【株式会社じげん取締役 執行役員 佐藤真治氏インタビュー】M&Aと多角化経営で産業課題に挑む、新たな成長戦略とは

パーパスに「UPDATE YOUR STORY~あなたを未来に~」を掲げ、インターネットを通じたプラットフォーム型ビジネスモデルを展開する株式会社じげん。M&Aを通じて多領域・多事業を手掛け、日々変革と成長を続けている。

今回は株式会社じげんの取締役 執行役員を務める佐藤真治氏にインタビュー。自身が経営する会社をじげんとM&Aすることを決意した経緯や、じげんが目指す今後のビジョンについて聞いた。

佐藤 真治(さとう・しんじ)

2006年、中央大学法学部を卒業後、人材系コンサルティング会社に入社。2008年、株式会社アイアンドシー・クルーズの創業に携わり、取締役COOとして事業全体の統括、グロースを実行。2020年、株式会社じげんへのM&A、合併に伴い転籍。2021年から執行役員、2023年から取締役に就任し、現在は、取締役執行役員ライフメディアプラットフォーム事業本部長および経営推進部部長および国内外グループ複数社の代表および役員を兼任。

目次

コンサル転職を
ご希望される方へ

コンサルネクストは、中堅コンサルティング会社に特化した転職エージェントサービスです。

  • 設立13年目の上場企業・株式会社みらいワークスが運営
  • コンサルティング会社との豊富な取引実績あり
  • 20〜30代、未経験者向け求人多数
  • 職務経歴書の添削などにも対応

無料の転職相談(登録)をする

M&Aに注力し、多角化経営を強みとする

——じげんの事業内容を教えてください。

インターネットを通じたプラットフォーム型のビジネスモデルを、複数領域に向けて展開しています。大きな区分としては、美容業界、製造業、物流業界など何かの領域に特化したHR事業である、VerticalHR領域・賃貸、リフォーム、エネルギーなどのLivingTech領域・旅行、自動車などのLifeService領域の3つにサービスを展開しています。いずれの領域もユーザーと企業など、何かと何かをつなげるビジネスとなっており、つなぐ手段はメディアであったりエージェントサービスだったりと、多岐にわたります。

また、当社は累計31件の会社および事業とM&Aによってご一緒させていただいているため、グループ会社や事業の数が多くポートフォリオ経営しているのが特徴です。

——M&Aがもたらすシナジーやメリットは何だと考えますか。

新たな領域への進出を早めたり、既存事業の成長加速など、シナジーやメリットは多数あると思います。さまざまな企業様とご一緒させていただくことはありますが、分かりやすい相互シナジーがあるパターンだと、当社と相手方の企業様が持つ得意な分野を補完し当社と相手先企業様がそれぞれの得意分野を補完し合い、効率よく成長スピードを上げられることだと考えます。例えば営業スタイルに強みを持ちながらも集客やマーケティングが苦手な会社様であれば、マーケティング分野やエンジニアリング分野を当社が支援させていただくことで大きくグロースすることが可能になります。

また、補完し互いに成長をしていきながらもM&Aでご一緒した先の企業様の独立性は尊重する方針をとっています。

——独立性を持たせるとは具体的にどういうことでしょうか。

当社では「カルチャー・コングロマリット」という言葉で表していますが、じげんのカルチャーを無理に押し付けず、その会社のカルチャーを尊重する姿勢を取っています。

創業者以来、じげんでは起業家や経営者を志す社員も多いのですが、M&Aでグループジョインいただいた会社様が必ずしもこうしたカルチャーを持っているとは限りません。「コングロマリット」とは業種の複数の会社様と統合しグループ経営を行うことを指しますが、この考え方をカルチャーに適用しているのです。

M&Aでグループジョインいただく会社様はスタートアップ企業もあれば創業から長く歴史ある企業までさまざまです。業界やエリアに特化しているなど、各社で特色も異なります。すべてじげんの文化に染めて画一的にすることが、必ずしも最善だとは考えていません。そのためM&Aを経て、資金面・人材面などを支援しながらも、各社の良い文化や経営方針を尊重し、裁量を持って事業を展開していただく方針をとっています。

戦略コンサルティング出身で事業を横断的に俯瞰できる人材を求める

——貴社の求める人材について教えてください。

戦略コンサルティング経験者の方を求めています。多角化経営を推進しているため、複数事業を俯瞰でき、プロジェクトベースで横断的に動く役割を担っていただける方が望ましいと考えています。具体的にはグループ全体を見てポートフォリオの整理、戦略立案、各事業における戦略立案、M&A戦略に携わっていただくことを想定しております。まずは横串でグループ全体に携わっていただきながら、より興味が高い、シナジーが高い事業領域においては、その後、事業サイドの経営にも携わっていただくキャリアパスも可能だと考えています。

コンサルティング会社との大きな違いは、当社は事業会社であるという点です。プロジェクトのような切れ目はなく、PMIを経て中長期を見据えた業務になります。会社の長期ビジョンに向けて、継続的に支援できる点は、コンサルティング業界出身者の方だからこそ、むしろ分かる面白みになるのではないでしょうか。

——戦略コンサルティングの経験者を求める理由についてもう少し詳細の背景について教えてください。

じげんは少数精鋭で伸びてきた会社で、付加価値の高い高度なアウトプットが求められます。そういったアウトプットに慣れているのは戦略コンサルティング経験者と相性がよいのではないかと考えているためです。もちろん事業会社出身の方でも当社にマッチする方はいると思いますが、事業会社で経営戦略に携わっていた場合でも、上流から見ていたケースと下流のみを見ていたケースなど、濃淡はさまざまです。その点、戦略コンサルティング会社のご出身の方は、高い濃度でお仕事されている方が多い印象です。

——それではマインド面における貴社の求める人物像や、アピールポイントを教えてください。

じげんは創業以来「事業家集団」を標ぼうしてまいりましたが、これからは事業を伸ばすだけではなく産業における社会課題を解決する「UPDATERs」として活躍する人材育成を目指していきます。これからの日本を支える産業の課題を解決する事業責任者としてマネジメントに携わりたいという志向の方が向いています。

事業数が多く多角化経営を行っているにも関わらず、従業員は1000名程度と、まだまだ少数精鋭な会社であること、またハイペースなM&Aにより構造的にマネジメントの数が多数必要となる会社でもあります。プライム市場に上場していますが、創業者社長が現役で経営しているためベンチャー企業のようなスピード感が残っている点も魅力だと思います。

自身がM&Aを経験したからこそ分かる、じげんの強み

——佐藤さんのご経歴を教えてください。

新卒1社目で社員10人にも満たない人材系スタートアップ企業に入社し、人材コンサルタントとして勤務していました。入社して3年ほど経った頃にリーマンショックで会社が傾いたことをきっかけに起業に踏み切り、2008年に株式会社アイアンドシー・クルーズを創業しました。

アイアンドシー・クルーズではエネルギーに関連するメディア事業やリフォーム事業などを展開していたのですが、2020年にじげんに売却します。じげんへの吸収合併を機に私自身もじげんへ転籍しました。1年目はアイアンドシー・クルーズのPMIの延長として、事業の責任者として、翌年から執行役員として複数領域の経営に携わるようになりました。現在は取締役執行役員とライフメディアプラットフォーム事業本部長、人事責任者などを担うほか、国内外グループ複数社の代表や役員を兼任しています。

——新卒1社目でスタートアップ企業を選んだ理由を教えてください。

父親が経営者だった影響で幼い頃から私自身も起業をしたいと考えていました。起業のスピード感や立ち上げフェーズから経験できると考え、スタートアップ企業を選びました。ちょうどベンチャー企業やITの領域が伸びている時代でもあり、チャレンジできる成長環境に身を置きたいという気持ちもありました。

スタートアップに在籍する中でどのように組織や事業をつくり上げていくのかをイメージしながら働けたため、比較的スムーズに起業まで踏み切ることができました。

——じげんに吸収合併した経緯について教えてください。

アイアンドシー・クルーズでもじげんと同様にプラットフォーム型ビジネスを複数展開していました。アイアンドシー・クルーズ在籍時から同様のビジネスモデルで成長し続けているじげんをずっとベンチマークしていました。アイアンドシー・クルーズもデロイトの成長企業ランキングに3年連続でノミネートされるなど大きく成長することができましたが、徐々に伸び悩んでいき、横ばいとなったタイミングにてM&Aを検討し始めました。

検討の際には、類似のビジネスを展開しており、大きく成長している会社と一緒になることが自社のサービスを使っているユーザーや取引先、従業員のセカンドキャリアにも良いだろうと考え、当時、最も成長していたじげんと経営統合することを決断いたしました。

結果として、じげんグループに入ってから大きく事業は成長していくことができました。創業者としては当時伸ばすことができなかった反省が大きく残っていますが、結果的に大きく成長できた点は、じげんグループに入るという選択は間違っていなかったと感じています。このような実体験を持ってM&Aのメリットを享受できたことも、今の仕事に活かせています。

——今後の展望やビジョンを教えてください。

じげんは多角化経営を主軸としたプラットフォーム型のビジネスモデルで成功を収めてきました。今後はその中でもよりコアとなるサイズの大きな事業をつくれるよう邁進したいと考えています。ただ事業や領域を横軸で広げるだけではなく、縦軸に深く大きくグロースさせることこそ、今後じげんが挑戦しなければならないテーマだと感じます。

また、グローバル市場への挑戦にも力を入れていきます。現時点でベトナムや東南アジア、アフリカなどで複数事業を展開していますが、このような国境を越えたビジネスもグロースさせ、グローバル市場での成長を加速させていきたいと中期では考えています。もちろん海外企業とのPMIは国内企業と比べて難易度も高くなると思います。しかし、その分やりがいもあり面白いのではないでしょうか。このような面白い仕事がじげんに増えれば増えるほど、良い人材も自然に集まります。事業領域としても組織規模としても、大きく成長させられるよう日々邁進していければと思います。

株式会社じげん 企業情報

設立2006年6月1日
代表取締役社長執行役員 CEO 平尾 丈
資本金125百万円(2024年3月31日時点)
所在地〒105-0001 東京都港区虎ノ門3-4-8
事業内容・ライフサービスプラットフォーム事業

株式会社じげん 求人情報

この企業の求人情報
株式会社じげん【オープンエントリー】
株式会社じげん【オープンエントリー】
募集概要 既に存在する求人にあてはまらない方について、オープン形式でエントリーを受け付けております。 ※ご応募いただいた背景、特に活躍されてこられたポイントなど…
スキル・経験により応相談

コンサル転職を
ご希望される方へ

コンサルネクストは、中堅コンサルティング会社に特化した転職エージェントサービスです。

  • 設立13年目の上場企業・株式会社みらいワークスが運営
  • コンサルティング会社との豊富な取引実績あり
  • 20〜30代、未経験者向け求人多数
  • 職務経歴書の添削などにも対応

無料の転職相談(登録)をする

  • この記事を
    シェア
  • Facebookでシェア
  • Xでポスト
  • LinkedInでシェア
非公開求人多数無料の転職相談(登録)をする
目次