DX化の肝はシステムではなく「人」。教育事業から派生したコンサルティングファームならではのこだわりに迫る GLナビゲーション株式会社 代表取締役 神田滋宣氏インタビュー

「人を変え、企業を変革し、社会を変える」ことをmissionにDXコンサルティング事業と教育サービス事業を展開するGLナビゲーション株式会社。教育事業をルーツに持つ同社ならではの顧客の支援が、真のDX化を導くという強みを持つ。

今回はGLナビゲーション株式会社 代表取締役の神田滋宣氏に、創業の経緯や今後の展望を聞いた。

神田 滋宣(かんだ・しげよし)

株式会社リクルート(現リクルートキャリア)勤務後、2009年にGLナビゲーション株式会社を設立。海外プロフェッショナルインターンサービス「GlobalWing」、外国人向けキャリア支援サービス「JapanWing」などの人材育成サービスと、DXコンサルティングサービスを運営する。

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教育事業から始まったからこそ見える、コンサルティング業界の課題に向き合う

――GLナビゲーションの事業内容を教えてください。

DXコンサルティング事業と教育・研修事業を主に手掛けています。当社には事業会社での豊富な経験を持つ社員が多く、現場に即したDXコンサルティングを実行することができます。ビジネスディベロップメントやグローバライゼーションを得意とする専門家も在籍するため、汎用的なDX化の実現にも寄与します。

教育・研修事業では、日本でキャリアを志す外国人向けの教育サービスや海外インターンシップの支援サービスを提供しています。グローバル化が当たり前になった現在、国籍や経歴に依存せず広く学べる機会を提供しています。

――コンサルティング事業と教育・研修事業の二軸を打ち出しているのはなぜでしょうか。

本当のDX化を成し遂げるには一人ひとりの成長が不可欠です。そこでコンサルティング事業と教育・研修事業を織り交ぜることで、成長に寄与するシナジー効果を見込めると考えたためです。もっとも、起業後すぐに2つの事業を展開し始めたわけではありません。もともと教育や研修事業を軸に起業した後、コンサルティング事業に参入しました。

人の変化の必要性をテーマにした教育・研修事業を展開した後にコンサルティング事業を手掛けるようになって気づいたのは、多くの日本企業がコンサルタントやベンダーに依存していることです。システムやデジタル化に対して過剰な苦手意識を持っている人が多く、どうしてもベンダー依存の状態に陥りやすいと感じたのです。ベンダーが優位になる分、人もベンダー側に流れて業界全体のゆがみを生んでいるのです。こうした状況を少しでも変えられればと考え、両事業を組み合わせて展開するようにしています。

――コンサルティング会社としては珍しい経歴を持つGLナビゲーション。他社と比べた強みを教えてください。

顧客のDX推進を最終的に内製化できるよう導き出せるのが当社の強みです。顧客の内製化、ひいては働く個人が市場で評価されるようなスキルを身に付けることこそ、当社のDXコンサルティング支援の真髄です。

内製化の実現を目指してコンサルティングに取り組む理由は主に2つあります。1つは、当社が教育・研修事業から始まったコンサルティングファームであるためです。企業の成長ばかりに目を向けて事業を進めていると、いつの間にか個人の成長は成しえない環境になっていることが多々あります。しかしDX化においては、人の成長なしにゴールには辿り着きません。多くの企業がDX人材の育成を課題ととらえるからこそ、人の教育や研修に主眼を置いたルーツを手掛ける当社に引き合いがあるのだと考えます。

もう1つは、後発でマーケットに参入した会社の役割はマーケットの破壊だと考えているためです。つまり、コンサルティング業界の既存の価値観を壊し、新たな価値を生むことが当社の使命です。「人は変わらないためシステムを変える」という一般的な考え方とは逆行しているのも、他社のコンサルティング会社と一線を画す要因です。こうした考え方を支える手段の1つが内製化であると考えます。

――内製化支援を実現するために意識していることはありますか。

顧客だけではなく当社のスタッフも、内製化が可能なデジタル人材として活躍できるよう育成しています。例えば、当社のCRM環境は、IT業界未経験でもともと証券会社の営業を担当していた社員が手掛けました。営業チームに属する全社員は、業界の経験や新卒既卒に関係なく、主要なCRMツールやMAツールを構築できるよう教育しています。

まずは当社自身がDXに関する内製化を実現することで、システムが変わるのではなく私たち人が柔軟に変わるというスキームを構築できればと考えます。

若手から活躍できる組織風土

――具体的な組織構造を教えてください。

社員は全体で130名程度在籍し、部署はコンサルティング部門と人材教育部門のほか、2024年から始まった人材紹介部門と同年に買収したベトナムでのビジネス部門の4つに分けられます。コンサルティング部門が100名ほどを占めています。

基本的にコンサルティング部門はワンプール制とグループ制のハイブリッド方式を採用しています。グループ制は、グループの中で上長として、もしくはグループマネージャーとして組織を率いていく働き方です。一方のワンプール制は、プロジェクトアサインに対して一定の自由度を持って働くことができます。管理職や現場など、立場や状況に応じて働きやすい方を選べる組織体系を組んでいるのが特徴です。

――プロジェクト体制について教えてください。

戦略策定と内製化支援や育成という2つのスコープのプロジェクトを支援することが少なくありません。これらの場合、10人体制で支援を手掛けるものから、パートタイム方式で2~3人をアサインして支援するものなど、多岐にわたります。そのため1人が2~3つの案件を掛け持ちすることも珍しくありません。

なお、当社の特徴の1つでもありますが、顧客から直接受注したプライム案件に限り、引き抜きを認めています。当社のコンサルティングの狙いは、顧客が社内でDX化を完結できることで、この制度は当社の狙いに起因します。顧客はアサインしたコンサルタントを引き抜くことで、プロジェクト管理やベンダーマネジメントを社員が担えるようになります。

――社員の年齢層に特徴があるとお聞きしました。

コンサルタントの70%が50歳以上、中でも25%は60歳以上の社員で占めており、コンサルティング会社では当社が日本一ミドルシニア世代を採用していると言えるのではないでしょうか。大手企業で部長クラスだった経験を持つ方も多く在籍し、アドバイザリーというポジションとしても活躍しています。(​​2024年10月現在)

対して20代社員の割合はまだ低く、17%ほどにとどまっています。しかし当社の管理職の割合を見ると、約7割が20代~30代です。若い世代に責任あるポストを任せ、ベテラン世代が若手を支える体制を敷いています。こうすることで若手へ適度にプレッシャーを与えながら成長を促進しつつ、ベテラン勢が土台を支えることでより挑戦しやすい風土を醸成しています。

ライフスタイルの変化に対応できる職場環境

――求める人物像を教えてください。

年齢層や国籍は問いません。多様なバックグラウンドを持つ方を迎え入れるべく、採用を進めています。そのため、現時点で求める人物像が明確に定まっているわけではありません。この考え方は、採用において重視している「ダイバーシティトランスフォーメーション」という当社のポリシーに準じています。

多様な人材を採用することにこだわる理由は、当社が教育事業のルーツを持っているためです。事業会社の経験しかない方でも、コンサルタントとしてのリスキリング先として当社を活用する目的で入社するケースは多々あります。ちなみに当社では新入社員の約4割が外国籍の方です。多様な人材を採用することで、既存の社員に良い刺激を与えられるようになるのも狙いの1つです。

――働き方で特筆すべき点があれば教えてください。

積極的に地方在住の方を採用し、働く場所にこだわらないスタイルを取っています。フルリモートで稼働できる案件を受注するよう意識し、都心に縛られない働き方を目指しています。

当社では通常時にオフィス出社している社員に対して、妊娠期間中にリモートワークに切り替えられる制度も設けています。妊娠期間中は少しの移動であっても気を遣うものです。思わぬ事故のリスクを避けられるよう配慮しています。なお、妊娠期間のリモートワークへの切り替えは、パートナーが妊娠している男性社員も対象です。

――家族が増えるタイミングは人生の大きなターニングポイントですね。

家庭と仕事を両立できる支援体制を築くことは、企業側が果たすべき責務だと考えます。当社では基本的な産休育休制度ももちろん用意し、女性だけでなく男性の取得率も100%となっています。さらに出産して復帰後2年間、有給休暇とは別に10日間の特別休暇も取得できます。子供が生まれた当初は病気に罹りやすいなど、突発的な休みを取る機会が増えてしまいます。そこで、子育て世帯の社員が安心して仕事に打ち込める環境づくりに徹底的にこだわっていければと考えています。

そのほか、ハウスキーパーやベビーシッターを雇う費用も年間25万円まで負担しています。

多様な人材と共に、人と社会を変えられる企業へ

――次に、神田社長の経歴について教えてください。

2006年に株式会社リクルート(現リクルートキャリア)に入社して勤務し、2009年の年末に当社を設立しました。設立当初はコンサルティング事業ではなく人材紹介や人材教育サービスを手掛けており、主に大学生や若手の社会人の方に対してスタートアップでインターンを受けてもらうという教育プログラムを提供していました。設立から約10年後の2019年、DXコンサルティング事業に乗り出しました。

――最初のキャリアはリクルートから始まったとのことですが、入社のきっかけを教えてください。

情熱を持って仕事をしたいという軸を持ち、業界や職種を絞らず就職活動をしていました。会社のホームページを見ても従業員の士気を肌で感じ取れず、説明会に行くことが多かったように感じます。その中で衝撃を受ける出会いが2つあり、リクルートへの道を選びました。

1つは、大手ハウスメーカーの社長とお会いした時です。会議室の小さな一室で説明会が開催されたのですが、スケールの大きい夢を語っている社長を見て、素直にかっこいいなと感じたのです。

もう1つは、工具を取り扱う専門商社の人事の方との出会いです。説明会後に人事の方へ「工具を売る仕事は楽しいのですか?」と、学生ながら失礼な質問をしたのですが、人事担当の方は「よく聞いてくれた」と楽しそうに仕事について話してくれたのです。この経験をもとに、幅広い企業や社長の話を聞くことこそ自分のやりたいことなのだと気づき、リクルートへの道を決めました。

――リクルートから起業されましたが、もともと起業志向はあったのでしょうか。また起業に踏み切るきっかけは何かありましたか?

両親が起業していて大変そうな姿を見続けてきたので、そもそも起業したいという気持ちはありませんでした。しかし、リクルート時代に3年間で300人ほどの社長とお会いする中、楽しそうに仕事に熱中する姿を見て、自分も起業したいと感じるようになりました。

起業のきっかけは、やはりリクルート時代の縁があったからこそです。出資のお話などもいただき、背中を押していただく場面も多かったように感じます。

――当初手掛けていた人材教育サービスというビジネスモデルですが、この構想はずっと練られていたのでしょうか。

構想と言えるものではありませんが、人材に関する課題やニーズはある程度感じていました。外国の知人や友人の話を聞くと、日本語と英語の2ヵ国語を話し、有名大学を卒業した優秀な方でさえも、日本でなかなか就職できないと言うのです。

一方、日本企業に外国籍の方がおらず、海外の展示会に出展してもコミュニケーションを取れずにビジネスにつながらないという課題もあると聞いていました。そこで双方の課題を解決できるよう、外国人の方に日本でインターンを受けてもらうサービスを始めました。

――教育サービスからDXコンサルティング事業に乗り出したきっかけについて教えてください。

教育サービスは引き合いこそあったものの収益化が難しく、業績が伸び悩んでいました。何か収益を出すビジネスに打って出なければ会社を存続できないと思い、DXコンサルティングを始めました。

DXコンサルティングに踏み切ったのは、私たちの教育サービスを受けた卒業生が「次はDXの時代です」と教えてくれたからです。彼らの多くが大手IT企業に就職して活躍しており、収益獲得の難しかった教育サービスがこのような形で還元されるのかと驚きました。

このようなルーツがあるため、既存のコンサルティング会社と比べて「人の成長」へのコミットを重視するようになったのです。他社とは、課題の捉え方やアプローチ方法が異なるのも、「人の成長」をゴールに決めていることに起因します。

――最後に、今後の展望を教えてください。

DXコンサルティング事業を始めた2019年から毎年、年間1.5~2倍の成長を続けている当社ですが、今後は上場を視野に入れています。上場後には、より個人の育成にコミットしたサービス開発を手掛けたいと考えています。この展望を軸に、現在は最先端のAI技術を取り入れたサービスの研究開発に力を注いでいる段階です。

定性的な展望で言うと、年齢や性別、国籍に関係なく幅広い人材を雇用し、ダイバーシティを実現した会社として世界的なロールモデルになることも目標です。ちなみに、日本は少子高齢化が他国よりも急速に進んでいるほか、デジタルにおける競争力は世界32位と低水準です。

世界経済フォーラムが調査している男女格差を数値化したジェンダーギャップ指数ランキングで、日本は146ヵ国中118位となっております。ダイバーシティどころか性差でさえ考え方が遅れています。

このような日本だからこそ、多様な人々が集まった会社が、デジタルを活用し成長していくことに社会的意義があると思っています。同じ国籍の若い世代や似た価値観の人だけを集めるのではなく、幅広い人材を集め、世代や国が異なる人たちがともに成長し合うことで会社が大きくなれば、それは世界にとって意味を成す立派なロールモデルになると確信しています。

現在はまだ、この夢に向かって歩みを進めている段階です。「人」を変えるという視点から私も会社及び自身の変化を楽しみつつ、社員全員で高みを目指せればと考えています。

GLナビゲーション株式会社 企業情報

会社名GLナビゲーション株式会社
設立2009年12月21日
資本金98,580,000円(準備金含む)
代表取締役神田 滋宣
従業員数110名
住所〒170-0005 東京都豊島区南大塚3-44-13 クレスト南大塚ビル5F
事業内容【DXコンサルティングサービス】
・DXコンサルティング
・DX Force
【教育サービス】
・Japan Wing
・Global Wing

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