ネットワークシステムの設計や構築を手掛ける株式会社プログデンス。2006年に設立した同社は事業を拡張する中で、コンサルティングサービスを中核事業に据える株式会社プログライブ コンサルティングを2023年10月に設立した。
プログライブ コンサルティングの代表取締役 中川暢也氏は、顧客に対してどのような価値を提供するのか。仲間とともに会社をどのように成長させたいと考えているのか。プログデンスで培った人とのつながりを胸に、新たな挑戦へと向かう中川氏の想いを聞いた。
中川 暢也(なかがわ・のぶや)
サーバエンジニアからキャリアをスタートし、携帯キャリアのインターネット接続サービスに関するシステム導入に従事。その後ネットワークエンジニアとしての業務を経て、2013年に株式会社プログデンスに入社。プリセールス、プロジェクトマネージャーとして従事した。
2023年10月20日、株式会社プログライブコンサルティングの代表取締役に就任。PMPの資格を保有し、顧客のあらゆる課題を想定した解決策の提案を続けている。
ITコンサルティング事業を主軸に、今後は新たな領域にも挑戦したい
——まず、御社の事業内容を教えてください。
現在主力とさせていただいているのはITコンサルティングの領域です。まだ立ち上げたばかりの会社として、課題を把握しお客様のニーズを的確に捉えることに努めています。とくに業務推進面で課題を持つお客様が多いため、その分野に特化した人材を常駐させていただきながら、お客様の事業を支えています。
当社のITコンサルティング事業の特色は、第三者目線とお客様目線でご提案することです。当社はインフラ事業から発展して設立された背景があり、社内インフラのセキュリティをどう担保するかなど、計画を立てる段階から支援させていただくことがよくあります。
クラウドサービスの導入や運用を支援するコンサルティングも特徴です。クラウドサービスは利用するリソースが増えれば増えるほどランニングコストが上がっていくものですが、たとえば負荷が集中しにくい夜間の時間帯にリソースを動的に減らすなど、コストパフォーマンスを最大化する運用方法をご提案しています。
——現在の社員数を教えてください。
正社員は8名、コンサルタントはそのうち6名。パートナー社員の方を含めると合計およそ20名のメンバーで、取締役が中心となって業務を回しています。業務自体はチームで動くことが多く、1人でお客様を担当させないようにすることで若手の育成にもつなげられればと考えています。
なお、当社は将来的にコンサルタントが要らなくなる社会を目指していきたいと考えています。お客様が自社内の人材でIT運用やDX推進を行えるようになることが理想です。お客様をご支援しつつも、当社が持つノウハウをお客様の会社や組織、人材に根付かせることを念頭に置きながら事業を展開しています。
——お客様の将来を見据えた支援ということですね。プロジェクトの期間は通常どれくらいなのでしょうか?
プロジェクトの期間は、1年以上の年単位での支援が多い印象です。長期的なご支援の中でお客様にノウハウを蓄積いただき、その中でニーズがあればプロジェクトメンバーもローテーションで変わりながら支援できればと考えています。
ただ、情報システム部門の社員を支援することが多いため、全社へのITの認知や教育、ステークホルダーの合意形成の仕方などが課題として残ってしまうことがあります。そのような中で当社のコンサルティングメンバーが次々に入れ替わると、お客様にとってはプロジェクトを進めにくくなりかねません。そのため長期で支援しつつも第三者目線で伴走し、お客様の業務内容やステータス、顕在化する課題に合わせた適切な支援体制で臨むことを心がけています。こうした体制で取り組むことで、お客様が自走できる環境を構築できればと考えています。
——今後のビジョンを教えてください。
コンサルティングと一言でいっても様々な領域がありますが、どの業種業態でもベースとなる「ITインフラ」の部分でお客様に確かな価値を提供できるようにしたいと考えています。支援させていただいているIT部門のお客様は、会社のためにどのツールを導入し、業務をどう改善すれば良いのか、日々懸命に考えていらっしゃいます。もちろん高性能で高品質なツールやシステムを導入することは大切ですが、それが「お客様にとって」最適であるかを我々は大切にしています。ツール導入を機に生産性を上げ、空いた時間や人材を新規事業などに割いて新たな価値が生まれるところまでをご支援させていただければと考えています。
——ネットワークやセキュリティといったITインフラの重要性は増しています。御社に求められることもさらに高まるのではと思います。
はい。インフラの会社から発展したコンサルティング会社ということもあり、当社には業種業態を問わず支援できるというアドバンテージがあります。しかし、経営企画や財務会計、融資業務などへ事業領域を広げていくには、何らかの専門性を持たないと難しいでしょう。今までの事業領域の延長線上を辿るのではなく、様々な経験やスキルを持つ方を採用しながら、幅広い顧客層へアプローチできればと考えています。
夢と志を持ちながら、働くことと向き合う
——御社へ入社する際に持っていてほしいスキルなどはありますか?
コンサルタントとして活躍いただくためには、お客様に代わって物事をリードして進めた経験がある方のほうが、大小問わず活躍しやすいと考えています。
またプロジェクトを進める中で、お客様とコミュニケーションを十分図れ、お客様の要望を読み取る理解力を持ち合わせた方も向いているでしょう。私たちはコンサルタントでありつつエンジニアという側面も持ち合わせているため、どうしても専門家としてコミュニケーションを取ってしまうことが多々あります。しかし、お客様は専門家ではありません。いかにお客様が理解できるように説明し、お客様のやりたいこと・要望を理解できるか。専門家としての知見やスキル以前に、こうしたコミュニケーション力や理解力が重要になると考えます。
——そのほかマインドの部分で何か求職者の方に求めることはありますか?
当社のスローガンは「夢」と「志」です。まさしくこの2つを持っている方と一緒に働きたいと思っています。「何かを成し遂げたい、何かが欲しい、こんな自分になりたい」などの夢や志自体は何でも構いませんが、自分で決めた夢や志を叶えるために努力できる人が良いです。
働く目的がなく、人に言われたことだけを取り組むような仕事の姿勢では、成長を感じられなくなります。とくに業務が多忙で忙しくなると目の前のタスクに追われ、目的をつい見失いがちになります。そのような場合、いざ自分自身を振り返ると無力感を覚えてしまうものです。
こうした無力感に苛まれないためにも、明確な目標や目的を持った方が、当社の社風に合っていると思います。何か一つの夢や志にひたむきに突き進める方に、ぜひお会いしたいと考えています。
——働くうえでの目的意識は大切ですね。
そうですね。私が社長に就任した理由の1つでもありますが、物怖じせず自分の意見を発言できる人と一緒に働きたいと考えています。自分のやりたいことをしっかり発言し、周囲の人がフォローしながらも自分自身でまずはやってみるというマインドを持っている方は、当社で大いに活躍できるのではないでしょうか。
私自身、社長になる機会に恵まれた時、恐怖はありつつも挑戦する道を選びました。今まで経験していないことに飛び込むのは勇気がいりますが、自分のメンタルを保ちつつ仲間である周囲の社員に助けられながら、挑戦しやすい企業風土を根付かせられたらと考えています。
——何でも相談し合えるような環境ということですね。和気あいあいとした職場だとお聞きしましたが、そういった環境をつくるために気を付けていることはありますか?
隔週の水曜日は全社員で顔を合わせ、会議をしつつ積極的にコミュニケーションを取るように心がけています。またオフィスのレイアウトは全員が向かい合うように設計されているため、誰がどこに座っていても顔が見える環境です。
失敗は怖いが成長したい。そんな想いに突き動かされて選んだ社長の道
——先ほど社長に就任されたきっかけについてお話がありましたが、中川社長のご経歴についてお聞かせいただけますか?
サーバエンジニアとしてIT業界に入り、1社目は某携帯キャリアのシステムを構築していました。5~6年ほど従事した後、2社目のネットワーク設計・構築を専門とする会社に転職しました。そこでも5~6年ほどネットワークエンジニアとして従事したのですが、プロジェクトマネジメントなど上流での仕事に携わりたいという想いがあったため、当社の親会社である株式会社プログデンスへ転職しました。
プログデンスでは前職・前々職のスキルを活かしつつ、入社から約7年ほどインテグレーション領域でのプロジェクトマネージャーとして従事いたしました。私の中でプログデンスに転職した動機の1つに「ずっと成長していたい」という気持ちがあったので、この挑戦は私の中でも大きなものでした。そこから部門を統括したり部長という役職になったりと立場や環境が変わる中、今後は人を育成する立場になるのか、それとも自身の成長をもっと目指すのか?という選択に迫られます。成長したいという私の気持ちはやはり変わっていなかったため、コンサルティング領域のほうに転身しました。
——挑戦の道を選んだのですね。
コンサルティング業務を通してお客様のリアルな課題を把握しながら支援することで、「お客様からの視点」を養うことができました。この事業を正式にプログデンスのビジネスにしようということで、3年前にコンサルティング事業を立ち上げました。
それから少し経ち、昨年10月にコンサルティング事業を別会社として事業化しようというお話をいただき、プログライブ コンサルティングが誕生したのです。
——どのような経緯で社長を引き受けられたのでしょうか?
最初お話をいただいた際は驚きましたが、今までプログデンスで自分なりに目標へ向かって走り続けたことを評価してくれたのかな、と思っていました。チャンスをいただけるならまずはやってみようというスタンスで、迷うことなく引き受けました。
私は基本的に失敗もしながら前に進むタイプなので、経営者として完璧に業務をこなせているとは思っていません。向いているかどうかも分かりませんでしたが、人と話したり今後どうしていきたいかという将来の話をしたりするのも好きなので、今は楽しく仕事をさせていただいています。今後もっと当社で働く仲間を増やしながら、みんなで挑戦し成長し合える環境をつくれればと考えています。
——失敗を恐れている方は多いと思うのですが、中川社長が失敗を恐れなくなったのはなぜでしょうか?
私も失敗することで傷ついたり痛みを感じたりすることは怖いです。ただその痛みへの対処法として、自分を支えてくれる環境をいかにつくれるか?というのは大切だと考えています。
たとえば辛い時こそ、「自分がダメだからこんな失敗をするんだ」と自分を責め、1人で抱え込んでしまうことがあるのではないでしょうか。それは弱い自分を見せたくないという動機からくる行動ですが、あえて仲間である社員に弱みを見せることはかなり重要だと思うのです。自分の抱えている悩みや弱みを他人へ言語化して話すことで、メンタルのバランスを保ちながら仕事と向き合えます。また弱みを見せることで仲間との距離も縮まり、「失敗しても大丈夫」と心理的安全性を育むこともできるのです。
小さな挑戦が発展・繁栄を生む
——社長が弱みを見せるというのは、部下の方の安心感にもつながりますね。
そうですね。プログデンスに入社してから明確に変わった部分でもあるのですが、自分の弱みを見せるとほかの人にも興味を持つようになりました。今までは自分のことで精一杯でしたが、人とのつながりを大切にするプログデンスの社風に感化され、いろいろな人と関わり、お互いを知りながら働くことの楽しさを見いだせたのです。
——そんなプログデンスから独立して誕生した御社。社名の由来を教えていただけますか?
プログデンスという会社がより発展・繁栄できるようにという意味を込めて「thrive(スライブ=繁栄)」という単語を組み合わせ、プログライブ コンサルティングという社名にしました。
当社の親会社であるプログデンスは、progress(プログレス=進歩)とconfidence(コンフィデンス=信頼)の造語です。プログデンスが設立された2006年当時、IT業界はブラックなイメージが根強くありました。その中で「エンジニアが成長できる環境をつくりたい」という代表の思いから信頼という単語を加え、現在のプログデンスが誕生しました。
2006年から今日までの18年間生き残ってきたプログデンスですが、私が入社してからの約10年で会社は大きくなり、成長曲線は以前と比べて緩やかになっていると感じています。より加速度的にプログデンスを成長させるには?と考えた際に「繁栄」という言葉を入れようと決めたのです。
——社名は中川社長の姿勢である失敗を恐れず挑戦する部分に通ずるところもありますね。
発展や繁栄は、小さな挑戦の積み重ねだと思っています。私たちの挑戦による知見をまずはお客様に還元し、お客様の利益につなげられるようにする。お客様の利益につながることが私たちプログデンスやプログライブ コンサルティングの次の仕事につながる。最終的には私たちの利益となって還元されるような好循環がまさしく発展であり、私の目指すところだと考えています。
当社はまだ設立したばかりで、ようやく1歩目を踏み出したところです。これから多くの仲間とともに、自分自身も会社も発展できるよう歩みを止めず駆け抜けたいと思っています。
株式会社プログライブ コンサルティング 企業情報
会社名 | 株式会社プログライブ コンサルティング ProGrive Consulting Co., Ltd. |
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設立 | 2023年10月20日 |
資本金 | 1000万円 |
株主 | 株式会社プログデンス |
代表者名 | 代表取締役社長 中川 暢也 |
事業内容 | 1. IT戦略におけるコンサルティングサービス 2. ネットワーク/システムに関する設計、構築、運用 3. ソフトウェアの開発、製作、販売 4. Webコンテンツの製作、Webソリューション及びコンサルティングサービス 5. セキュリティソリューション及びコンサルティングサービス 6. 前各号に係わる教育、研修及び資格認定の企画、立案及び実施 7. 前各号に附帯関連する一切の業務 |
所在地 | 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台2-5-1 御茶ノ水ファーストビル TEL:03-5577-6033 |