「リスクマネジメントコンサルタントになるには?」「リスクマネジメントコンサルタントの年収はどれくらい?」という疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を
- リスクマネジメントコンサルタントの仕事内容や需要が高い理由
- リスクマネジメントコンサルタントの年収や役立つ資格
- リスクマネジメントコンサルタントが活躍できるコンサルティング会社
- リスクマネジメントコンサルタントになる方法
の順に解説します。
リスクマネジメントコンサルタントの仕事に興味がある方に役立つ記事です。
ぜひ最後までご覧ください。
リスクマネジメントコンサルタントとは
リスクマネジメントコンサルタントとは、企業・組織の内部に潜むリスクを見つけ出し、未然に防ぐための施策立案・実施をサポートするコンサルタントです。
リスクが生じてからの対応だと、企業経営や事業展開に大きな影響を及ぼします。そこでリスクマネジメントコンサルタントは、リスクを最小限にするためにサポートを提供します。
企業を取り巻くリスクにはさまざまなものがあり、セキュリティをはじめ、コーポレートガバナンス、コンプライアンス、BCPなど対応領域は幅広いです。
リスクマネジメントコンサルタント以外にも、コンサルタントにはさまざまな種類があります。他のコンサルタントにも興味がある方は、下記を参考にしてください。

リスクマネジメント業務の将来性
リスクマネジメントの重要性は、以前にも増して高まっています。
中小企業庁によると、業務の複雑化によりアウトソーシング化が加速し、外注先の業務停止による自社への影響や従業員の法令違反による品質問題など、新たなリスクが生じていると言います。
企業にはこういったリスクへの対応が求められており、専門的な知識を備えたリスクマネジメントコンサルタントへのニーズも高まっているのです。
そのため、リスクマネジメントコンサルタントは、将来性の高い職種と言えるでしょう。
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リスクマネジメントコンサルタントの需要が高い理由
どうしてリスクマネジメントコンサルタントの需要が高まっているのでしょうか?
以下でその理由を詳しく解説します。
経済犯罪が増加しているから
リスクマネジメントコンサルタントに対するニーズの高まりには、「経済犯罪の増加」が関係しています。
経済犯罪とは、資産の流用やサイバー犯罪、調達不正などの経済活動に関連した犯罪のことです。
PwC(プライスウォーターハウスクーパース)の2022年調査によると、「過去2年間に経済犯罪の被害にあった」と回答した企業の割合は46%に及ぶことがわかりました。
半数近くの企業が経済犯罪を経験している状況で、リスクを未然に防ぐためにも、リスクマネジメントコンサルタントを活用する企業が増加しています。
企業のリスクを客観的に把握できるから
リスクマネジメントコンサルタントを活用することで、企業は「客観的な視点」を得ることが可能です。社内のみでリスクマネジメントを実施する場合、内部のバイアスや先入観によってリスクを見落としてしまうケースは少なくありません。
そこで外部人材のリスクマネジメントコンサルタントを登用することで、客観的な視点からリスクを洗い出せるようになります。加えて、リスクマネジメントコンサルタントは、過去の事例や専門的な知識を有しているため、より的確な評価が可能になります。
具体的なリスク対策をサポートしてもらえるから
リスク対策をサポートしてもらえる点も、リスクマネジメントコンサルタントへのニーズが高まっている理由のひとつです。さまざまな企業や業界に携わっているリスクマネジメントコンサルタントは、多種多様なリスクシナリオを把握しています。
そのため、自社にとって最適なリスク対策を提案してもらえるだけでなく、専門的なノウハウと手法を使った実践的なサポートも受けられるのです。
リスクマネジメントの仕組みづくりができるから
リスクマネジメントコンサルタントには、リスクマネジメントの仕組みづくりをサポートすることも期待されます。リスクマネジメントを効率的に実施するためには、リスクの特定から分析、評価、対応までのプロセスを確立することが重要です。
こういったプロセスを最適化するためには、リスクマネジメントコンサルタントの知見が役に立ちます。
リスクマネジメントコンサルタントの仕事内容
リスクマネジメントコンサルタントの仕事内容についても確認しておきましょう。
以下で、リスクマネジメントコンサルタントが対応するリスクごとに仕事内容を紹介します。
財産損失
財産損失とは、火災や爆発、地震、風災害、盗難などによって、企業が所有している財産が損なわれることです。
例えば、オフィスが火災による被害を受けたり、工場で爆発事故が発生したりした際に生じる損失が該当します。
リスクマネジメントコンサルタントは潜在的なリスクを適切に評価し、防止策を立案したり、保険の導入を提案したりする役割を担います。
収入減少
収入減少とは、企業の収入源に関連したリスクのことです。
取引先の倒産や不良品の回収、経済状況の悪化、規制の変更など、あらゆる要因が収入減少につながります。
リスクマネジメントコンサルタントには、このような収入減少につながるリスクを見極めて、防止策を立案する役割が期待されます。
収入減少のリスク対策ができれば、企業経営の安定化を実現することが可能です。
人的損失
人的損失とは、従業員や関係者に関連するリスクのことです。
例えば、従業員が死亡したり、怪我を負ったりするリスクが該当します。他にも、労働災害、人事トラブル、労働訴訟などによる人材流出も含まれます。
一般的に企業の成長に伴い、人的損失のリスクは高まります。企業のさらなる成長を目指すためにも、リスクマネジメントコンサルタントを活用して、人材流出を未然に防ごうとする企業が多いです。
賠償責任
賠償責任とは、企業が第三者に対して負う法的責任のことです。
例えば、自社製品やサービスにより事故が発生したり、製造工程において環境汚染に影響を及ぼしたりする場合に、賠償責任が生じます。
損害賠償が大きくなると、企業経営をストップせざるを得ない事態に陥る可能性もあるため、リスクマネジメントコンサルタントを活用して対策を行う企業が多く存在します。
リスクマネジメントコンサルタントの年収
リスクマネジメントコンサルタントの年収は、勤務形態によって変わってきます。
会社員の場合
会社員リスクマネジメントコンサルタントの平均年収は、個人の経験やスキルによって異なります。以下が、会社員リスクマネジメントコンサルタントの年収目安です。
経験 | 年収目安 |
---|---|
入社直後 | 500〜800万円程度 |
ある程度の経験を積んだコンサルタント | 1,000万円程度 |
リーダークラス | 1,500万円程度 |
令和4年度の日本における全国平均年収は「458万円」でした。
そのため、リスクマネジメントコンサルタントは入社直後でも全国平均よりも高い収入を目指せることが伺えます。
参考:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
フリーランスの場合
フリーランスのリスクマネジメントコンサルタントの平均年収は「500〜2,000万円」程度です。
フリーランスの場合、扱える案件数やプロジェクトの規模、プロジェクト期間などによって年収が大きく変わるため、平均年収に振れ幅があります。
実績やスキルがあるリスクマネジメントコンサルタントであれば、高単価案件を獲得できるため、会社員よりも高い収入を目指せる可能性が高いです。
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リスクマネジメントコンサルタントが活躍する企業一覧
それでは、リスクマネジメントコンサルタントはどのようなコンサルティング会社で活躍しているのでしょうか?ここでは、リスクマネジメントコンサルタントが働く企業例を紹介します。
東京海上ディーアール株式会社
東京海上ディーアール株式会社は、1996年に設立された東京海上グループのコンサルティングファームです。2021年に東京海上日動リスクコンサルティング株式会社から社名が変更されました。
経営・マネジメントやコンプライアンス、自然災害、再生可能エネルギー・インフラ施設、政治・地政学リスクなど、さまざまなリスクに対するコンサルティングサービスを提供しています。
PwC Japan有限責任監査法人
PwC Japan有限責任監査法人は、BIG4の一つであるプライスウォーターハウスクーパース(PwC)のメンバーファームです。2023年12月1日にPwCあらた有限責任監査法人とPwC京都監査法人が合併して誕生しました。
同社はグローバルネットワークを生かして、内部統制、ガバナンス、サイバーセキュリティなどの幅広い分野に関するブローダーアシュアランスサービス(BAS)を提供しています。
キャリア採用においては、デジタル・ビジネスリスクコンサルタントなどの募集を行っています。
KPMGジャパン
KPMGジャパンは、BIG4の一つに位置付けられるKPMGインターナショナルのメンバーファームです。
同社はこれまでの支援で得られたノウハウを活かして、デジタルリスクマネジメントやガバナンス・リスク管理、経済安全保障・地政学リスクへの対応などを幅広くサポートしています。
KPMGジャパンでは、経営戦略策定から組織設計、ガバナンス・リスク管理体制などに対応するESG・戦略リスクコンサルタントを募集しています。
リスクコンサルティング株式会社
リスクコンサルティング株式会社とは、1978年に設立された企業です。
経営コンサルタント業務や損害保険代理業務、損害保険会社からの委託業務、生命保険の募集に関する業務などの事業を展開しています。
同社では独自のリスクマネジメント技術を活かし、保険によるリスクヘッジのコンサルティングを実施しています。
デロイト トーマツ リスクアドバイザリー
デロイト トーマツ リスクアドバイザリーとは、BIG4のひとつであるデロイト・トウシュ・トーマツです。
同社はリスクアドバイザリーサービスを提供しています。対応領域は、アカウンティング&インターナルコントロールやサイバー、ストラテジック、レギュラトリーなどです。
BIG4に関する基礎知識については、以下の記事を参考にしてください。

ニュートン・コンサルティング
ニュートン・コンサルティングとは、イギリス・ロンドンに本社を構えるNewtonグループのメンバーファームです。日本法人は、2006年11月に設立されました。
リスクマネジメント関連のコンサルティングに特化しており、戦略策定から実行までを一貫してサポートしています。
2024年10月時点では、リスクマネジメントコンサルタントやITセキュリティコンサルタントを中途採用で募集しています。
リスクマネジメントコンサルタントに役立つ資格
ここでは、リスクマネジメントコンサルタントへの転職や仕事に役立つ資格を紹介します。
RMCA-J®リスクコンサルタント資格
RMCA-J®リスクコンサルタント資格とは、日本リスクマネジャー&コンサルタント協会が認定する資格です。
リスクマネジメントに関する基礎知識・応用力をもち、リスクコンサルティングを提供できるスキルを有していることを証明できます。
資格名 | RMCA-J®リスクコンサルタント資格 |
実施団体 | 特定非営利活動法人 日本リスクマネジャー&コンサルタント協会 |
試験形式 | 一次試験:選択式及び記述式 二次試験:論述式 |
受験費用(税込) | 一次試験:5,250円 二次試験:8,400円 |
公認情報システムリスク管理者(CRISC)
公認情報システムリスク管理者は、1976年にアメリカで設立されたInformation Systems Audit and Controlによって運営されている資格制度です。
試験では「ガバナンス」・「ITリスクアセスメント」・「リスク対応および報告」・「情報技術およびセキュリティ」の分野から出題されます。
特にIT分野におけるリスクマネジメントスキルがあること証明できます。
資格名 | 公認情報システムリスク管理者(CRISC) |
実施団体 | Information Systems Audit and Control Association(ISACA) |
試験日程 | いつでも受験可能 |
試験形式 | オンライン形式 |
受験費用 | ・ISACA 会員:US $575 ・ISACA 非会員:US $760 |
公認リスク管理監査人(CRMA)
公認リスク管理監査人(CRMA)とは、The Institute of Internal Auditorsが認定している国際的な資格です。
資格試験は「リスクマネジメントに関する組織のガバナンス」・「リスクマネジメントプロセスの原則」・「内部監査人の保証の役割」・「内部監査人のコンサルティングの役割」で構成されています。
リスクとリスク・マネジメントについて経営陣や監査委員会等を啓発するスキルや知識があることを証明可能です。
資格名 | 公認リスク管理監査人(CRMA) |
実施団体 | The Institute of Internal Auditors |
受験費用 | Application Fee:US $100〜$220 Exam Fee:US$46〜$610 |
情報処理安全確保支援士
情報処理安全確保支援士とは、情報処理推進機構が実施する国家資格です。近年は社会的なIT依存が強まっており、サイバー攻撃のリスクが急増しています。
そのような背景があり、2016年に情報処理安全確保支援士が国家資格として登場しました。同資格を取得することで、リスクマネジメントコンサルタントはサイバーリスクの専門性を強化できます。
資格名 | 情報処理安全確保支援士 |
実施団体 | 独立行政法人情報処理推進機構(IPA) |
試験日程 | 令和7年4月20日、令和7年10月12日 |
試験形式 | CBT方式 |
受験費用(税込) | 7,500円 |
RMO(Risk Management in Organizaiton)
RMOは一般財団法人リスクマネジメント協会が認定する資格です。
企業の経営を安定化する上で求められるリスクマネジメント知識を多角的な視点から身につけることができます。
資格名 | RMO(Risk Management in Organizaiton) |
実施団体 | 一般財団法人リスクマネジメント協会 |
試験日程 | 令和6年10月19日(大阪)、令和6年11月2日(東京) |
試験形式 | 筆記試験 |
受験費用 | 11,000円 |
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リスクマネジメントコンサルタントになるには?
それでは、リスクマネジメントコンサルタントになるにはどうすればいいのでしょうか?
以下で、リスクマネジメントコンサルタントを目指す方法を紹介します。
リスクマネジメントコンサルタントについて理解を深める
まずは、リスクマネジメントコンサルタントの職種について理解しましょう。
コンサルタントと聞くと、クライアントへの提案やプレゼンなどの仕事をイメージする人が多いですが、リスクマネジメントコンサルタントの業務内容は多岐に渡ります。
情報収集の作業やリサーチ、資料作成など、地道な作業に取り組む時間も多くあります。イメージだけで転職を決めてしまうと、理想と現実のギャップにショックを受けてしまうかもしれません。
理想の働き方を考える
リスクマネジメントコンサルタントへの転職を検討している方は、自分にとっての理想的な働き方を考えましょう。
例えば、「若手のうちから1,000万円以上の収入を目指したい」「ワークライフバランスを重視したい」「リモートワーク中心で働きたい」などです。
就職先によって働き方が大きく変わるため、理想的な働き方を踏まえた上で企業を選ぶことをおすすめします。
リスクマネジメントコンサルタントの就職先としては、リスクマネジメント会社、監査法人・税理士法人、コンサルティングファーム、損保会社などが挙げられます。
必要なスキルを身につける
リスクマネジメントコンサルタントへの転職を決めた方は、必要なスキルを身につけることが大切です。
リスクマネジメントコンサルタントは、実践的なスキルや専門性が求められる仕事なので、スキルが不足していると転職の成功率が下がってしまいます。
例えば、リスクマネジメントの知識をはじめ、法務・財務・人事労務などの幅広い知識、仮説思考、論理的思考力などが挙げられます。
業務未経験の方は、上記で紹介した資格取得等もあわせて検討しましょう。
選考対策をする
リスクマネジメントコンサルタントを目指す方は、選考対策を徹底することが大切です。
コンサルティング業界の選考では、候補者のポテンシャルを判断するために特別な選考が行われることがあります。
例えば、第二新卒の選考プロセス例は以下の通りです。
- 書類選考
- 適性テスト
- ビヘイビア面接(職務経歴書に沿って人物に関する質問が行われる)
- ケース面接(課題の解決能力が測られる)
- 最終面接
コンサルティングファームによって、選考プロセスは異なります。採用に関する情報を集めて万全に対策をすることが重要です。
ケース面接の対策方法については、以下の記事を参考にしてください。

転職エージェントを活用する
転職活動を効率化させたい方は、転職エージェントを活用しましょう。
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自分で求人情報を探す手間を省けるため、スケジュールが忙しい人にもおすすめです。なお、コンサルタントへの転職をする場合、コンサルタント転職に強みを持ったサービスを利用すると良いでしょう。
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まとめ
今回の記事では、リスクマネジメントコンサルタントへの転職に興味がある方に向けて、リスクマネジメントコンサルタントの仕事内容や平均年収、役立つ資格などについて解説しました。
リスクマネジメントコンサルタントは、健全な企業経営を実現するために重要な役割を担います。そのため、リスクマネジメントコンサルタントへの需要は高まっており、将来性が高い職種のひとつでしょう。
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