「SDGsパートナー制度」とは、自治体が主体となり、SDGsに取り組む企業や団体を支援する制度です。登録すると、自治体が企業名や取り組みを広く公開してくれるため、企業のアピールや他企業との連携などにつながります。
本記事では、SDGsパートナー制度の概要や登録時の注意点、企業がSDGsパートナーに登録するメリットを紹介します。
SDGsパートナー制度とは?
「SDGsパートナー制度」とは、自治体が、SDGsに取り組む地域の企業や団体を支援する制度です。SDGsパートナー制度に登録した企業や団体を「SDGsパートナー」と呼びます。
この制度の目的は、自治体とパートナー、またはパートナー同士が連携して取り組むことで、SDGsに関する事業や活動を促進させることです。
SDGsパートナー制度は、全国の自治体が行っており、支援内容や取り組みは自治体により異なります。
企業がSDGsパートナー制度に登録するメリット
企業が、SDGsパートナー制度に参加することで得られるメリットは、自治体により異なりますが、主に次のものがあります。
- SDGsに取り組む企業として自治体がPRしてくれる
- 名刺やホームページなどで専用のロゴマークが利用できる
- 融資が受けやすくなる
- 登録企業・団体同士の交流の機会がある
登録すると、自治体がホームページなどで企業名や取り組みを紹介します。そのため、名刺やパンフレットなどに専用のロゴマークが使用でき、外部へのアピールや企業イメージの向上に有効です。
また、自治体によっては低金利の融資が受けやすくなる可能性があります。さらに、一定額以上の契約に関する文書提出が免除される場合もあります。
加えて、SDGsパートナー間の交流の機会を設けている自治体もあり、他企業との連携や新規ビジネスのチャンスが期待できるでしょう。
参考:企業がSDGsに取り組むべき理由とは?先進企業の取り組み事例も紹介
企業がSDGsパートナーに登録する際の流れ
SDGsパートナーへの登録の流れは、主に次のとおりです。
- 専用サイトから申請する
- 自治体による審査を受ける
- 登録・認証に関する連絡を受ける
SDGsパートナーへの登録が決定すると、自治体から連絡があります。また、場合によっては登録証が届くこともあります。登録が完了すると、専用のロゴマークなどが使用可能です。
なお、自治体によるSDGsパートナー制度では、登録や申請に費用はかかりません。
SDGsパートナーに登録する際の注意点
SDGsパートナー登録時には、以下のポイントに注意しましょう。
- 対象を確認する
- 受付期間を確認して準備を進める
- 更新が必要な場合がある
対象を確認する
SDGsパートナーに登録するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
千葉県が実施している「ちばSDGsパートナー登録制度」では、以下のような条件が定められています。
”【対象】千葉県内に事務所等を置く企業、団体、教育機関、学校法人、特定非営利活動法人、個人事業主等を対象とします。
【要件】登録はSDGsの達成に向けた活動に取り組んでいる、または取り組む意欲のある企業・団体等のうち、次の各号のすべてに該当するものについて行います。
(1)環境・社会・経済の3側面において、具体的な取組を推進すること。
(2)各取組について。具体的な目標が設定されていること。
(3)登録を受けようとする者が暴力団員等に該当しないこと。”
引用:ちばSDGsパートナー登録制度|千葉県
また、県内に事務所があっても、常駐する従業員がいない場合は対象外となる場合もあるため、事前に条件をよく確認しましょう。
受付期間を確認して準備を進める
SDGsパートナー制度の登録については、自治体によって受付方法が異なります。随時受け付けている自治体もあれば、期間を定めている自治体もあります。
例えば「青森県SDGs取組宣言登録制度」は随時申し込みが可能です。一方、「埼玉県SDGsパートナー」は年3回、決められた期間に募集を行っています。
登録を希望する自治体の受付期間を事前に確認し、必要な書類の準備などを進めてください。
更新が必要な場合がある
自治体によっては、SDGsパートナーの登録を継続するための更新手続きが必要になる場合があります。多くの場合、登録期間は3年で、期間が満了する際には更新申請を行うことで、引き続きSDGsパートナーとして登録が可能です。
また、年1回、活動の進捗状況の報告を提出しなければならない場合もあります。これらの詳細は募集要項に記載されているため、事前によく確認しておきましょう。
【2025年8月最新版】SDGsパートナー制度一覧表
地方・都道府県別のSDGsパートナー制度を一覧表にまとめました。
こちらの表は2025年8月時点の情報です。今後、新制度が開設される可能性がありますので、登録の際は「(希望の自治体)+SDGsパートナー」と検索して、最新の情報を確認してください。
北海道地方
北海道 | 札幌SDGs企業登録制度 |
東北地方
関東地方
中部地方
近畿地方
中国地方
鳥取県 | とっとりSDGsパートナー |
島根県 | ー |
岡山県 | 岡山市SDGs推進パートナーズ制度 倉敷市・高梁川流域SDGsパートナー制度 真庭SDGsパートナー |
広島県 | SDGs未来都市東広島推進パートナー |
山口県 | やまぐち海のSDGsサポーターズ 宇部市SDGs未来共創企業登録制度 |
四国地方
徳島県 | 徳島SDGsパートナー制度 |
香川県 | かがわ地方創生SDGs登録制度 みとよSDGs推進パートナー |
愛媛県 | 愛媛県SDGs推進企業登録制度 西条市SDGsパートナー 四国中央市SDGs推進パートナー 新居浜市SDGs推進プラットフォーム |
高知県 | こうちSDGs推進企業登録制度 |
九州地方
福岡県 | 福岡県SDGs登録制度 福岡市Well-being&SDGs登録制度 よしとみSDGs共創パートナー制度 のおがたSDGs推進パートナー制度 福津市SDGs宣言 |
佐賀県 | 佐賀SDGsパートナー 肥前鹿島干潟SDGs推進パートナー 鳥栖市ゼロカーボン推進パートナー |
長崎県 | 長崎県SDGs登録制度 対馬SDGsパートナーズ |
熊本県 | 熊本県SDGs登録制度 小国町SDGsパートナーシップ制度 八代市SDGsアクション宣言 |
大分県 | ー |
宮崎県 | みやざきSDGsプラットフォーム |
鹿児島県 | 鹿児島県SDGs登録制度 かごしまSDGs推進パートナー(鹿児島市) 薩摩川内市SDGs・カーボンニュートラル登録制度 奄美市SDGs推進プラットフォーム |
沖縄県 | おきなわSDGsパートナー制度 いしがきSDGs推進プラットフォーム |
まとめ
多くの自治体では、SDGsパートナー制度を導入しています。企業がSDGsパートナー制度に登録することで、自治体のサイトで紹介されるだけでなく、低金利の融資を受けやすくなったり、交流会に参加できたりと、さまざまなメリットがあります。しかも、登録に費用はかかりません。
申請の際には、SDGsへの具体的な取り組み内容や取り組んでいる目標(ゴール)、今後達成したい目標などを記載することが必要です。また、申請の受付期限が設けられている自治体もあるので、事前に確認し、SDGsへの取り組み内容をまとめておくとスムーズに申請できます。