を積むため、自ら手を上げました。赴任後、現地での採用からシステム開発・導入まで、マニュアルも導入手法も何もないところから事業をつくりあげるというチャレンジは数多くの課題・困難がありましたが、とてもやりがいがあり、成長を感じられました。

——その後、デロイト トーマツ コンサルティング(以下「デロイト」)でのコンサルタント経験を経て2023年5月に独立、御社を設立されました。起業を決意なさった経緯をお聞かせいただけますか?

ワークスでシステムベンダーの仕事を学んだ私は、システム面だけでなく、人事領域を幅広く支援できるようになろうとデロイトに入社しました。コンサルティングファームでの仕事は、クライアントの目標達成に向けた支援というやりがいに加え、論理的思考力や仮説思考力などのクライアントリードに欠かせないスキルを身に着けることで、さらにお客様の力になることができているという手応えがありました。

しかしながら、大手コンサルティングファームのクライアントは大手企業が中心で、数にすれば日本企業の上位数%というところです。大手コンサルティングファームでは手が届かない企業にこそ、コンサルタントとして成長・改善を支援すべきではないか、——コンサルタントとして仕事をするうちにそう考えるようになり、また、元々抱いていた起業志向も重なり、独立を決意しました。

事業の柱は人事コンサル・アドバイザリー、ビジネスコーチング。「本当にいいもの・やるべきこと」を追求しクライアントに提供できることが強み

——御社の事業について教えてください。

当社の主な事業内容は、人事DXコンサルティング・アドバイザリーとビジネスコーチングです。前者については、クライアントのパートナーとして人事戦略策定や人事業務効率化、システム選定・導入・改善などのプロジェクトベースのご支援をしているほか、人事システムベンダーや人事サービス事業者に対するアドバイザリーサービスも提供しています。人事アドバイザリーサービスは、システムベンダーやサービス事業者が新機能や新サービス構築する際に、業務知識の不足、ユーザーのニーズが把握できていないという状況や、マーケティングやセールスストーリーを構築するためにコンサルタントが得意とするストーリー構築や論理的思考力が必要となる状況が多々あるため、当社のこれまで積み上げた知見をもとにアドバイザーとしてご支援させていただいています。

——人事DXコンサルティング事業は、中小企業のクライアントが多いのでしょうか?

いえ、結果として大企業からベンチャー企業まで幅広いクライアントをご支援させていただいております。当社の特徴は、中小企業のクライアントに対してもご支援できるようにプロジェクトの要点を見極め、効率的にプロジェクトを推進できることですが、このような効率的なアプローチは中小企業だけでなく大企業にも喜んでいただけます。そのため、これまでコンサルティングファームを利用したことがない中小企業・ベンチャー企業のクライアントから、頻繁に大手コンサルティングファームを利用しているような大企業のクライアントまで、幅広くお声がけをいただいています。

多くのクライアントに共通しているのは、「戦略人事や社員のエンゲージメント向上など人事部門を強化したいが、高額な予算がつくわけでもなく、また、どのように進めればよいかもわからない」という状況にあるということです。そういう方々をご支援するのが当社の役割だと心得ています。

——ビジネスコーチング事業はどのような内容ですか?

事業会社からコンサルティングファームに転職したい方やコンサルティングファームに入社して壁に当たっている方などを対象にコーチングを行っています。

特徴としては、通常のコーチングアプローチに加え、コンサルティングファーム特有の考え方や壁の越え方についてもアドバイスを提供している点です。コンサルティングファームにおいては自分自身が“商品”であり、ファーム内でその“商品”が売れないと仕事を獲得できません。私自身、システムベンダーからコンサルティングファームに転職したとき、仕事の仕方がまったく違って苦労しました。そこで、自分という“商品”を売るためにはどうしたらいいか、どういうマインドセットをもつべきか、といったことをアドバイスしています。

——御社の強みをお聞かせください。

当社はプロダクトを持っていませんし、システムベンダーや特定の企業とのしがらみもありません。ですので、クライアントの課題解決や目標達成を追求し、真にクライアントのためになることを考えたご提案ができます。クライアントからご相談いただく際にも、不必要な部分があれば契約範囲を狭めるご提案もしますし、導入するシステムについても当社の利益を生むシステムではなく、本当の意味でクライアントに合うものをご提案しています。

加えて、戦略・業務・システムすべてにおいて、成果物作成やシステムリリース自体をゴールとせず、クライアントが実行・活用できるところまで見据えてご支援させていただいています。様々な企業で「戦略を作ったが絵に描いた餅になっている」「新システムが活用されない」といった悩みを伺いますが、戦略・業務・システムどれか一つに偏った知見で進めてしまうとそういった問題が発生してしまいます。当社は戦略・業務・システムを一貫した知見があるため、施策に落とし込める戦略策定、システム化できる業務設計、業務・運用が効率化されるシステム導入をご支援することができます。

それらは第一義にクライアントを考えてのことですが、同時にシステムベンダー各社からも「クライアントにとって本当にいいものを提案してください」とおっしゃっていただくことが多いです。システムベンダーとしても「うちを贔屓にしてください」と言って選んでもらうよりも、当社のような存在が中立的な立場で提案・比較検討し、クライアントにとって本当に効果的なシステムを選んでいただくほうが、結果的に双方にとって良い方向に働くということでしょう。

また、システムベンダーが企業に営業したものの、まずは企業側での戦略策定や業務整理が必要だということで、システムベンダーから当社をご紹介いただき、そのプロセスをお手伝いすることもあります。そういう部分でクライアントだけでなく多様な企業と良い信頼関係を築けていることはありがたいです。

創業期をつくりあげる仲間を募集。求めるのはチャレンジ精神、成長意欲のある人材

——現在、従業員の方は何名ほどいらっしゃいますか?

業務委託を含めると4名ですが、複数のコンサルティング会社やSES会社ともアライアンスを組んでいるので、案件ごとに必要なスキルに応じて外部からコンサルタントをアサインできる体制となっています。

——今回、正社員の採用をお考えになったのは、どのような理由からでしょうか?

現時点でもアライアンス企業と協力してクライアントをご支援することはできますが、自社で正社員を雇用し育成することで、当社の考え方やスタイルをより明確にしてクライアントをご支援する体制にしたいと考えています。また、増員することでプロジェクトだけでなく、仕組化や新たなサービス・ビジネス開発など、できることが増えるので、クライアントにとって価値のある仕事をより一層追求するため、社員を増やし組織の規模を大きくしていきたいと考えています。

——採用にあたり、求めておられる人物像についてお聞かせください。

創業して1年が経過しましたが、まだ様々なもの・仕組みをつくりあげている最中です。この創業期の中、会社とともに成長し、一緒に事業拡大を推進でき、そして楽しんでいただける方を募集しています。まず求めるのは、チャレンジ精神、成長意欲がある方ですね。新しい領域にチャレンジし、一から一緒に事業を伸ばしていこうと思ってくださる方に来ていただきたいです。

当社事業の適性を考えると、人事領域もしくはシステムに興味があるという要素も必要かと思います。現代のビジネスにおいて、システムは切り離せないものですのでシステムに深く精通していなくてもかまいませんが、興味を持って学びたいと思える方は合うと思います。

また先ほどもお話ししたように、当社はまだ立ち上げたばかりですので、ある程度業務経験のある方が望ましいです。具体的には、多岐にわたるお客様とスムーズに仕事できるような数年程度の社会人経験に加え、人事もしくはシステムのどちらかの業務経験などです。人事戦略や制度設計などに携わっていた方、人事システムを使っていた方であれば仕事に入っていただきやすいと思います。

——御社に入社したら、四方谷社長と一緒に仕事をすることになります。コンサルティングチームを組むという観点では、どのようなタイプの方と組むと仕事が進めやすいと思われますか?

私自身はコンサルタントとしてバランサータイプで、チームメンバーの意志を尊重しています。チームメンバーに対して「こうしろ」と一方的に指示を出すのではなく、メンバーの意図・意志や想いを確認し、それらを極力尊重しつつバランスをとってプロジェクトを進めるスタイルです。

そういう意味では、幅広いタイプの方とチームを組みやすいと思います。ただ、人の意見を素直に聞くことができること、自分の意見を言えることは必要です。これから一緒にビジネスや組織をつくりあげていくためにも、お互いをリスペクトできる方がいいですね。

興味・意思次第でさまざまな仕事が可能に。実現・効果にこだわり、新しいことに挑戦し続けたい

——「御社で仕事をするとこういうところがおもしろい」というポイントがありましたら教えていただけますか?

当社はまだ非常に小さい会社ではありますが、アライアンス先は比較的多いです。システムベンダー複数社ともパートナーシップを結んでいますし、業務を委託している企業もあります。入社したばかりの方でも、興味があればそうしたアライアンスやビジネス開発に一緒に携わっていただくことも可能です。

大手コンサルティングファームですと、シニアマネジャーやマネジャーでない場合はプロジェクト以外で補佐的な業務が多くなりがちですが、当社のような規模であれば、さまざまな領域に当事者としてチャレンジしていただくことができます。

入社後、当面は私と一緒に動いていただくことが多くなると思います。クライアントは多様で、やりとりする方も大手企業の役員・人事部門長からベンチャー企業の社長まで多岐にわたります。その過程に立ち会っていただくなかで吸収していただけることは多いと思います。

——最後に、今度の展望をお聞かせください。

現在の当社はコンサルティングサービスが中心ですが、今後は人事領域のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを展開できればと考えています。

コンサルティングサービスとして業務整理・改善を行う中で、クライアントが追加で行うべき業務や必ずしも自社で行う必要がない業務が明確になりますが、少子高齢化等の影響もありどの企業も人手不足で手が回らず、業務効率化だけでは本来集中すべき戦略人事・企画・タレントマネジメント等の業務にリソースが割り当てられないというのが現状です。

そこで有効なのが、業務を適宜アウトソースして、企業の担当者自身は経営戦略や人事戦略の策定など、経営計画実現のための仕事に注力するという選択肢です。

そうなったときに、別途BPOベンダーを比較検討・選定することももちろん可能ですが、その段階で当社はすでにクライアントの業務整理をしているわけですから、クライアントの戦略・制度・業務・システム一番理解しているのは当社です。その当社がそのままアウトソーシングを請け業務を引き継ぐことができれば、ベンダー選定などの仕事を増やすことなくスムーズに対応できるのです。

このBPOサービスの利点は、お客様が注力すべき業務に注力できる余地を生み出せること。それは、お客様の目的達成に向けてさらなる貢献となるでしょう。BPOサービスのみを提供する会社は数多ありますが、コンサルティングから始めて業務を整理し、そのままアウトソーシングを請けるという一連の流れを実現できるのは当社ならではです。

「エフェクトリー」という社名は造語ですが、「コンサルティング企業としてクライアントの目標達成実現や効果にこだわる」「まだ目に見えない新しいモノ・コトに挑戦する」という2つの想いが込められています。クライアントの目標達成にこだわり、私と一緒に新しいことにチャレンジしてくださる方との出会いをお待ちしています。

株式会社エフェクトリー 企業情報

会社名株式会社エフェクトリー
事業内容・人事DXコンサルティング
・人事関連アドバイザリー
・ビジネスコーチング
住所〒182-0006 東京都調布市西つつじヶ丘1丁目38番地33
代表者四方谷瑞樹 Yomoya Mizuki
資本金400万円

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