2018年に創業した株式会社セブンデックスは、企業の経営課題などの解決を支援する「ビジネス・クリエイティブ・スタジオ事業」と、人材紹介業を皮切りにHR関連ソリューションを提供する「HRソリューション事業」を展開している。創業以来手掛けるビジネス・クリエイティブ・スタジオ事業では、顧客の抱える課題の本質をとらえ、「実行者」として顧客とともに事業成長や顧客価値の最大化を目指す。
その事業は、いわゆるコンサルティングサービスとは一線を画すもので、「当社のアイデンティティである」と代表取締役の中村伸啓氏は語る。今回は中村氏とビジネス・クリエイティブ・スタジオ事業責任者の西野慎一朗氏に、同社の事業や展望を聞いた。
中村 伸啓(なかむら・のぶひろ)
2014年、大学卒業後、株式会社マイナビに入社。広告のディレクション、サービス開発を経て、2018年に株式会社セブンデックスを共同創業し、代表取締役に就任。経営戦略、事業戦略、ファイナンスを管掌。同社では「心が熱くなる未来と時代のシンボルになる企業を創る」をビジョンに、顧客起点のマーケティングとデザインを実現し、事業成長へと導くデザインスタジオ事業を展開。日本のビジネスシーンのアップデートに取り組む。
西野 慎一朗(にしの・しんいちろう)
学生時代にインターンとして不動産ベンチャーでPMを経験後、新卒で株式会社マイナビに入社。中途採用の支援を担当し、セールス・広告のディレクションを経験、全社表彰/社長賞獲得。その後マネージャーとして営業チームのマネジメントなどに従事。2020年、株式会社セブンデックスに入社。スタートアップからエンタープライズまで幅広く担当し、UXデザイナーとしてブランディング・UXデザイン・グロースなどのディレクション、プロジェクトマネジメントを担当、領域を越境して事業成長支援に従事する。2023年、ビジネス・クリエイティブ・スタジオ事業部長に就任。ビジネス・クリエイティブ・スタジオ事業全体の責任者として、案件の獲得から全般のマネジメントまで手掛ける。
2018年に創業。顧客の課題解決支援と人材サービスを事業の2本柱として展開
—代表である中村さんは、いつごろから起業を考えていましたか?
中村:私は大学時代から飲食のベンチャーでビジネスに接していましたが、将来自分がどう生きたいのかを真剣に考えるようになったのは就職活動が始まるころでした。そのタイミングで株式会社サイバーエージェントの藤田晋氏の著書を読んで感銘を受け、いずれは起業をと考えるようになりました。
就職活動で面接を重ねる中で、20代前半の社員が最前線を張っている会社が自身の時間軸にマッチしていると感じ、「伸びている業界で、一番伸びている会社に行こう」と考えていました。そうして2014年当時に飛躍的に伸びていた人材業界で、もっとも成長率の幅が大きかった株式会社マイナビを選びました。
——事業責任者である西野さんは、どのような経緯で入社したのでしょうか?
西野:私がマイナビで中途採用支援を担当していた頃、体験を価値として顧客に提供する「CX(候補者体験:Candidate Experience)」という考え方が注目を集め始め、我々の中途採用支援でもCXを取り入れていました。そうした経験を通じ、事業をつくることを軸としたキャリアに転換したいと考えるようになっていましたね。
その後、転職を具体的に考えるようになったタイミングで、マイナビ時代の上司であった中村から声をかけてもらい、入社を決めました。「体験を起点にクリエイティブを設計し、事業成長を支援する」という考え方で、デザインを軸に事業展開するセブンデックスに強く共感したことを覚えています。
——御社の事業内容を教えてください。
中村:現在当社は、「ビジネス・クリエイティブ・スタジオ事業」と「HRソリューション事業」を展開しております。ビジネス・クリエイティブ・スタジオ事業は、創業以来手掛けるクライアントワークで、企業の経営課題や事業課題の解決を支援しています。基本的にマーケティングの領域を中心として、戦略・構想策定から事業・サービス設計、グロース・改善、組織開発まで幅広い領域をサポートしています。
HRソリューション事業は今年2024年1月から開始した事業です。現在は人材紹介業として、20代〜30代のハイキャリア人材向けの転職エージェントサービスを提供しています。
今後は、採用、制度設計、組織開発などのHRに関するソリューションの展開を予定しています。
ディレクターやデザイナーといったクリエイティブというアプローチで課題解決を支援
——御社では、メンバーの職種を「ディレクター」「デザイナー」と称しています。ビジネス・クリエイティブ・スタジオ事業の業務内容を考えるとコンサルタントに近い職種と思えますが、なぜこうした名称にしたのでしょうか?
中村:当社はビジネス・クリエイティブ・スタジオ事業を、いわゆるコンサルティングサービスと一線を画すものとして展開しています。顧客がコンサルティングサービスを利用したいと考えたとき、戦略策定などの能力を求めてコンサルティングファームに依頼する、制作実務を担うプロダクションに声を掛ける、総合力を持つ広告代理店に相談する、などといった選択肢から最適な手段を選ぶのが一般的です。当社は、これらのどれとも異なる立ち位置で、それぞれの要素を併せ持ち、顧客のパートナーになりたいと考えています。
事業に「ビジネス・クリエイティブ・スタジオ」という名称を冠しているのもそのためです。これは自社のアイデンティティであり、商標も取得しています。そうした理由から、当社では「コンサルティング会社」や「コンサルタント」とは名乗りませんし、職種も「プロジェクトマネージャー」「コンサルタント」ではなく、「ディレクター」か「デザイナー」としています。
——ビジネス・クリエイティブ・スタジオ事業のプロジェクトに携わる際の平均的なチーム編成を教えてください。
中村:顧客や案件の規模によりますが、平均して3人から5人でチームを編成することが多いです。メンバーはプロジェクトを統括する管理者、ディレクター、デザイナーです。ディレクターやデザイナーは、一般的な職種ならマーケティングディレクターやブランドディレクター、UXディレクターなどに相当しますが、プロジェクトによってディレクターの担当領域は変わります。
当社のメンバーは、平均して1人あたり2社ほどのプロジェクト案件を兼務します。小規模案件を担当するなら1人が4件ほど担当することもありますが、大規模案件を1件だけ担当するケースもあります。プロジェクトの期間はまちまちですが、長期なら数年単位になることもあります。
西野:実際にやり取りする顧客は、経営層や役員クラスの方から部長クラスの方まで多様です。さまざまなビジネスモデル、さまざまな事業づくり、さまざまな工程に関わる経験ができ、経営者をはじめとする多様な方々と話す機会を通じて多くのインプットも得られます。私自身、それが転職の決め手の1つになりましたし、他社ではできない経験を積んでいると思います。
——御社の勤務形態を教えてください。
中村:週3日出社、週2日リモートワークが基本です。顧客とのやり取りを対面で実施するかオンラインで実施するかは、案件やフェーズによって担当者が都度判断します。ただしあくまで、「週3日出社、週2日リモートワーク」を前提に対応します。
顧客から常駐を求められることがありますが、当社が顧客に提供しているのはリソースではありません。チームで顧客の課題解決をサポートするサービスです。そのチームも必ず2人以上でアサインし、1人で顧客先に常駐するようなことはありません。
「問題の本質を掘り下げる志向」と「他者との共創に前向きな姿勢」のある人が力を発揮できる
——御社は現在、主にビジネス・クリエイティブ・スタジオ事業のディレクターを募集しています。御社に入社するとどのようなスキルを身につけ、どのようなキャリアパスを描けるのかを教えてください。
西野:この事業では、顧客の経営課題や事業課題に向き合って問題の本質をとらえ、クリエイティブという手段でもっとも効果的なアプローチで課題解決までをサポートします。その中でディレクターは、戦略立案から実行に至るまで一貫して担うことになります。
コンサルティングというと「顧客に伴走する」という表現を使いがちですが、当社は顧客の「伴走者」ではなく、「実行者」として事業成長をともに目指す立場だととらえています。ディレクターはプロジェクトの最前線で実行を担い、顧客の事業成長や事業価値の最大化を目指すことをミッションとします。
その経験を通じ、問題の本質を見抜く力、解決の道筋を立てる力、クリエイティブを活用するデザイナーとしての知見やスキルセットなどを身につけることができます。プロジェクトマネジメントの知見やスキルセット、経験なども習得できます。
キャリアパスには、プロジェクトを統括する管理者として複数案件を担当するポジション、あるいはチームを持つマネージャーになるといったステップがあります。ただし、メンバーの個々の希望を聞きながら柔軟に考えるよう配慮しています。
——御社に応募しようと考えている方に、持っていてほしいスキルはありますか?
中村:今回は中途採用ですので、基本的なビジネス知識とビジネスシーンにおけるモラルを持っていてほしいですね。さらに、問題解決能力、論理構築力、仮説検証能力、タスク管理能力などもプロジェクトを遂行する上で必要になってきます。逆に言えば、これらの能力だけで十分です。マーケティングなどの詳しい知識までは必ずしも求めていません。
――どのようなマインドを持つ方と一緒に働きたいと思いますか?こんな人に入ってきてほしい、こんな人と一緒に働きたいといったイメージがあれば教えてください。
西野:広告を展開する企業の中には、「ある商品に課題があるものの、その課題の本質に迫ることなく広告でどうにかしようとする」といったアプローチを取るケースが見られます。しかし、当社が手掛けるのはそういったものではありません。当社では問題の本質を徹底的に掘り下げます。そのため、問題を本質的に解決して事業を伸ばすことを志向する方は、当社でやりたいことをできると思います。そのような志向を持つ方は自分の能力を存分に発揮できるのではないでしょうか。
なお、先ほど中村から話があったように、当社ではチームで動くことになります。個々ではなく組織として強くなることにこだわっているためです。こうしたチームづくりが顧客によい成果をもたらし、会社を次のステージへ早く到達させてくれるのではと考えます。そのため当社では、他者とチームを組んで協働したり、共創することに前向きな人をメンバーに迎え入れたいと考えます。
必要なのは「ロマンとソロバン」。ビジネス・クリエイティブ・スタジオを市場に確立し、新たな価値を生み出したい
——中村さんはどのような人に入社してもらいたいと考えますか。
中村:アクティブで意欲を持った方がフィットすると考えています。当社の役割は、顧客から言われたことをそのまま実行することではありません。むしろ顧客に言われていないこと、顧客が見えていないことをするのが当社の役割なので、熱意を持って顧客と向き合える人と一緒に働きたいと思っています。
さらに、「ロマン」と「ソロバン」の両方を使える人、つまり、ソロバンを持ちながらロマンを語れる人も向いています。言われたことを実行することは、ソロバンを弾けば達成できます。しかし、答えがない中で新しい答えをつくるのは、どれだけソロバンを弾いても答えを導けません。新しい答えをつくり出すには、ロマンを語れるかどうかが重要です。こうした双方の視点を持っている人と一緒に仕事をできればと思います。
当社では主観より事実に基づいて動けるかどうかも求められます。目標や理想を実現するには、冷静に事実を受け止め、事実を前提とした最適解を導き出すことが不可欠です。仕事に対する情熱を失わないことはもちろん、加えて事実ベースで考えて行動できる人こそ当社に向いていると思います。
——最後に、今後の展望を教えてください。
西野:従来のコンサルティングサービスの多くが、コンサルティングファーム、プロダクション、広告代理店などの複数企業の分業で構成しています。しかし、当社のビジネス・クリエイティブ・スタジオ事業では、こうした従来のあり方に問題提起し、戦略から顧客体験の設計、グロースまでを一気通貫で支援するサービスを提供しています。
ビジネス・クリエイティブ・スタジオ事業のこうした強みが顧客の満足度向上に寄与すれば、数多くの実績を積めるようになるはずです。認知度も当然増すことになるでしょう。まずはこのような循環モデルを創出したいと考えています。
今回の求人を通じて、当社の事業に共感するメンバーが集まれば、より多くの顧客を支援できるようになります。その後、この事業がキャッシュエンジンとして機能するようになれば、世の中に新たな価値を提供する事業が連続的に生まれることになるでしょう。こうした成長の歩みを描きたいです。
中村:企業の課題解決をサポートするプレイヤーには、コンサルティングファームやプロダクション、広告代理店がありますが、ここに第4のプレイヤーとして、ビジネス・クリエイティブ・スタジオという存在を確立したい——。これが、当社が思い描く中長期的なビジョンです。
例えば、就活中の大学生の会話で「コンサルティングファームに就職するか、プロダクションに行くか、広告代理店か、それともビジネス・クリエイティブ・スタジオか」という選択肢が自然と出てくるようになってほしいですね。こうした会話が当たり前となってビジネス・クリエイティブ・スタジオが市場で認知されれば、世の中のマーケティングの潮流さえ変えられると信じています。
当社では、強く大きく面白い会社づくりをテーマに掲げています。たくさんの事業を創造していきたいですし、その中で若い人たちが力を発揮してキャリアを積めるような仕組みもつくっていきたい。その上で、1つの時代の潮流をつくる会社になりたいと思っています。そんな当社と一緒に歩み続けてくれる方から応募してもらえたらと思います。
株式会社セブンデックス 企業情報
会社名 | 株式会社セブンデックス |
代表者 | 中村伸啓/堀田信治 |
設立 | 2018年10月 |
本社所在地 | 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-9-9 東京建物渋谷ビル5F |
事業内容 | ビジネス・クリエイティブ・スタジオ事業/HRソリューション事業 |