「ビジネスアナリストとコンサルタントの違いとは?」「ビジネスアナリストとコンサルタントの年収はどれくらい違う?」という疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を
- ビジネスアナリストとコンサルタントにおける仕事内容の違い
- ビジネスアナリストとコンサルタントの年収や必要なスキル
- ビジネスアナリスト・コンサルタントへの転職を成功させる方法
の順に解説します。
ビジネスアナリスト、もしくはコンサルタントへの転職に興味がある方に役立つ記事です。ぜひ最後までご覧ください。
【基礎知識】ビジネスアナリストとコンサルタントについて
まずはビジネスアナリストとコンサルタントについて、それぞれの基礎知識を確認しておきましょう。
ビジネスアナリストとは
ビジネスアナリストとは、業務分析の専門家としてクライアントの課題解決を支援する職業です。具体的には、クライアントの抱える課題を分析し、要求を策定した上で業務改善に役立つ施策を立案・推進する役割を担います。
海外では一般的なビジネスアナリストという職業ですが、日本においては職業として確立されていません。実際にSEやコンサルタントが業務分析に対応しているケースも多いです。
しかし、専門的な人材育成を推し進めていくためには、ビジネスアナリストの役割に対する理解が必要と言われています。
コンサルタントとは
コンサルタントとは、クライアントの経営・事業における課題を特定し、最適なソリューションを提供する職種です。近年は施策の立案から実行までを一貫して行うコンサルタントが増加しています。個別の企業や業界によって重要な課題は異なるため、コンサルタントにはさまざまな種類が存在します。
以下の記事では、コンサルタントの種類について紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
ビジネスアナリストとコンサルタントの違い
ビジネスアナリストとコンサルタントの違いを仕事内容ごとに解説します。
ITシステム開発
ITシステム開発のフェーズにおいては、対応する範囲が異なります。ビジネスアナリストはクライアントへのヒアリングを実施し、業務フローや課題の分析、要件定義までがメイン業務です。
一方、クライアントはビジネスアナリストの分析結果に基づいて、クライアントの経営課題解決に必要なシステムの仕様を提案します。
マーケティング
マーケティング領域におけるビジネスアナリストとコンサルタントの違いは、プロジェクト内での役割です。ビジネスアナリストは売上規模や顧客動向をリサーチし、分析結果をまとめる役割を担います。
一方、コンサルタントの役割はクライアントのブランドイメージや商品・サービスの位置付けなどを踏まえた上で、販売戦略を立案することです。
営業
営業においては、ビジネスアナリストとコンサルタントでは提案する内容が変わってきます。ビジネスアナリストはクライアントの優位性や市場を分析し、商品・サービスを展開していく「ターゲット」を提案します。クライアントはビジネスアナリストの提案を踏まえた上で、「自社商品・サービスの販売戦略」を提案することが多いです。
商品企画
商品企画では、提案を考案する上で重視するポイントが変わってきます。ビジネスアナリストは市場のトレンドや自社技術を調査し、新たな商品・サービスを提案します。一方、コンサルタントはクライアントの事業計画に重点を置いており、計画達成に必要な商品企画の提案を行います。
ビジネスアナリストとコンサルタントの年収
ビジネスアナリストとコンサルタントの年収にはどれくらいの差があるのでしょうか?以下でそれぞれの平均年収を紹介します。
ビジネスアナリストの年収
ビジネスアナリストの平均年収は「764万円」程度です。ただし、ビジネスアナリストは日本ではまだ確立されていない職種であるため、年収は460〜1,300万円と振れ幅があります。
とはいえ、日本全体における平均年収「460万円」と比較すると、ビジネスアナリストの平均年収は高い傾向にあります。
参考:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」
コンサルタントの年収
コンサルタントの年収は、コンサルティングファームの規模や職位、個人のスキル等によって大きく左右されます。
以下の表で役職ごとの年収の目安をまとめました。
役職 | 平均年収 |
---|---|
アナリスト | 500〜600万円程度 |
コンサルタント | 600〜1,000万円程度 |
シニアコンサルタント | 800〜1,200万円程度 |
マネージャー | 1,000〜1,500万円程度 |
シニアマネージャー | 1,500〜2,000万円程度 |
ディレクター・プリンシパル | 2,000万円程度 |
パートナー | 2,000〜3,000万円程度 |
コンサルタントの平均年収は「422万円」というデータもありますが、実力や経験があるコンサルタントであれば、若手のうちから年収1,000万円を超えているケースも少なくありません。
なお、フリーランスコンサルタントの平均年収は「1,200万〜1,800万円程度(ITコンサルタントの場合)」と水準が高いです。
ビジネスアナリストとコンサルタントに必要なスキル
ここでは、ビジネスアナリストとコンサルタントに必要なスキルをまとめました。
ビジネスアナリストに必要なスキル | コンサルタントに必要なスキル |
---|---|
・ビジネスに関する専門知識 ・情報分析能力 ・コミュニケーションスキルなど | ・マーケティングスキル ・プレゼンテーションスキル ・論理的思考力など |
両者で必要なスキルが重なる部分もありますが、特に求められるスキルについて以下で解説していきます。
ビジネスアナリストに必要なスキル
まずビジネスアナリストに必要なスキルから確認していきましょう。
ビジネスに関する専門知識
ビジネスアナリストにはビジネスに関する専門知識が求められます。
例えば、クライアント企業に関する知識や、業界内のニュース、最新トレンドなどがインプットできていないと、ニーズにあった戦略を立案できません。
情報分析能力
ビジネスアナリストの役割は、業務分析の専門家としてクライアントの課題解決を補助することです。
情報分析能力がないと、仮説に基づいてデータを適切に分析できません。加えて、データを読み解くためにプログラミング知識が必要になるケースもあります。
コミュニケーションスキル
ビジネスアナリストは、多種多様な人と連携しながら仕事に取り組みます。
コミュニケーションスキルがないとやり取りを円滑にできないため、プロジェクトの進行にも影響が及ぶでしょう。
コンサルタントに必要なスキル
続いて、コンサルタントに求められるスキルを紹介します。
マーケティングスキル
意外と思われるかもしれませんが、コンサルタントにはマーケティングスキルが求められることがあります。
例えば、業界内でどのような課題があるのか、ニーズはどのように変容しているのかなどを見極めるスキルです。マーケティングスキルがあれば、長期的な視点から仮説を立てられるようになります。
プレゼンテーションスキル
プレゼンテーションスキルは、クライアントへ提案する際に必要になります。いくら質の良い提案内容であってもわかりやすく伝えられないと、クライアントを納得させることは難しいでしょう。
同時にわかりやすい資料を作成するドキュメンテーションスキルも求められます。
論理的思考力
論理的思考力はコンサルタントに共通して求められるスキルです。
コンサルタントは複雑な課題を紐解き、ロジックを立てて最適な解決策を考案します。論理的思考ができないと、ロジックを示せずに質の良い提案ができません。
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ビジネスアナリストとコンサルタントに役立つ資格
ビジネスアナリストとコンサルタントに役立つ資格等は、以下の通りです。
ビジネスアナリストに役立つ資格 | コンサルタントに役立つ資格 |
---|---|
・CCBA ・CBAP ・統計検定 | ・MBA ・キャリアコンサルタント ・PMP |
以下で、それぞれの資格概要について紹介します。
ビジネスアナリストに役立つ資格
まずはビジネスアナリストに役立つ資格を紹介します。
CCBA
CCBA(Certification of Competency in Business Analysis)とは、カナダ・トロントに本部を構える非営利団体のInternational Institute of Business Analysisによって実施される認定資格です。
ビジネスアナリストとして数年経験がある人を対象にしており、中級程度のスキルを有していることを証明できます。
資格名 | CCBA(Certification of Competency in Business Analysis) |
実施団体 | International Institute of Business Analysis |
試験形式 | オンラインリモート監督形式 |
受験費用 | ・申込料:145ドル ・受験料:250ドル〜405ドル ・再試験料:195ドル〜350ドル |
CBAP
CBAP(Certified Business Analysis Professional) とは、CCBAと同じくInternational Institute of Business Analysisが運営する認定資格制度です。
ビジネスアナリストとして5年以上の経験がある人を対象にしており、上級者向けの資格と言えます。業務分析の高い専門性を持った人材として評価されやすくなります。
資格名 | CBAP(Certified Business Analysis Professional) |
実施団体 | International Institute of Business Analysis |
試験形式 | オンラインリモート監督形式 |
受験費用(非課税) | ・申込料:145ドル ・受験料:350ドル〜505ドル ・再試験料:295ドル〜450ドル |
統計検定
統計検定とは、一般財団法人統計質保証推進協会が実施する認定資格です。
同資格取得により統計に関する知識や活用力が身に付くため、ビジネスアナリストとしてもデータ読み取りスキルや分析力を強化できます。
資格名 | 統計検定 |
実施団体 | 一般財団法人統計質保証推進協会 |
試験形式 | 論述式 |
受験費用(税込) | 6,000円 |
コンサルタントに役立つ資格
続いて、コンサルタントに役立つ資格を紹介します。
MBA
MBA(Master of Business Administration:経営学修士)は資格ではありません。ビジネススクールなどで修士課程を修了することで得られる学位です。
MBAの学位取得に向けて、経営管理に関する知識を網羅的に身につけられます。グループワークや課外学習などもあり、リーダーとしての実践力も高められます。
ビジネスパーソンとしての土台が作れるため、高度なビジネススキルが求められるコンサルタントの仕事にも活かすことが可能です。
IT関連資格
コンサルタントとしての活躍の幅を広げたい人は、IT関連資格も取得しておきましょう。
ITコンサルタントではなくても、コンサルタントにはITスキルやリテラシーが求められます。どの分野の課題においてもITは欠かせない要素となっているためです。
例えば、ITストラテジストやITサービスマネージャー、SAP認定資格などの資格を取得すると良いでしょう。
PMP
PMP(Project Management Professional)とは、一般社団法人のPMI日本支部が実施する認定資格制度です。
プロジェクトマネジメントの専門家に必要なスキルを身につけられます。コンサルタントからマネージャーへの昇進を狙っている人は、同資格を取得しておくと良いでしょう。
資格名 | PMP(Project Management Professional) |
実施団体 | 一般社団法人 PMI日本支部 |
試験形式 | CBT形式 |
受験費用(非課税) | 地域や会員の価格ルールによって異なる |
ビジネスアナリストとコンサルタントを目指す方法
それでは、どのようにビジネスアナリストとコンサルタントを目指せばいいのでしょうか?
ビジネスアナリストを目指す方法
ビジネスアナリストになるために、特別な資格は必要としません。
ただし、業務分析という重要な役割を担うビジネスアナリストには、高度なスキルが求められます。そのため、未経験からビジネスアナリストを目指したい方は、まずスキルアップに力を入れることが大切です。
例えば、統計検定を取得したり、統計データを読み取るスキルを強化したりすると良いでしょう。
コンサルタントを目指す方法
ビジネスアナリストと同じく、コンサルタントになるために必要な資格はありません。
しかし、競争率の高い大手コンサルティングファームを目指す場合、現職からの大幅な年収アップを実現したい場合は、やはりスキルアップが重要です。
MBA(経営学修士)や中小企業診断士など、難易度の高い資格や学位を持っておくと、評価されやすくなるでしょう。
さらに、コンサルタントの種類によっても求められる知識が大きく異なるため、どの領域のコンサルタントを目指したいかを明確にすることが大切です。
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ビジネスアナリスト・コンサルタントへの転職を成功させる方法
ビジネスアナリスト・コンサルタントへの転職は容易ではありません。以下で、転職を成功させるためのポイントを押さえておきましょう。
職種について理解を深める
職種理解は、転職活動において重要なプロセスのひとつです。
職種に対する理解を深めずイメージだけで転職してしまうと「理想としていた働き方を実現できない」「想像していた仕事と違った」といった事態が発生してしまいます。
現在はインターネットなどで数多くの職業インタビューが公開されています。また、目指している職種の方に実際に話を聞くことも重要です。
コンサルネクスト.jpではインタビュー記事を数多く公開しているので、ぜひチェックしてみてください。
自分の適性を見極める
ビジネスアナリストやコンサルタントを目指している方は、自分の適性を見極めましょう。
個人によって得意とすることや理想的な働き方は大きく異なります。
例えば、コミュニケーションが苦手な人にとっては、さまざまな人と関わる機会が多いビジネスアナリストやコンサルタントは向いていません(1人で黙々作業する職種など、他に向いている職種があります)。
そのため、自己分析をした上で転職活動をスタートすることが大切です。
業界・企業情報を収集する
職種理解や自己分析と同じく、業界・企業情報のインプットも重要な工程です。
業界や企業の動向を把握しておくことで、企業が求める人物像や必要なスキル、実現可能なキャリアプランなどを明確化させることができます。
具体的には、最新ニュースや業界誌、企業サイト(採用サイト)、転職コラムなどに目を通すと良いでしょう。
転職エージェントを活用する
ビジネスアナリストやコンサルタントへの転職を成功させたい方は、転職エージェントを活用することをおすすめします。
転職エージェントでは、求人情報を紹介してもらえるだけでなく、書類や面接に関するアドバイスや、その他転職に関する相談など、手厚くサポートしてもらえます。
ただし、転職エージェントにはさまざまなサービスがあるため、自分が目指したい職種の求人をどれくらい持っているかを確認しておきましょう。
コンサルネクスト.jpは、コンサルタント転職に特化したエージェントです。ITコンサルタントや戦略コンサルタント、経営コンサルタントなど、さまざまな求人情報を紹介しているので、ぜひご確認ください。
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ビジネスアナリスト・コンサルタントに関するFAQ
ここでは、ビジネスアナリスト・コンサルタントに関するFAQを紹介します。
ビジネスアナリストとプロジェクトマネージャーの違いは?
ビジネスアナリストとプロジェクトマネージャーの違いは「プロジェクトでの役割」です。
ビジネスアナリストは「業務分析」が主な役割であり、クライアントへのヒアリングを実施し、定義をまとめるまでを担当します。
一方、プロジェクトマネージャーは「プロジェクト管理」が主な役割です。そのため、プロジェクトの開始から終了まで、スケジュールやコスト、進捗などの管理を行います。
日本企業におけるビジネスアナリストの特徴とは?
ビジネスアナリストは日本では依然として確立されていない職種です。そのため、日本企業においてはビジネスプロセスの管理・変革を専門的に扱うポジションが少ないという特徴があります。
ただし、日本においても潜在的なビジネスアナリスト(実質的にビジネスアナリストの仕事に対応している人 )は数多く存在すると言われています。
未経験からコンサルタントになれる?
結論から述べると、未経験からコンサルタントを目指すことは可能です。
新卒採用に力を入れているコンサルティングファームもありますが、コンサルティング業界では中途採用が活発に行われています。
特に第二新卒~社会人経験10年程度であれば、未経験からコンサルタントを目指しやすいとされています。前職での経験に加えて、ポテンシャルも見られるためです。
40代〜50代から未経験でコンサルタントを目指すことは不可能ではありませんが、ハードルは高くなります。
コンサルタントの仕事はなぜきつい?
コンサルタントの仕事に対して「業務がきつい」「コンサルタントはやめとけ」というイメージをもつ人は少なくありません。
これらの背景としては、スケジュールが忙しくなりやすい、プレッシャーが大きいなどが関係しているでしょう。しかし、コンサルタントはクライアントの経営に携わったり、さまざまなスキルを駆使して業務に取り組んだりするため、やりがいの大きい仕事でもあります。
自身のキャリアイメージや重視するポイントを明確化した上で、コンサルタントへの適性を見極めることが大切です。
まとめ
今回の記事では、ビジネスアナリストとコンサルタントの違いについて解説しました。
ビジネスアナリストとコンサルタントには多くのポイントで違いがありますが、ビジネスアナリストのほうがシステム開発者との接点が多いです。
それぞれの職種について理解して、ぜひご自身のキャリアについて考えてみてください。
コンサルタントへの転職をお考えの方は、コンサルタントに特化したエージェントサービス「コンサルネクスト.jp」をおすすめします。
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