自らをバリューアップファームと称し、コンサルティングの枠にとどまらないお客様支援に乗り出す株式会社enableX。お客様向けにSaaSを提供するなど、事業会社としての側面を持つことで実践に則した支援に強みを持つ。
今回は、株式会社enableXの取締役CEO釼持駿氏とパートナーの佐野智英氏にインタビュー。バリューアップファームにこだわる想いや同社の展望を聞いた。
釼持 駿(けんもち・しゅん)
米国コンサルティング会社、P&Gマーケティング部門を経験。トップクラスのマーケティング知見を有し、戦略・マーケティングにおけるコンサルティング実績を多数有する。事業家としても商社・人材会社の2社の起業・売却、EC事業やアプリ事業へのプリンシパルインベストメント・ハンズオンの経営に携わるなど、企業価値を向上させる数々の実績を有する。
佐野 智英(さの・ともひで)
アクセンチュア、IBM、フロンティアマネジメントでのコンサルティング実務と、事業会社での経営企画や情報システム部門でのマネジメント実務の両側面からの経験を活かし、幅広い業界に対し、DX戦略立案およびIT投資判断、IT利活用推進、CIOサポート、情報システム組織強化などに携わる。経営とITを繋ぐDX化を推進。
お客様のバリューアップを目指し、あらゆる領域に対応する

――enableXの事業内容を教えてください。
弊社はバリューアップファームと称し、お客様の企業価値を高めることにコミットしています。具体的には事業開発やデータマネジメント領域をはじめ、IT領域での生産性向上、M&A、アライアンス支援、人材育成など、事業の成長に欠かせない分野で実行力のある支援を手掛けています。
――具体的にどのような支援が多いのでしょうか。
一例を挙げると、お客様が新規で親子向け事業を立ち上げることになった際に投資計画から支援しました。事業立ち上げにかかる資金をいかに調達し、投資計画をどう立案するかを考えるほか、事業計画やストーリー作成も手掛けました。サービス構築に関しても、泥臭い集客部分のSEOやSNS、Youtubeの運用なども弊社で推進しております。
さらに主軸事業への結びつきも必要なため、サービスから得た顧客データのデータ戦略からデータ利活用まで弊社で担い、主軸事業貢献まで実現をしています。事業立ち上げ・グロースは、日々新しいことに取り組む必要があるため、スコープレスに対応できる体制をとっています。
――プロジェクト体制について教えてください。
何名体制でプロジェクトを担当するかはプロジェクトの種類によって大きく異なるほか、プロジェクト進行中であってもメンバーは入れ替わります。弊社はお客様の企業価値向上を目的としていることからもショットでのご依頼は基本的には受けていません。そのため支援するプロジェクトは年単位で進めるものが多く、有機的に順応しながら推進する狙いがあります。プロジェクトのフェーズによっても必要な人数やスキルは異なるため、柔軟に対応しています。
――働き方としては、お客様先へ常駐することが多いのでしょうか。
お客様のスタンスによって異なるため、社内で「週何日はお客様先へ出向く」といった決まりはありません。私たちの目的はあくまでお客様のバリューアップに貢献すること。その目的が達成できるのであれば、どこで仕事をしていようと関係はありません。
スキル面・マインド面ともに、お客様へどれほどコミットできるかが重要

――スキル面の観点から、入社して欲しい方の人物像を教えてください。
2点重視しています。1つはお客様のバリューアップに向けて最後までやりきる力があること。もう1つはITとデータマネジメント領域の経験です。
1つ目については、弊社がコンサルティングではなく「バリューアップファーム」と名乗っていることに起因します。弊社は、SaaSのプロダクトを保有する事業会社の側面があるほか、弊社で費用面を負担しながらお客様とともに事業を共創するという取り組みも積極的に行っています。アドバイスをただするのが弊社の価値ではなく、お客様の成長に最後までコミットする熱意こそがスタッフ一人ひとりに強く求められると考えています。
また2つ目については、弊社の強みとするITとデータマネジメントを軸としたプロジェクトに向いている方を求めています。事業成長に資するあるべきデータ利活用の戦略を描き、データベースの設計・構築、取得したデータの分析から活用まで一通りのデータマネジメント・データマーケティング支援ができる方を求めています。ITに関しても、事業開発の文脈の中でIT上流領域におけるプロジェクトを多数行っているため、ITにおける専門性を有し、且つ事業に対する経験を有するメンバーを求めています。
――人柄や性格、姿勢などで重視していることはありますか。
まず人としての優しさがあるかどうかを重視しています。弊社はサービス事業者としての側面が強いため、お客様が何を考えているか把握したうえで事業を伸ばしていく必要があります。
支援を手掛ける際に思うのは、正論でお客様や世の中が動くわけではないということです。複雑なコミュニケーションを経て初めて物事が動き出す事業であると考えます。「コンサルとして」ではなく「お客様の事業を前進させる」には、何より人の気持ちを理解することが大切だと考えます。
もう1つ挙げると、好奇心があるかどうかも重視しています。弊社の支援は業界を問わないため、経験を重ねたプロでも未知の分野や業界に挑戦することが多々あります。未知の出来事に遭遇した際、経験がないからと不安に思うのではなく、経験がないからこそワクワクできるという方は弊社に向いているでしょう。
――業界を選ばず支援できる体制だからこそ必要なマインドですね。
だからこそタフな精神も必要です。お客様の深部まで携わることで大きな責任を背負うため、ストレスなく働ける環境とは必ずしも言えません。過去の事例がないものや弊社だけでのコントロールが困難な場面も多いため、タフにチャレンジし続けられる強さも求められます。
――次に、実際に現場で活躍されている佐野さんにお聞きします。佐野さんの思う、enebleXで活躍できる方を教えてください。
お話をするお客様は経営者層などのトップ層の方が多く、目上の方とも会話でき、臆せず提案できる方が向いています。まずは依頼頂いた仕事を期待以上に行い、信頼を得ていくことから継続依頼や他部署へのご紹介から、支援内容が増えていくことで掛け算するように規模も拡大するため、そのような軸となる方こそ活躍できると思います。
専門領域のスペシャリストの特性などを目利きしチーム形成を行い、エキスパートの方々を上手くマネジメントしてデリバリしていける力を重視します。お客様だけでなくチームメンバーについても、ゴールに向かってコーディネートできる力を持つ方が求められます。

お客様だけでなくそこで働く社員も、市場価値を高められる環境にしたい
――釼持さんのご経歴を教えてください。
もともと起業志向を持っていたわけではありませんが、学費を稼ぐ必要があり学生時代に起業していました。起業している同世代も多かったため、抵抗はありませんでした。
大学を卒業すると2014年に新卒でP&Gジャパンへ入社し、シンガポールにあるアジア本社でマーケティングを担当します。その後2018年にコンサルティング会社の立ち上げや売却を担当するほか、自身のファンドでの化粧品やAI、人材系企業に出資してバリューアップさせるなど、幅広くマーケティングや戦略支援を手掛けました。
――enableXにおける今後のビジョンを教えてください。
コンサルティング会社ではなくバリューアップファームであり続けることにこだわり、事業をつくることにコミットしたいと考えています。そのうえで社員全員がいずれは事業づくりや事業グロースの専門家として、より市場価値を高められるような育成にも注力します。
お客様への事業支援だけでなく自社の事業開発、グループ会社の事業グロースなどの役割も構築しグループ全体もバリューアップできる会社になればうれしいですね。
――佐野さんのご経歴を教えてください。
いずれは経営に携わることを見据え、まずは現場・そしてシステムを通して事業運営全体を理解するという考えから、新卒でソニーのグループ会社に入社し、システムエンジニアとしてキャリアをスタートさせました。数年後、その会社で役員のサポートポジションに就く公募があり、取締役補佐という形で経営に参画します。9年ほど働いた後、幅広い業種業態に携わりたいとの思いからアクセンチュアへ入社し、コンサルタントに転身しました。アクセンチュアで働く中で、より経営に携わりたいと考え、事業会社に転職。経営企画や情報システム領域でのマネジメントや新規事業を手掛けてきました。
――佐野さんの今後のビジョンを教えてください。
最終的には事業家として経営に深く携わりたいと考えています。
私がenableXへの入社を決めた理由は、事業家経験や起業経験のある社員が多く、お客様のバリューアップのみならず自分自身も成長できる環境だと感じたためです。事業家を目指すためにコンサルティング・マーケティング技術をさらに磨き、常に研鑽を積むことが目下の目標です。自己実現に向かって、会社の成長とともに挑戦を続けていきたいと考えています。
株式会社enableX 企業情報
会社名 | 株式会社enableX |
株主 | 株式会社TWOSTONE&Sons 東京証券取引所グロース上場(証券コード:7352) |
設立 | 2022年9月1日 |
本社 | 東京都渋谷区渋谷2-22-3 渋谷東口ビル6F |
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